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スライムダンジョン⑤
顔を見合わせる冒険者の皆さん。
「私達はボス部屋に挑みたいなのです。ちょっと早く帰りたいので、譲っていただけたなら、ドロップ品と宝箱はすべてお譲りします」
隣のルージュが姿勢を低くすると、すう、と後退り冒険者の皆さん。
「ちょっと待ってくれ」
と、リーダー格の冒険者さんが集まる。
こそこそ。
「「「はい、どうぞ」」」
「ありがとうございます」
快く譲ってくれた。
お互いにペコリペコリ。
開けてくれた道を進む。
ボス部屋への道は薄暗い、焚き火のように木が山のように重なっているから光を遮断している。薄暗いが狭くない。ルージュが先頭で、直ぐ私と父、コハクとヒスイ。そして、ホークさん、マデリーンさん。最後尾にファングさんとリィマさん。
「ねえ、お父さん」
「ん」
「ボス部屋さ、きっとルージュが開けると思うんよ。やけん、変なのが出んか見てくれん」
「よかよ」
程なくして、ボス部屋に到着。
『ユイ。私が開けるわよ』
「ちょっと待ってね、お父さん、どう?」
「うん、ルージュが開けてもそのアシッドスライムは出るけど大型でらなかな。いつもの王冠スライムと特殊個体の王冠スライムが出るみたい。もちろん小型のスライムもわんさか出るよ」
『問題ないわ。だけど火はやめておきましょう。コハク、いいわね』
『はーい、かーちゃん』
「ルージュ、念の為に、ボス部屋は私が開けるけんね」
『大丈夫よユイ、心配いらないわよ』
「でもさ、わんさか出るんやろ? ビアンカもアレスもおらんし」
いつもなら、レベル五百のルージュやビアンカが扉を開けたら、決して単体でボス部屋は挑まない。出てくる数が半端ないからだ。ビアンカ=仔達なこともない。若手筆頭のオフィーリアにですら、未だに勝てないのに。
『大丈夫よ、コハクもヒスイも十分に力をつけているわ』
『ねーちゃん、わい、大丈夫やねんっ』
『ヒスイだってできるもんっ』
コハクとヒスイが、むんっ、みたいな顔で言ってくる。くっ、この顔に弱かのよっ。私は折れたが、助力を願う。ホークさん、マデリーンさん、リィマさんに初撃参加をお願いする。
「ユイさん、全然構いませんよ」
と、基本的に外出時は冒険者スタイルのホークさんが、マジックバッグから弓と矢筒を取り出している。
「私もですよ」
いつもの樫の杖を握るマデリーンさん。
「これくらいなら構わないさ」
リィマさんも矢筒をマジックバッグから取り出して装備している。
「テイマーさん、石くらい投げられるぞ」
と、いつの間にか赤ちゃんの拳大のいくつも持ったファングさん。よろしいお願いします。
『コハク、ヒスイ、先に戦闘モードになりなさい。私は扉を開けてからモードに入るわ。私が突入するまで、魔法を叩き込みなさい。それか、コハクとヒスイは突入よ』
『『はーい』』
うーん、やっぱり心配やなあ。
本日は稼働するかな?
神様、コハクとヒスイ、皆さんをお守りください。
いいよー
いいよー
いいよー
あ、お返事がっ。魔力が抜ける。
これは魔法の三柱神様だっ。
『我はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
コハクとヒスイが揃って集中を始める。
『仇なす敵を切り裂く力よ、我が爪に宿れ、大地の刃とならん』
『私の前に立ちはだかる、愚かなるモノ達に、風の刃を下そうぞ』
コハクには茶色のライン、ヒスイには翠のラインが浮かぶ。あんなに小ちゃかったのに。立派になったねえ。
「凄かなあ」
コハクとヒスイの戦闘モードを間近で初めてみた父が、思わず呟く。私と父と少し後退して眺めている。ホークさん達もしっかり構えている。
ルージュはそれを横目で確認して、扉を押し開ける。
『戦闘モード 大地の鉾』
『戦闘モード 風乙女』
同時に戦闘モード発動する。
そして、コハクは土の塊、ヒスイは風の刃を連射。ホークさんとリィマさんはつがえた矢を次々に放ち、マデリーンさんは水の矢をテンポよく連射。ビアンカのようにガトリングの様ではないけど、凄かなあ。苦手と言っていた水魔法を使いこなしている。ファングさんはアンダースローのように石を放っている。ファングさん、力強いから、ものすごい速度や。あれ、立派な攻撃やな。
で、ルージュは、と。
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
ルージュの口上が始まる。
『光よ、すべてを照らし出せ』
ルージュの白い体に、輝くラインが、額にはティアラの様な模様が浮かぶ。
『戦闘モード 光の貴婦人』
ルージュの戦闘モード完成。
「凄かなあ」
父がルージュの間近で見た戦闘モードに、惚れ惚れとした声を上げる。先日、ピアちゃんを質の悪い魔道具を解除したものとはまったく別物だからね。あの調律モードは神々しいイメージだけど、この戦闘モードは威風堂々とした感じがある。
『コハクッ、ヒスイッ、続きなさいっ』
ルージュは光の残像を残して、弾丸のように飛び込んでいった。
「私達はボス部屋に挑みたいなのです。ちょっと早く帰りたいので、譲っていただけたなら、ドロップ品と宝箱はすべてお譲りします」
隣のルージュが姿勢を低くすると、すう、と後退り冒険者の皆さん。
「ちょっと待ってくれ」
と、リーダー格の冒険者さんが集まる。
こそこそ。
「「「はい、どうぞ」」」
「ありがとうございます」
快く譲ってくれた。
お互いにペコリペコリ。
開けてくれた道を進む。
ボス部屋への道は薄暗い、焚き火のように木が山のように重なっているから光を遮断している。薄暗いが狭くない。ルージュが先頭で、直ぐ私と父、コハクとヒスイ。そして、ホークさん、マデリーンさん。最後尾にファングさんとリィマさん。
「ねえ、お父さん」
「ん」
「ボス部屋さ、きっとルージュが開けると思うんよ。やけん、変なのが出んか見てくれん」
「よかよ」
程なくして、ボス部屋に到着。
『ユイ。私が開けるわよ』
「ちょっと待ってね、お父さん、どう?」
「うん、ルージュが開けてもそのアシッドスライムは出るけど大型でらなかな。いつもの王冠スライムと特殊個体の王冠スライムが出るみたい。もちろん小型のスライムもわんさか出るよ」
『問題ないわ。だけど火はやめておきましょう。コハク、いいわね』
『はーい、かーちゃん』
「ルージュ、念の為に、ボス部屋は私が開けるけんね」
『大丈夫よユイ、心配いらないわよ』
「でもさ、わんさか出るんやろ? ビアンカもアレスもおらんし」
いつもなら、レベル五百のルージュやビアンカが扉を開けたら、決して単体でボス部屋は挑まない。出てくる数が半端ないからだ。ビアンカ=仔達なこともない。若手筆頭のオフィーリアにですら、未だに勝てないのに。
『大丈夫よ、コハクもヒスイも十分に力をつけているわ』
『ねーちゃん、わい、大丈夫やねんっ』
『ヒスイだってできるもんっ』
コハクとヒスイが、むんっ、みたいな顔で言ってくる。くっ、この顔に弱かのよっ。私は折れたが、助力を願う。ホークさん、マデリーンさん、リィマさんに初撃参加をお願いする。
「ユイさん、全然構いませんよ」
と、基本的に外出時は冒険者スタイルのホークさんが、マジックバッグから弓と矢筒を取り出している。
「私もですよ」
いつもの樫の杖を握るマデリーンさん。
「これくらいなら構わないさ」
リィマさんも矢筒をマジックバッグから取り出して装備している。
「テイマーさん、石くらい投げられるぞ」
と、いつの間にか赤ちゃんの拳大のいくつも持ったファングさん。よろしいお願いします。
『コハク、ヒスイ、先に戦闘モードになりなさい。私は扉を開けてからモードに入るわ。私が突入するまで、魔法を叩き込みなさい。それか、コハクとヒスイは突入よ』
『『はーい』』
うーん、やっぱり心配やなあ。
本日は稼働するかな?
神様、コハクとヒスイ、皆さんをお守りください。
いいよー
いいよー
いいよー
あ、お返事がっ。魔力が抜ける。
これは魔法の三柱神様だっ。
『我はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
コハクとヒスイが揃って集中を始める。
『仇なす敵を切り裂く力よ、我が爪に宿れ、大地の刃とならん』
『私の前に立ちはだかる、愚かなるモノ達に、風の刃を下そうぞ』
コハクには茶色のライン、ヒスイには翠のラインが浮かぶ。あんなに小ちゃかったのに。立派になったねえ。
「凄かなあ」
コハクとヒスイの戦闘モードを間近で初めてみた父が、思わず呟く。私と父と少し後退して眺めている。ホークさん達もしっかり構えている。
ルージュはそれを横目で確認して、扉を押し開ける。
『戦闘モード 大地の鉾』
『戦闘モード 風乙女』
同時に戦闘モード発動する。
そして、コハクは土の塊、ヒスイは風の刃を連射。ホークさんとリィマさんはつがえた矢を次々に放ち、マデリーンさんは水の矢をテンポよく連射。ビアンカのようにガトリングの様ではないけど、凄かなあ。苦手と言っていた水魔法を使いこなしている。ファングさんはアンダースローのように石を放っている。ファングさん、力強いから、ものすごい速度や。あれ、立派な攻撃やな。
で、ルージュは、と。
『私はクリムゾンジャガー、血の轍を紡ぐもの』
ルージュの口上が始まる。
『光よ、すべてを照らし出せ』
ルージュの白い体に、輝くラインが、額にはティアラの様な模様が浮かぶ。
『戦闘モード 光の貴婦人』
ルージュの戦闘モード完成。
「凄かなあ」
父がルージュの間近で見た戦闘モードに、惚れ惚れとした声を上げる。先日、ピアちゃんを質の悪い魔道具を解除したものとはまったく別物だからね。あの調律モードは神々しいイメージだけど、この戦闘モードは威風堂々とした感じがある。
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ルージュは光の残像を残して、弾丸のように飛び込んでいった。
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