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お茶は嗜むものか濁すものか
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「殿下、本日はお招きありがとうございます。」
私は丁寧に頭を下げた。
「シリウスで構わない。ここには私たちしか居ないからな。」
「では、シリウス様と、私もジゼルで構いません。」
挨拶が済む椅子に座りお茶会が始まった。
「改めてトーナメントの優勝、おめでとう。制限がある中で素晴らしい戦いだったよ。」
「ありがとうございます。シリウス様も三位と素晴らしい成績でした。おめでとうございます。でも、シリウス様なら二位でもおかしくなかったかと思います。」
「それについてはね…君には話をしておこうかな。巻き込んでしまったようだし。」
「バーン公爵令嬢、の事でしょうか?」
「そう。彼女はね昔から私に凄く執着しているんだよ。」
シリウス様のお話を要約すると、
リリアン様の5歳の誕生パーティーで初めてリリアン様と会い、挨拶をした。
その後、パーティーに行く度にまとわりつかれ、城の庭で寛いでいるといきなり現れ延々と話してくる。
半ノイローゼになり掛け我慢が出来なくなりかけた時、タイミング良く私の婚約の話を聞き利用する事を考えたと。
なんて自分勝手なんだろう。
「ではシリウス様はバーン公爵令嬢に苦手意識があるのですね。」
「苦手意識ではないよ。言うなれば捕食される恐怖!近づいてはいけないと本能が告げるんだ。」
「…恐怖ですか。確かに少し威圧感が強めではありますが、遠くからみてる分には可愛らしい方に見えるのですが……」
「確かに容姿は好ましいが、それを感じる間もなく距離を詰めてくるからね。
しかし、トーナメントで君も目をつけられてしまった。すまない。合わせて私にはどうしようも無い事も謝罪しよう。」
腹黒さなど微塵も感じない程の誠実さに私は少し罪悪感を感じました。
「因みにこの件はご婚約された隣国の王女はご存知ですか?」
「それは……今はまだ話すべきではない。」
「失礼ですが、シリウス様はご婚約者様をどうお思いで?」
「私は彼女に好意を持っているよ。身分は申し分なく、考え方も私と似ているからね。これ以上に無いくらいの相手だ。」
この言葉を相手が聞いたら果たしてどうなるのでしょう。
「シリウス様の一目惚れと聞きましたが……」
「そうだったね。」
シリウス様は笑顔をつくってこの話を終わらせた。
「ところで今日は君の婚約者は来ていないのかい?」
「ご招待頂いたのは私だけですので、たぶん離れた所にはいるかと思います。」
「流石だね。ではあまり長い時間一緒に居ては顰蹙を買ってしまうかな。」
どうやらお茶会はここでお開きなようだ。
聞きたかった事は概ね聞けたので良い成果だったと思う。
城から戻ると少ししてジョシュアが訪ねてきた。
私がお茶会をしている間、ジョシュアはリリアン様からきいたシリウス様の関係者をあらっていた。
そちらも成果はあったようだった。
二人で情報交換して今後の方針を決めていく。
一通り話を終えるとリリアン様に通信して共有し、今日の任務は完了しました。
後は
「今日は殿下にジゼルを独占されましたからね。ここからは私に独占させてください。」
ジョシュアは背中から私に背中から抱きつくと唇を首に這わせて軽くキスをした。
暑くなる私の顔を無理やり自分の方へ向かせて唇を独占し、いつもより余裕のない息づかいで暫く離してくれなかった。
「やはり、貴女の瞳に私以外が映るなんて許せる事ではありませんね。」
私は丁寧に頭を下げた。
「シリウスで構わない。ここには私たちしか居ないからな。」
「では、シリウス様と、私もジゼルで構いません。」
挨拶が済む椅子に座りお茶会が始まった。
「改めてトーナメントの優勝、おめでとう。制限がある中で素晴らしい戦いだったよ。」
「ありがとうございます。シリウス様も三位と素晴らしい成績でした。おめでとうございます。でも、シリウス様なら二位でもおかしくなかったかと思います。」
「それについてはね…君には話をしておこうかな。巻き込んでしまったようだし。」
「バーン公爵令嬢、の事でしょうか?」
「そう。彼女はね昔から私に凄く執着しているんだよ。」
シリウス様のお話を要約すると、
リリアン様の5歳の誕生パーティーで初めてリリアン様と会い、挨拶をした。
その後、パーティーに行く度にまとわりつかれ、城の庭で寛いでいるといきなり現れ延々と話してくる。
半ノイローゼになり掛け我慢が出来なくなりかけた時、タイミング良く私の婚約の話を聞き利用する事を考えたと。
なんて自分勝手なんだろう。
「ではシリウス様はバーン公爵令嬢に苦手意識があるのですね。」
「苦手意識ではないよ。言うなれば捕食される恐怖!近づいてはいけないと本能が告げるんだ。」
「…恐怖ですか。確かに少し威圧感が強めではありますが、遠くからみてる分には可愛らしい方に見えるのですが……」
「確かに容姿は好ましいが、それを感じる間もなく距離を詰めてくるからね。
しかし、トーナメントで君も目をつけられてしまった。すまない。合わせて私にはどうしようも無い事も謝罪しよう。」
腹黒さなど微塵も感じない程の誠実さに私は少し罪悪感を感じました。
「因みにこの件はご婚約された隣国の王女はご存知ですか?」
「それは……今はまだ話すべきではない。」
「失礼ですが、シリウス様はご婚約者様をどうお思いで?」
「私は彼女に好意を持っているよ。身分は申し分なく、考え方も私と似ているからね。これ以上に無いくらいの相手だ。」
この言葉を相手が聞いたら果たしてどうなるのでしょう。
「シリウス様の一目惚れと聞きましたが……」
「そうだったね。」
シリウス様は笑顔をつくってこの話を終わらせた。
「ところで今日は君の婚約者は来ていないのかい?」
「ご招待頂いたのは私だけですので、たぶん離れた所にはいるかと思います。」
「流石だね。ではあまり長い時間一緒に居ては顰蹙を買ってしまうかな。」
どうやらお茶会はここでお開きなようだ。
聞きたかった事は概ね聞けたので良い成果だったと思う。
城から戻ると少ししてジョシュアが訪ねてきた。
私がお茶会をしている間、ジョシュアはリリアン様からきいたシリウス様の関係者をあらっていた。
そちらも成果はあったようだった。
二人で情報交換して今後の方針を決めていく。
一通り話を終えるとリリアン様に通信して共有し、今日の任務は完了しました。
後は
「今日は殿下にジゼルを独占されましたからね。ここからは私に独占させてください。」
ジョシュアは背中から私に背中から抱きつくと唇を首に這わせて軽くキスをした。
暑くなる私の顔を無理やり自分の方へ向かせて唇を独占し、いつもより余裕のない息づかいで暫く離してくれなかった。
「やはり、貴女の瞳に私以外が映るなんて許せる事ではありませんね。」
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