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5 暁の神殿
29 鈴木、くまさんを語る!
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俺は目の前にある豪華な扉をガチャリと開けた。
「シャルロッテ戻ったぞ~って……」
「た、只今戻りました姫さまぅあ!」
扉を開けた目の前に居たのは数人のメイドに服を着替えさせられているシャルロッテ。
相変わらず上下ともに燃えるような赤く、透けるように薄い下着のみを纏っている。これから着付けをしようといった所か。
しかし────
「下着のチョイスは素晴らしいのに胸がないのが悔やまれる。腰回りも締まりすぎていて色気が足りないんだよなぁ……あ、でも、これはこれでロリで背徳的な感じがしていいのかな?」
「スズキ貴様は──」
「あ、しまっ!心の声がただ漏れに──」
「どうせ私は幼女体型ですっ!」
胸と尻にコンプレックスを抱えたお姫様に部屋から追い出されることしばらく、メイドにここで待つようにと案内されたサロンでお茶を飲む。
ストラーダを筆頭に、大勢の女騎士を連れ、豪華なドレスを着たシャルロッテがサロンに現れた。
心なしか眉が吊り上がっていて頬がピクピクとしていないでもない。
「ごごご、ごきごき、ごきげんよう!」
「ようシャルロッテ。さっきはすまん!突然エロい下着が目に飛び込んで来て衝撃のあまり心の声がだだ漏れになってしまった!」
「まるでフォローになってないんですけど?!ですけどーっ!」
真っ赤な顔で俺の肩を掴み、前後に激しくシェイクするシャルロッテ。
「ははは!まぁシャルロッテは14才だしな。背伸びしたい年頃なのは分かるけど、もう少し年相応の下着の方がいいと思うぞ?」
「ちちち、ちなみに、どのような下着なら似合うと言うんですか?参考、そうあくまでも参考までに聞いてみてもいいですよ!」
俺の肩を揺さぶるのをやめ、口端をピクピクと小刻みに動かしながら言うシャルロッテが少し可愛い。
「くまさんのアップリケ付きのヤツとかどうよ?」
「くま?!アップリケ?!」
「そうそう。あ~……あった!」
アップリケを知らないのか、首を撚るシャルロッテに俺は課金ショップに並ぶファッションアイテムの下着一覧をすかさずチェック。
すぐに目的の物を見つけて購入ボタンをポチッと押すとストレージのアイテムBOXに流れるように入ってくる。
そのまま流れ作業のようにソレをシャルロッテに見えるように取り出した。
「見ろシャルロッテ!これが全お兄さんの憧れ!至高のくまさんパンツだぁ!」
バーン!とくまさんのアップリケを前面に拡げて見せてやると、シャルロッテは「これがくまさんのアップリケ──」と物珍しそうに手に取ってシゲシゲと眺めている。
「それはな。俺の国では15才までしか着用が許されない究極のファッションなのだよ」
「これが──究極──」
「そう!ブリーツスカートがちょっとした風で捲れた時!慌てて走る少女が前のめりに転んだ時!慣れない鉄棒で逆上がりの練習をしている時ぃ!チラリと見えるくまさんに、俺たちお兄さんのハートはトキメキを止められなくなるんだよっ!」
拳を握りしめて力説しているが、これはあくまでも一般論であり、ソレを実際に見たからと言ってJCやJSをどうこうしたいなどという欲求は断じてない!
「そう!それは究極の父性!子供の成長をパンツと共に見守る事こそが我ら兄の使命なのだからっ!って……」
「この下着──手触りがスベスベ……一体どんな素材を使っているのか見当も付かないです……」
折角俺がお兄さん道を語っていたというのに、シャルロッテはくまさんをよそに、下着の材質に夢中だった。
「……気に入ったんならあげようか?」
「っ?!いいんですか?!」
がっかりした俺は投げやり気味にそう言うと、シャルロッテは物凄い勢いで食い付いてくる。
なんなんだ?と彼女の目を見ると、期待にキラキラと輝いていたのを見て俺はいい事思い付いた。
「もちろんいいよ。──その代わり、そのパンツを穿いてブリーツスカートで一回転して『お兄ちゃん』って言ってくれないかっいちゃぁぁあ!」
背後から放たれた水球……もとい熱湯球に後頭部を痛打され、痛みと熱さでもんどり打つ。
「何をするモニカ!」
「師匠が変態行為に走っているから止めて欲しいってストラーダさんが来たので飛んできました~」
「なん?!」
「べ~!」
後頭部にHP回復ドリンクをぶっかけつつ、ストラーダに視線を向けると舌を出してニヤニヤとし始めたではないか!
くそっ!ストラーダめ!腕力で敵わないからとモニカに応援を頼みに行ったんだな!
どおりでキレのあるツッコミが入らないはずだよ!
「だからって熱湯浴びせるなよ!頭皮が火傷してハゲたらどーすんだよ!」
「いいんですか?イザベラさんとメルさんに言いつけますよ?」
「やめて下さいっ!」
ペコリと頭を下げる俺を見て愉快そうに笑うストラーダ。
「あはは!貴様は本当に奥方に頭が上がらないんだな!」
「エレイラにはそんな事ないし!」
「いいんですよエレイラさんは師匠と同じ変態さんですから~。ああ、そう言えばストラーダさんと雰囲気似てますよね~。師匠の好みとしてはストラーダさんって外角高めっぽいですけど……」
「ちょ?!モニカ殿?!それはどういう意味ですか?!」
「ストラーダさんも性癖は変態っぽいってことですよ~」
「ばかな?!おいスズキ!笑ってないでフォローしろ!姫様はいつまでそんな下町のお子様パンツもどきなんか眺めているんですか!」
「下町?!どういう事なんですかスズキ様!ってあれ?!スズキ様!」
「野郎逃げたな!」
「師匠は逃げ足早いんですよ~」
キャンキャンと姦しい女三人を放置して、俺は帝都のエレイラの所へと転移したのだった。
「シャルロッテ戻ったぞ~って……」
「た、只今戻りました姫さまぅあ!」
扉を開けた目の前に居たのは数人のメイドに服を着替えさせられているシャルロッテ。
相変わらず上下ともに燃えるような赤く、透けるように薄い下着のみを纏っている。これから着付けをしようといった所か。
しかし────
「下着のチョイスは素晴らしいのに胸がないのが悔やまれる。腰回りも締まりすぎていて色気が足りないんだよなぁ……あ、でも、これはこれでロリで背徳的な感じがしていいのかな?」
「スズキ貴様は──」
「あ、しまっ!心の声がただ漏れに──」
「どうせ私は幼女体型ですっ!」
胸と尻にコンプレックスを抱えたお姫様に部屋から追い出されることしばらく、メイドにここで待つようにと案内されたサロンでお茶を飲む。
ストラーダを筆頭に、大勢の女騎士を連れ、豪華なドレスを着たシャルロッテがサロンに現れた。
心なしか眉が吊り上がっていて頬がピクピクとしていないでもない。
「ごごご、ごきごき、ごきげんよう!」
「ようシャルロッテ。さっきはすまん!突然エロい下着が目に飛び込んで来て衝撃のあまり心の声がだだ漏れになってしまった!」
「まるでフォローになってないんですけど?!ですけどーっ!」
真っ赤な顔で俺の肩を掴み、前後に激しくシェイクするシャルロッテ。
「ははは!まぁシャルロッテは14才だしな。背伸びしたい年頃なのは分かるけど、もう少し年相応の下着の方がいいと思うぞ?」
「ちちち、ちなみに、どのような下着なら似合うと言うんですか?参考、そうあくまでも参考までに聞いてみてもいいですよ!」
俺の肩を揺さぶるのをやめ、口端をピクピクと小刻みに動かしながら言うシャルロッテが少し可愛い。
「くまさんのアップリケ付きのヤツとかどうよ?」
「くま?!アップリケ?!」
「そうそう。あ~……あった!」
アップリケを知らないのか、首を撚るシャルロッテに俺は課金ショップに並ぶファッションアイテムの下着一覧をすかさずチェック。
すぐに目的の物を見つけて購入ボタンをポチッと押すとストレージのアイテムBOXに流れるように入ってくる。
そのまま流れ作業のようにソレをシャルロッテに見えるように取り出した。
「見ろシャルロッテ!これが全お兄さんの憧れ!至高のくまさんパンツだぁ!」
バーン!とくまさんのアップリケを前面に拡げて見せてやると、シャルロッテは「これがくまさんのアップリケ──」と物珍しそうに手に取ってシゲシゲと眺めている。
「それはな。俺の国では15才までしか着用が許されない究極のファッションなのだよ」
「これが──究極──」
「そう!ブリーツスカートがちょっとした風で捲れた時!慌てて走る少女が前のめりに転んだ時!慣れない鉄棒で逆上がりの練習をしている時ぃ!チラリと見えるくまさんに、俺たちお兄さんのハートはトキメキを止められなくなるんだよっ!」
拳を握りしめて力説しているが、これはあくまでも一般論であり、ソレを実際に見たからと言ってJCやJSをどうこうしたいなどという欲求は断じてない!
「そう!それは究極の父性!子供の成長をパンツと共に見守る事こそが我ら兄の使命なのだからっ!って……」
「この下着──手触りがスベスベ……一体どんな素材を使っているのか見当も付かないです……」
折角俺がお兄さん道を語っていたというのに、シャルロッテはくまさんをよそに、下着の材質に夢中だった。
「……気に入ったんならあげようか?」
「っ?!いいんですか?!」
がっかりした俺は投げやり気味にそう言うと、シャルロッテは物凄い勢いで食い付いてくる。
なんなんだ?と彼女の目を見ると、期待にキラキラと輝いていたのを見て俺はいい事思い付いた。
「もちろんいいよ。──その代わり、そのパンツを穿いてブリーツスカートで一回転して『お兄ちゃん』って言ってくれないかっいちゃぁぁあ!」
背後から放たれた水球……もとい熱湯球に後頭部を痛打され、痛みと熱さでもんどり打つ。
「何をするモニカ!」
「師匠が変態行為に走っているから止めて欲しいってストラーダさんが来たので飛んできました~」
「なん?!」
「べ~!」
後頭部にHP回復ドリンクをぶっかけつつ、ストラーダに視線を向けると舌を出してニヤニヤとし始めたではないか!
くそっ!ストラーダめ!腕力で敵わないからとモニカに応援を頼みに行ったんだな!
どおりでキレのあるツッコミが入らないはずだよ!
「だからって熱湯浴びせるなよ!頭皮が火傷してハゲたらどーすんだよ!」
「いいんですか?イザベラさんとメルさんに言いつけますよ?」
「やめて下さいっ!」
ペコリと頭を下げる俺を見て愉快そうに笑うストラーダ。
「あはは!貴様は本当に奥方に頭が上がらないんだな!」
「エレイラにはそんな事ないし!」
「いいんですよエレイラさんは師匠と同じ変態さんですから~。ああ、そう言えばストラーダさんと雰囲気似てますよね~。師匠の好みとしてはストラーダさんって外角高めっぽいですけど……」
「ちょ?!モニカ殿?!それはどういう意味ですか?!」
「ストラーダさんも性癖は変態っぽいってことですよ~」
「ばかな?!おいスズキ!笑ってないでフォローしろ!姫様はいつまでそんな下町のお子様パンツもどきなんか眺めているんですか!」
「下町?!どういう事なんですかスズキ様!ってあれ?!スズキ様!」
「野郎逃げたな!」
「師匠は逃げ足早いんですよ~」
キャンキャンと姦しい女三人を放置して、俺は帝都のエレイラの所へと転移したのだった。
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ごめんなさい。ショップのクレジットが別だと理解してない私の妄言でした。感想は承認せず忘却の彼方へと飛ばして下さい。
【拠点帰還のスクロール】を購入したからその分が減って750(例えば)←ぐらいこだわってくれるとなお面白くなる。1000だと僅か10行程度前の出来事すら考慮できてない物語だと思ってしまう。
ほほぅ?こっちにシフトチェンジしてたのね?(笑)
ここ2ヶ月間、仕事が忙しすぎてまともに読む暇が無かったから気が付くのが遅れちゃった。
色んなお気にいり作品が読めなくて貯まりまくり(笑)
無理しない様に頑張って♥
お仕事お疲れ様です_(._.)_
こっちはまったり週2〜3程度で更新しています!
寝てたらハーレム異世界蹂躙モノが降ってきたので、今はそっちをメインにやってますw