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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第417話 ツッキーと遊ぼう (3)

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「いやいやそなたはいつぞやの少年、その節はあちきの同僚が酷いご迷惑をお掛け申した。面目次第もござらん。」

うん、喋りが斜め上に進化している。なぜか時代言葉がスムースになっているK子さん。君はいったいどこを目指しているんだ。
でもこの国の仕事には慣れたようで何よりです。御同僚の方々の件は気にしていませんよ、何か其方のトラブルだったようですし。修道院の院長さんが笑顔で引き取ってくれましたしね。
別れ際に院長さんが”ガッツリ教育しておきますのでご安心ください”って言ってたんで大丈夫なんじゃないですかね?

「あははは、あのお方は当教会でも伝説をお持ちであるからにして、あちきもそのお人柄におすがりしている様なものでござるよ。」

うん、やっぱりね。おっとりしているのに雰囲気が駄菓子屋のおばちゃんと同じなんだもん。相当の修羅場を潜り抜けてると見た、逆らわないでおこう。
で、K子さんはこんな所で何をしてたの?さっきも何かものを訪ねようとしていたみたいだけど。

「おぉ、そうであった。この辺で白いぬいぐるみの様な塊を見なかったでござろうか?大きさはこの位でござるが。」

K子さんは肩幅くらいに手を広げる。落とし物か何かを探しているのだろうか?
月子さん心当たりある?
”ブンブン”
可愛く首を横に振る月子さん。俺も心当たりはないな~。

「そうでござるか。ではあちきは再び捜索に戻らねばならんゆえこの辺で失礼するでござるよ。何か気付いた事があればレインで知らせて欲しいでござる。」

そう言うとK子さんは再び町の中に消えて行った。
でも不思議だよな、シスター服を着てあれだけ派手な外国人なのになんで街の喧騒に紛れる事が出来るんだろう?
あの人も実はステルス技能持ち?この技術って割と一般的なんだろうか。
周囲のステルス技能持ちの多さに、この国って意外に物騒?と不安になるのっぺり佐々木君なのでありました。

じゃあ帰ろうか?
「うん、今日は楽しかったね♪」

お、月子さん本日の締めに入って来たぞ。再びの乙女月子におじさんマインドはドキドキです。
地元の駅に帰り、月子さんのマンション前まで来た俺。
これも普通は逆なんだけどね?まあその辺は俺だし、月子さんも嬉しそうだからいいんじゃないかと。

「ねぇ、大地君。今度また一緒にお出掛けしてくれる?」
グホッ、モジモジからの上目使い、しかもやや傾げた首に瞳ウルウル。
これは殺しに来てるか!?

「ああ、喜んで。」(ニッコリ)

「ありがとう、嬉しい。ねえ大地君、ちょっと屈《かが》んでみてくれる?」(顔を赤らめながら)

「あぁ。」(素直に上体をかがめる。)

「じゃあ約束のしるしね?」
”チュッ”

「じゃあまたね、バイバイ!」

そう言い残し手を振って帰って行く月子さん。
残されたのは、マンションの玄関ホールでぼーっと突っ立っている間抜けただ一人でありました。


うん、今日は月子さんにやられっぱなしだったわ。
自分ちの玄関前で独り言ちる佐々木君。
急な大地君呼びからの頬にキスって、翻弄しまくりでしょう。
”惚れてまうやろ~~~!”って奴ですわ。
普段とのギャップもまた良し、俺、月子さんに勝てる気しません。


で、さっきからずっと後を付いて来てるみたいなんだけど、お前何?

中型犬くらいの大きさの白い物体。
形状はアニメで見るサボテンハニワそっくり。
その物体は頭部?のカーボーイハットを手?で取り、俺に語り掛けて来た。

「Bonjour。」

何でボンジュールやねん!?
俺が膝から崩れ落ちたのは言うまでもない。


(side:木村月子)

英雄君、撮影バッチリだった?
私は愛しの英雄君に先ほどの成果を聞いてみた。

「あぁ、アイツは妙に勘が良いから防犯カメラに見せかけてワザと分かり易いように撮影しておいたよ。横に防犯カメラ作動中って張り紙して置いたらまったく疑る素振りも見せなかったぞ。月子姉さんが時間指定してくれたから最初から最後までしっかり入っているよ。」

フフ~ン。これでまた一つ私の宝物が増えた。あの初心な反応、やっぱりのっぺりは可愛い。

「でも姉さん、あんまりこういうのは良くないんじゃないかな?いくら佐々木でも嫌がると思うぞ?」

む?英雄君の指摘はいつも正しい。少し自重する?
でものっぺりは私に夢中、こうして二人の愛は深まって行く。

「お、おう。あれでも友人なんだ、ほどほどにしてやってくれ。」

わかった、今度はお家デートにしておく。桜木春子先生の教えはまだまだある。
シチュエーションには困らない。
”ごめん佐々木、俺には月子姉さんを止める事が出来ない。強く生きてくれ。”
何か呟く英雄君。大丈夫、のっぺりはとても強い。
私はのっぺりの嫁、任せると良い。
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