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第二話「魔王の誕生」①
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者序文
聖暦999年。
騎士ゼギルは、「魔王」になった。
公式の歴史では、こう記されている。
「闇の力に魅入られた堕落騎士」
「聖女暗殺を企てた極悪人」
「北の極地で魔軍を率いた世界の敵」
だが、私が発掘した資料は、まったく異なる物語を語っている。
先の資料で紹介した「地下牢の壁の走り書き」。
あの絶望の叫びから、約1年半が経過していた。
この間に、何があったのか。
言葉の通じなかった二人は、どうやって心を通わせたのか。
そして——なぜゼギルは、すべてを捨てて脱走を企てたのか。
今回は、四つの資料を紹介する。
一つ目は、奇妙な物的証拠だ。
パンの包み紙——騎士が獄中の少女に食料を差し入れた、その紙切れ。
そこには、絵が描かれていた。
二つ目は、王立裁判所の判決文。
ゼギルを「魔王」として断罪した、公式記録だ。
ただし、被告人は欠席していた。
三つ目は、聖女の嘆願書の草稿。
ゼギルを救おうとした——しかし送られることのなかった手紙。
そして四つ目。
これが最も衝撃的だ。
教会から暗殺ギルドへの発注書。
「始末せよ」と書かれた、その対象は。
騎士ゼギル。
ではなく——
聖女エルザ、その人だった。
ヴィクトル・ノイマン
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料4:パンの包み紙(聖暦998年~999年)
【発見場所】奈落の書庫・第7区画・木箱内
【発見物】油紙27枚(うち判読可能18枚)
【備考】騎士ゼギルの私物と推定
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、包み紙に残された「絵」と「印」の記録である。
言葉の通じない二人が、どのようにして意思疎通を図ったか。
この物的証拠は、その一端を示している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【包み紙1号】推定:聖暦998年5月頃
紙の片面に、拙い筆致で「花」の絵が描かれている。
五枚の花弁。おそらく野に咲く雛菊。
絵の横には、爪で引っ掻いたような「丸印」がある。
これは——笑顔の意味だろうか。
【包み紙3号】推定:聖暦998年6月頃
「鳥」の絵。羽を広げて空を飛んでいる。
雲らしき曲線も添えられている。
爪の丸印は、今度は二つ。
そして、その横に小さな「涙」のような線が三本。
空を見たことのない少女に、外の世界を伝えようとしたのか。
【包み紙7号】推定:聖暦998年9月頃
「月」の絵。満月だ。
その下に、二つの人影が並んで描かれている。
片方は大きく、片方は小さい。
騎士と少女——だろうか。
爪の印は、丸ではなく歪な心臓の形になっている。
【包み紙12号】推定:聖暦999年3月頃
絵ではなく、「文字」が書かれている。
異界の文字だ。
翻訳すると——
「ゼギル」
少女が、騎士の名前を覚えた証拠。
そしてその横には、我々の言葉で稚拙に書かれた文字。
「エルザ」
騎士が、少女の名前を教えたのだろう。
二つの名前を囲むように、丸が描かれている。
【包み紙18号】推定:聖暦999年8月頃
これが最後の包み紙だ。
絵は描かれていない。
代わりに、異界の文字がびっしりと綴られている。
翻訳には2週間を要した。
その全文は、以下の通り。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゼギル
あなたのことばが すこしわかるようになった
でも まだ うまくかけない
わたしは ここにいる
あなたがいるから
そとのせかいは こわい
でも あなたといっしょなら こわくない
いつか
あなたとそらをみたい
あなたとはなをみたい
あなたとつきをみたい
わたしは あなたの
え が すき
わたしは あなた が
す
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後の文字は、途中で途切れている。
紙の端が破れており、続きは失われた。
だが——その先に何が書かれていたか。
想像するのは、難しくない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者注記
この包み紙の束は、ゼギルの私物の中から発見された。
彼は——捨てなかったのだ。
処刑されるかもしれない逃亡の最中も、この紙切れを持ち続けた。
ただのパンの包み紙を。
少女が爪で印をつけた、ただの紙切れを。
私は歴史学者だ。
感情で資料を読むべきではない。
だが——
この包み紙を見たとき。
二人の間に確かにあった「何か」を、否定することはできなかった。
次に紹介するのは、公式記録だ。
ゼギルを「魔王」として断罪した、王立裁判所の判決文。
包み紙に描かれた「月を見たい」という少女の願い。
その一ヶ月後に、騎士は国家の敵となった。
何が起きたのか。
判決文を読めば、公式の「嘘」は明らかだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料5:王立裁判所判決文(聖暦999年10月15日)
【文書番号】刑事第1192号
【文書種別】欠席裁判判決文
【作成者】王立裁判所第一法廷
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
判 決 文
被告人 ゼギル・ヴァルトシュタイン(元近衛騎士)
罪状
一、聖女暗殺未遂
二、王城侵入
三、国家反逆
四、禁忌魔術行使
五、闇の眷属との契約
以下、審理の結果を記す。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
聖暦999年9月28日深夜。
被告人ゼギル・ヴァルトシュタインは、聖女エルザ猊下の御座所に不法侵入した。
その手には、毒を塗った短剣。
その身には、闇の魔力の残滓。
被告人は聖女の御命を狙ったが、護衛騎士団の迅速な対応により未遂に終わった。
逮捕拘禁の後、被告人は拘置所を脱走。
現在も逃亡中である。
よって本裁判は、被告人不在のまま審理を行った。
証言者として、以下の者が出廷した。
・教皇庁司祭長 アルベルト・モラヴィア
・近衛騎士団長 オスカー・フォン・ライヒェン
・聖女付き侍女 マルガレーテ・シュヴァルツ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人アルベルト・モラヴィアの証言(要約)
「ゼギルは以前から、聖女様に対して不埒な感情を抱いておりました。
牢番の任務を超え、必要以上に聖女様に近づこうとしていた。
私は何度も警告しました。
しかし彼は聞く耳を持たず——ついには闇の力に魅入られたのです。
神聖なる聖女様を、穢れた手で触れようとした。
その罪は、万死に値します」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人オスカー・フォン・ライヒェンの証言(要約)
「当夜、私は巡回中に異常な魔力反応を感知しました。
聖女様の御座所に駆けつけると、ゼギルが短剣を構えていた。
私が制止すると、彼は呪詛を唱えながら逃走しました。
あれは——もはや人間の目ではなかった。
闇に魂を売った者の、澱んだ瞳でした」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人マルガレーテ・シュヴァルツの証言(要約)
「聖女様は、あの夜から体調を崩されております。
あの男の——ゼギルの邪気に、中てられたのでしょう。
聖女様は何も仰いません。
ただ、時折虚空を見つめ、涙を流されます。
あの悪魔が、聖女様に何をしたのか——
考えるだけで、身の毛が弥立ちます」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以上の証言、および物的証拠(押収された短剣、魔力残滓の分析結果)に基づき、本法廷は以下の判決を下す。
被告人ゼギル・ヴァルトシュタインを、
永久追放および全財産没収に処す。
また、被告人を発見次第、
即時処刑を許可する。
被告人は今後、「魔王ゼギル」の汚名を冠し、
人類の敵として周知されるものとする。
聖暦999年10月15日
王立裁判所第一法廷
主席判事 ハインリヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者注記
この判決文には、いくつかの重大な疑義がある。
第一に、被告人の弁明がまったく記録されていない。
欠席裁判とはいえ、弁護人すら選任されていない。
第二に、証言者が全員「教会側」の人間である。
被告人の同僚や、中立的な第三者の証言がない。
第三に、「聖女暗殺未遂」の状況が曖昧すぎる。
「短剣を構えていた」とあるが、実際に聖女に危害を加えた形跡がない。
侍女の証言も、具体的な被害ではなく「邪気に中てられた」という漠然とした内容だ。
そして第四に——
この判決文が下された日付に注目してほしい。
聖暦999年10月15日。
事件発生から、わずか17日後だ。
捜査、逮捕、脱走、裁判。
これだけの手続きを17日で完了させるのは、通常ありえない。
結論は明らかだ。
この裁判は、茶番だった。
教会は最初から、ゼギルを「魔王」に仕立て上げるつもりだった。
証拠も証言も、すべて用意されていた。
では——本当は、あの夜、何が起きたのか。
次の資料が、その答えを示している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料6:聖女の嘆願書(草稿)(聖暦999年10月)
【発見場所】奈落の書庫・第3区画・封印箱
【保存状態】良好(未送信のまま保管)
【原文】異界の文字で記述
【備考】聖女の筆跡と確認済み、翻訳は編纂者による
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、聖女エルザが書いた——しかし送られることのなかった手紙である。
宛先は、教皇猊下。
内容は、ゼギルの赦免を求める嘆願。
だが——
この手紙は、封印されたまま地下に葬られた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者序文
聖暦999年。
騎士ゼギルは、「魔王」になった。
公式の歴史では、こう記されている。
「闇の力に魅入られた堕落騎士」
「聖女暗殺を企てた極悪人」
「北の極地で魔軍を率いた世界の敵」
だが、私が発掘した資料は、まったく異なる物語を語っている。
先の資料で紹介した「地下牢の壁の走り書き」。
あの絶望の叫びから、約1年半が経過していた。
この間に、何があったのか。
言葉の通じなかった二人は、どうやって心を通わせたのか。
そして——なぜゼギルは、すべてを捨てて脱走を企てたのか。
今回は、四つの資料を紹介する。
一つ目は、奇妙な物的証拠だ。
パンの包み紙——騎士が獄中の少女に食料を差し入れた、その紙切れ。
そこには、絵が描かれていた。
二つ目は、王立裁判所の判決文。
ゼギルを「魔王」として断罪した、公式記録だ。
ただし、被告人は欠席していた。
三つ目は、聖女の嘆願書の草稿。
ゼギルを救おうとした——しかし送られることのなかった手紙。
そして四つ目。
これが最も衝撃的だ。
教会から暗殺ギルドへの発注書。
「始末せよ」と書かれた、その対象は。
騎士ゼギル。
ではなく——
聖女エルザ、その人だった。
ヴィクトル・ノイマン
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料4:パンの包み紙(聖暦998年~999年)
【発見場所】奈落の書庫・第7区画・木箱内
【発見物】油紙27枚(うち判読可能18枚)
【備考】騎士ゼギルの私物と推定
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、包み紙に残された「絵」と「印」の記録である。
言葉の通じない二人が、どのようにして意思疎通を図ったか。
この物的証拠は、その一端を示している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【包み紙1号】推定:聖暦998年5月頃
紙の片面に、拙い筆致で「花」の絵が描かれている。
五枚の花弁。おそらく野に咲く雛菊。
絵の横には、爪で引っ掻いたような「丸印」がある。
これは——笑顔の意味だろうか。
【包み紙3号】推定:聖暦998年6月頃
「鳥」の絵。羽を広げて空を飛んでいる。
雲らしき曲線も添えられている。
爪の丸印は、今度は二つ。
そして、その横に小さな「涙」のような線が三本。
空を見たことのない少女に、外の世界を伝えようとしたのか。
【包み紙7号】推定:聖暦998年9月頃
「月」の絵。満月だ。
その下に、二つの人影が並んで描かれている。
片方は大きく、片方は小さい。
騎士と少女——だろうか。
爪の印は、丸ではなく歪な心臓の形になっている。
【包み紙12号】推定:聖暦999年3月頃
絵ではなく、「文字」が書かれている。
異界の文字だ。
翻訳すると——
「ゼギル」
少女が、騎士の名前を覚えた証拠。
そしてその横には、我々の言葉で稚拙に書かれた文字。
「エルザ」
騎士が、少女の名前を教えたのだろう。
二つの名前を囲むように、丸が描かれている。
【包み紙18号】推定:聖暦999年8月頃
これが最後の包み紙だ。
絵は描かれていない。
代わりに、異界の文字がびっしりと綴られている。
翻訳には2週間を要した。
その全文は、以下の通り。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゼギル
あなたのことばが すこしわかるようになった
でも まだ うまくかけない
わたしは ここにいる
あなたがいるから
そとのせかいは こわい
でも あなたといっしょなら こわくない
いつか
あなたとそらをみたい
あなたとはなをみたい
あなたとつきをみたい
わたしは あなたの
え が すき
わたしは あなた が
す
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後の文字は、途中で途切れている。
紙の端が破れており、続きは失われた。
だが——その先に何が書かれていたか。
想像するのは、難しくない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者注記
この包み紙の束は、ゼギルの私物の中から発見された。
彼は——捨てなかったのだ。
処刑されるかもしれない逃亡の最中も、この紙切れを持ち続けた。
ただのパンの包み紙を。
少女が爪で印をつけた、ただの紙切れを。
私は歴史学者だ。
感情で資料を読むべきではない。
だが——
この包み紙を見たとき。
二人の間に確かにあった「何か」を、否定することはできなかった。
次に紹介するのは、公式記録だ。
ゼギルを「魔王」として断罪した、王立裁判所の判決文。
包み紙に描かれた「月を見たい」という少女の願い。
その一ヶ月後に、騎士は国家の敵となった。
何が起きたのか。
判決文を読めば、公式の「嘘」は明らかだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料5:王立裁判所判決文(聖暦999年10月15日)
【文書番号】刑事第1192号
【文書種別】欠席裁判判決文
【作成者】王立裁判所第一法廷
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
判 決 文
被告人 ゼギル・ヴァルトシュタイン(元近衛騎士)
罪状
一、聖女暗殺未遂
二、王城侵入
三、国家反逆
四、禁忌魔術行使
五、闇の眷属との契約
以下、審理の結果を記す。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
聖暦999年9月28日深夜。
被告人ゼギル・ヴァルトシュタインは、聖女エルザ猊下の御座所に不法侵入した。
その手には、毒を塗った短剣。
その身には、闇の魔力の残滓。
被告人は聖女の御命を狙ったが、護衛騎士団の迅速な対応により未遂に終わった。
逮捕拘禁の後、被告人は拘置所を脱走。
現在も逃亡中である。
よって本裁判は、被告人不在のまま審理を行った。
証言者として、以下の者が出廷した。
・教皇庁司祭長 アルベルト・モラヴィア
・近衛騎士団長 オスカー・フォン・ライヒェン
・聖女付き侍女 マルガレーテ・シュヴァルツ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人アルベルト・モラヴィアの証言(要約)
「ゼギルは以前から、聖女様に対して不埒な感情を抱いておりました。
牢番の任務を超え、必要以上に聖女様に近づこうとしていた。
私は何度も警告しました。
しかし彼は聞く耳を持たず——ついには闇の力に魅入られたのです。
神聖なる聖女様を、穢れた手で触れようとした。
その罪は、万死に値します」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人オスカー・フォン・ライヒェンの証言(要約)
「当夜、私は巡回中に異常な魔力反応を感知しました。
聖女様の御座所に駆けつけると、ゼギルが短剣を構えていた。
私が制止すると、彼は呪詛を唱えながら逃走しました。
あれは——もはや人間の目ではなかった。
闇に魂を売った者の、澱んだ瞳でした」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
証人マルガレーテ・シュヴァルツの証言(要約)
「聖女様は、あの夜から体調を崩されております。
あの男の——ゼギルの邪気に、中てられたのでしょう。
聖女様は何も仰いません。
ただ、時折虚空を見つめ、涙を流されます。
あの悪魔が、聖女様に何をしたのか——
考えるだけで、身の毛が弥立ちます」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以上の証言、および物的証拠(押収された短剣、魔力残滓の分析結果)に基づき、本法廷は以下の判決を下す。
被告人ゼギル・ヴァルトシュタインを、
永久追放および全財産没収に処す。
また、被告人を発見次第、
即時処刑を許可する。
被告人は今後、「魔王ゼギル」の汚名を冠し、
人類の敵として周知されるものとする。
聖暦999年10月15日
王立裁判所第一法廷
主席判事 ハインリヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
編纂者注記
この判決文には、いくつかの重大な疑義がある。
第一に、被告人の弁明がまったく記録されていない。
欠席裁判とはいえ、弁護人すら選任されていない。
第二に、証言者が全員「教会側」の人間である。
被告人の同僚や、中立的な第三者の証言がない。
第三に、「聖女暗殺未遂」の状況が曖昧すぎる。
「短剣を構えていた」とあるが、実際に聖女に危害を加えた形跡がない。
侍女の証言も、具体的な被害ではなく「邪気に中てられた」という漠然とした内容だ。
そして第四に——
この判決文が下された日付に注目してほしい。
聖暦999年10月15日。
事件発生から、わずか17日後だ。
捜査、逮捕、脱走、裁判。
これだけの手続きを17日で完了させるのは、通常ありえない。
結論は明らかだ。
この裁判は、茶番だった。
教会は最初から、ゼギルを「魔王」に仕立て上げるつもりだった。
証拠も証言も、すべて用意されていた。
では——本当は、あの夜、何が起きたのか。
次の資料が、その答えを示している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
資料6:聖女の嘆願書(草稿)(聖暦999年10月)
【発見場所】奈落の書庫・第3区画・封印箱
【保存状態】良好(未送信のまま保管)
【原文】異界の文字で記述
【備考】聖女の筆跡と確認済み、翻訳は編纂者による
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、聖女エルザが書いた——しかし送られることのなかった手紙である。
宛先は、教皇猊下。
内容は、ゼギルの赦免を求める嘆願。
だが——
この手紙は、封印されたまま地下に葬られた。
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