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No.32 申し訳ない
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あの騒動から一週間。
あの後、何とかティナ達の誤解を解いた莉緒。だが、噂は人伝にどんどん伝わり最終的には全く事実と別物になっていた。
『宿屋ダンテで働くリオは、同僚のアルスを奴隷の様に扱っていた。しかし、アルスに飽きたリオ。捨てないでと叫ぶアルスを、公衆の面前でアルスを足蹴にして靴を舐めさせ捨てた』
そんな噂が町中に広まってしまった。リオを知る人は、それがデマだと理解していた。だが莉緒は、羞恥心で暫くの間仕事以外アルスの家から出なくなった。(その間、アルスは嬉々として莉緒の世話をしていた。)その仕事でも、表はアルスとティナに任せて莉緒はダグラスと共に裏方作業に徹していた。
だが、ずっと閉じ籠り仕事で迷惑をかけ続ける訳にはいかない。そして今日、漸く接客に出たのだった。漸く接客で出て来た莉緒に、常連客達は明るい声をかける。
「おっ、リオちゃん!元気だったかい?」
「あんな噂、気にすんなよ!」
「アレ信じてる奴は、リオちゃんの事知らない奴だけだしな」
常連客の言葉に、莉緒は笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます」
その時、ダンテが食堂に入って来た。そして、莉緒を見ると手招きをして呼ぶ。莉緒は、常連客に声をかけてからダンテの元に向かう。そのままダンテと共に裏の方に回る。そうして辺りに誰もいなくなった頃、ダンテは莉緒を振り返って声をかける。
「今日は接客するんだな」
「はい。これまで、私の都合でご迷惑お掛けしました」
莉緒が頭を下げると、ダンテはその頭をクシャクシャと撫でる。
「気にすんな!あんな噂が流れちまったら、誰だって気まずくなるさ。それなのに裏方でもちゃんと仕事に来てんだ。何も気にする事はないさ」
それでも申し訳無さそうな莉緒に、ダンテは笑って言った。
「まぁ、そう言ってもリオちゃんは気にするだろうな。じゃあ、こうしよう!これから一週間、接客の他に皿洗いも頼む。それで、一週間の迷惑はチャラだ」
「はいっ!」
ダンテの言葉に強く返事をして、莉緒は仕事に向かう。戻った莉緒に、すかさずアルスが近寄る。そうして心配そうに話しかけて来た。
「リオちゃん、ダンテと何話してたの?」
「一週間迷惑をかけたから、これから一週間接客と皿洗いをする事になったの」
「えっ、皿洗いもするの!?そんな事したら、リオちゃんの綺麗なこの手が荒れちゃうじゃないか!」
その声に、皆が一斉にこちらを見る。
慌てて莉緒はアルスの口を塞ぐ。
「ア、アルスさん!声を落として下さい!」
また変な噂が出回ってしまう。
それだけは本当に勘弁だ。
「ちょっと!アルス様になんて事してるのよ!アルス様から離れて!」
ティナが美しい笑顔に怒りを浮かべながら、こちらに向かって来た。慌てて莉緒が手を離すと、アルスは残念そうな表情を浮かべた。
「アルス様に気に入られてるからって、調子に乗らないでよね!全く、アルス様にベタベタしてないで早く仕事してよね!」
その言葉に莉緒は頷き、アルスを厨房に追いやって仕事を始めたのだった。
あの後、何とかティナ達の誤解を解いた莉緒。だが、噂は人伝にどんどん伝わり最終的には全く事実と別物になっていた。
『宿屋ダンテで働くリオは、同僚のアルスを奴隷の様に扱っていた。しかし、アルスに飽きたリオ。捨てないでと叫ぶアルスを、公衆の面前でアルスを足蹴にして靴を舐めさせ捨てた』
そんな噂が町中に広まってしまった。リオを知る人は、それがデマだと理解していた。だが莉緒は、羞恥心で暫くの間仕事以外アルスの家から出なくなった。(その間、アルスは嬉々として莉緒の世話をしていた。)その仕事でも、表はアルスとティナに任せて莉緒はダグラスと共に裏方作業に徹していた。
だが、ずっと閉じ籠り仕事で迷惑をかけ続ける訳にはいかない。そして今日、漸く接客に出たのだった。漸く接客で出て来た莉緒に、常連客達は明るい声をかける。
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「あんな噂、気にすんなよ!」
「アレ信じてる奴は、リオちゃんの事知らない奴だけだしな」
常連客の言葉に、莉緒は笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます」
その時、ダンテが食堂に入って来た。そして、莉緒を見ると手招きをして呼ぶ。莉緒は、常連客に声をかけてからダンテの元に向かう。そのままダンテと共に裏の方に回る。そうして辺りに誰もいなくなった頃、ダンテは莉緒を振り返って声をかける。
「今日は接客するんだな」
「はい。これまで、私の都合でご迷惑お掛けしました」
莉緒が頭を下げると、ダンテはその頭をクシャクシャと撫でる。
「気にすんな!あんな噂が流れちまったら、誰だって気まずくなるさ。それなのに裏方でもちゃんと仕事に来てんだ。何も気にする事はないさ」
それでも申し訳無さそうな莉緒に、ダンテは笑って言った。
「まぁ、そう言ってもリオちゃんは気にするだろうな。じゃあ、こうしよう!これから一週間、接客の他に皿洗いも頼む。それで、一週間の迷惑はチャラだ」
「はいっ!」
ダンテの言葉に強く返事をして、莉緒は仕事に向かう。戻った莉緒に、すかさずアルスが近寄る。そうして心配そうに話しかけて来た。
「リオちゃん、ダンテと何話してたの?」
「一週間迷惑をかけたから、これから一週間接客と皿洗いをする事になったの」
「えっ、皿洗いもするの!?そんな事したら、リオちゃんの綺麗なこの手が荒れちゃうじゃないか!」
その声に、皆が一斉にこちらを見る。
慌てて莉緒はアルスの口を塞ぐ。
「ア、アルスさん!声を落として下さい!」
また変な噂が出回ってしまう。
それだけは本当に勘弁だ。
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その言葉に莉緒は頷き、アルスを厨房に追いやって仕事を始めたのだった。
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