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第24話 とある幼馴染の幸運と野望 ※ローレイン視点
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ちょっと、欲を出しすぎちゃったのかもしれない。だから私は失敗してしまった。でも、二度目はない。
デーヴィスが失敗して、カナリニッジ侯爵家の屋敷を追い出された私たち。その後も、デーヴィスからクビを言い渡された。そして、私はあっけなく捨てられた。
あんな男、こっちから見切りをつけて、別の男に乗り換える。そして、いつか必ず復讐してやる。そう誓って行動を開始した。
まず私は、とある貴族の屋敷に入り込んだ。そこの当主を虜にすると、表向きにはメイドとして雇ってもらった。新しい身分を用意してもらった。
幸運に恵まれて、とあるパーティーでノルイン公爵家の息子と知り合うことに成功した。最初に出会った貴族は、もう用なしだ。すぐに別れを告げて、公爵家の息子に取り入る。
そこからは簡単だった。ノルイン公爵家の息子に、得意の猛アタックで迫ったら、彼はすぐ私にメロメロになった。ノルイン公爵家のメイドとして引き取ってもらい、可愛がってもらった。
利用しやすそうな男だし、公爵家に入り込めるなんて最高の幸運だ。この繋がりを絶対に手放したくない。今度は、失敗しない。そう思って、慎重に行動した。
ノルイン公爵家の子息であるセーニンレッドと関係を深めて、妻の座を射止める。ここまでは、計画通りに進んでいた。
噂によると、ノルイン公爵家にはウェヌスレッドという名前の息子が居るらしい。非常に優れた美貌を持つ、公爵家の至宝と密かに呼ばれる存在。そんな男に興味を持ったが、今回は慎重に動こうと考えていた。セーニンレッドとの関係が崩壊しないように、公爵家の他の男には手出しを控えた。
私は欲張らない。ここでミスしたら、前のように失敗して、すべてが無駄になる。今回はじっくり時間をかけて、確実に目的を達成させるのよ。
いつか、あいつらに後悔させてやる。
だけど、本当に惜しいわ。ウェヌスレッドという男と先に出会えたなら、彼の方と付き合えていたかもしれないのに。あぁ、もったいない。
でも、いいわ。一番大事なのは、公爵家であるということ。権力者の後ろ盾があるというのは、これ以上ない武器となるのだから。公爵家に属する妻になれるのなら、我慢する価値が十分にある。
これで、私の目的達成まで一歩前進。あとは、タイミングを待つだけ。もう少し、もう少しだけ待っていれば必ず。
そんな、ある日のこと。今日もセーニンレッドと会うために、屋敷へ出向く。しかし、彼は居なかった。
「セーニンレッド様は本日、近くの山まで狩りに出かけています」
「あら、そうなの」
屋敷に居た執事に、彼の行き先を聞いた。そんな話、私は聞いていない。けれど、出かけているらしい。会う約束をしていたのに、それを忘れて出かけてしまうなんて。
でも、これはチャンスかも。私が会いに行けば、彼は喜ぶかもしれないし。約束を忘れてしまったお詫びに、なにかプレゼントしてくれるかも。
そう考えて、私はセーニンレッドの居る場所まで行くことを決めた。私から、彼に会いに行きましょう!
デーヴィスが失敗して、カナリニッジ侯爵家の屋敷を追い出された私たち。その後も、デーヴィスからクビを言い渡された。そして、私はあっけなく捨てられた。
あんな男、こっちから見切りをつけて、別の男に乗り換える。そして、いつか必ず復讐してやる。そう誓って行動を開始した。
まず私は、とある貴族の屋敷に入り込んだ。そこの当主を虜にすると、表向きにはメイドとして雇ってもらった。新しい身分を用意してもらった。
幸運に恵まれて、とあるパーティーでノルイン公爵家の息子と知り合うことに成功した。最初に出会った貴族は、もう用なしだ。すぐに別れを告げて、公爵家の息子に取り入る。
そこからは簡単だった。ノルイン公爵家の息子に、得意の猛アタックで迫ったら、彼はすぐ私にメロメロになった。ノルイン公爵家のメイドとして引き取ってもらい、可愛がってもらった。
利用しやすそうな男だし、公爵家に入り込めるなんて最高の幸運だ。この繋がりを絶対に手放したくない。今度は、失敗しない。そう思って、慎重に行動した。
ノルイン公爵家の子息であるセーニンレッドと関係を深めて、妻の座を射止める。ここまでは、計画通りに進んでいた。
噂によると、ノルイン公爵家にはウェヌスレッドという名前の息子が居るらしい。非常に優れた美貌を持つ、公爵家の至宝と密かに呼ばれる存在。そんな男に興味を持ったが、今回は慎重に動こうと考えていた。セーニンレッドとの関係が崩壊しないように、公爵家の他の男には手出しを控えた。
私は欲張らない。ここでミスしたら、前のように失敗して、すべてが無駄になる。今回はじっくり時間をかけて、確実に目的を達成させるのよ。
いつか、あいつらに後悔させてやる。
だけど、本当に惜しいわ。ウェヌスレッドという男と先に出会えたなら、彼の方と付き合えていたかもしれないのに。あぁ、もったいない。
でも、いいわ。一番大事なのは、公爵家であるということ。権力者の後ろ盾があるというのは、これ以上ない武器となるのだから。公爵家に属する妻になれるのなら、我慢する価値が十分にある。
これで、私の目的達成まで一歩前進。あとは、タイミングを待つだけ。もう少し、もう少しだけ待っていれば必ず。
そんな、ある日のこと。今日もセーニンレッドと会うために、屋敷へ出向く。しかし、彼は居なかった。
「セーニンレッド様は本日、近くの山まで狩りに出かけています」
「あら、そうなの」
屋敷に居た執事に、彼の行き先を聞いた。そんな話、私は聞いていない。けれど、出かけているらしい。会う約束をしていたのに、それを忘れて出かけてしまうなんて。
でも、これはチャンスかも。私が会いに行けば、彼は喜ぶかもしれないし。約束を忘れてしまったお詫びに、なにかプレゼントしてくれるかも。
そう考えて、私はセーニンレッドの居る場所まで行くことを決めた。私から、彼に会いに行きましょう!
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