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騒がしい始まり⑤
長らく更新が滞りました。すみません。
シーラの首都、アウデまで通常の馬車なら一ヶ月だけど、うちにはぶひひん特急ノワールおかげでかなり短期間で進んだ。もちろん暑いので、一番暑い時間は避けたりして、いつものスピードではないけどね。
いくつかの街に寄ったが、宿泊せずに通過しただけ。晃太がアイテムボックスを利用した搬送依頼の為に、ギルドに寄っている間に、私達は街を散策する。教会に行ってお祈りしたり、母とぷらぷらとマルシェを買い物。シーラに入ってから、通過する街に、孤児院というものがない。あれば寄付を、と思ったけどね。シーラの孤児院事情は、各地の顔役の人がまとめて世話している。そして、その地区のいろんな人が交代でお手伝いに来るのが、当たり前になっているそうだ。顔役となると、名誉職なんだけど、当然社会的地位が高く相応の収入がなければならない。しかも、孤児達を面倒見ている顔役には、国から世話代なる資金が支払われている。たまに、商隊や流れ者的な人達が置いていく孤児達は、シーラの主要都市三つにある教会で面倒を見ている。これが今まで見てきた孤児院ね。そこも手厚い保護があるらしい。シーラは周辺諸国でも、こういった事が進んでいるには、シーラの人口の半分を占めるドワーフの考えがある。結構頑固で人見知りな種族らしいけど、身内に入れたら種族関係なく一丸となって守る気質らしい。なので、親兄弟を亡くした子供達を、守って育てるのは当然って考えなんだって。ミゲル君のご実家である大きな仕立て屋さんも、地区の顔役お手伝いをよくしていた。ミゲル君も時々お母さんに連れられて、お兄さん達とお手伝いに行って、赤ちゃんを背負って洗濯していたと。なので、私達が道すがら寄付しなくてもいいのだけど。うーん、なんかせんでもいいのかなあ。
「でしたら、顔役のお店でお買い物するといいですよ」
もんもんと悩んでいると、マデリーンさんが解決案を提示してくれた。
お世話している顔役は、社会的地位があるので、ギルドの要職や大きな商会を営んでいる事が多い。そこでしっかりお買い物するのが、寄付に繋がるそうだ。なので、私達は顔役が営むお店でお買い物する事にした。
お酒やさんでは、調理用で使用される赤ワインがあったので、樽で購入した。いずれマーファに帰るので、リティアさんとタージェルさん、パーカーさんに店員さんオススメの赤と白ワインを購入。メープルシロップを扱うお店でもお土産用と、母がお菓子用にナッツやクルミが漬け込んであるものを選んでいた。味見もさせてくれて、私には濃い味に感じたけど、母はしっかり吟味していくつかの大瓶をチョイス。簡単なレシピも教えてくれて、後日美味しいナッツクッキーとクルミクッキーを焼いてくれた。クッキーになると、あの濃い味が丁度よくなり、大好評だった。金の虎の皆さんの分は、ほとんどアルスさんが「うまっうまっ」言いながら食べしまった。仔達もリクエストコールが沸き上がるし、クッキー大好きイシスの眼力と、オシリスのちょい芸に、母はにこにこしていた。反物屋さんでは手編みのレースが素晴らしくて、母が熱心に見ていた。素人の私が見ても、繊細で美しい。値段もびっくり、ぺんたごんのレースの桁が二つも違うが、手編みだし、この品質なら納得かな。わあ、この淡い水色のレース、素敵だなあ……たっかあ。店員さんは素人の私ではなく、母と熱心に話し込んでいる。レースに興味がある母は、額が額なので悩んでいたが、私にはお金がある、どやっ。私のオッケーに、母はにやっ。何種類ものレースを購入している。どうやら、職人魂に火がついたようだ。私はお財布係で、店内をウロウロ。
「こちらの赤のレースには、ブジーアシルクを使用しています。光沢、丈夫さは十分ですし、我が商会でも指折りの品でございます」
ブジーアシルクっていうのは、本物のシルクではない。シーラの特産の綿で、本物のシルクには若干落ちるが光沢はある綿で、普通の綿より丈夫だ。栽培は普通の綿より大変だけど、シーラを代表する輸出品となっている。総シルクのドレスに手を出せない中堅の貴族婦人が欲しがる一品なんだって。反物にもされるが、レースの方が光沢が目立つみたいだ。光沢もそうだけど、冒険者や騎士にも欲しがる品にもなる。それは付与が付きやすい上に、効果がやや上乗せ効果がある。なので、シャツや肌着に仕立てられる。それを聞いていた母は、大人買いをしていた。私達にはキャミソール、男性陣にはシャツにするって。まず先に、アウデで別れる金の虎の皆さんの分を先に作成するって。
「こちらの水色は如何でしょう? お嬢様の肌色に映えるかと」
と、私がさっき見ていた淡い水色のレースと、同系色の幅広のレースをテーブルに広げられる。わあ、この幅広のレースも素敵やなあ……たっかあ。ま、私にはお金あるしね、どやっ。母は幾つかの色付きレースを選び、私が冒険者カードで購入した。結構な額だけど、気にしない。私達は丁寧に対応してくれた店員さん達に見送られて店を後にする。ちら、と店の外で待機していたビアンカとルージュには、引き攣っていたけど、ホークさんとマデリーンさんの首にある奴隷紋があると分かると、ほんの一瞬眉を寄せていた。すぐに丁寧にお見送りの態勢になった。気にならない訳でないが、ほんの一瞬の出来事だし、マデリーンさん曰くまたまだマシな方だと言っていた。
本当に、マシな方だと実感したのは、首都アウデに到着してからだった。
シーラの首都、アウデまで通常の馬車なら一ヶ月だけど、うちにはぶひひん特急ノワールおかげでかなり短期間で進んだ。もちろん暑いので、一番暑い時間は避けたりして、いつものスピードではないけどね。
いくつかの街に寄ったが、宿泊せずに通過しただけ。晃太がアイテムボックスを利用した搬送依頼の為に、ギルドに寄っている間に、私達は街を散策する。教会に行ってお祈りしたり、母とぷらぷらとマルシェを買い物。シーラに入ってから、通過する街に、孤児院というものがない。あれば寄付を、と思ったけどね。シーラの孤児院事情は、各地の顔役の人がまとめて世話している。そして、その地区のいろんな人が交代でお手伝いに来るのが、当たり前になっているそうだ。顔役となると、名誉職なんだけど、当然社会的地位が高く相応の収入がなければならない。しかも、孤児達を面倒見ている顔役には、国から世話代なる資金が支払われている。たまに、商隊や流れ者的な人達が置いていく孤児達は、シーラの主要都市三つにある教会で面倒を見ている。これが今まで見てきた孤児院ね。そこも手厚い保護があるらしい。シーラは周辺諸国でも、こういった事が進んでいるには、シーラの人口の半分を占めるドワーフの考えがある。結構頑固で人見知りな種族らしいけど、身内に入れたら種族関係なく一丸となって守る気質らしい。なので、親兄弟を亡くした子供達を、守って育てるのは当然って考えなんだって。ミゲル君のご実家である大きな仕立て屋さんも、地区の顔役お手伝いをよくしていた。ミゲル君も時々お母さんに連れられて、お兄さん達とお手伝いに行って、赤ちゃんを背負って洗濯していたと。なので、私達が道すがら寄付しなくてもいいのだけど。うーん、なんかせんでもいいのかなあ。
「でしたら、顔役のお店でお買い物するといいですよ」
もんもんと悩んでいると、マデリーンさんが解決案を提示してくれた。
お世話している顔役は、社会的地位があるので、ギルドの要職や大きな商会を営んでいる事が多い。そこでしっかりお買い物するのが、寄付に繋がるそうだ。なので、私達は顔役が営むお店でお買い物する事にした。
お酒やさんでは、調理用で使用される赤ワインがあったので、樽で購入した。いずれマーファに帰るので、リティアさんとタージェルさん、パーカーさんに店員さんオススメの赤と白ワインを購入。メープルシロップを扱うお店でもお土産用と、母がお菓子用にナッツやクルミが漬け込んであるものを選んでいた。味見もさせてくれて、私には濃い味に感じたけど、母はしっかり吟味していくつかの大瓶をチョイス。簡単なレシピも教えてくれて、後日美味しいナッツクッキーとクルミクッキーを焼いてくれた。クッキーになると、あの濃い味が丁度よくなり、大好評だった。金の虎の皆さんの分は、ほとんどアルスさんが「うまっうまっ」言いながら食べしまった。仔達もリクエストコールが沸き上がるし、クッキー大好きイシスの眼力と、オシリスのちょい芸に、母はにこにこしていた。反物屋さんでは手編みのレースが素晴らしくて、母が熱心に見ていた。素人の私が見ても、繊細で美しい。値段もびっくり、ぺんたごんのレースの桁が二つも違うが、手編みだし、この品質なら納得かな。わあ、この淡い水色のレース、素敵だなあ……たっかあ。店員さんは素人の私ではなく、母と熱心に話し込んでいる。レースに興味がある母は、額が額なので悩んでいたが、私にはお金がある、どやっ。私のオッケーに、母はにやっ。何種類ものレースを購入している。どうやら、職人魂に火がついたようだ。私はお財布係で、店内をウロウロ。
「こちらの赤のレースには、ブジーアシルクを使用しています。光沢、丈夫さは十分ですし、我が商会でも指折りの品でございます」
ブジーアシルクっていうのは、本物のシルクではない。シーラの特産の綿で、本物のシルクには若干落ちるが光沢はある綿で、普通の綿より丈夫だ。栽培は普通の綿より大変だけど、シーラを代表する輸出品となっている。総シルクのドレスに手を出せない中堅の貴族婦人が欲しがる一品なんだって。反物にもされるが、レースの方が光沢が目立つみたいだ。光沢もそうだけど、冒険者や騎士にも欲しがる品にもなる。それは付与が付きやすい上に、効果がやや上乗せ効果がある。なので、シャツや肌着に仕立てられる。それを聞いていた母は、大人買いをしていた。私達にはキャミソール、男性陣にはシャツにするって。まず先に、アウデで別れる金の虎の皆さんの分を先に作成するって。
「こちらの水色は如何でしょう? お嬢様の肌色に映えるかと」
と、私がさっき見ていた淡い水色のレースと、同系色の幅広のレースをテーブルに広げられる。わあ、この幅広のレースも素敵やなあ……たっかあ。ま、私にはお金あるしね、どやっ。母は幾つかの色付きレースを選び、私が冒険者カードで購入した。結構な額だけど、気にしない。私達は丁寧に対応してくれた店員さん達に見送られて店を後にする。ちら、と店の外で待機していたビアンカとルージュには、引き攣っていたけど、ホークさんとマデリーンさんの首にある奴隷紋があると分かると、ほんの一瞬眉を寄せていた。すぐに丁寧にお見送りの態勢になった。気にならない訳でないが、ほんの一瞬の出来事だし、マデリーンさん曰くまたまだマシな方だと言っていた。
本当に、マシな方だと実感したのは、首都アウデに到着してからだった。
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