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第1章
リアル王子様
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「それで、院長先生は何処であの子を見たんですか?」
再びガスと共に少年のいる部屋に戻ったマリオンは、ずっと疑問に思っていた事を聞く。すると、ガスは暫くの間、無言で何かを考える。そうして、自身の中で結果が出たのだろう。彼は、マリオンを見つめながら口を開く。
「………そうですね。マリオンには、話しておいた方がいいかもしれませんね。マリオンは、私が以前孤児院を経営する前は王宮で働いていた事は知ってますね?」
「はい。前に一度、聞いた事があります」
「まぁ、その時にこの方をチラッと見かけた事があるんですよ」
(それって……)
王宮とは、国の中枢機関でもあり王族が住む場所だ。そこで見かけた?それはつまりーー。
「も、もしかして…」
「そうです。この方は、アルミン・フォン・アンデルセン。この国の、第二王子ですよ」
(リアル王子様、キターー!!)
思わず、心の中で絶叫を上げる。
高貴な身分だとは思っていたが、まさかこの国のトップである王族だとは思わなかった。
(ーーっていうか、王子様の口塞いで背負っちゃったよ!)
あの時は、状況が状況だった為にしょうが無かったとは言え、後で不敬罪で捕まらないだろうか?いや、それよりもーー。
「………何で王子様がこんな所に居るんですか?」
そう、問題は何故王子が此処にいるかだ。
ーーしかし、怪しい奴等に追われていた所を見ると大体の理由は察しが付く。
(大方、お家問題絡みだろうなぁ…)
「………まぁ、恐らくはアルミン王子の事を邪魔に思う誰かに狙われたのでしょう。誘拐されて此処まで来たのか、自分の足で此処まで逃げて来たのかは、本人に聞かないと分かりませんが」
ガスは、マリオンが考えた事と同じ様な返答をする。
「でもこの王子様って、どう見ても10歳そこらですよね?」
「確か、王子は今年で10歳になる筈です」
「それなら尚更、一人で此処まで逃げてくるのは無理ですよ。だって、王宮のある王都からこの街までは馬車で半日も掛かるんですよ?それを、こんな子供一人で此処まで逃げるのなんて無理ですよ」
「確かにそうですね。………恐らく、王子は此処まで誘拐されて来たのでしょう。ですが、途中で運良く犯人達から逃げるチャンスがあって…と言う所ですかね?」
「それが一番近いと思います」
この王子は運が良かった。
途中で逃げれたのもそうだが、何よりマリオンがあの時やって来なければ、この王子は確実に死んでいただろう。
(王子様が、あの骸骨のオネェのタイプで本当に良かった)
あの骸骨のオネェのタイプだったお陰で、この少年は助かったのだから。ーーしかし、王族を誘拐だなんて大胆な事をしたものだ。今頃、王宮では王子の捜索を騎士団総出で行なっているだろう。
「院長先生、手紙って王様に送ったんですか?」
「いえ、アルミン王子の兄君であるアレックス王太子殿下にですよ」
「王太子殿下に?」
(何で親じゃなくて兄弟に?)
ガスの言葉に、マリオンは首を傾げる。
普通、こういう時は親に手紙を送るものだと思うのだが…。
「………今、王宮は色々と問題があるんですよ」
複雑な表情で、そう話すガス。
マリオンは、それ以上深く聞かなかった。
(聞いたところで、オレには関係無いし如何にも出ないしね…)
「んっ…」
その時、静かに眠っていた少年が身動ぐ。
どうやら、いつの間にか声が大きくなっていた様だ。
「とにかく、安否の手紙は送りました。私達がこれからする事は、迎えが来るまで王子を看病する事です。マリオン、私はそろそろ子供達の朝食を準備します。ですので、貴女は王子を見ていてくれますか?」
「わかりました」
頷くマリオンを見て、もう一度「よろしく」と言ってガスは部屋を出て行った。それを見届けたマリオンは、少年の眠るベッドの近くに椅子を置き座る。そうして、ボロボロになった本を読みながら少年が目を覚すのを待つのだった。
再びガスと共に少年のいる部屋に戻ったマリオンは、ずっと疑問に思っていた事を聞く。すると、ガスは暫くの間、無言で何かを考える。そうして、自身の中で結果が出たのだろう。彼は、マリオンを見つめながら口を開く。
「………そうですね。マリオンには、話しておいた方がいいかもしれませんね。マリオンは、私が以前孤児院を経営する前は王宮で働いていた事は知ってますね?」
「はい。前に一度、聞いた事があります」
「まぁ、その時にこの方をチラッと見かけた事があるんですよ」
(それって……)
王宮とは、国の中枢機関でもあり王族が住む場所だ。そこで見かけた?それはつまりーー。
「も、もしかして…」
「そうです。この方は、アルミン・フォン・アンデルセン。この国の、第二王子ですよ」
(リアル王子様、キターー!!)
思わず、心の中で絶叫を上げる。
高貴な身分だとは思っていたが、まさかこの国のトップである王族だとは思わなかった。
(ーーっていうか、王子様の口塞いで背負っちゃったよ!)
あの時は、状況が状況だった為にしょうが無かったとは言え、後で不敬罪で捕まらないだろうか?いや、それよりもーー。
「………何で王子様がこんな所に居るんですか?」
そう、問題は何故王子が此処にいるかだ。
ーーしかし、怪しい奴等に追われていた所を見ると大体の理由は察しが付く。
(大方、お家問題絡みだろうなぁ…)
「………まぁ、恐らくはアルミン王子の事を邪魔に思う誰かに狙われたのでしょう。誘拐されて此処まで来たのか、自分の足で此処まで逃げて来たのかは、本人に聞かないと分かりませんが」
ガスは、マリオンが考えた事と同じ様な返答をする。
「でもこの王子様って、どう見ても10歳そこらですよね?」
「確か、王子は今年で10歳になる筈です」
「それなら尚更、一人で此処まで逃げてくるのは無理ですよ。だって、王宮のある王都からこの街までは馬車で半日も掛かるんですよ?それを、こんな子供一人で此処まで逃げるのなんて無理ですよ」
「確かにそうですね。………恐らく、王子は此処まで誘拐されて来たのでしょう。ですが、途中で運良く犯人達から逃げるチャンスがあって…と言う所ですかね?」
「それが一番近いと思います」
この王子は運が良かった。
途中で逃げれたのもそうだが、何よりマリオンがあの時やって来なければ、この王子は確実に死んでいただろう。
(王子様が、あの骸骨のオネェのタイプで本当に良かった)
あの骸骨のオネェのタイプだったお陰で、この少年は助かったのだから。ーーしかし、王族を誘拐だなんて大胆な事をしたものだ。今頃、王宮では王子の捜索を騎士団総出で行なっているだろう。
「院長先生、手紙って王様に送ったんですか?」
「いえ、アルミン王子の兄君であるアレックス王太子殿下にですよ」
「王太子殿下に?」
(何で親じゃなくて兄弟に?)
ガスの言葉に、マリオンは首を傾げる。
普通、こういう時は親に手紙を送るものだと思うのだが…。
「………今、王宮は色々と問題があるんですよ」
複雑な表情で、そう話すガス。
マリオンは、それ以上深く聞かなかった。
(聞いたところで、オレには関係無いし如何にも出ないしね…)
「んっ…」
その時、静かに眠っていた少年が身動ぐ。
どうやら、いつの間にか声が大きくなっていた様だ。
「とにかく、安否の手紙は送りました。私達がこれからする事は、迎えが来るまで王子を看病する事です。マリオン、私はそろそろ子供達の朝食を準備します。ですので、貴女は王子を見ていてくれますか?」
「わかりました」
頷くマリオンを見て、もう一度「よろしく」と言ってガスは部屋を出て行った。それを見届けたマリオンは、少年の眠るベッドの近くに椅子を置き座る。そうして、ボロボロになった本を読みながら少年が目を覚すのを待つのだった。
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