当て馬主人公の小さな祈り

黒狐

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淫らな一幕 ※R-18メイン

熱を分け合う①※ カルム・サマリー×バルト

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⭐︎禁断の行為から分岐したお話になります、バルトの元に二人が一緒に訪れた場合のお話です。


 日光の照らす寄宿舎の一室。扉の隙間から漏れる微かな息遣いと湿った音。カルムとサマリーが廊下で互いの顔を見合わせた。

「バルト……大丈夫かな?」
「あいつの事だ、また何か抱え込んでいるかもしれないな。」

 サマリーの囁き声は緊張で震えていた。最近部屋にこもり気味の親友が心配になってカルムと共に彼の元を訪れたのだ。
 カルムもバルトに思う事があるのか、心なしか声が暗い。
 しかし、このまま部屋の前で躊躇していても何も始まらない。サマリーがドアノブにそっと手をかけると音を立てないように静かに中に入った。

「……っ!?」

 二人の足が止まる。普段ならまずあり得ない光景が、目に飛び込んで来たからだ。
 バルトは身に何も纏わない姿で、ベッドの上で身を捩らせていた。背中に滲んだ汗が玉となり肌の上を流れ落ちる。彼の手には奇妙な形状の器具が握られていた。

「ん……くっ……!」

 掠れた声と共にバルトの腰が浮き上がる。手に握られていた張り型が深く押し込まれたのだ。気持ちのいい場所を張り型が掠める度に身体が震えシーツが波打った。普段荒っぽくも仲間想いなバルトの面影はどこにもない。

「おい……あれは……」

 カルムが押し殺した声で言う。彼の視線はバルトの臀部に釘付けだった。張り型が出入りする度に ヌッチュ♡ヌッチュッ♡ と淫らな音が響き渡り、バルトの身体がビクビクと痙攣し仰け反った。

「あ……はぁ……ッ!」

 バルトの口から漏れる甘い声が空気を震わせた。閉じた瞼からは涙が滲み頬は紅潮している。汗に濡れた肌が陽光を反射して輝いている。

 カルムは思わず喉の渇きを覚えた。
 あの荒々しい親友バルトがこんなにも官能的な姿を見せるなんて──。
彼の姿を見る度にズボンの前が窮屈になっていく。

 一方サマリーも同様だった。彼の白く美しい手がしっとりと汗ばんでいる。普段見せることのないバルトの淫らな一面に、胸の高鳴りを抑えられない。

「見せられ、ねぇな……ッ…こんな……姿…」

 バルトは二人が居るなど露知らず喘ぎ混じりに呟いた。張り型を持つ手が加速する。

 パチュッ♡ ヌヂュッ♡ ヌップゥッ♡

 粘着質な水音が響く度にバルトの身体が跳ねた。二人の視線に気づいていないバルトの手は止まらない。むしろ快感を求め更に大胆に動いていく。

「ダメだ……こんなの……ッ♡ なのに……止まんねぇ……!」

 淫らな呟きと共にバルトの指が乳首を摘んだ。ビクリと震える背筋にカルムとサマリーは息を呑む。張り型の動きが速まり──ついにその時が訪れた。

「……んあッ!?イグッ!イクッゥゥゥ!!」

 バルトの全身が絶頂と共に仰け反り返った。長い咆哮と共に彼の身体が何度か痙攣した後、ぐったりとベッドに沈み込んだ。

 乱れた呼吸音だけが部屋に響く。カルムとサマリーは呆然とその光景を見つめていた。いつもと違うの目の前の淫靡な姿に心臓が激しく鼓動している。

「……バルト……」

 サマリーの声が静寂を破る。ハッと我に返った二人が慌てて顔を見合わせるも──

「……気づかれてないか?」

 カルムの小さな問いかけにサマリーが微かに首を振った。

「あぁ、……多分、な。」

 彼らはそっと後退り始めた。しかし視線は未だバルトに釘付けだった。意識が朦朧としたまま放心状態で横たわる彼の姿は、暫く脳裏から離れそうになかった。
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