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第19話 逃亡と転落※アマリリス視点
しおりを挟む なんとか逃げ出すことに成功した。
冷たく暗い牢から逃げ出して、王都の城壁を背にして走る馬車の中で私は心底ほっと息をついた。あの息苦しい牢獄に閉じ込められたままなら、あの男の命令によって私は処刑台に立たされていたことだろう。粗末な処刑台に美しい私の首が晒されるなんて、想像するだけで吐き気がする。
「お嬢様、お疲れでございませんか?」
向かいの席に座る侍女のリーゼが心配そうに尋ねてきた。彼女は私に忠実な侍女で、今回の脱獄計画にも加担してくれた。
「大丈夫よ、リーゼ。ただ少し疲れているだけ」
私は銀の小さな手鏡を取り出し、自分の顔を確認する。牢獄での数日間でさえ、私の白磁のような肌は僅かに曇り、赤い髪は艶を失っていた。だが、それでも私の美しさは健在だ。
「化粧の道具は持ってきてくれたわね?」
「はい、緊急用の小箱をご用意いたしました」
リーゼが差し出した小さな木箱には、粉白粉、紅、香油など、最低限の化粧道具が収められていた。緊急用だから、これだけしかないのね。仕方ない。私は早速手鏡を片手に、顔を整え始める。どんな状況であれ、美しくなくては意味がない。美は私の武器であり、誇りなのだから。
「まさか、あんなに気の短い王だったとはね」
ザインという男は、見かけによらず激しい気性の持ち主だった。かつては私に熱烈な愛を囁き、フローレンスとの婚約を破棄してまで私を選んだというのに。そして今、一回の不倫で私を処刑しようとするなんて。
「アマリリス。これから、どうする。このまま実家に戻るのか?」
一緒に逃げ出してきた不倫相手の男が、振り返って尋ねてきた。彼の顔には疲労の色が濃く、不安げな表情を浮かべている。
「実家には戻れないわ」
私は断言する。
「お父様は私をザイン王に差し出して、出世の道具として利用するだけでしょうね。実家に戻れば、再び処刑の危機に陥ると思う」
私がザイン王を怒らせたことで、お父様も激怒するかもしれない。クリムゾン家の印象も悪くなっているでしょう。だけど、これまで私はクリムゾン家のために尽くしてきたもの。これからは自分のために生きる。
「では、どこへ向かう?」
「グランツライヒ王国の国境を越えて、隣国へ行きましょう。ここに留まるのは危険すぎるわ」
私には自信があった。この美しさがある限り、困ることはないはず。今も私を守ってくれる頼もしい男たちがいる。彼らは皆、私の美貌に惚れて、命がけで助けてくれることを約束してくれた。
「アマリリス様」
馬を並走させていた男が、馬車の窓に顔を寄せた。彼は王宮の近衛兵だったが、牢からの脱出に手助けしくれた。牢獄の鍵を手に入れてくれた、今回の脱獄の立役者の一人である。
「貴女のような可憐な女性を処刑するなんて、あの王の考えは理解できない。そんなことは僕が許さない。数多の危険から、君のことを絶対に守ってみせる」
「ありがとう。とても頼りにしているわ」
私は上目遣いで微笑んだ。男たちはこの表情に弱いのだ。案の定、彼の顔は紅潮し、さらに熱心に馬を走らせ始めた。
馬車の中で、私は次の計画を考え始めた。この美しさを武器に他国で再起を図る。そして、いずれはザイン王に復讐してやる。美しい私を処刑するなんて、絶対に許せないから。
そんな未来のことを思い描いていると、突然馬車が止まった。揺れで化粧が崩れないよう、私は窓枠を掴んで体を支えた。
「どうしたの?」
尋ねると、協力者の男たちが慌てた表情を浮かべていた。
「この先に、兵士が待ち構えています!」
「なんですって!? もう追っ手が?」
恐怖が背筋を走る。これほど早く追手が来るとは思わなかった。ここでまた、私は捕まってしまうの? そんなの絶対に嫌。
「いいえ、追手ではありません。おそらく、バーミリオン家の兵士かと思われます」
「なに? バーミリオン家? なぜ、こんな場所にバーミリオン家の兵士が?」
「わかりません。彼らの紋章が旗印についています。なぜ、北部地域を治める貴族が、こんな王都近くに……?」
男たちが状況を把握するために、必死な表情で話し合っている。そんな彼らの話を横で聞きながら、私はマズイと思った。バーミリオン家というのは、私が婚約相手を奪ったフローレスの実家よね。これは非常にマズイ状況。
「バーミリオン家は、ザイン派ではない。なら保護を頼めば……」
協力者の男が提案した。確かに彼らはザイン王と対立しているでしょう。だけど、それは危険だ。
「駄目よ!」
私は、即座に反対した。
「だ、駄目なのですか、アマリリス様? 彼らに保護してもらえたら、助かる可能性も高くなるかもしれないのに」
「あれはフローレンス・バーミリオンの家。私は、彼女の婚約者を奪ったの。彼女は私に嫉妬と憎しみを抱いているはず。保護を求めたところで、彼らは私を罰するだけよ。いいえ、それどころか、彼女の嫉妬と復讐心で何をされるか……」
想像するだけで恐ろしい。その話を聞いて、協力者たちは予定を変更してくれた。
「わかりました。あの兵士たちに気づかれないように迂回しましょう」
「そうして頂戴。急いで」
馬車は森の中の細い獣道に入っていった。枝が車体を叩く音が響く。心臓が早鐘を打つ。見つからないように、どうか逃げ出したい。牢から逃げ出せたんだから、こんな場所で捕まりたくない。
「アマリリス様!」
突然、男たちの悲鳴にも似た声が響いた。前方にも兵士たちが! そして横からも馬に乗った兵士たちが現れる。私たちは、あっという間に包囲されてしまった。
「降伏せよ! 抵抗するなら容赦しない!」
バーミリオン家の兵士が行く手をさえぎり、大声で叫んだ。
「ちっ、こうなれば戦うしかない!」
協力者の男たちが剣を抜いた。武器を手に取って、なんとかしようと必死になる。
「アマリリス様、馬車の中でお待ちください。私たちが守ります」
そう言って、敵の兵士たちに向かって突進していく。だが、明らかに向こうの兵士たちの方が練度が高いし、数も多い。抵抗するが、どう見ても勝てそうにない。私を守ると言っていたが、それは無理そうね。
私は素早く決断した。馬車から降り、森の奥へと逃げ出すしかない。あの兵士たちが協力者たちに意識を向けている間に、この場から脱出しなければ。
「リーゼ、化粧道具を持ってきなさい!」
侍女を引き連れて、私は馬車の反対側のドアから抜け出した。誰も見ていない。混乱に紛れて、私たちは茂みの中へと姿を消した。
「お嬢様、あの方々を置いていくのですか?」
リーゼが不安そうに尋ねる。
「仕方ないでしょう。彼らは私を守るために戦っているのよ。その役目を果たしているだけ。そして私は、自分の命を守らないといけない」
私は足早に森の中を進む。リーゼも黙って従った。だが、その表情には悲しみが浮かんでいた。愚かな女ね。感傷に浸っている場合ではないのに。
「待て!」
背後から声が聞こえた。振り返ると、一人の兵士が私たちを見つけ、追いかけてきている。最悪だ。見つかってしまった。
「走りなさい、リーゼ!」
私は侍女の手を引いて、必死に足を速めた。木々の間を縫うように走る。呼吸が苦しくなり、高価なドレスの裾が枝に引っかかって破れていく。でも、それでも逃げなければ。
「きゃっ!」
リーゼが転んだ。彼女の足首が木の根に引っかかったようだ。
「アマリリス様、助けて……」
彼女は痛みに顔を歪めながら私を見上げた。だが、追手は迫っている。
「ごめんなさい、リーゼ」
私は彼女の手を振り払い、一人で先に進んだ。彼女の驚愕の表情が一瞬見えたが、振り返らなかった。生き残るためには、時に犠牲は必要なのだ。
森の中を必死に走り続ける。枝が私の髪を引っ掛け、顔を引っ掻いていく。でも、それでも逃げなければ。捕まって、死になくない。
そして突然、足元の感覚が消失した。
「きゃぁぁぁぁ!?」
私の悲鳴が森に響き渡った。そこは崖だったのだ。私は崖下へ転がり落ちていく。全身が岩や木に打ち付けられ、激痛が走る。そして、意識を失った。
冷たく暗い牢から逃げ出して、王都の城壁を背にして走る馬車の中で私は心底ほっと息をついた。あの息苦しい牢獄に閉じ込められたままなら、あの男の命令によって私は処刑台に立たされていたことだろう。粗末な処刑台に美しい私の首が晒されるなんて、想像するだけで吐き気がする。
「お嬢様、お疲れでございませんか?」
向かいの席に座る侍女のリーゼが心配そうに尋ねてきた。彼女は私に忠実な侍女で、今回の脱獄計画にも加担してくれた。
「大丈夫よ、リーゼ。ただ少し疲れているだけ」
私は銀の小さな手鏡を取り出し、自分の顔を確認する。牢獄での数日間でさえ、私の白磁のような肌は僅かに曇り、赤い髪は艶を失っていた。だが、それでも私の美しさは健在だ。
「化粧の道具は持ってきてくれたわね?」
「はい、緊急用の小箱をご用意いたしました」
リーゼが差し出した小さな木箱には、粉白粉、紅、香油など、最低限の化粧道具が収められていた。緊急用だから、これだけしかないのね。仕方ない。私は早速手鏡を片手に、顔を整え始める。どんな状況であれ、美しくなくては意味がない。美は私の武器であり、誇りなのだから。
「まさか、あんなに気の短い王だったとはね」
ザインという男は、見かけによらず激しい気性の持ち主だった。かつては私に熱烈な愛を囁き、フローレンスとの婚約を破棄してまで私を選んだというのに。そして今、一回の不倫で私を処刑しようとするなんて。
「アマリリス。これから、どうする。このまま実家に戻るのか?」
一緒に逃げ出してきた不倫相手の男が、振り返って尋ねてきた。彼の顔には疲労の色が濃く、不安げな表情を浮かべている。
「実家には戻れないわ」
私は断言する。
「お父様は私をザイン王に差し出して、出世の道具として利用するだけでしょうね。実家に戻れば、再び処刑の危機に陥ると思う」
私がザイン王を怒らせたことで、お父様も激怒するかもしれない。クリムゾン家の印象も悪くなっているでしょう。だけど、これまで私はクリムゾン家のために尽くしてきたもの。これからは自分のために生きる。
「では、どこへ向かう?」
「グランツライヒ王国の国境を越えて、隣国へ行きましょう。ここに留まるのは危険すぎるわ」
私には自信があった。この美しさがある限り、困ることはないはず。今も私を守ってくれる頼もしい男たちがいる。彼らは皆、私の美貌に惚れて、命がけで助けてくれることを約束してくれた。
「アマリリス様」
馬を並走させていた男が、馬車の窓に顔を寄せた。彼は王宮の近衛兵だったが、牢からの脱出に手助けしくれた。牢獄の鍵を手に入れてくれた、今回の脱獄の立役者の一人である。
「貴女のような可憐な女性を処刑するなんて、あの王の考えは理解できない。そんなことは僕が許さない。数多の危険から、君のことを絶対に守ってみせる」
「ありがとう。とても頼りにしているわ」
私は上目遣いで微笑んだ。男たちはこの表情に弱いのだ。案の定、彼の顔は紅潮し、さらに熱心に馬を走らせ始めた。
馬車の中で、私は次の計画を考え始めた。この美しさを武器に他国で再起を図る。そして、いずれはザイン王に復讐してやる。美しい私を処刑するなんて、絶対に許せないから。
そんな未来のことを思い描いていると、突然馬車が止まった。揺れで化粧が崩れないよう、私は窓枠を掴んで体を支えた。
「どうしたの?」
尋ねると、協力者の男たちが慌てた表情を浮かべていた。
「この先に、兵士が待ち構えています!」
「なんですって!? もう追っ手が?」
恐怖が背筋を走る。これほど早く追手が来るとは思わなかった。ここでまた、私は捕まってしまうの? そんなの絶対に嫌。
「いいえ、追手ではありません。おそらく、バーミリオン家の兵士かと思われます」
「なに? バーミリオン家? なぜ、こんな場所にバーミリオン家の兵士が?」
「わかりません。彼らの紋章が旗印についています。なぜ、北部地域を治める貴族が、こんな王都近くに……?」
男たちが状況を把握するために、必死な表情で話し合っている。そんな彼らの話を横で聞きながら、私はマズイと思った。バーミリオン家というのは、私が婚約相手を奪ったフローレスの実家よね。これは非常にマズイ状況。
「バーミリオン家は、ザイン派ではない。なら保護を頼めば……」
協力者の男が提案した。確かに彼らはザイン王と対立しているでしょう。だけど、それは危険だ。
「駄目よ!」
私は、即座に反対した。
「だ、駄目なのですか、アマリリス様? 彼らに保護してもらえたら、助かる可能性も高くなるかもしれないのに」
「あれはフローレンス・バーミリオンの家。私は、彼女の婚約者を奪ったの。彼女は私に嫉妬と憎しみを抱いているはず。保護を求めたところで、彼らは私を罰するだけよ。いいえ、それどころか、彼女の嫉妬と復讐心で何をされるか……」
想像するだけで恐ろしい。その話を聞いて、協力者たちは予定を変更してくれた。
「わかりました。あの兵士たちに気づかれないように迂回しましょう」
「そうして頂戴。急いで」
馬車は森の中の細い獣道に入っていった。枝が車体を叩く音が響く。心臓が早鐘を打つ。見つからないように、どうか逃げ出したい。牢から逃げ出せたんだから、こんな場所で捕まりたくない。
「アマリリス様!」
突然、男たちの悲鳴にも似た声が響いた。前方にも兵士たちが! そして横からも馬に乗った兵士たちが現れる。私たちは、あっという間に包囲されてしまった。
「降伏せよ! 抵抗するなら容赦しない!」
バーミリオン家の兵士が行く手をさえぎり、大声で叫んだ。
「ちっ、こうなれば戦うしかない!」
協力者の男たちが剣を抜いた。武器を手に取って、なんとかしようと必死になる。
「アマリリス様、馬車の中でお待ちください。私たちが守ります」
そう言って、敵の兵士たちに向かって突進していく。だが、明らかに向こうの兵士たちの方が練度が高いし、数も多い。抵抗するが、どう見ても勝てそうにない。私を守ると言っていたが、それは無理そうね。
私は素早く決断した。馬車から降り、森の奥へと逃げ出すしかない。あの兵士たちが協力者たちに意識を向けている間に、この場から脱出しなければ。
「リーゼ、化粧道具を持ってきなさい!」
侍女を引き連れて、私は馬車の反対側のドアから抜け出した。誰も見ていない。混乱に紛れて、私たちは茂みの中へと姿を消した。
「お嬢様、あの方々を置いていくのですか?」
リーゼが不安そうに尋ねる。
「仕方ないでしょう。彼らは私を守るために戦っているのよ。その役目を果たしているだけ。そして私は、自分の命を守らないといけない」
私は足早に森の中を進む。リーゼも黙って従った。だが、その表情には悲しみが浮かんでいた。愚かな女ね。感傷に浸っている場合ではないのに。
「待て!」
背後から声が聞こえた。振り返ると、一人の兵士が私たちを見つけ、追いかけてきている。最悪だ。見つかってしまった。
「走りなさい、リーゼ!」
私は侍女の手を引いて、必死に足を速めた。木々の間を縫うように走る。呼吸が苦しくなり、高価なドレスの裾が枝に引っかかって破れていく。でも、それでも逃げなければ。
「きゃっ!」
リーゼが転んだ。彼女の足首が木の根に引っかかったようだ。
「アマリリス様、助けて……」
彼女は痛みに顔を歪めながら私を見上げた。だが、追手は迫っている。
「ごめんなさい、リーゼ」
私は彼女の手を振り払い、一人で先に進んだ。彼女の驚愕の表情が一瞬見えたが、振り返らなかった。生き残るためには、時に犠牲は必要なのだ。
森の中を必死に走り続ける。枝が私の髪を引っ掛け、顔を引っ掻いていく。でも、それでも逃げなければ。捕まって、死になくない。
そして突然、足元の感覚が消失した。
「きゃぁぁぁぁ!?」
私の悲鳴が森に響き渡った。そこは崖だったのだ。私は崖下へ転がり落ちていく。全身が岩や木に打ち付けられ、激痛が走る。そして、意識を失った。
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◆◆◆ 更新中の作品 ◆◆◆
【新作】聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/189958313
【連載中】帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/175949747
【新作】聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/189958313
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/175949747
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