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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第496話 お土産・・・

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「おいっす、ハニ子お疲れ。順子ちゃんどうだった?」

放課後、陸上部で木村君のストレス解消に付き合った佐々木君、帰りに朱音さんの用務員宿舎でハニ子と合流です。
木村君、体育祭の後も真面目に鍛えてたからかなり足が速くなってたな~。陸上部の先輩や顧問の先生にも色々アドバイスを貰ったみたいで走りが更に洗練された感じ。今日はキャッチ・ミー五本勝負をしたけどかなりいい勝負になったと思います。無論全勝してやりましたが。木村君超悔しそうにしておりました。
大人げないって?私《わたくし》鬼ごっこでは容赦はしない主義ですので。

「あら、結構遅かったのね、また木村君と遊んでいたのかしら?彼ってフィジカルお化けだからいつか追い付かれるかもしれないわね、精々付き合ってあげなさい。」

おう、それで順子ちゃんはどうだった、大分なじんだ感じ?

「そうね、急激に潜在能力が開花したからかなり戸惑っているみたいだけど、最初の時みたいな興奮状態はもうない様よ。今日も授業はちゃんと受けれたみたいだし、経過観察ももういいんじゃないかしら。後は本人が慣れていくしかないわね。」

それならよかった、これでも結構気にしていたからね。
でもあの時は焦ったよな~、まさか順子ちゃんまで増山のおっちゃんみたいに”私は最強よ~!”とか言って飛び出していくとは思わなかったもんな~。今度は二度目だったんで素早く対処出来たからよかったけど、下手したら学園中駆け回る羽目になるところだったよ。
スタジオS&Bの北川さんや町田さん辺りは”この一本で三徹四徹もへっちゃらです。”って言ってエナジードリンクか栄養ドリンク代わりにしてたから大丈夫だと思ってたんだけど、修行してる人間とかは効き方が違うのかもしれないね。

「うん、それなんだけど、朱音さん曰くあの天然水は御神水って言ってかなり貴重なものらしいの。怪異の力を大幅に引き上げたり術者の能力を向上させたりするんですって。何の変化も無くただ美味しいって言って飲んでるのっぺりって相当おかしいらしいわよ。」

そんな事言ってもな~、俺ってその辺さっぱりだしな~。

「まぁのっぺりなら仕方が無いのかもしれないけど、かなりずれてるって自覚は持っておきなさいよね。あなたの常識が世間の常識って訳ではないんだから。
それと順子ちゃんの勉強も見ておいたけど彼女かなり優秀だったわよ。前にのっぺりがあげたお守りが有ったじゃない?道子さんの所の奴、あれ相当なご利益があるみたいね、凄く集中力が上がるんですって。それに今回の御神水での能力アップが加わって文字通り文武両道の才女になってるわ。理解度がかなり良くなってるって喜んでいたわよ、朱音さんも今後の修行の後押しになるって手放しで褒めていたくらいだから。」

それじゃ今度の試験は?

「Aクラス入りは確実でしょうね。今でもBクラスだったんだから順当と言えば順当なんじゃないかしら。その事で変に疑われる心配も無いでしょう、日頃から頑張っていた順子ちゃんに感謝ね。
でものっぺりって変な所がぼけてるというか鈍いのよね、ハニ子になってると何でそんな事を気が付かなかったのかしらって事がしょっちゅうよ。あまり周りに迷惑かけない様にしなさいね。
それじゃ私は順子ちゃんに挨拶してくるから。」

うっ、ハニ子に言われるとダメージデカいわ。しかも統合してさらに分からせられるって言うね。ハニ子にはあの事件の後ずっと順子ちゃんを気に掛けていてもらったからな~。本当に助かったわ。

「それじゃ、順子ちゃんも頑張ってね。」

「ハニ子さん、色々お世話になりました。ありがとうございました。」

全身を光らせ細かい粒子になって消えていくハニ子、俺の左手にはいつの間にかブレスレットが装着されている。”どう、格好良かったでしょ?”ってハニ子も光の演出を取り入れるようにしたのね。まぁ嫌いじゃないです、そう言う演出。
と言うかやっぱり便利だわ、ハニ子学習法。試験範囲どころか一年で学ぶ内容全部頭に入って理解出来ちゃってるじゃん。インストール完了って感じ?前世でそんなドラマ見た事あったな~、題名なんだったっけな?

順子ちゃんお疲れ、大分身体も馴染んだようでよかったよ。でもこれも順子ちゃんの努力の賜物だから、大手を振って自分の実力だって言っていいからね。
増山のおっちゃんなんかもっとすごかったんだから、それを短時間でものにしちゃうおっちゃんって本当に凄いよね。
あ、朱音さん。ハニ子がお世話になりました、ありがとうございました。
順子ちゃんも上手い事馴染んだようなんでハニ子は引っ込めますね。

「まぁこっちもハニ子にはいろいろ世話になった、礼を言うぞ。でものっぺり、お主本当にハニ子の中身なのか?ハニ子の奴、気遣いも出来るし滅茶苦茶優秀だったんだが?話し方から態度、所作に至るまで全くの別人だったんだが?」

あ、うん。それは良く言われます。なんであだ名は”中の人”なんですよね~。
それと朱音さんって神様だったんですね、まったく気が付きませんでした。てっきり手品が趣味の用務員だと思ってた、順子ちゃんが敬っていたのはそう言う事だったんですね~。

「な、本当に今更じゃの。まぁ私は何が変わるで無し、変に畏まらずとも好いからの。」

了解で~す、それじゃこの辺で失礼しますね。順子ちゃんもまたね~。

手を振り帰って行くのっぺり。その飄々とした後ろ姿を見て朱音と順子の二人は思う、”やっぱりハニ子とのっぺりって別人だ”と。
何処までいっても”中の人”、のっぺり佐々木なのでありました。
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