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しおりを挟むどうやら、馬に乗って遠くまで見回りに行っていたようだ。
ドドド! と近寄って来る馬蹄の音に、
「はい、ストップ! それ以上こっち寄らないで!」
声を張り上げる。と、ハッとしたような顔で手綱が引かれて馬が足を止める。
「お、なんだハウウェル、まーたフィールズにちょいイジワルかよー? そういうの、よくないんだぞー」
「ほう、麗しき同志は小動物をいじめるのか? 弱い者を虐げるのはよくないぞ?」
ニヤニヤと笑う二人。
「君、それわかってて聞いてるでしょ?」
見下ろす琥珀を睨み返す。しかもコイツ、さりげなくエリオットを弱い者扱いしてるし。まぁ、キアンに比べると、実力で劣るのは確かなんだけどね。
「別にイジワルとかじゃないから。あれ、エリオットがあのまま突っ込んで来てたら、危険だし。それに、わたし達ずぶ濡れだからね」
「は?」
あれだけスピードを出して走って来る馬が、水を跳ねさせない筈がないし。近くまで来たら、そりゃあ盛大に水を被るに決まってる。
「皆さんおはようございますっ!」
ひょいと馬を飛び降り、パシャパシャと水音を立てて走って来たのはずぶ濡れのエリオット。
「うおっ!? フィールズめっちゃずぶ濡れじゃん! どしたよ? ほら、拭け!」
「わ、ありがとうございます」
驚き顔でリュックからタオルを取り出し、エリオットに差し出すテッド。
「どうしたもなにも、雨の中走って来たからでしょ」
「はいっ、少し周囲の様子を見て来ました! レザン先輩は、もっと遠くの方を見に行くって言ってましたから、もう少し遅くなるかもですっ」
「ほう……偵察か」
「はいっ、別荘周辺二キロ程をざっと見回って来ましたが、特に異常はありませんでした! 強いて言えば、足場が悪いと言ったところでしょうか?」
「そうか、ご苦労だったな? 小動物よ」
「えへへ」
伸ばされた褐色の手にわしわしと頭を拭かれ、嬉しそうに笑うエリオット。
「偵察? なんで偵察よ?」
「……俺に聞かれてもな?」
「今日は雨だからか、くまさんも発見できませんでしたね~。よかったですっ」
「・・・は?」
「……熊が、出るのか?」
「はいっ。あ、でもでも、くまさんが出るのは森の深いところだって話なので、浅いところや別荘の近くには出て来ないそうなので安心してくださいね? 今日も見掛けませんでしたし」
「聞いてねぇぞっ!?」
「あれ? 言ってませんでしたっけ?」
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