白雪の巫女〜捨てられた私が手にしたのは女の子になるだけの役に立たない魔導書だった〜

水先 冬菜

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役立たずの魔導書

依頼

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 家族に捨てられてから数週間が過ぎた。

 私はマリアと名乗る女性に命を救って頂き、その上、彼女が暮らす教会に保護という形で住まわせて貰う事になった。

 正直に言えば、迫害されて捨てられた身。

 彼女の迷惑になると思い、最初はすぐに出て行こうとしたのだが、彼女にやんわりと止められて、押し切られてしまった。

 それからは彼女のお手伝いをしながら、魔法や作法、家事や料理といった色々な事を学んでいった。

 そして、四年の月日が経ったある日------------

 私はに呼ばれ、客室を訪れた。

「失礼致します」

 客室に入るとマリア様がいつものように「いらっしゃい」と微笑みかけてくれた。

 私は微笑み返すと客室の状況を確認した。

 マリア様の正面横長のソファーに一組の男女が腰掛けていた。

 男性の方は強面で初老といった感じだろうかティーカップを片手に何故か私をいぶかしげに睨んでおり、女性の方は10代半ばぐらいの少女でまるで馬鹿にしたかのように鼻で笑った。

 二人とも見るからに高そうな装飾品や服装からして貴族なのはすぐに理解出来た。

 マリア様は自分の隣に座るように促すと、二人の表情がより一層険しいものになっていく。

 何なんだろうと思いながらもマリア様の隣に腰掛けた。

「紹介するね。この子がよ」

 ユキハ--------それが私の今の名前だ。

 を境にマリア様がそう名付けてくれた。

 今では本当の母親のようにしたうマリア様がつけてくださった名であるだけに、私はこの名前が非常に気に入っていた。

 だから、『アスハ』の名は捨て、今は『ユキハ』と名乗っている。

 そして、マリア様が私の名前を出した事により、私は全てを理解した。

 あぁ、いつもの奴か、と……………………。

 マリア様はニコリといつものように優しく微笑んでいるが、二人は明らかな怒りをあらわにする。

「マリア殿。貴殿は我々を馬鹿にしておられるのか…………? どう見ても少年のように見えるのだが…………」

「いいえ。私は事実を述べているだけですよ」

 男の方が口を開くとマリア様が即座に首を横に振り、否定した。

 男は疑いの眼差しを私に向けるが、女性の方は--------

「ふん…………」

 忌々しげに顔をらしていた。

 かなり機嫌が悪そうだ。

 まぁ、いつもの事なので私としてはどうでも良い。

 それよりも--------

「今回のはどういったものだったのですか?」

 私はマリア様に尋ねた。

 こういう時、相手側は私を疑っている事が多いので、素直に話してはくれない。

 なので、いつも私はマリア様に聞く事にしている。

 相手側は怒るかもしれないが、そんな事は知った事ではない。

 私にとってはそれがマリア様にどうかが重要なのだ。

 マリア様は一瞬考えるそぶりを見せたが、再び微笑むと私の頭を撫でてくれた。

「今回の依頼は------------ベルステール王国に出没した魔人退治よ♩」
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