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子供たちには秘密ですが、イクスには隠せません。
しおりを挟むリオンとルイスは今回も問題なく無事に帰ってきました。日々立派になっていく二人に、イクスがよく導いてくれているのだなと感じます。
襲撃があったことはリオンとルイス、それからライナスには秘密ですが、イクスには隠せません。
話す前から何か感づいていたようですし。
そろって夕食を取りながら戻ってきた三人の冒険談を聞きます。
ライナスは食事を忘れるくらい夢中になって聞いていました。
途中で気づいたルイスが残りの話は食事の後でね、とライナスに食事を促してくれました。
残念そうなライナスにリオンが今日のデザートは森の奥で見つけた特別な果物を使ったゼリーだと教えます。
目を輝かせたライナスが食べ終えるのを見守りながら、イクスと兄がお酒を酌み交わしていました。
デザートも食べ終え、話の続きが聞きたいと強請るライナスをミオンが宥めてお風呂に連れて行きます。
冒険談の続きは布団の中でねと約束し、リオンとルイスもそれぞれくつろいでいます。
子供たちは今晩は三人で一緒に寝るようですね。はしゃぎすぎて眠れなくならないよう、後で誰かに見に行かせましょう。
私たち大人は、目配せをして執務室に集まったのでした。
三人の留守中に起こったことを兄がまとめて話します。
静かに聞いている横顔が途中でわずかに顰められました。
「最終的にアレはアベレーンでの蟄居に決まった。
あそこは精霊信仰の高い土地だし、領主もその両親もアレを外に出すつもりはないそうだから安心していい」
「そうですか、何事も無くてよかったです。
ミオンも、よくやってくれた」
イクスの感謝にミオンが頭を下げました。いつもより少しうれしそうです。
先輩に実力を認められるのは誇らしいものなのでしょうね。
兄が元夫の処分に関して何かあるか確認しますがイクスは首を振りました。
当主と元妻である私が決めたことに口を挿む気はないとのことです。
でも、なんでしょうか。少し……、すこーし怒ってるような気がするのですが。
やっぱり何か不満があるのかと思いましたがここでは言いづらいのかもしれません。
夫婦の寝室に戻ってから聞くことにしました。
「イクス、ミオンを連れてきてくれてありがとう。
とても手際が良くて門番も護衛もほとんど出番がなかったくらいでした」
「ああ、ミオンがいてくれて本当に良かった。
レインが近くにいたと聞いて心配したよ」
怒っているわけではなく、私が襲撃者から防衛するために外に出ていたことに危険を感じたそうです。
今後も同じようなことがあればミオンに知らせて屋敷の中にいた方が安全だとも。
イクスの言う通りですね。
今回はその辺で雇われただけの人でしたが、本職の人であれば危険が増します。
ミオンだけなら対処できても私が現場にいることで邪魔になるかもしれません。
もっと話し合って何か起きた時の対処方法を決めておいた方がよさそうです。
明日、イクスとミオンに時間を取ってもらいましょう。二人の意見を聞いたらもっと良い方法がみつかるでしょうから。
リオンとルイス目線とはまた違う冒険談を寝物語にしながら明日に思いを馳せます。
今回も無事に帰ってきてくれた人へ喜びと感謝を囁きながら、いつしか眠りに落ちていました。
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