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番外
駄馬ジョークは椅子に通じない
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深い森を抜けて三時間ほど。古都エンヴァスに到着した頃には、すでにとっぷりと日が暮れていた。
かつて、近隣の貴族や豪商が競って別邸を構えたという、古色蒼然たる旧市街地。その一角を占めるホテル・エンゲーステラはかつての王城で、王族が宿泊する際には必ず貸し切られることになっている。私もここに泊まるのは八回目だ。
「ユージェニー・セレスティリア女王陛下のお成りである!」
いささか時代がかった前触れの声と共に、正面玄関から正面階段へと進んだ。今の王城に比べるとやや古めかしくて手狭だけれど、頭上の吹き抜けは高く、年代物のシャンデリアは僅かに琥珀色がかって美しく煌いていて、格式のある建物だ。
迎えに出てくれた王子様もまた、品のある人物だった。
「お久しぶりです。一年ぶりにお会いできて、欣喜の念に堪えません」
穏やかな、というか、つつましい笑みを浮かべて歩み出てきたのは、隣国の第四王子、ロクセルド殿下だ。二十歳になったばかりのすらりとした青年で、生真面目で優しい性格で知られて……いない。よく言えばとても真面目、悪く言えば地味。引っ込み思案であまり社交の表舞台に出てこないため、世間における知名度は非常に低いらしい。
見た目は王道の貴公子という感じで、女性人気も高そうなのだけれど。
「ロクセルド殿下もお元気そうで」
「あっ、はい、元気です、有難うございます」
にこにこと返してくる。とても腰が低い。
その王子の袖を引っ張る幼女が一人。
「ねえ、挨拶はもういいんでしょ、早く食事に行きましょ。私、お腹空いたわ」
「あっ、うん、ごめんね、アティ。でも……」
こちらも隣国の王族、アティア姫だ。御年六歳。王の異母弟であるラグス提督の娘。というのは、以前会ったことがあるから知っているのだけれど。
「駄目だよ、きちんとご挨拶して」
「えー、もう知ってるんだしいいじゃない」
「アティ……」
相変わらずの我儘、唯我独尊のお姫様のようだ。
彼女に言うことをきかせるには、ロクセルド王子ではいかにも迫力不足だ。それでもこの二人がこうして一緒に出てくることが多いのは、一応未来の婚約者として候補に挙がっているためらしい。
なお、このやり取りの間、宰相は口も開かず私の後ろで銅像のように立っていた。何を考えているのか分からないけれど、多分、完全に無関心だ。藍色の目が「無」そのものになっている。
それから、なんだかんだで姫を宥めすかし、挨拶を交わし、小休止を経て。私たちは晩餐の席に通された。当然のように宰相が椅子に座り、私がその上に座る。取り澄ました表情で、動じず彼の上に座ったのは、周囲の視線から受ける精神的ダメージを最小化しようとした結果だ。下手に騒ぎ立てるだけ損、と学んだ結果でもある。
「……」
それでもやはり、周りの目が痛い。痛いものは痛い。
教育の行き届いた使用人たちは表情も変えていないけれど、ロクセルド王子はあからさまに驚いているし、アティア姫は目をまんまるにしてこちらを見ている。
「それは……その、前からお話は伺っていたのですが」
ロクセルド王子が口ごもる。敢えて地雷原に突っ込む腹積もりなのかしら?
(意外だわ)
こういう時は、なるべく見ないふりで通す人なのかと思っていた。
私が内心、首を傾げていると、
「実際に拝見して……こう言うのは何ですが、非常に勇気のあることだと思います。励まされるというか……あの、宰相閣下。できれば詳しくお話を伺いたいので、晩餐の後、お会いできないでしょうか」
励まされる?
宰相と対話?
どちらにしても、宰相は今、私の椅子に徹しているので口を開くことはない。私は主君として、彼の代わりに頷いた。
「了承しました」
「有難うございます」
王子が微笑む。その頬が少量のワインのせいとは思えないほど紅潮していて、私は仄かに不安を覚えた。
結局のところ、不安を感じた私の直感は正しかった。
「この駄馬がぁっ! 言われたとおりに走りなさいよっ! ほらっ」
「ア、アティ……客人の前なんだから少しは加減して……」
「はあっ? だから手加減してやってるじゃない。大体、馬なんだから喋るんじゃないわよ! 馬らしくヒヒーンって鳴きなさい!」
「ひ、ひひーん……」
「泣くんじゃないわよっ、泣いて済むなら馬は要らないのよっ」
(なんという理不尽……)
黙りこくって見守る私と宰相の前で、何とも言い難い光景が繰り広げられている。
暖炉の火がぱちぱちと爆ぜる暖かい部屋の中で、敷物の上に手と膝をついて四つん這いになっているロクセルド王子。その上にまたがって、居丈高に乗馬鞭を打ち振っている幼女。
一見、どん引くしかない光景なのだけれど。きっちりと服を着ていることもあってか、淫靡とまではいかない。かといって、子供相手のお馬さんごっこというには無邪気さが皆無すぎる。私たちは何を見せられているの? 隣国の闇?
「この駄馬っ」
パシーン! と高い音が響き渡る。
「止めなさい。それは動物虐待です」
私は思わず進み出て言った。
「な、何よ、口出しする気……」
「本物の馬に乗るときだって、意味なく叩いたりはしません。自分の馬だというなら、大事に扱いなさい」
「女王陛下……」
ロクセルド王子がふるふる震えながら、感激で潤んだ目で見上げてくる。
「流石は女王陛下です。先程も、宰相閣下の上に堂々と座っていらっしゃって……あんなに異様な光景なのに、周りを納得させてしまうような何かがあって」
「……」
異様な行為に耽っている人に、異様認定されてしまった。精神的打撃が深い。
「宰相閣下も凄いと思うんです! 僕と同じような扱いを受けてるのに、全く平然としていらっしゃって! できればその極意をお教え頂きたく」
「同じ?」
さっきまで「心底どうでもいい」という顔をして状況を眺めていた宰相が、ギシリと音を立てて首を動かした。
「今、同じ、と仰られましたかな?」
「は、はい、僕と宰相閣下は境遇として同じだと……」
「ハッ」
流石は不敬罪を恐れない男。
侮蔑の感情を色濃く滲ませた嘲笑に、王子が固まった。
「駄馬のくせに? 高潔なる椅子と同じ? 独特なユーモアの感覚をお持ちですな、殿下」
「え、あの……」
「残念ながら、私は駄馬ではございませんので。駄馬にのみ通じるジョークは分かりかねますな」
何回「駄馬」って言うつもりなのかしら、この男。
カツカツと足音を立てて、宰相が王子に歩み寄る。腰を屈め、王子の襟首を掴んでぐっと持ち上げた。傾いた背中から、アティア姫が床に転がり落ち、へたり込んで火がついたように泣き始める。
「うわああん、何するのよう」
一瞬、怪我でもしていたらどうしようと思ったのだけれど。意外に余裕がある。周りが甘やかすことを期待している、かなり嘘くさい泣き方だ。
「ア、アティ、ごめ……」
「くだらない生き物を乗せていると、くだらない駄馬に成り下がる。上に乗せる方は、もう少し慎重に選ぶべきですな、ロクセルド王子殿下」
極低音の声が囁く。
「さ、宰相殿」
王子の上に落ちかかる影が、そこだけ奇妙に濃い。宰相は落とす影まで濃いとか、どういう物理法則なの?
泣き喚いていたアティアも、「何かがいつもと違う」と察したのだろう。泣き止んで、不安そうに表情を崩した。
そちらをちらりとも見ず、宰相は低い囁き声で、
「椅子としての心構えを教えて差し上げましょうか、王子」
「い、椅子としての心構え……?」
「生涯を駄馬として過ごしたくはないでしょう? 人として、椅子として真なる生き方を教えて差し上げましょう。必ずや、殿下は感謝にむせんで下さることかと」
悪魔だ。宰相が悪魔の顔をしている。いつものことだけれど。
かつて、近隣の貴族や豪商が競って別邸を構えたという、古色蒼然たる旧市街地。その一角を占めるホテル・エンゲーステラはかつての王城で、王族が宿泊する際には必ず貸し切られることになっている。私もここに泊まるのは八回目だ。
「ユージェニー・セレスティリア女王陛下のお成りである!」
いささか時代がかった前触れの声と共に、正面玄関から正面階段へと進んだ。今の王城に比べるとやや古めかしくて手狭だけれど、頭上の吹き抜けは高く、年代物のシャンデリアは僅かに琥珀色がかって美しく煌いていて、格式のある建物だ。
迎えに出てくれた王子様もまた、品のある人物だった。
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穏やかな、というか、つつましい笑みを浮かべて歩み出てきたのは、隣国の第四王子、ロクセルド殿下だ。二十歳になったばかりのすらりとした青年で、生真面目で優しい性格で知られて……いない。よく言えばとても真面目、悪く言えば地味。引っ込み思案であまり社交の表舞台に出てこないため、世間における知名度は非常に低いらしい。
見た目は王道の貴公子という感じで、女性人気も高そうなのだけれど。
「ロクセルド殿下もお元気そうで」
「あっ、はい、元気です、有難うございます」
にこにこと返してくる。とても腰が低い。
その王子の袖を引っ張る幼女が一人。
「ねえ、挨拶はもういいんでしょ、早く食事に行きましょ。私、お腹空いたわ」
「あっ、うん、ごめんね、アティ。でも……」
こちらも隣国の王族、アティア姫だ。御年六歳。王の異母弟であるラグス提督の娘。というのは、以前会ったことがあるから知っているのだけれど。
「駄目だよ、きちんとご挨拶して」
「えー、もう知ってるんだしいいじゃない」
「アティ……」
相変わらずの我儘、唯我独尊のお姫様のようだ。
彼女に言うことをきかせるには、ロクセルド王子ではいかにも迫力不足だ。それでもこの二人がこうして一緒に出てくることが多いのは、一応未来の婚約者として候補に挙がっているためらしい。
なお、このやり取りの間、宰相は口も開かず私の後ろで銅像のように立っていた。何を考えているのか分からないけれど、多分、完全に無関心だ。藍色の目が「無」そのものになっている。
それから、なんだかんだで姫を宥めすかし、挨拶を交わし、小休止を経て。私たちは晩餐の席に通された。当然のように宰相が椅子に座り、私がその上に座る。取り澄ました表情で、動じず彼の上に座ったのは、周囲の視線から受ける精神的ダメージを最小化しようとした結果だ。下手に騒ぎ立てるだけ損、と学んだ結果でもある。
「……」
それでもやはり、周りの目が痛い。痛いものは痛い。
教育の行き届いた使用人たちは表情も変えていないけれど、ロクセルド王子はあからさまに驚いているし、アティア姫は目をまんまるにしてこちらを見ている。
「それは……その、前からお話は伺っていたのですが」
ロクセルド王子が口ごもる。敢えて地雷原に突っ込む腹積もりなのかしら?
(意外だわ)
こういう時は、なるべく見ないふりで通す人なのかと思っていた。
私が内心、首を傾げていると、
「実際に拝見して……こう言うのは何ですが、非常に勇気のあることだと思います。励まされるというか……あの、宰相閣下。できれば詳しくお話を伺いたいので、晩餐の後、お会いできないでしょうか」
励まされる?
宰相と対話?
どちらにしても、宰相は今、私の椅子に徹しているので口を開くことはない。私は主君として、彼の代わりに頷いた。
「了承しました」
「有難うございます」
王子が微笑む。その頬が少量のワインのせいとは思えないほど紅潮していて、私は仄かに不安を覚えた。
結局のところ、不安を感じた私の直感は正しかった。
「この駄馬がぁっ! 言われたとおりに走りなさいよっ! ほらっ」
「ア、アティ……客人の前なんだから少しは加減して……」
「はあっ? だから手加減してやってるじゃない。大体、馬なんだから喋るんじゃないわよ! 馬らしくヒヒーンって鳴きなさい!」
「ひ、ひひーん……」
「泣くんじゃないわよっ、泣いて済むなら馬は要らないのよっ」
(なんという理不尽……)
黙りこくって見守る私と宰相の前で、何とも言い難い光景が繰り広げられている。
暖炉の火がぱちぱちと爆ぜる暖かい部屋の中で、敷物の上に手と膝をついて四つん這いになっているロクセルド王子。その上にまたがって、居丈高に乗馬鞭を打ち振っている幼女。
一見、どん引くしかない光景なのだけれど。きっちりと服を着ていることもあってか、淫靡とまではいかない。かといって、子供相手のお馬さんごっこというには無邪気さが皆無すぎる。私たちは何を見せられているの? 隣国の闇?
「この駄馬っ」
パシーン! と高い音が響き渡る。
「止めなさい。それは動物虐待です」
私は思わず進み出て言った。
「な、何よ、口出しする気……」
「本物の馬に乗るときだって、意味なく叩いたりはしません。自分の馬だというなら、大事に扱いなさい」
「女王陛下……」
ロクセルド王子がふるふる震えながら、感激で潤んだ目で見上げてくる。
「流石は女王陛下です。先程も、宰相閣下の上に堂々と座っていらっしゃって……あんなに異様な光景なのに、周りを納得させてしまうような何かがあって」
「……」
異様な行為に耽っている人に、異様認定されてしまった。精神的打撃が深い。
「宰相閣下も凄いと思うんです! 僕と同じような扱いを受けてるのに、全く平然としていらっしゃって! できればその極意をお教え頂きたく」
「同じ?」
さっきまで「心底どうでもいい」という顔をして状況を眺めていた宰相が、ギシリと音を立てて首を動かした。
「今、同じ、と仰られましたかな?」
「は、はい、僕と宰相閣下は境遇として同じだと……」
「ハッ」
流石は不敬罪を恐れない男。
侮蔑の感情を色濃く滲ませた嘲笑に、王子が固まった。
「駄馬のくせに? 高潔なる椅子と同じ? 独特なユーモアの感覚をお持ちですな、殿下」
「え、あの……」
「残念ながら、私は駄馬ではございませんので。駄馬にのみ通じるジョークは分かりかねますな」
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極低音の声が囁く。
「さ、宰相殿」
王子の上に落ちかかる影が、そこだけ奇妙に濃い。宰相は落とす影まで濃いとか、どういう物理法則なの?
泣き喚いていたアティアも、「何かがいつもと違う」と察したのだろう。泣き止んで、不安そうに表情を崩した。
そちらをちらりとも見ず、宰相は低い囁き声で、
「椅子としての心構えを教えて差し上げましょうか、王子」
「い、椅子としての心構え……?」
「生涯を駄馬として過ごしたくはないでしょう? 人として、椅子として真なる生き方を教えて差し上げましょう。必ずや、殿下は感謝にむせんで下さることかと」
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