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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第120話 ビックジョーの恋 (4)

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「おはよう、佐々木。相変わらず貧相な顔をしているな。
まあ、人の好みは様々だ、貴様にもいつかいい相手が出来るかもしれん。
気にせず頑張れよ。」

「あ、あぁ。ビックジョーおはよう。どうもありがとう…。」

「おはよう、木村。お前も残念な容貌だがめげるなよ。」

何アレ?
岡田く~ん、ちょっとこっち来て~。
んで、あれってどうしちゃったの?
どんな些細な事でもいいから全部話せ!

「痛い痛い、襟を締めるな襟を。って言うか混乱しすぎだ、少し落ち着け。」

あぁ、ごめん。なんか理解を超えた光景に感情が付いて来れなくて。
それでマジで何?ビックジョーが自分から朝の挨拶って、普段の挨拶すらろくに出来なかったよね、アイツ!?
しかもなんか浮かれてるんですけど?
アイツの恋が上手く行ったとか?それこそありえないでしょう。

「ビックジョー、演劇部の二年生、確か滝沢さんだったかな?その滝沢さんの教室の周りをウロチョロしてたらしい。」

うげ、それって不味い奴じゃん、事案じゃん。警察に相談しないといけない奴じゃん。

「あぁ、俺もそう思う。そんで当の滝沢さんに見つかって、上手い事話も出来なくて、なぜか上から目線の話し方でうじうじしてたらしい。そうしたら滝沢先輩の方から”もしかして文化祭のときの公演を見てくれたのかな?それだったら嬉しいんだけど。演劇の舞台って結構力仕事が多いんだよね、良かったら今度見学に来てくれない?”って誘われたらしい。
そんで今はサッカー部そっちのけで演劇部の手伝いしてるんだと。」

それって付き合ってるとかそういうのじゃなくって、いい様に使われてるってだけじゃ…。

”コクン”

アイツにそれ言ったの?

「あぁ、これでも付き合いは長い方だしな。そしたらアイツ”演劇ってのは素晴らしいぞ。一つの舞台を作り上げるには役者だけじゃない、多くの裏方がいて初めて出来上がっているんだ。そこで初めて彼女たちが輝く。本当に奥が深いんだ。”って言ってた。」

うゎ~、完全にやられちゃってるじゃん。もう沼に入り込んでるじゃん。まあ、本人がそれで良いなら放っておいてもいいんじゃない?
で、今朝のあれはいったい何なのさ。

「なんでも滝沢先輩に”しっかり挨拶出来るってのは人間の基本。その方がカッコいいと思うよ♪”って言われたんだと。今日から急に始めやがった。」

ドンだけちょろいんだよ、ビックジョー。
でもこれって使えるか?
お~い、ビックジョー、ちょっといいか?

「なんだ佐々木、前にも言ったが朝の貴重な時間にあまり騒ぐな。お前も可憐な滝沢先輩の事を少しは見習え!」

お、おう。悪かったよ。
それで朝の挨拶なんだがな?これって教室だけじゃなくって校門の前とかでやった方がいいんじゃないか?
大勢の人に見てもらった方がビックジョーのアピールにならないか?
その方が滝沢先輩の耳にも入るだろうし。
一人だと抵抗があるかもしれないから、サッカー部の先輩方に相談してみたらいいんじゃないか?

「ふむ、それはそうかもしれないな。直接やってますと言うより人づてに聞いた方が印象が良いと聞いたことがある。佐々木にしてはやるじゃないか、見直したぞ。
早速サッカー部で話してみよう。」

あ、行っちゃったよ。
相変わらず自分の事になると行動力が早い。
でも面白い事になって来たぞ♪(ニヤリ)
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