220 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第218話 いい旅、湯め気分♨ (2)
しおりを挟む
「おっはよ~っす、木村君。突然で悪いんだけど、温泉行かない?」
「・・・はぁ?」
行き成りの事に困惑する木村君。相変わらずいいリアクションするな~。
第二回逃走王決定戦本選の放送終了後、明けて次の月曜日、学校はハチの巣をつついたかのような大騒ぎになっていた。
毎朝”朝の挨拶運動”を行っているサッカー部の皆さん、今朝のテンション高すぎませんか?そんなに気合を入れて”おはようございます!”って言われると、怖いんですけど。
でもそれを受けて女子生徒の皆さん、ビビるどころか一緒にハイタッチって一体何があったん?
前世でサッカーワールドカップに日本チームの本選出場が決定した時の渋谷スクランブル交差点みたいだぞ、これ。
いぶかしみながら二年C組の教室に向かうも、こちらも何故か人だかり。
ちょいちょい絵実ちゃんや、なんか木村君や吉村君がえらい事になってるんだけど、西山君なんかみっちゃんくみちゃんにガードされちゃってるんだけど、いったい何があったん?
「あ、おはよう佐々木君。佐々木君は大丈夫だったのってダイジョウブみたいね・・・。」
お、おう。なんか複雑な表情されてもなんて返したらいいのか分からんけど、特に何もないかな?
そんでもって、あれってなんぞ?
指さす先には先ほどからの喧騒、木村君が笑顔で対応って、アイツ本当にトラウマ克服したんだな。なんかとっても感慨深い。(涙)
「あぁ、金曜日に第二回逃走王決定戦本選の放送があったでしょう?あれを見て感動したって、出場した鬼ごっこ同好会の面々が今朝から取り囲まれちゃってね。
隔週で行っている例の体力測定ランニング、次回の参加予定者がシャレにならないの。全運動部どころか文化部の面々までって、もうお祭り騒ぎ。
みんなして”Saki”様と一緒にトレーニングしたいって、でも佐々木君は囲まれてないのね・・・。」(慈愛の籠った目)
うぐっ、朝から特大ダメージ。ちくしょう、どうせ俺は”中の人”ですよ~だ。
でもなるほど納得です、俺も見たけどあれ凄く良かったもんな~。
植松ディレクター渾身の編集、スタッフの熱意が伝わって来たもん。
そうそう、あの番組、今度ディレクターカット版がDVDで発売されるらしいよ。
植松さんから直接聞いたから間違いないはず。社内会議で編成局長が渋ってるらしいけど、数字がものを言う世界だからね、まず問題ないでしょう。
今から楽しみで仕方がないよね。
お前はすでに持ってるだろうって?あれはノンパッケージなの、製品版も欲しいのがコレクターなの。言わせんなよ恥ずかしい。
でもそうか、みんな大人気だから待ってたらゆっくり話も出来ないよな、よし、拉致るか。
はいはい皆さんごめんなさいね~、鬼ごっこ同好会部長の佐々木君だよ~。ちょ~っと部活の件で部員たちに話があるからこいつら借りるね~。
木村君西山君、部室に移動します。ほら急いだ急いだ。
って流れで冒頭の会話に繋がりますって木村君どうした?鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をして。
「いや、相変わらず佐々木が佐々木だと再認識したところだ。
で、何で行き成り温泉なんだ?」
いやね、第二回逃走王決定戦本選の放送があったじゃん?あれって番組制作の植松ディレクター相当頑張ったらしいのよ。上の人間はもっと俳優やアイドルを中心とした編集を望んだらしいんだけど、この戦いを汚すな~って啖呵を切って独断決行、特別編集版を社長や専務、大株主やスポンサーサイドに配って説得したんだって。
お陰で今回の様な大反響の番組になったんだけど、それで大喝采にならないのが大人の世界なんだよね~。
植松ディレクター、深夜番組の制作に飛ばされちゃいました。
他のスタッフは自分の進退を懸けて守ったってんだから立派だよね~。
んで、新しい番組作るってなって思いついたのが”Saki”様と行く旅番組だったんだと。ただ”Saki”様、出演料結構高いのよ。基準がユーロッパの出演オファー価格だからね。
そこで思い付いたのが私のっぺり佐々木君、”Saki”様の中の人を使えばいいんではって話し。いまだ無名だし、低予算の深夜番組でも問題ないし?男の子だし?なぜか襲われる心配もないし?
その番組マジで低予算、スタッフ植松さん含めて三人っていじめなんてもんじゃないよね?
本人気にしてないからいいんだけどさ。
でもそれだけじゃ絵面的に弱いじゃん、そこで温泉大好き木村君に声を掛けたって訳。今朝の様子を見てたけど、完全にトラウマ克服していたみたいだしね。
温泉と言う木村君的パワーワードを聞き、俄然興味を持つ我らがイケメン。
まあ、植松さんの話を受けたのは同情したからってだけじゃないんだけどね。
佐々木君と”Saki”様の乖離が激し過ぎてばれた時どうなるか・・・。
植松さんの番組を通じて少しでも佐々木君=”Saki”様の印象を植え付けねば。
僕は軟禁されたくありません、死にたくね~!
「・・・はぁ?」
行き成りの事に困惑する木村君。相変わらずいいリアクションするな~。
第二回逃走王決定戦本選の放送終了後、明けて次の月曜日、学校はハチの巣をつついたかのような大騒ぎになっていた。
毎朝”朝の挨拶運動”を行っているサッカー部の皆さん、今朝のテンション高すぎませんか?そんなに気合を入れて”おはようございます!”って言われると、怖いんですけど。
でもそれを受けて女子生徒の皆さん、ビビるどころか一緒にハイタッチって一体何があったん?
前世でサッカーワールドカップに日本チームの本選出場が決定した時の渋谷スクランブル交差点みたいだぞ、これ。
いぶかしみながら二年C組の教室に向かうも、こちらも何故か人だかり。
ちょいちょい絵実ちゃんや、なんか木村君や吉村君がえらい事になってるんだけど、西山君なんかみっちゃんくみちゃんにガードされちゃってるんだけど、いったい何があったん?
「あ、おはよう佐々木君。佐々木君は大丈夫だったのってダイジョウブみたいね・・・。」
お、おう。なんか複雑な表情されてもなんて返したらいいのか分からんけど、特に何もないかな?
そんでもって、あれってなんぞ?
指さす先には先ほどからの喧騒、木村君が笑顔で対応って、アイツ本当にトラウマ克服したんだな。なんかとっても感慨深い。(涙)
「あぁ、金曜日に第二回逃走王決定戦本選の放送があったでしょう?あれを見て感動したって、出場した鬼ごっこ同好会の面々が今朝から取り囲まれちゃってね。
隔週で行っている例の体力測定ランニング、次回の参加予定者がシャレにならないの。全運動部どころか文化部の面々までって、もうお祭り騒ぎ。
みんなして”Saki”様と一緒にトレーニングしたいって、でも佐々木君は囲まれてないのね・・・。」(慈愛の籠った目)
うぐっ、朝から特大ダメージ。ちくしょう、どうせ俺は”中の人”ですよ~だ。
でもなるほど納得です、俺も見たけどあれ凄く良かったもんな~。
植松ディレクター渾身の編集、スタッフの熱意が伝わって来たもん。
そうそう、あの番組、今度ディレクターカット版がDVDで発売されるらしいよ。
植松さんから直接聞いたから間違いないはず。社内会議で編成局長が渋ってるらしいけど、数字がものを言う世界だからね、まず問題ないでしょう。
今から楽しみで仕方がないよね。
お前はすでに持ってるだろうって?あれはノンパッケージなの、製品版も欲しいのがコレクターなの。言わせんなよ恥ずかしい。
でもそうか、みんな大人気だから待ってたらゆっくり話も出来ないよな、よし、拉致るか。
はいはい皆さんごめんなさいね~、鬼ごっこ同好会部長の佐々木君だよ~。ちょ~っと部活の件で部員たちに話があるからこいつら借りるね~。
木村君西山君、部室に移動します。ほら急いだ急いだ。
って流れで冒頭の会話に繋がりますって木村君どうした?鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をして。
「いや、相変わらず佐々木が佐々木だと再認識したところだ。
で、何で行き成り温泉なんだ?」
いやね、第二回逃走王決定戦本選の放送があったじゃん?あれって番組制作の植松ディレクター相当頑張ったらしいのよ。上の人間はもっと俳優やアイドルを中心とした編集を望んだらしいんだけど、この戦いを汚すな~って啖呵を切って独断決行、特別編集版を社長や専務、大株主やスポンサーサイドに配って説得したんだって。
お陰で今回の様な大反響の番組になったんだけど、それで大喝采にならないのが大人の世界なんだよね~。
植松ディレクター、深夜番組の制作に飛ばされちゃいました。
他のスタッフは自分の進退を懸けて守ったってんだから立派だよね~。
んで、新しい番組作るってなって思いついたのが”Saki”様と行く旅番組だったんだと。ただ”Saki”様、出演料結構高いのよ。基準がユーロッパの出演オファー価格だからね。
そこで思い付いたのが私のっぺり佐々木君、”Saki”様の中の人を使えばいいんではって話し。いまだ無名だし、低予算の深夜番組でも問題ないし?男の子だし?なぜか襲われる心配もないし?
その番組マジで低予算、スタッフ植松さん含めて三人っていじめなんてもんじゃないよね?
本人気にしてないからいいんだけどさ。
でもそれだけじゃ絵面的に弱いじゃん、そこで温泉大好き木村君に声を掛けたって訳。今朝の様子を見てたけど、完全にトラウマ克服していたみたいだしね。
温泉と言う木村君的パワーワードを聞き、俄然興味を持つ我らがイケメン。
まあ、植松さんの話を受けたのは同情したからってだけじゃないんだけどね。
佐々木君と”Saki”様の乖離が激し過ぎてばれた時どうなるか・・・。
植松さんの番組を通じて少しでも佐々木君=”Saki”様の印象を植え付けねば。
僕は軟禁されたくありません、死にたくね~!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
32
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる