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第25話 とある幼馴染の結末 ※ローレイン視点

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「会いに行かれるのでしたら、こちらに馬車を用意しております。これから向かう先は、ノルイン公爵家の所有する土地ですので。案内が必要でしょう」
「あら、準備がいいのね。ありがたく使わせてもらうわね」

 流石、公爵家の執事ね。もしかしたら彼も、私たちの関係を祝福してくれているのかも。その善意を利用させてもらいましょう。

 そんなことを思いながら、私は用意された馬車に乗り込む。セーニンレッドが居る所まで連れて行ってもらうことに。



 しかし、その道中で事故が発生した。

「キャアアアアアア!」

 馬車が大きく揺れて、悲鳴を上げてしまった。予想外の衝撃。馬が暴れているようだ。どんどんスピードを上げて、走っている。

「な、なに? 何が起こったの! え……」

 私が叫ぶと、馬車の御者が姿を消していた。振り落とされたのか、前には誰も居なくなっている。公爵家に雇われていた使用人は優秀だと思っていたけれど、とんでもない無能が御者をしていたみたい。

 馬車を操縦する人がいない。馬が進むままに走っている。このままだと大変なことになるわ。この速度で衝突すれば、死ぬかもしれない。

「いやっ! 止まってッ!」

 そう言っても馬車は止まらない。私は急いで馬車から降りようとする。一か八か、飛び降りるしかないと思っての行動。だけど、扉は開かなかった。

 閉じ込められた。認識した瞬間、全身に鳥肌が立ち、冷や汗が流れるのを感じた。

「ど、どうして開かないの!」

 ガチャガチャと何度も扉を開けようとするが、開かない。そうしているうちにも、馬車は更に速度を上げて暴走を続けている。なにかがおかしい。そのまま、馬車が木にぶつかる。とんでもない衝撃。

「いやぁああああああああああ!」

 馬が悲鳴をあげて、馬車が倒れる。私の身体は投げ出されて、何度も木にぶつかって転がった。ようやく止まったときには、体が動かなくなっていた。立てない。全身が痛い。頭がガンガンする。口の中も血の味がした。

 地面に倒れていた私は顔を上げると、怪しい男たちの集団が見えた。あいつらは、何者? もしかして、馬車の暴走はあいつらのせい?

「これで、害虫の処分は完了。撤退するぞ」

 そんな、助けて。痛い。こんなことで、死んでしまうの。去っていく男たち。逃げ出した馬。壊れた馬車。薄暗い森の中で、私は一人取り残された。意識が薄れていく中、最後に見えた景色は最悪だった。



 体は動かない。誰も助けてくれない。嫌だ、死にたくない。

 私は、あいつらに復讐する。そのために、ここまで頑張ってきた。

 それなのに……、こんな最期なんてあんまりだわ。

 認めない。絶対に、許さないんだから……。
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