婚約者の愛は重たい

聖 りんご

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氷の中での暇つぶし

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ジョシュアはミリーとガツメンが完全に気を失っているのを確認し部屋を出てジゼルたちの元へ向かった。

汚いものを見たのでジゼル出癒されたいジョシュアは、自身の作った氷の壁を中にいるジゼルに気を遣いながらゆっくり溶かしていく。
すると。次第に中から声が聞こえてくるようになってきた。

「ダメ!シリウス様そんなところ攻めちゃダメですっ……」

「しかしココが私に主張してるんだ。」

「あ…そんな太いの抜いたら……」

ジョシュアはその声を聞いて力加減が出来なくなり壁を一気に破壊してしまった。

短い悲鳴をあげる二人を真顔で凝視したジョシュアは全力で叫んだ。

「まぎらわしいっ!!」

ジゼルとシリウスはジェンガをして遊んでいるだけだった。
ジョシュアの所為でバラバラになり少し拗ねたジゼルの頬にキスをしたジョシュアはそのままジゼルに抱きつき癒された。

「外は片付いたのか。」

「もちろんです。確認したければどうぞ。」

シリウスはジョシュアの言葉に従い確認しに行くと丸焦げになって重なり合うミリーとガツメンをみて顔をひきつらせた。
命は保証されていたから生きているはずだが、五体満足そうに見えて石化した部分があり、すりギズも酷い。

「何をしたんだ……」

「大した事はしてませんよ。
男性は手足の石化と視力をなくし、でろでろん芋の抽出物を身体中にかけて放置。女性は手を石化し肩を抜き、少し服を破いたら媚薬かけて男性に被せて放置。最後は二人に雷を落として終わりです。」

シリウスは味方にジョシュアがいて良かったと心底思った。

ジョシュアは癒しが足りないとジゼルをずっと抱きしめていたが片付けを手伝うように促し渋々ジョシュアは檻を作りそこにポイポイ襲撃者たちをほおり投げた。
全員を詰め込むとジョシュアの光速で学園にもどり警備していた兵に回収を依頼した。

ジゼルとシリウスが監禁されていた場所は学園の近くだったようですぐに檻ごと運ばれていった。

皆を眠らせた方は三年生のBクラスの侯爵の子息で、ギャンブルでガツメンに嵌められ借金があったようで脅されて手伝ったと自供し退学になった。

犯人が捕まった事で音楽祭はそのまま開催する事になったが、ソロ演奏選考会のやり直しは無く皆がソロパートを持つことで決着した。

そうして開かれた音楽祭は華やかに彩られ優雅なものとなり、出演者達には惜しみない拍手が贈られた。
特別枠で出演したジョシュアはジゼルとピアノとフルートのデュオを披露し満足気だった。
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