没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー

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序章・彼の幸せ

没落

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 青々と広がる大河と青々と広がる森林の間に村があった。

 河と森林の間にある故、広い村では無いが、立ち上る料理の白煙と子供たちの笑い声、女の話し声から決して貧しい村では無いと分かる。

 村の森側には一際大きな煉瓦造りの屋敷があった。

 領主の屋敷だ。

 領主はカイエン・ガリエンドと言い、かつては高名な騎士であった。
 名家ガリエンド家の次男としてローリエット騎士団に若くして入団すると、多くの戦争で名を馳せ、ついには王都近くの町の領主を任命されたのである。

 さらに名家の娘を貰い、カイエンはまさに順風満帆の人生を歩んでいた。
 カイエン十九歳の時である。

 しかし、カイエンが領主になってから二年後、二十一歳の時、王都を中心に雨不足による不作が続いた。
 カイエンの治める町も例に漏れず、不作となったのだ。

 その折、王都から手紙が届く。
 内容は、小麦の種一つに至るまで、何としても食糧を用意し、王都へ送れ。というものである。

 民草から食糧をむしり取り、王都に住む王侯貴族へ寄越せと言うことだ。
 カイエンはこの要求を突っぱねた。
 そして、毎年に収集していた年貢の備蓄を解放し、あろう事か領民へ配ったのである。

 これに王都の王侯貴族は激怒。
 カイエンを開拓途中の村の領主へ左遷させたのである。
 この命を受け、カイエンの妻は子供を連れて実家へと帰って行ったのであった。
 また、ガリエンド家とも実質絶縁状態ともなってしまったのである。

 カイエンは何もかもを失った。

 愛する妻も子供も、王の信頼も。
 土地も、家族も。

 だが、カイエンは決して人を憎みはしなかった。

 ただ自分は間違ったことはしなかったという誇りを胸に開拓村へ着任したのである。

 ――それから二年後、カイエン二十三歳。

 彼は今日も屋敷で書類をしたためる。
 森を切り拓く速さと収穫量。
 開墾の速さと今年の収穫見積もり。
 人口の増減。
 それらを王都へ通知するのである。

 また、村人からの要望事項も整理する。
 例えば、防柵の一部が壊れてるから修理した方が良いのでは? という報告から、隣の誰それとケンカをしているから仲裁して欲しいという民事まで。

 毎日毎日、来る日も来る日も、このような事の繰り返しだ。
 整理せねば溜まっていく一方の問題と日々向き合っていくのである。

 コンコンと扉がノックされた。

「失礼しますよ。カイエン様」

 恰幅の良い中年のおばさんが、カイエンの返事も聞かずに入ってくる。

「芋煮ですけどね。昼食にどうぞ」

 人の良さそうな笑顔を浮かべて、部屋の隅にあるテーブルへ皿を置く彼女はメイドでもなんでもない。

 ただの村の奥さんである。

 勝手に屋敷に入ってきて、勝手に扉を開け、そして料理を置いていく。

 それがこの村の人達なのだ。

「ありがとございます」

 普通ならば無礼であろう彼女に、カイエンはニコリと微笑んで感謝を述べた。

「いえいえ。カイエン様にはいつもお世話になっているんですもの。あ、夜にはマーサが魚料理持ってくるって言ってたわねぇ。マーサの魚料理は最高ですよ。煮付け、焼き物、炙り……なんでも出来るものね」
「そうですか。それは楽しみです」

 マーサも勝手に屋敷へ入ってきて、勝手に扉を開け、勝手に料理を置いていくだろう。
 むしろ、扉をノックしてくれるだけでも助かる。
 赴任当初は扉すらノックせずに、ズケズケと部屋へ入られたものだった。

「それから、午後は旦那をよろしくお願いしますね」

 彼女はそう言って部屋から出て行く。

 午後からは開拓の時間だ。
 一部を除いて、村の男達総出で森を切り拓いていく。

 その分、畑を耕したり開墾するのは遅れる。
 しかし、カイエンは収穫量が少なくなる事を覚悟で開拓を優先していた。

 なぜならば、村に隣接する大河がいつ氾濫するかも知れなかったからだ。

 大河は飲み水や作物へ撒く水を確保させ、魚や水草といった食べ物も恵むが、しかし、これほどの大河が氾濫したら、小さな村などすぐに呑み込まれてしまうだろう。
 なので安全な場所を確保するのは急務であった。

 書類を本棚へ入れ、芋煮を食べる。

 旨くは無い。
 この村には調味料なんて無いから、芋と豆と鶏肉をただ煮て、香草で軽く匂い付けをしただけの料理だ。

 それでも腹に溜まるから、空きっ腹にはちょうど良い。
 それに、せっかく作って貰ったものに文句は言うまい。

「ご馳走様」

 食べ終わると、執務室から出て別の部屋へ向かう。

 大きな屋敷ではあるが、カイエンしかいない屋敷はとても静かで寂しい。
 この村にメイドとして雇える人手は無いし、妻とも別れた。
 子供ももう居ない。

 こう広い屋敷をただ一人で歩くと、寂しい気持ちばかりになってしまう。

 かつては全ての仕事を旺盛に終わらせて、午後には愛する妻や子供達と遊ぶ為の時間にあてたものである。
 しかし今は、かつて午前中に終わらせた仕事量に二日三日を要していた。
 腐ったつもりは無かったが、やはりやる気という物が無くなっているようだ。

「どうもいかんな」

 扉を開けて部屋へ入る。
 鎧や剣に槍が並べられた部屋。

 胸や肩、太股にだけ装着する鎧を体に付けて、腰に剣を佩いた。

「剣を抜くかも知れないのに、気分がこう沈んではいかん」

 森を開拓する時、カイエンの主な仕事は指示と村人の護衛である。
 森を切り拓くということは、森の猛獣と出会うかも知れない。
 いや、猛獣と、時として『猛獣以外のモノ』と出会うかも知れない。

 本来、開拓者の護衛は兵士がやるべきであろうが、王都からの派兵は無かったし、私兵を雇う人手も払える給金も無かった。

 なので、カイエンが村人を守らねばならなかったのだ。

 鎧を来たカイエンが屋敷を出ると、すでに村の男衆が開拓の為の馬や牛、斧やら縄やらを持って集まっている。

 彼らはカイエンを見ると、笑顔で軽く会釈をした。

 この村へ赴任して二年、今でこそ笑顔で会釈をしてくれるが、赴任当初はかなり険悪な仲であった。
 特に、開墾をさせずに開拓を優先したのが男衆の反感を買ったものである。

 食べる物も作らずに土地を作って、どうやって冬を越す気だ。しょせん貴族には下々のメシの種なんてどうだって良いんだと陰口も叩かれた。

 だが、今は違う。
 カイエンが誠実に村のために頑張っているのを村人も知り、協力してくれるのだ。

「では、行こうか」

 その男衆を連れてカイエンは歩く。

 屋敷から少し歩き、森へ着く。
 昨日切った木の切り株が至る所にある。

 なので、カイエンは伐採と木の根の掘り出しを指示し、すぐに男衆は二手に別れた。

 馬や牛と切り株を縄で結び、地面を掘り返しながら引っ張る。

 森の方では木々を斧で打ち、切り倒していく。

 カイエンは森の近くに立って、作業する人々の監督と、倒れる大木の近くに人が立ち入らないよう監視していた。

 しかし、二年もやっている皆は慣れたもので、別段危険な事も起こらなかった。

 しばらく作業は進み、カイエンは休憩と叫んだ。

 皆は流れる汗を袖で拭い思い思いに座り込んで休憩を始める。

 しばらく休めばまた作業の開始だ。
 それまで、近くの人とお喋りをしたりしている。
 また、流れる汗の割に、彼らはそこまでの疲労は見えない。
 それもそのはず、カイエンが休憩と言わなくても、それぞれがそれぞれ、交代で休憩しながら作業をしていたからだ。

 カイエンもそれには気付いていたが、別に咎めはしない。
 それは怠惰ではなく、作業を効率的に行うために必要な処置だと思っていたからだ。

 しかし、皆が休憩する中、カイエンは決して警戒の目を絶やさなかった。

 森の中からいつ、危険なモノが現れるか分からないのだ。

 そして、現に今、見つけた。

 森の奥からカイエン達を見つめる黒いナニカ。

 カイエンは腰の剣に手を掛け、ジッとそのナニカを見つめ続ける。

 朧のように揺らめく黒い人影。
 おそらくは『魔物』か。

 あれが猛獣以外のモノだ。
 人々はあれを魔物と呼ぶ。

 魔物とは何なのか分かっていない。
 ただ、雄も雌もなく、人型で、しかし知能は高くなく、人を見ると真っ先に襲いくると言うことだけだ。

 子供のような小さな体躯のゴブリン。
 大人ほどの大きさのボガード。
 大人よりも一回り大きな体に逆立った牙を備えるオーガ。
 そして、家かと見間違う巨躯を誇るトロール。

 これらが代表的な魔物だ。
 こいつらがどうやって生まれ、どこから来るのかは分かっていない。
 しかし、危険な存在であることに間違いは無い。

 そして、今、森から覗いているものは、代表的な魔物には無い特徴を備えていたが、間違いなく魔物であると思えた。

 しかし、人と見れば問答無用に襲いくる魔物が、今は遠目に様子を窺うだけ。
 見慣れない外見と言い、少しばかり気になる。

「どうしました? カイエン様ぁ?」
「いや……。ちょっと森へ入ってきます。私が戻るまで作業はしないようにお願いしますね」

 そう言って森へ向かった。

 朧にゆらめく人影は、猫背で、人よりも長い手足をしてボウッと立っている。
 体から黒い煙のようなものが立ち上り、それが朧のように輪郭を曖昧にしていた。

 そして、その顔は山犬や狐を彷彿とさせるかのように長かった。

 カイエンが見たことも無い外見の魔物であった。
 それに、魔物にしては奇妙で、凶暴さや荒々しさの無い落ち着いた佇まいである。

 その魔物は二つの真っ赤な眼で爛々とカイエンを見ると、ふいっと森の奥へ歩いて行った。

 追うべきか迷う。
 追っていった先に他の魔物がいるかも知れない。

 しかし、かの魔物に好奇心を抱いたカイエンは追うことにする。

 一体あの魔物は何者なのか?
 知性すら感じる落ち着きに興味を惹かれたのである。

 しかし、朧に揺れる影は輪郭がハッキリせず、追っていても、近づいているのか離れているのか分からなかった。

 また、その影は足音を全く鳴らしていない。
 そればかりか、茂みや木々の合間を通り抜ける時に葉の擦れる音でさえ鳴らさないのだ。

 まるで黄昏に惑う幽鬼か。
 実体が無いのかと思えた。

 朧な人影が木陰に重なる。
 フッと人影が消えた。

 カイエンは驚き、近づく。
 何らかの目の錯覚であろうか?
 確かに前方を逃げるように走っていた朧な人影は、木陰と重なった刹那、闇に融けてしまった。

 木陰へ近付き、腰の剣を抜いて陰をつつく。
 当然ながら、陰には何も無く、切っ先は虚空を前後するのみだ。

 妙だ。
 一体全体どういう事であるか?
 魔物といえども実体ある生き物。
 幽霊のごとく消えてしまうなどとあり得ない。
 あるいは本当に幽霊だとでも言うのだろうか?

 湿った風がカイエンの頬を撫で、ザアッと木々が唸る。

「……馬鹿馬鹿しい。幽霊が本当に居るなら、この世は死人で溢れている」

 カイエンは剣を鞘へ戻そうとした。
 瞬間、背後に気配を感じる。

 素早く振り返り、剣を横一閃。

 そこには朧な人影。
 剣閃は真一文字に人影の首を通り抜けた。

 しかし、手応えは無い。
 木陰をつついた時と同じで、まるで虚空を薙いだかのようであった。

 現に朧な人影は何事も無いように立っている。
 せいぜい、立ち上る黒煙の如き影が揺らめいた程度であった。

 襲われるとカイエンは思い、一歩、二歩と距離を取る。

 しかし、カイエンの予想と裏腹に、朧な人影は襲いくる様子も無かった。

 カイエンは剣を構えて朧な人影と対峙するも、この敵意をまるで見せぬ異形に敵愾心や警戒心より、むしろ、不気味な恐怖を抱いている。

 なぜ動かぬ?
 なぜ観察するかのように見ているだけ?
 襲ってくる魔物は恐ろしいが、この眼前に佇む魔物は襲い来ないゆえの恐ろしさがある。
 真意が全く汲めないのだ。

 すると、朧な人影は手をゆっくりと動かす。

 緊張感にカイエンは剣を持つ手に力を込めた。

 しかし、朧な人影は攻撃の意を見せたのでは無く、森の向こうを指差す。

 奇妙な事であった。

 本来ならば、人と相容れぬ凶暴で粗暴で粗野な魔物が、カイエンに明確な意図を以て何かを伝えようとしているのだ。

 カイエンは敵である魔物から目を離す事を本来はしないはずだった。
 だが、その奇妙な魔物と奇妙な行為から、つい、指差す方を見てしまう。

 敵かも知れないモノから目を離したことに気付いたカイエンは、すぐに自制して視線を戻した。

 ……しかし、そこにはもう朧な人影はいなかった。

 湿った風は、相変わらずカイエンの頬を撫でている。

「行ってみるか」

 魔物が何かを伝えたかった。
 いや、果たして本当に魔物なのかは分からないが、だが異形の化け物がカイエンに伝えたかった何かを知りたく思ったのだ。

 茂みを掻き分け、朧な人影が指差していて方へ真っ直ぐ進む。

 歩いていくと、ザアッと唸る木々の音に交じり、何かが聞こえた気がした。

 赤ん坊の泣き声?
 カイエンは赤ん坊の泣き声が聞こえた気がして、歩く足を速める。

 泣き声はどんどんと大きくなり、すぐ近くまで来たことが分かった。

 カイエンはキョロキョロと泣き声を頼りに周囲を探し、緑の景色の中に白い何かを見つける。

 近付くと、高級そうな純白の衣服を着た浅黒い肌の女性が、木にもたれ掛かっている事が分かった。
 そして、泣き声の主はその女性にしっかりと抱きかかえられている。

 やはり、赤ん坊が泣いていた。
 女の人の腕に抱かれて、必死に声を上げている。

 腕の中のその赤ん坊も浅黒い肌をしていた。

 見たことも無い肌色だ。
 一体どこの者であろうか。
 あるいは、カイエンの知らない遥か遠くから旅して来たのかも知れない。

「もし?」

 女性を揺さぶる。

 しかし、女性はピクリとも動かない。

 見れば、背中に真っ赤な血が流れ、純白の服を染めている。

 一体何があったのかは分からないが、この女性が赤ん坊を守ったのは確かなようだ。

 よく見れば、女性の両足は裸足で、傷だらけであった。
 何かから逃げていたのだろうか?

「お前の母親は強いんだな」

 これほどになりながら赤ん坊を守った彼女へカイエンは素直な尊敬を抱き、赤ん坊を抱き上げた。

 あの魔物がなんなのか分からないが、少なくともこの赤ん坊の事を示していたのだろう。
 なぜ魔物が赤ん坊を守ろう等としたのかは分からないが、そうとしか思えない。

 そして、奇妙な出来事によってこの赤ん坊と出会ったのは運命だと感じた。

「この子は私が責任を持って守りましょう。だから、安心してください」

 赤ん坊を抱き寄せると、女性の腕はスルリと赤ん坊から離れる。
 まるでカイエンへ赤ん坊を託したかのように。

 そして、女性の顔はどこか安心しきったような安らかな顔であった。



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