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No.12 ある意味、何も理解していなかった
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(言った!言えた!これでもう私の事を、ご主人様って言ったり、意味不明な事言わない筈…!)
スラスラと言えた訳ではないが、これだけハッキリと言ったのだ。いくらなんでも、これで莉緒が迷惑している事を理解しただろう。莉緒だけでなく、この場にいる全員がそう思った。
ーーしかし。
「それは命令?」
心底不思議そうな顔で莉緒を見つめるアルス。
まるで、今まで莉緒に迷惑をかけた事などまるで理解していない表情だった。
「えっ…?」
「一体、いつ俺がご主人様を困らせたか知らないけど、ご主人様は俺の事を迷惑って思ってるんだよね?」
直球過ぎるその言葉に、莉緒はぎこちなくも頷く。
「例えば、どんな所?」
「え、ええっと…」
いざ、どんな所か言えと言われると、本人に対して直接言う事に一瞬躊躇う。しかし、此処で何も言わなかったら後で後悔すると強く思い、莉緒は勇気を振り絞って口を開く。
「わ、私と、アルスさん…は、初対面です」
「それは…」
「わわ、私にとっては!しょしょしょ、初対面なんです…!そ、それなのにっ!ご、ご主人様とか、いい、一緒に住むとか!ほ、本当に、こ、怖いし、迷惑なんですっ!」
涙を浮かべながらも、本心を伝える莉緒。
そんな莉緒をジッと無言で見つめるアルス。暫くして、その中性的な顔にフッと悲しそうな浮かべた。
「そうだよね。ごめんね、ご主……リオちゃん。リオちゃんからしたら、俺とは初対面で知らない者同士だよね。やっとリオちゃんと会えたから、つい興奮しちゃって、自分の事しか頭に無かったよ。リオちゃんからしたら、いきなり意味不明な事言って一緒に暮そうとする怪しい奴にしか見えないよね」
本当にごめんと、悲しそうな声で頭を下げるアルス。そんなアルスに、莉緒は慌てる。
「あ、頭を上げてくださいっ!わ、私こそ、アルスさんに、こ、怖いとか迷惑とか、ひ、酷い事言っちゃったし…!」
本来、気の弱い莉緒。
相手が本気で悲しそうな態度を取った事に、自分も強く言い過ぎたと慌てる。本来なら、莉緒に迷惑をかけたアルスに対して、もう少し強く言っても良い程だ。
「あーあ。リオちゃん、折れるの早すぎだろ」
「しょうがねーよ。あのリオちゃんが、迷惑だってハッキリ言った事自体、奇跡みたいなもんだろ」
「だよな。もう少し強く言っても良い程だろ?」
「ま、優しいリオちゃんらしいけどな」
2人のやり取りを見物していた常連客達の声は、アルスの頭を上げさせようと必死に頑張る莉緒には届いていなかった。
「ほ、ほら!ア、アルスさんも、反省してくれたし…!も、もうしないでくれれば、私はそれで良いですから!」
その言葉に、アルスはやっと頭を上げる。
(や、やっと頭を上げてくれた…)
ホッと安堵の息を吐く莉緒に、アルスはキラキラと輝く笑みを浮かべて言った。
「そうだよね。知らない奴に何言われても、迷惑なだけだよね」
(ん?)
「これからは、リオちゃんの側でリオちゃんに俺の事を知って貰えるように頑張るよ」
(んん…?)
「俺の事を隅から隅まで知って貰った後で、一緒に住む家を探そうね。俺達はまだ若いから、時間はたっぷりあるし。これからよろしくね、リオちゃん」
ある意味何も理解していないアルスに、莉緒は絶望を感じるのだった。
スラスラと言えた訳ではないが、これだけハッキリと言ったのだ。いくらなんでも、これで莉緒が迷惑している事を理解しただろう。莉緒だけでなく、この場にいる全員がそう思った。
ーーしかし。
「それは命令?」
心底不思議そうな顔で莉緒を見つめるアルス。
まるで、今まで莉緒に迷惑をかけた事などまるで理解していない表情だった。
「えっ…?」
「一体、いつ俺がご主人様を困らせたか知らないけど、ご主人様は俺の事を迷惑って思ってるんだよね?」
直球過ぎるその言葉に、莉緒はぎこちなくも頷く。
「例えば、どんな所?」
「え、ええっと…」
いざ、どんな所か言えと言われると、本人に対して直接言う事に一瞬躊躇う。しかし、此処で何も言わなかったら後で後悔すると強く思い、莉緒は勇気を振り絞って口を開く。
「わ、私と、アルスさん…は、初対面です」
「それは…」
「わわ、私にとっては!しょしょしょ、初対面なんです…!そ、それなのにっ!ご、ご主人様とか、いい、一緒に住むとか!ほ、本当に、こ、怖いし、迷惑なんですっ!」
涙を浮かべながらも、本心を伝える莉緒。
そんな莉緒をジッと無言で見つめるアルス。暫くして、その中性的な顔にフッと悲しそうな浮かべた。
「そうだよね。ごめんね、ご主……リオちゃん。リオちゃんからしたら、俺とは初対面で知らない者同士だよね。やっとリオちゃんと会えたから、つい興奮しちゃって、自分の事しか頭に無かったよ。リオちゃんからしたら、いきなり意味不明な事言って一緒に暮そうとする怪しい奴にしか見えないよね」
本当にごめんと、悲しそうな声で頭を下げるアルス。そんなアルスに、莉緒は慌てる。
「あ、頭を上げてくださいっ!わ、私こそ、アルスさんに、こ、怖いとか迷惑とか、ひ、酷い事言っちゃったし…!」
本来、気の弱い莉緒。
相手が本気で悲しそうな態度を取った事に、自分も強く言い過ぎたと慌てる。本来なら、莉緒に迷惑をかけたアルスに対して、もう少し強く言っても良い程だ。
「あーあ。リオちゃん、折れるの早すぎだろ」
「しょうがねーよ。あのリオちゃんが、迷惑だってハッキリ言った事自体、奇跡みたいなもんだろ」
「だよな。もう少し強く言っても良い程だろ?」
「ま、優しいリオちゃんらしいけどな」
2人のやり取りを見物していた常連客達の声は、アルスの頭を上げさせようと必死に頑張る莉緒には届いていなかった。
「ほ、ほら!ア、アルスさんも、反省してくれたし…!も、もうしないでくれれば、私はそれで良いですから!」
その言葉に、アルスはやっと頭を上げる。
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ホッと安堵の息を吐く莉緒に、アルスはキラキラと輝く笑みを浮かべて言った。
「そうだよね。知らない奴に何言われても、迷惑なだけだよね」
(ん?)
「これからは、リオちゃんの側でリオちゃんに俺の事を知って貰えるように頑張るよ」
(んん…?)
「俺の事を隅から隅まで知って貰った後で、一緒に住む家を探そうね。俺達はまだ若いから、時間はたっぷりあるし。これからよろしくね、リオちゃん」
ある意味何も理解していないアルスに、莉緒は絶望を感じるのだった。
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