よわよわ魔王がレベチ勇者にロックオンされました~コマンド「にげる」はどこですか~

サノツキ

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#2:邂逅~それぞれの思い

#2-余談5.幼馴染には敵わないし、答えはオレにもわからない

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<ユーゴイル視点>
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 オレはどこか可怪おかしくなってしまったのかもしれない。

 寝ても覚めても思い出すのは、オレのことをさも面倒そうに見下す絶対零度の薄紫の瞳。
 何ならゴミでも見るかのように向けられる冷たい瞳。
 思い出すだけでゾクゾクする。
 なのに、そのキツそうに見える瞳が甘く緩む時がある。
 オレ相手じゃないのが腹立つ。
 それにドキドキするのはどうしてだ?

 ・‥…‥・◇・‥…‥・◇・‥…‥・

 大抵の人間は、オレの後ろに兄さんを見て媚を売ってくる。
 オレの兄さんは『勇者』だ。
 うちの家業が『勇者』なのもあるけど、誰もがなれるわけじゃない。
 『勇者』になるためには、勇者であるためのあかし「シルシ」が身体のどこかに現れる。
 兄さんには勇者であるためのシルシが生まれつきあった。
 それが何かオレは知らないけど、それが『勇者の絶対条件』で、オレにはそれがないらしい。

 だからってオレは卑屈になったりしない。
 だって、兄さんは勇者になって当然なんだ。
 オレは兄さんが『勇者』なのを誇らしく思ってる。

 いつしか誰もオレを見なくなった。
 オレに近寄ってくる大人も、兄さんへの伝手をオレに求めてくる。
 友人たちでさえ、「勇者の弟と友達」であるステータスを欲しがっている。
 女子に至ってはもっとあからさまで、オレと仲良くすれば兄さんに会えると思っている。

 だから、昔からの友人数人を除いてオレと友だちになろうとするヤツには「どうせ兄さん狙いなんだろ?」と先制パンチをお見舞いすることにしている。
 それで殆どのやつは去っていく。
 表面上の付き合いさえ保てればそれでいい。

 「家名を名乗らない事」が信条のこのアカデミーでさえ、蓋を開けてみればクラスメイトは全員貴族でほぼ見知った顔ばかりだった。
 皆が、オレがシャルディ家の次男で、兄である勇者ユーリウスの弟だと知っている。
 知らなかったのは、オレが取れなかった首席を取った「マルセイラ」ってヤツと「マリネッテ」という隣の席の女とその前の席の、なんだっけヒ……なんとかってピンク髪の女だけだ。

 そのマリネッテは、入学式の日早々にオレに話しかけてこようとしたから、いつもの如く「兄さんに紹介なんて絶対しないから」と言うと、不思議そうな目で見てきた。
 え?そんな反応初めてされたんだけど。
 嘘だろ、もしかして兄さんのこと知らない?
 貴族でありながら勇者兄さんのことを知らないって、どんな田舎者なんだよ。
 どこの家門のヤツなんだ、あーこういうとき家名秘匿は面倒だな。
 誰かこいつのこと知らないかな。

 そうこうしていると、オレはオレで知り合いに挨拶されてそっちを向いたし、女は女でオレに興味を失ったのか俯いて本を読みだした。
 お前、本当に兄さんのこと知らないのか?
 単純にオレに話し掛けてきたのか?
 だとしたら……ヘンな女だ。

 ・‥…‥・◇・‥…‥・◇・‥…‥・

 その日の終わり、オリエンテーションも終了し暫くして、兄さんのいる生徒会室に顔を出そうかと思っていたら、何やら教室の前のほうがざわつき出した。
 何気にそちらへ視線を向けると、やってくるのは兄さんだった。

「兄さん!一年の教室にどうしたの?」

 今朝は会えなかったし、何ならアカデミーに合格が決まったと告げた時でも「良かったな」と言ってくれただけだったけど。
 でも、オレは知ってるんだ、入試成績上位3名は生徒会役員に招待されるって。
 残念ながら首席は取れなかったけど、この席の並びだとオレは次点じゃないかな。
 だとしたら、オレを迎えに?

 嬉しくなって駆け寄ると、兄さんは一瞬オレを見たあとすぐに視線をそらし、誰かを探しているようだった。
 その相手は、今回の首席入学者マルセイラと、オレの次、3位で入学した隣の席の女だった。

 何だよ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔しやがって、ホントにお前ら兄さんのこと知らないのかよ。
 生徒会に誘われるなんて、アカデミーに在学する者にとってとてつもない名誉なんだよ。
 しかも、忙しい兄さんが直々に迎えに来たんだぞ。
 そこら辺、きっちり指導してやったら、オレが兄さんに怒られたじゃないか、なんでだよ理不尽だろ。

 その後、生徒会室に連れて行かれ、自己紹介をし兄さんを含め先輩方に歓迎会をしていただいた。
 ずっとマリネッテを見ていたが、兄さんに媚びを売るようなことはなく、上級生に対する普通の態度───どちらかと言えば普通に緊張していた───だった。
 ああ、うん、わかるよ。
 先輩方、なんかこうやたらとキラキラしいんだよな。
 ちょっと知ってるオレだって緊張する。

 ・‥…‥・◇・‥…‥・◇・‥…‥・

 そう言えば、マリネッテの前の席のなんとかってヤツは、どこかで聞いたのかオレが兄さんの弟だと知ると、やたら話し掛け来るようになった。
 知らなかっただけで、こいつもやっぱりオレに近寄ってくるヤツラと同類だったんだ。

 この前なんてマリネッテが生徒会に入ったからって、そこから兄さんのことを探ろうとしてきたから慌てて彼女を外に連れ出した。
 なのにアイツは全然気付かないで「彼女を悪く言わないで」だって。
 お前の知らないところで、あの女がどんな目でお前を見てるか、どんな風に言ってるか知らないクセに友達とかでも思ってんのかって……笑えてくる。
 アイツはお前のこと友達だなんて思ってないよ。
 オレを見る目と同じ、「自分にとって役に立つか立たないか」で見てくる類の人間。

 友達って……なんなんだろうな。



 マリネッテはいつも一人だ。

 ただ、嫌われてるとか無視されているとかそういうのではない。
 どうやら本当に知り合いがおらず、周りも「話しかけようか、どうしようか」と遠慮している風だ。

 数少ない気のおけない友人たちに聞いても、誰も彼女の家名も、何なら今まで見かけたこともないという。
 という事は、社交界に全く顔を出していないからなのだろう。
 あの容姿だ、夜会に一度でも出ればどこかしらに噂は立つ。

 繋がりが重要視される貴族社会で、この歳まで同年代の知り合いがいないと言うのは、よっぽどの田舎者か、人嫌いか、社交を知らない馬鹿か、表に出られないほど病弱か、のどれかだろう。
 彼女はそのどれにも当てはまらないように見える。

 手入れの行き届いた身なりや持ち物など見てもどこぞの田舎の弱小貴族の出には見えない。
 話し掛けられれば答えているし人嫌いでもなさそう。
 成績上位者3名の中に入るのだから馬鹿でもないだろう。
 色白ではあるが病的なほどではなく薔薇色の頬や艷やかな口唇など健康そうだ。

 どういう事だ?
 社交界に出ていれば、珍しい黒髪も、神秘的な薄紫の瞳も、ひと目で皆を虜にし中心になりそうな人物であるのに。

 ・‥…‥・◇・‥…‥・◇・‥…‥・

 食堂で、度々同じ生徒会役員のマルセイラと彼女が、朝食のトレイを持って生徒会専用の個室に入ろうとしていたのを見かけることがある。
 その時は相席することにしている。
 オレだって生徒会役員なんだから、この部屋を使う権利はあるだろう?

「友達って出来た?」

 ある日、食事も半ばを過ぎた頃、たわいない話をしていた彼女がマルセイラにそう聞いた。
 彼女と違ってマルセイラは、人好きするのか割合誰とでも気軽に話しているし、同級生に溶け込めているように見える。
 やはりマリネッテは一人でいることを気にしているのか。

「お前、もしかして友達いないの?」

 カチンと来るのをわかって、敢えて煽ってみる。
 案の定、図星だったのか白い頬をさあっと赤く染め、びくりと肩を揺らす。

「失礼ね、ユーゴイルくん」

 すぐさま薄紫の瞳を半目にして反論してくるが、イマイチ覇気がない。
 あれ?ちょっとはオレの言い様に慣れてきたのか?
 その割に、いまだにオレのこと「ユーゴイルくん」と呼びやがる。

「いい加減『ユーゴ』って呼べって。『ユーゴイルくん』なんて長いだろ」

 家族や親しい友人はオレのことを「ユーゴ」と呼ぶ。
 勝手になんて呼ばせない、オレが許可した人たちだけだ。
 知らないヤツに呼ばれたって返事なんてするもんか。

「あら、わたし達、愛称で呼び合うほど仲良かったかしら」

 調子が戻ってきたマリネッテは、瞳を煌めかせながら言い返してくる。
 いいんだよ、オレがいいって言ってんだから。
 仲良くは……今はあんまりかもしれないけどさ。

「うっさいな、いいから呼べって。オレだって『マリナ』って呼ぶから」

 実は、生徒会室でドール先輩とマシュー先輩が、彼女のこと「マリナ」や「マリナちゃん」って呼んでいるのを聞いていた。
 恥ずかしそうに、彼女が「ドールくん」「マシューくん」って呼ぶのも。
 オレは……マリネッテのこと……名前で呼べないのに。

「ついでにお前も『マリネッテさん』なんて言ってないで『マリナ』って呼べよ」

 だからマルセイラも巻き込むことにする。
 マルセイラにも愛称で呼ぶよう言えば、彼女はOKを出すんじゃないかと算段して。

 この二人、どうもここに来て初めて知り合ったというよりも、前から知り合いだったかのような、もっと近い間柄かのような雰囲気がある。
 教室ではほとんど話してるのを見たことはないが、こうやって食堂では一緒に食事をしているのをよく見かけるし、マリネッテがマルセイラに向ける表情が緊張感など全く無いごく自然なものに見えるからだ。

「そうね……マルセイラくんも愛称で呼ばせてくれるなら、『マリナ』と呼んでもいいわ」

 やはり思ったとおり、彼女は愛称呼びを許可した。
 マルセイラは「今のままで」なんて言ってたけど、それじゃダメなんだよ。

「なに照れてんだよ、クラスメイトだろ。お前も愛称で呼べよ。んで、オレは『ユーゴ』な」

 多分、この機会を逃したらここから一歩も進まない。
 多少は強引に言わないと。
 ついでにオレのことも「ユーゴ」と呼んでもらう。



 それにしても、やはりこの二人距離感が近い。
 まさか婚約者同士とか……いやいや、ありえな……くはないか。
 オレにだって、名ばかりとは言え婚約者がいる……し。
 今まで社交界に出てこなかったのも、もう決まった相手がいるから、とか。
 でもさ、社交界とは結婚相手を見つけるだけのものじゃないし。

「もしかして、お前ら……知り合いか?」

 さすがに「婚約者同士か?」とは聞けない。
 もともとの知り合い、せめて「幼馴染」ぐらいの関係なら。

「僕たち幼馴染なんだよ。偶然アカデミーで再会してさ」

 よっしゃビンゴ、幼馴染!
 取り敢えず「婚約者同士」じゃなかったことにホッとする。
 ん?ホッとするってなんでだ?

「へー……」

 それにしたって、隠す必要ある?
 友達いないなら尚更仲良くしてればいいじゃないか。
 何もやましいところがなければ、さ。

 隠してたってことは、何かあるってことで。
 その何かって……やっぱりこの二人……。
 ああ、もう!
 何だか面白くない!!

 オレだけ邪魔者で二人だけ仲良さそうなのも感じ悪い。
 せっかく友だちになれたのに。
 やっと「ユーゴ」って呼んでもらえるようになったのに。

 ダメだ、このままここにいると、多分またマリナに悪態をついてしまう。
 彼女を怒らせることは本意じゃないんだ。

「ま、『お友達探し』ガンバって。オレもう行くわ」

 これ以上、二人を見ていたくなくて、オレはトレイを持って席を立った。
 当然のごとく、引き止められることもなく。

 振り返ると扉が閉まる隙間から、最初からオレなんていなかったかのように仲良さそうに話す二人が見えた。
 なんでだ、胸が苦しい。
 彼女マリナの綺麗な瞳はオレを見ていない。

 それが寂しいと思うなんて。
 オレはどこか可怪しくなってしまったのかもしれない。



────────────────────
<#2終わり>
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