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番外編など
子供の戯言なんかじゃない。キミでなきゃダメ。 <ライナス視点③>
しおりを挟むシェリルを伴侶にしたいと伯父上に話したらすぐ了承が下りた。
他の縁談を断る理由ができて喜ばしいと言っていたけれど、選んだのがシェリルだったことも嬉しそう。
特別何かあるわけじゃないけど、彼女の伯父上と縁ができたのは嬉しいって。
シェリルの伯父上は王宮で職務を任されているのもあって貴族の動向に詳しいから何かあったときに相談しやすい関係になれるのは良いとか。
うーん。それでいえばシェリルも王都の貴族に詳しいから助かるな。
それとは別に遠いからべったりな関係にもならないで済むのがより良いと言っていた。
確かに。シェリルの家はこの地方から見て王都のさらに少し先だし、彼女の伯父上の領地も王都からほど近い場所にある。
国の中央にある王都すら遠いここからはどちらもかなりの距離があった。
伯父上としては口を挟まれるほどの距離感じゃないのが一番嬉しいみたい。
向こうにも思惑があるだろうけれど、シェリルを諦めるほどの障害ではないと感じていた。
彼女の伯父上とも早く会ってみたい。
そういえば、彼女から伯父上の話は聞くけれど他の家族の話は聞かないね。
どうしてかな。
その理由を知ったのは、彼女が帰ってからそれほど経たないうちのことだった。
金の箔押しをされた派手な封筒に暗い赤色の封蝋。シェリルの家から送られてきた手紙が投げ出された机に嫌な予感を覚えた。
「伯父上、今なんと言ったのですか?」
僕の問いに一度瞳を閉じた伯父上がゆっくりと、でも現実逃避を許さないはっきりした声で告げた。
「シェリルとの婚約は認めないそうだ。
変わりに末の娘をどうだと言っている」
「あちらは何を言っているのですか!
僕が伴侶に望んだのはシェリルです!
同じ家の令嬢でも彼女の代わりになんてなるわけがない!!」
反射的に叫んでから我に返り、呼吸を落ち着ける。
深く息を吸って吐き、平静を取り戻してから再度口を開いた。
「伯父上、その手紙を読んでも良いですか?」
「ああ」
伯父上は僕が落ち着いたのを確認してから短く了承を返す。
読み進めていくうちにまた怒りが湧いてきたが、それは衝動的なものではなく凍えるような深い怒りだった。
「彼女の伯父上と話はされたのですか?」
「ライナスが彼女を伴侶に望んでいるという旨の書簡は送っている。
彼女の父親からこの返事が来たことはこれから早馬を飛ばすが」
あちらの家も反発するだろうなと言う伯父上の声は楽しそうで、僕がどうするのかもうわかっているようだった。
「彼女の伯父上に僕の手紙も一緒に送っていただけますか」
「どうするつもりか、聞かせてもらおうか」
面白そうな顔の伯父上はわかっていて、僕の答えを受け入れてくれると言外に伝えていた。
「僕は彼女を諦めません。
シェリルでなければダメです。
だから、迎えに行きます!」
僕の宣言によく言ったと破顔した伯父上に具体的にどう動くつもりかと聞かれ考えていることを説明していく。
最後まで聞いた伯父上が感慨深げによくそこまで考えたなと微笑んだ。
一瞬だけ伸ばしかけた手は頭に触れる直前で下げられた。
もう子供じゃないから頭を撫でるのは止めておくと言われ、一人前と認められたことに勇気を得る。
伯父上が認めてくれたなら大丈夫、絶対彼女を取り戻すんだ!
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