上 下
69 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第69話 鬼ごっこ同好会、始めました

しおりを挟む
同好会を始めるに当たって、まずは顧問が必要だよね。誰にしましょう?って先生なんて一人しか知らないんだけど。

"コンコンコンッ"

「失礼します、佐藤先生は居られますでしょうか?」

俺は英雄君と一緒に職員室に向かい、佐藤先生を探した。部活の顧問なんて、本来誰も遣りたがらない仕事。日曜出勤当たり前、特別手当て無しのボランティア、それじゃやらないって。
さて、どうやって説得しようか。

「先生、お忙しい所すみません。少々先生にご相談したい事がありまして、少しお時間よろしいでしょうか?」

あら、先生、なんか引きつった顔を為なさって居りますが、いかがなさいました?
いえね、不登校生徒の件で実績のある解決案がございまして。"桜町小学校の軌跡"ってご存じ無いですか?
県教育委員会でも取り上げられていると聞いていますが。
その"奇跡"を牽引したいち要因。
ご興味ございませんか?

"お、目が泳いでるぞ。行きなりの事で混乱してるぞ、ここは冷静に考えさせる時間を与えないように"

なに、難しい事では有りませんよ。子どもたちの力の方向を少し変えてあげるだけです。
要するに男子生徒が自ら身体を動かし、自ら心を解放する。その手助けをしてあげれば良いのです。
先生にはその下地を作るお手伝いをお願いしたいのです。

僕たちは桜町小学校の出身者として、その変化をつぶさに目の当たりにしてきました。
先生、一緒に現状を変えて行きませんか?

「え、えぇ。佐々木君の熱意は分かりました。それで、具体的に先生は何をしたら良いのかしら?」

"フィーッシュ、掛かった。"

僕たちは鬼ごっこ同好会を通して彼等との接点を持とうと考えてます、先生にはまず同好会の顧問になって欲しいんです。具体的な方策は同好会の方で行います。
この活動には石川生徒会長にも賛同を頂いています。流石の生徒会長です、同好会副部長に名を連ねて下さいました。

「そうなの、生徒会長の石川君が。それなら安心ね、顧問の件喜んで引き受けさせていただくわ。」

"お、生徒会長の名前を出したら明ら様にほっとしたぞ"

ありがとうございます。
お忙しい所、突然すみませんでした。
顧問の件、よろしくお願いします。
では、失礼します。


よし、状況終了。
ん、木村君どうしたの?
なんか呆れた顔してない?

「佐々木、お前は本当詐欺師だな。」

そんな、酷い。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

太后

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:10

孤独の恩送り

ミステリー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

事故物件の入居者が恋したのは、自殺した女性・・・

ホラー / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:3

コオロギを水洗いしてはいけない

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:1

処理中です...