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「ロベルト??誰だそいつは??」

「王国最大の工房であるマルゲルド工房で一番有能と言われている方ですよ。何度も王城に船のメンテナンスにいらっしゃってましたが。」

「このゼスタ様が下民ごときの名前なんて覚えるわけないだろうが!!」

するとリアナもゼスタに同調するのだった。

「そうですよね、下民の名前なんてどうでもいいですよね。」

ゼスタがルーカスに尋ねた。

「下民ごときがリウォード号の修理なんてできるのか?」

リアナがゼスタに言った。

「そうですね、下民ごときがそんな事をできるなんて信じられません。」

ルーカスが二人に言った。

「ロベルト殿が高い見識をもっておられてリウォード号の修理をしていたのは間違いございません。」

ゼスタがルーカスに尋ねた。

「ふーん、まあいい。それでなんでそいつはメンテナンスに来ないんだ?」

ルーカスがゼスタに言った。

「それがロベルト殿が言うにはゼスタ殿がルーテシア様に非礼な行いをした事を正式に謝罪しないかぎり、リウォード号のメンテナンスは一切しないとの事でした。」

ゼスタがルーカスに言った。

「なんだと??なんで俺様があのバカ女に謝らなければならないんだ。」

リアナもルーカスに言った。

「そうよ、あの女は王家の船を自分で操縦して下民に手を差し伸べるようなとんでもないバカな女なのよ。謝る必要なんてないじゃないの。」

ゼスタがルーカスに言った。

「リアナの言う通りだ。そいつに強制的に修理させろ!!王家の船を修理しないなんて怠慢だろうが。」

ルーカスがゼスタに言った。

「いえリウォード号以外の船は今もちゃんとロベルト殿にメンテナンスしてもらっていますので、怠慢とは言い切れません。」

ゼスタはさらに怒り出すのだった。

「なんだと??他のどうでもいい船は直して、俺様のリウォード号だけを直してやがらないのかそいつは!!」

ルーカスがゼスタに言った。

「はい、その通りです。」

「ゼスタ様??修理をしていただきたいのなら、ルーテシア様に謝られてはいかがですか?」

「ふざけるんじゃねえ!!!なんで俺様はこれぽっちも悪くないのに、謝らなければならないんだ。」

「その通りです。あのバカ女を謝らせればいいんです。」

「ではリウォード号の修理はできませんがそれでよろしいのですか?」

「そんな事言ってねえだろうが!!」

「ではどうなさるのですか?」

ゼスタは返答する事ができずにうなるしかなかった。

「うー。」


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