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6.翻弄 *

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「好き、ずっと好きだったの、カイル・・ねぇ、お願い・・・」


ベッドに寝ころんだ私は、這って覆いかぶさってくるカイルの背中を抱き寄せて彼の耳元で懇願した。


「私を・・・抱いて?」


言いながら、また涙がこぼれる。
身体が熱くて胸が苦しいの。
お願い・・・
じっとカイルを見つめた。


3つの特殊スキルを使っていても、自分の気持ちを伝えるのはやっぱり恥ずかしい・・・
でも恥ずかしがってる場合じゃないのよ。今日を逃すわけにいかないのだから。


「くそっ、反則だろ、何もかもが・・・」


カイルは悔しそうにつぶやいた。
そんな彼を見て、思わずフフっと笑ってしまう。


「なんだよ?」

「だって、カイル悔しそう。負かしたみたいで気分がいいわ」

「・・・お前、なんかムカつく」


乱暴にシャツを脱ぎ捨てると、カイルの唇が私のそれをふさいだ。


んちゅ・・・


息が苦しい。
酸素を求めて口を開いた隙間に、カイルが舌をねじ込んでくる。


「ふぁ・・んん・」


私は間違いなく処女で、キスだって今日が初めてで・・・それなのに、この身体はどうなっているのかしら。

いきなり口に侵入してきたカイルの舌を迎え入れると、絡めたり吸ったり躱したり…

『淫魔』のスキル、想像以上だわ。
おかげでこなれた感が出ているんじゃないかしら。


いやらしく腰を浮かせて、カイルに向かって胸を突き出してしまう。


「カイルっ・かい・る・・」


私は肌に残っていたキャミソールを脱ぎ捨て、自分の白い胸をカイルの前にさらけ出した。


ほら、みて。
昨日、散々バカにしてたけどホントはこんなに柔らかいのよ?


深いキスに応えながら、彼の片手を掴んで自分の胸へと誘った。


「触って・・お願い・・」

「ーーっっ」


より深く舌を差し込まれ、口の中が蹂躙される。深い口付けにますます身体が熱をもってくる。

カイルの右手が私の胸をやわやわと撫でるから、
ああ、カイルって女の子にはこんなに優しく触れるのね、なんて感心していたら、


「ぁああ!!」


突然、カイルの指先が敏感な胸の先端に触れ、思わず身体が跳ねてしまった。

その反応に、すかさずカイルの指先が尖りを弄び始める。


「いやっ、あぁっっそれ・・んぁ・・」

「・・・リナリー」


カイルが掠れた声で名前を呼んでくれる。

それだけでもうどうしようもなくて、股の間からは熱くてヌルヌルしたものが溢れてくる。


いつしか、カイルはキスを止めて私の胸に吸い付いていた。

赤ちゃんのように、むしゃぶりつく姿が愛しくてなんだか可愛くて、私はカイルの頭を撫でては抱きしめた。


「あん・・あぁ・・・」

「・・くそ、ギャップありすぎ・・・」


カイルは乳首から口を離すと、一旦上体を起こして今度は両手で私の胸を揉みしだく。


大好きなカイルの青紫の瞳が、淫らに揺らめいて私を見下ろしている。


好き・・・


そう思ったら、もう我慢出来なかった。私は衝動的にカイルの股間へと手を伸ばした。


「うぉい!」


カイルが一瞬腰を引いたけど、構わず追いかけて指先で触れた。


トラウザーズの上からでも、もうガチガチになってるのがわかる。


私は夢中になってベルトを外し、トラウザーズも下着もずらす。


「お前・・なんでそんなに手馴れてんの?」


ジト目で見下ろされ、揉んでいた胸からも手が離された。

カイルはなぜかまたひどく不機嫌な表情をしてたけど、もうそんなの今更だった。


私は彼の手を引き、ベッドに寝かせると入れ替わるように起き上がった。


「リナリー?」


不安げに呼ばれる。
それを気にもとめず、クスっと意地悪く笑ってみせる。

そのまま寝転んだカイルの股の間に割り入って、目の前の屹立した棒を見つめて・・・

「リナリー?」

ここでまた、カイルの不安げな声。
ああ、なんだろう。男性器は初めて見るのに、なんだか愛くるしく思えてきたわ・・・

私は目の前でガチガチふるふるしているカイル自身をはむっと咥え込んだ。


「ッ!! リナリー?!  待てって! おまっ、何して・・んぁっ」


レロレロ、ちゅぱちゅぱ
んちゅーー


初めてなのに、身体が勝手にカイルの喜ぶことをし始める。これこそが『淫魔』のスキルなのね、すごいわ!

カイルは最初こそ、私の肩や頭を掴んで引き離そうとしたけど、私は絶対にやめたくなかった。


「ひもひいーい?」

「うっ、喋んなっ!」


じゅぷじゅぷ  れるれる
じゆぶじゅぶ  れろれろ


先っぽから溢れてくるヌメった液をチロチロと舌先で搦めとると、カイルの先端が物欲しそうに震えた。

「あぁ・・」

カイルの口から吐息混じりの声が出て、なんだか私、もっと攻めたくなっちゃった。

彼自身は大きくて、私の口ではしゃぶりきれない。
付け根のほうを手で握り、口の動きに合わせてゆるゆると太い棒を扱き始める。


「ぁ、ぁあ、ヤバいってリナ・・・そんなっしたらっ俺、もう・・・もたなっ』


私の本能が、この次に来るだろう彼の動きを知っている。

私はカイルを更なる快感へと追い込んでいく。



ジュブジュブ  ジュブジュブ ジュブジュブーーーー




「リナっ、ああリナ・・・ぁああああ、ダメだ、もうイクーーーッ!!!!!!」


頭をがっと押さえ込まれ、自分でも腰を動かしたカイルは私の口内に熱い精子をぶちまけた。



「ゴホッーケホッッ」

「っごめん、リナ、気持ち良くって・・つぃ」


喉の奥にまで届いたそれが、ニガくてでも甘くて・・・
カイルの吐き出した精を飲み込むと、身体の奥から何とも言えない快感が湧き上がって私を満たした。
 
この満足感もきっと『淫魔』のスキルのせいなのね・・・



カイルが申し訳無さそうに眉を下げてこちらを見ている。
ああ、こんな表情の彼もとっても可愛いわ・・・

それにカイルはいつからか、私のことをリナって呼んでるの。


なんだかそれが嬉しくって恥ずかしくて、私は彼に渡されたハンカチで口元をふきながらフフフと笑った。



「何、その顔?」

「嬉しいのよ」

「何でだよ?」
 
「んー、だってカイルを翻弄してる感じ?」


そう答えると、お気に召さなかったようでカイルは顔を顰めた。


「あぁ?・・・感じも何も、まんま翻弄されっぱなしだよ」


カイルは気まずそうににガシガシ頭をかいた。


ふふふっ


「なぁ、なんで急にこんなことすんの?」


不機嫌顔じゃなくなったカイルは、真顔になって私を見つめてきた。



「カイルの・・・あなたの記憶に残りたいからよ」


一瞬、カイルの表情が強ばる。
ガバッと上体を起こし、あぐらをかいた姿勢になった。


「なんだよそれ、どういうことだよ?」


困惑と怒りにも似た表情を浮かべて、カイルがまた私を睨んでくる。


「お前も王国騎士団に入るんじゃねーの?」


私は曖昧に笑って誤魔化したわ。
入るのは入るけど、第7は秘密部隊だもの・・・


「えっ? じゃあお前どーすんの? 領地に戻るの?」


今度は首を横に振る。

カイルは口が堅いからきっと話しても大丈夫だろうけど、できればそれは避けたい。



私は『淫魔』のスキルの発動を意識し直して、スキルの効果を高める。

すでにベチャベチャに濡れた下着を脱いだ後、カイルの鍛えられた胸をそっと撫でつつゆっくりと押し倒した。


「おいっ!待てよ、まだ話がーー」

寝転ぶカイルの上に跨る。

「シーーっ」


カイルの動きをやさしく制し、彼の口元に人差し指を当てた。


ねぇ、黙ってみていて。

私が、あなたの上で乱れる様子を目に焼き付けて、できればずっと覚えていてね・・・




ぐちょぐちょに濡れた自分のアソコに、再び硬さを取り戻しつつあるカイルのペニスを押し当てる。


そしてググっと腰を沈めた。



「ぁああっ!!」

「きっつ」











??!

ーーー痛っっ!!
なにこれ、めちゃくちゃ痛い!



私の予想ではこの『淫魔』のスキルで、もっとこう余裕でガンガンいけるはずだったのだけど!??


私、正真正銘処女だから、入り口が固くって狭い。これ以上はもうどうにもなりそうにない⁇!


どうして??
こういう時こその『淫魔』スキルじゃないの??


あまりの衝撃に、私は動くに動けない。

それから痛いのと、計画が上手くいかない焦りと・・・

あとはもう、何が何だかよく分からない気持ちがごちゃ混ぜになって・・・ついには、


「うっ・・うっうわぁぁぁん」


強がりもスキルも、何もかもが弾けて飛んでいったのよ。





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読んで頂きありがとうございます!
お気に入り登録もありがとうございました(≧▽≦)

毎日更新して完結まで進みたいと思ってます。
最後までお付き合い頂けると嬉しいですm(._.)m

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