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スライムダンジョン⑪
以前、白夜との対戦で見せた、とは違う。
あの時は空に向かって命令口調だったけど、今回は地面から轟くような感じだ。
『灼熱の太陽を飲み込み、生きとし生けるものの息吹を奪え、緑成す大地に反逆の氷柱を放て』
内容物騒すぎやしないっ? アレスの横顔が、今までにないほど物騒になってるっ。冷たっ、寒いっ、夏なのにっ。アレスの足元が、パキパキと鳴り、凍りつき始める。
「ひっ」
私と一緒に下がった冒険者のパーティの誰かが、喉に引っかかるような悲鳴を上げている。
「きゅーんっ」
ウインディも情けない声をあげる。私はシルフィ達を更に後退させる。
空気が一気に温度が下がる。息を吸うと、肺が軋みそうだから、思わず口元を覆う。
アレスの白い毛並み、首あたりに煌めく白い結晶が現れる。まるで、細かく鋭い氷柱が鬣のように囲っている。あ、地面の凍りいていた部分が広がっている。
あ、まずいっ。
「ホークさん、皆さんっ、下がってっ」
私は叫ぶ。
凍りついた部分が広がり、初撃を放っている面々に迫っていた。ホークさんは他のメンバーに指示して、こちらに後退するように移動開始、こちらに駆けてくる。
しかし、
「アリスッ、こっちおいでっ」
後ろでアレスが戦闘モードになって、影響で冷気が迫っているのに、アリスは微動だにせず、闇色の矢をガトリングの様に放っている。氷はまるで蔦のように広がり、とうとうアリスの足に絡みつくが、アリスは魔法を緩めない。
「アリスッ」
私の叫びに振り返りもせず、アリスは足に氷の蔦に絡まれようが変わらず闇色の矢を連射する。アリスに駆け寄ろうとしたが、こちらに避難してきたホークさんが、私の肩に腕を回す。
「ユイさん危険ですっ」
「でもアリスがっ」
「アリスさんなら大丈夫ですよっ」
ホークさんの声に冷静になるが、氷の蔦は、ますますアリスに絡みついていく。僅かに沸いた冷静さが、徐々に失せていくが、アリスはまったく表情を変えずに、闇色の矢を放っているから、なんとか冷静と焦りの天秤が均衡を保つ。
アレス強烈な冷気を放ちながら、その口から蒸気があがる。冷気の蒸気が。
『戦闘モード 氷殺の暴君』
白い輝き放つ鬣を纏ったアレスが、体を低くした瞬間。白い残像を残して、アリスを飛び越してボス部屋に突入していく。わすがな瞬間だ。
扉は直ぐに閉まる。そして、静まり返る。
「アリスッ、大丈夫ねっ」
私はアリスに駆け寄る。
「わふんっ」
当のアリスは問題ないと言わんばかりだ。しゅー、と音がすると、凍りついたアリスの足から湯気が上がる。その間もボス部屋の扉が、真っ白に染まる。おそらく中でアレスがやってる戦闘の影響なんやろう。アリスが足を氷から引き抜く。
「わふんっ」
下がろうと促されるので、素直に従う。寒いからね。
中が気になるが、アレスが下手をするとは思えない。やりすぎないかが心配だけど。
どれくらいしたか、ボス部屋の扉が開く。途端に溢れる真っ白な冷気。予想していたが、やっぱり寒かっ。
『終わったのだー』
そして出てくるいつものアレス。
「アレス、あんた平気なん? 寒くないん?」
『? 全然大丈夫なのだっ』
立派な毛皮着てますからね。
ケガがないなら良かね。
「ホークさん、私、アレス達に水分補給させますから、ドロップ品の回収お願いします」
「はい、ユイさん」
私はエマちゃんと手分けしてアレスとアリスに水分補給。こちらを伺うように見てくるのは、先程、私が下がるように言った冒険者パーティだ。色々聞きたいが、聞けない、そんな雰囲気だ。ちょっと引き気味なのは、気の所為。
『主よ、腹が減ったのだ』
「わふんっ」
なんと呑気な。
まあ、時間的に夕御飯の時間に近い。ドロップ品拾って、宝箱回収して、どこかでルーム開けよう。シルフィ達ものみたがるので、器にジュースを注ぐ。
「ところでアレス、あの戦闘モードは始めてみたけど」
『そうなのだな。我も今日初めて使ったのだっ』
「え? そうなん?」
アレスはペロリ、と口を舐めている。
『氷の戦闘モードはなかなか覚醒しなかったのだが、今日出来ると思ったのだっ、上手くいったのだっ』
「あんたね、失敗したらどうするん?」
『我はそんなヘマしないのだ』
くっ、自信家なんやろうが、アレスにはそれにどうにか出来る実力がある。なんせ、イシスでも成し得なかった複合型の戦闘モードも使えるしね。
「もう。出来ればあんまり危ないことはせんでね」
『わかっているのだっ。妻よ、寒くないのだ? 我が温めるのだっ』
「わふんっ」
アリスの前足がアレスの顔面にめり込む。アレスとアリスはこれで成り立っているんよね。
濡れたアリスの足を拭いていると、シルフィ達がアリスがピッタリ張り付く。アリスの足もでっかいなあ。ふきふき。
しばらくしてからミゲル君が駆けてくる。
「ユイさん宝箱が出たんですが、罠があるみたいで、アリスさんにお願いしたいんですが」
「そう、わかった。アリス、お願いできる?」
「わふんっ」
私はアリスとボス部屋に。当然、むふむふ言いながらアリスにくっつく虫のアレスと共に向かう。シルフィ達も来たなで、わちゃわちゃだ。引いた目で見てくる冒険者パーティに、どうもと頭を下げて、未だに冷気が残るボス部屋に私達は足を踏み入れた。
あの時は空に向かって命令口調だったけど、今回は地面から轟くような感じだ。
『灼熱の太陽を飲み込み、生きとし生けるものの息吹を奪え、緑成す大地に反逆の氷柱を放て』
内容物騒すぎやしないっ? アレスの横顔が、今までにないほど物騒になってるっ。冷たっ、寒いっ、夏なのにっ。アレスの足元が、パキパキと鳴り、凍りつき始める。
「ひっ」
私と一緒に下がった冒険者のパーティの誰かが、喉に引っかかるような悲鳴を上げている。
「きゅーんっ」
ウインディも情けない声をあげる。私はシルフィ達を更に後退させる。
空気が一気に温度が下がる。息を吸うと、肺が軋みそうだから、思わず口元を覆う。
アレスの白い毛並み、首あたりに煌めく白い結晶が現れる。まるで、細かく鋭い氷柱が鬣のように囲っている。あ、地面の凍りいていた部分が広がっている。
あ、まずいっ。
「ホークさん、皆さんっ、下がってっ」
私は叫ぶ。
凍りついた部分が広がり、初撃を放っている面々に迫っていた。ホークさんは他のメンバーに指示して、こちらに後退するように移動開始、こちらに駆けてくる。
しかし、
「アリスッ、こっちおいでっ」
後ろでアレスが戦闘モードになって、影響で冷気が迫っているのに、アリスは微動だにせず、闇色の矢をガトリングの様に放っている。氷はまるで蔦のように広がり、とうとうアリスの足に絡みつくが、アリスは魔法を緩めない。
「アリスッ」
私の叫びに振り返りもせず、アリスは足に氷の蔦に絡まれようが変わらず闇色の矢を連射する。アリスに駆け寄ろうとしたが、こちらに避難してきたホークさんが、私の肩に腕を回す。
「ユイさん危険ですっ」
「でもアリスがっ」
「アリスさんなら大丈夫ですよっ」
ホークさんの声に冷静になるが、氷の蔦は、ますますアリスに絡みついていく。僅かに沸いた冷静さが、徐々に失せていくが、アリスはまったく表情を変えずに、闇色の矢を放っているから、なんとか冷静と焦りの天秤が均衡を保つ。
アレス強烈な冷気を放ちながら、その口から蒸気があがる。冷気の蒸気が。
『戦闘モード 氷殺の暴君』
白い輝き放つ鬣を纏ったアレスが、体を低くした瞬間。白い残像を残して、アリスを飛び越してボス部屋に突入していく。わすがな瞬間だ。
扉は直ぐに閉まる。そして、静まり返る。
「アリスッ、大丈夫ねっ」
私はアリスに駆け寄る。
「わふんっ」
当のアリスは問題ないと言わんばかりだ。しゅー、と音がすると、凍りついたアリスの足から湯気が上がる。その間もボス部屋の扉が、真っ白に染まる。おそらく中でアレスがやってる戦闘の影響なんやろう。アリスが足を氷から引き抜く。
「わふんっ」
下がろうと促されるので、素直に従う。寒いからね。
中が気になるが、アレスが下手をするとは思えない。やりすぎないかが心配だけど。
どれくらいしたか、ボス部屋の扉が開く。途端に溢れる真っ白な冷気。予想していたが、やっぱり寒かっ。
『終わったのだー』
そして出てくるいつものアレス。
「アレス、あんた平気なん? 寒くないん?」
『? 全然大丈夫なのだっ』
立派な毛皮着てますからね。
ケガがないなら良かね。
「ホークさん、私、アレス達に水分補給させますから、ドロップ品の回収お願いします」
「はい、ユイさん」
私はエマちゃんと手分けしてアレスとアリスに水分補給。こちらを伺うように見てくるのは、先程、私が下がるように言った冒険者パーティだ。色々聞きたいが、聞けない、そんな雰囲気だ。ちょっと引き気味なのは、気の所為。
『主よ、腹が減ったのだ』
「わふんっ」
なんと呑気な。
まあ、時間的に夕御飯の時間に近い。ドロップ品拾って、宝箱回収して、どこかでルーム開けよう。シルフィ達ものみたがるので、器にジュースを注ぐ。
「ところでアレス、あの戦闘モードは始めてみたけど」
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「え? そうなん?」
アレスはペロリ、と口を舐めている。
『氷の戦闘モードはなかなか覚醒しなかったのだが、今日出来ると思ったのだっ、上手くいったのだっ』
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『我はそんなヘマしないのだ』
くっ、自信家なんやろうが、アレスにはそれにどうにか出来る実力がある。なんせ、イシスでも成し得なかった複合型の戦闘モードも使えるしね。
「もう。出来ればあんまり危ないことはせんでね」
『わかっているのだっ。妻よ、寒くないのだ? 我が温めるのだっ』
「わふんっ」
アリスの前足がアレスの顔面にめり込む。アレスとアリスはこれで成り立っているんよね。
濡れたアリスの足を拭いていると、シルフィ達がアリスがピッタリ張り付く。アリスの足もでっかいなあ。ふきふき。
しばらくしてからミゲル君が駆けてくる。
「ユイさん宝箱が出たんですが、罠があるみたいで、アリスさんにお願いしたいんですが」
「そう、わかった。アリス、お願いできる?」
「わふんっ」
私はアリスとボス部屋に。当然、むふむふ言いながらアリスにくっつく虫のアレスと共に向かう。シルフィ達も来たなで、わちゃわちゃだ。引いた目で見てくる冒険者パーティに、どうもと頭を下げて、未だに冷気が残るボス部屋に私達は足を踏み入れた。
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