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4章・大鷲は嵐に乗って大空へ
破砕
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マルダーク王国東方へ行軍してきたキュレイン達であるが、その進軍は決して楽なものではなかった。
雪解け直後に進軍を開始したキュレインは、当初、傭兵を全て解雇してエームの町の正規兵一万余とその親族を含めた二万以上の行軍を開始したのである。
しかし、兵の親族のみならず、エームの町の人々までキュレインに付いていきたいと言い、総員数は三万以上にまで膨れあがってしまった。
人員の多寡は行軍速度の遅速と言っても過言で無く、反乱軍に捕捉されてしまう。
雪解けで増水していた河の橋を落として、一度目の追撃を躱した。
橋を落とす作業が原因で数名の兵が凍死したが、順調と言えば順調である。
しかし、数日の後には二度目の捕捉をされてしまった。
これにキュレイン達は進路上の村落から盗れるだけの食糧を略奪しながら逃避行を続けたのである。
雪解けとは言え、まだ収穫も何も無い時期であり、塩漬けや干物、貯蔵野菜等の保存食が略奪されると新たに収穫出来る食べ物は無いのだ。
このため、追撃の軍は現地調達が出来ず、補給部隊が輸送してくるのを待たなくてはいけなくなったのである。
こうして二度目の捕捉も振り切った。
さらに東方諸侯の領土へ足を踏み入れたキュレイン軍を、二人の領主と三つの町がそのまま降伏。
そこで略奪では無く、正式な補給を受けてカイエン軍と合流するために本格的に北上したのであるが、ここで三度目の捕捉となったのである。
しかも、今度の攻撃は後方からでは無く、左側……つまり王都からの敵だ。
モリオーニュと言う町へ向かう街道を進軍していたキュレイン達は明らかな偵察兵を発見。
その偵察がそのまま王都の方へ引き返し、姿をくらました。
すぐさまキュレインも偵察を放つと、幾つかの丘を越えた先に反乱軍が進行して来ていたと言うのである。
そして、敵軍の翻る旗は、ルーガ男爵のものだと偵察は言ったのだ。
あの猛将ルーガ……!
それを聞いたキュレイン達は大急ぎでモリオーニュへ向かうと、領主も存在しない小さな街であるモリオーニュの町長と駐留の兵達は降伏。
この駐留の兵達は既にキュレイン達に降伏した領主が防備や治安の為に派遣していた兵達である。
彼等を戦力に迎えると、カイエンへ援軍を要請してモリオーニュで籠城を決め込んだのだ。
しかし、モリオーニュは三日で壊滅。
圧倒的な速さである。
その理由は、ルーガ軍が投石器を投入してきたためだ。
これは王都にあったものをルーガ軍が接収したものである。
モリオーニュ陥落の直前、三日目の朝の話、輸送部隊が盛んにルーガ軍の陣へ奇妙な木の部品を運んでいた。
キュレイン達は一体何をしているのか理解出来なかったが、工兵がものの数時間で三台の投石器を組み立てたのである。
そして、複数の工兵で投石器をモリオーニュへ近付けてきたのだ。
キュレイン達は投石器を始めて見たため、それが何に用いられる物か分からなかったのであるが、少なくとも攻城兵器であり、接近を許してはいけないと思ったのである。
しかし、弓矢で迎撃しようにも春風は強く、矢はとても放てそうに無かったのだ。
そして、その直後には投石が放たれ、弧を描いて飛んできた岩の塊が城壁を撃ち砕いた為に、キュレイン達はその装置が何なのか良く理解する事が出来たのである。
城壁が砕かれた町など、扉の無い宝物庫のようなものだ。
キュレインはモリオーニュを捨てて逃亡した。
ルーガ軍も逃亡するキュレイン軍を直ちに追撃する事にする。
この時、ルーガは自分達が先行するので、サニヤに工兵部隊と輸送部隊を用いて、投石器を分解し、後を追うように指示した。
サニヤはそれに不服を述べる。
それでは戦いに間に合わない。
自分は戦争を克服するんだ。なのに戦争から離れて後方支援では克服なんて出来はしないと。
さらにサニヤは、何で戦場から自分を離そうとするんだとルーガへ怒鳴った。
実は、今回の戦いにルーガはサニヤを同行させるつもりは無く、ラムラッドへ帰そうとしたのである。
ラムラッドの防衛部隊として勤務しながら、もはや隠れる必要の無くなったリーリルや弟達と共に、療養しているサルハとテュエルの子供の世話でもしてゆっくり暮らすように言ったのであるが、サニヤはこれを拒否し、半ば無理矢理この行軍に付いてきたのだ。
それでも戦いから遠ざけようとするルーガに納得出来ず、サニヤは前線への異動を申し立てる。
しかし、ルーガは、後方支援も立派な戦いだとして、サニヤと後方支援の兵を残して有無を言わせずに出発した。
ルーガがここまで頑なにサニヤを前線へ送らせたくなかったのは、あの宣戦布告の手紙のせいだ。
あの手紙は当然、ルーガも受け取ったのであるが、カイエンの名を見て、ルーガは驚愕した。
そして、思い悩んだ。
サリオンとカイエン。
どちらも自分の兄であり、どちらも尊敬している。
どちらにも刃を向けたくなかったが、ルーガは当初味方に付いたサリオンの方へ義を立てる事にしたのだ。
しかしそうなると、サニヤが問題であった。
カイエンが敵と知ったら、サニヤはカイエンの元へと向かうだろう。
しかし、そうなるとサニヤと戦わねばならず、サニヤと戦いたくないし、サニヤを殺したくはないのだ。
かといって、父娘相食む骨肉の争いをさせるわけにはいかなかった。
そこでルーガは、結局、敵はカイエンだと言うことをサニヤに隠し、そしてサニヤを戦いから遠ざける事にしたのだ。
サニヤは戦いに恐怖を抱いて、前線に出られなかった時期なのでちょうど良いと思っていたのであるが、ここに至って、サニヤは恐怖を克服したいから前線に出たいと言い出したのである。
まったくルーガは困り、ひとまずサニヤを後方支援の指揮にあてて戦いに出られないようにしたのだ。
ルーガは即断即決の人物とよく思われるのであるが、実は違う。
彼は意外と優柔不断で、思い悩む人なのだ。
だから、怒りを噴出させて、自分で踏ん切りをつけねば決断出来ぬ。
しかし、今回のように誰へとも怒る事が出来ないと、どうしても問題を先送りにする事しか出来無いのである。
ルーガは自分が小心者だと思う。
小心者だからこそ、怒りっぽいのだと思っていた。
ルーガは内心、なぜ兄上達が争わねばならぬのだと思う。
兄同士の争いで無ければ、どれだけ楽な事か。
反乱に荷担するかどうかですらも、ずっと悩み続けていたのに、事ここに居たって兄同士の争いになるだなんて、正直逃げ出したかった。
それに、キュレイン達が民間人を連れて逃亡しているのも嫌だった。
さすがに無抵抗な民を惨殺するような真似はしたくないのだ。
だが、戦争の最中に、敵軍に居る民間人は殺すなと言ったところで、どうやって敵か民間人かを見極めろと言うのか。
だから、キュレインと戦いたく無いのである
しかし、どんなにそのようにしたいと思った所でこの場から逃げ出す訳にも行くまい。
カイエンと戦わねばならないし、敵は倒さねばならない。
なので、ルーガは兵達へ、逃げるキュレインへ攻撃するように命令を出した。
二股の陣を形成する鶴翼陣を構えると、その二股の先をガラナイとシバルト率いる騎馬部隊に任せた。
逃げるキュレイン達を左右から挟み込み、殲滅する作戦だ。
キュレイン達は迎撃できる兵達は少ないし、逃げ切るには足が多すぎる。
もはや詰んでいた。
ルーガ軍が完全にキュレイン達を捕捉すると、キュレイン達は兵を民間人の後方に集結させる。
まさに無駄の抵抗だろう。
ルーガ軍は一息に呑み込もうと進軍速度を上げた。
その時である。
最初「それ」に気付いたのはシバルトだ。
あの美しい金髪の貴公子然とした男は右翼前方を走りながら、このような残務処理で功を得られるなんて楽な仕事だと思っていた。
そんな彼の視界の端に何かが見え、ふと右を見てみる。
そこには、丘の上から降りてくる一騎の兵が居た。
なんであんな所に兵が居るのだろう。
敵の兵か?
それとも、いつの間にかはぐれてた味方が合流にでも来たか?
そんな事を思った直後、丘の向こうから大量の兵が現れ、ルーガ軍へと突撃を開始したのであった。
雪解け直後に進軍を開始したキュレインは、当初、傭兵を全て解雇してエームの町の正規兵一万余とその親族を含めた二万以上の行軍を開始したのである。
しかし、兵の親族のみならず、エームの町の人々までキュレインに付いていきたいと言い、総員数は三万以上にまで膨れあがってしまった。
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しかし、数日の後には二度目の捕捉をされてしまった。
これにキュレイン達は進路上の村落から盗れるだけの食糧を略奪しながら逃避行を続けたのである。
雪解けとは言え、まだ収穫も何も無い時期であり、塩漬けや干物、貯蔵野菜等の保存食が略奪されると新たに収穫出来る食べ物は無いのだ。
このため、追撃の軍は現地調達が出来ず、補給部隊が輸送してくるのを待たなくてはいけなくなったのである。
こうして二度目の捕捉も振り切った。
さらに東方諸侯の領土へ足を踏み入れたキュレイン軍を、二人の領主と三つの町がそのまま降伏。
そこで略奪では無く、正式な補給を受けてカイエン軍と合流するために本格的に北上したのであるが、ここで三度目の捕捉となったのである。
しかも、今度の攻撃は後方からでは無く、左側……つまり王都からの敵だ。
モリオーニュと言う町へ向かう街道を進軍していたキュレイン達は明らかな偵察兵を発見。
その偵察がそのまま王都の方へ引き返し、姿をくらました。
すぐさまキュレインも偵察を放つと、幾つかの丘を越えた先に反乱軍が進行して来ていたと言うのである。
そして、敵軍の翻る旗は、ルーガ男爵のものだと偵察は言ったのだ。
あの猛将ルーガ……!
それを聞いたキュレイン達は大急ぎでモリオーニュへ向かうと、領主も存在しない小さな街であるモリオーニュの町長と駐留の兵達は降伏。
この駐留の兵達は既にキュレイン達に降伏した領主が防備や治安の為に派遣していた兵達である。
彼等を戦力に迎えると、カイエンへ援軍を要請してモリオーニュで籠城を決め込んだのだ。
しかし、モリオーニュは三日で壊滅。
圧倒的な速さである。
その理由は、ルーガ軍が投石器を投入してきたためだ。
これは王都にあったものをルーガ軍が接収したものである。
モリオーニュ陥落の直前、三日目の朝の話、輸送部隊が盛んにルーガ軍の陣へ奇妙な木の部品を運んでいた。
キュレイン達は一体何をしているのか理解出来なかったが、工兵がものの数時間で三台の投石器を組み立てたのである。
そして、複数の工兵で投石器をモリオーニュへ近付けてきたのだ。
キュレイン達は投石器を始めて見たため、それが何に用いられる物か分からなかったのであるが、少なくとも攻城兵器であり、接近を許してはいけないと思ったのである。
しかし、弓矢で迎撃しようにも春風は強く、矢はとても放てそうに無かったのだ。
そして、その直後には投石が放たれ、弧を描いて飛んできた岩の塊が城壁を撃ち砕いた為に、キュレイン達はその装置が何なのか良く理解する事が出来たのである。
城壁が砕かれた町など、扉の無い宝物庫のようなものだ。
キュレインはモリオーニュを捨てて逃亡した。
ルーガ軍も逃亡するキュレイン軍を直ちに追撃する事にする。
この時、ルーガは自分達が先行するので、サニヤに工兵部隊と輸送部隊を用いて、投石器を分解し、後を追うように指示した。
サニヤはそれに不服を述べる。
それでは戦いに間に合わない。
自分は戦争を克服するんだ。なのに戦争から離れて後方支援では克服なんて出来はしないと。
さらにサニヤは、何で戦場から自分を離そうとするんだとルーガへ怒鳴った。
実は、今回の戦いにルーガはサニヤを同行させるつもりは無く、ラムラッドへ帰そうとしたのである。
ラムラッドの防衛部隊として勤務しながら、もはや隠れる必要の無くなったリーリルや弟達と共に、療養しているサルハとテュエルの子供の世話でもしてゆっくり暮らすように言ったのであるが、サニヤはこれを拒否し、半ば無理矢理この行軍に付いてきたのだ。
それでも戦いから遠ざけようとするルーガに納得出来ず、サニヤは前線への異動を申し立てる。
しかし、ルーガは、後方支援も立派な戦いだとして、サニヤと後方支援の兵を残して有無を言わせずに出発した。
ルーガがここまで頑なにサニヤを前線へ送らせたくなかったのは、あの宣戦布告の手紙のせいだ。
あの手紙は当然、ルーガも受け取ったのであるが、カイエンの名を見て、ルーガは驚愕した。
そして、思い悩んだ。
サリオンとカイエン。
どちらも自分の兄であり、どちらも尊敬している。
どちらにも刃を向けたくなかったが、ルーガは当初味方に付いたサリオンの方へ義を立てる事にしたのだ。
しかしそうなると、サニヤが問題であった。
カイエンが敵と知ったら、サニヤはカイエンの元へと向かうだろう。
しかし、そうなるとサニヤと戦わねばならず、サニヤと戦いたくないし、サニヤを殺したくはないのだ。
かといって、父娘相食む骨肉の争いをさせるわけにはいかなかった。
そこでルーガは、結局、敵はカイエンだと言うことをサニヤに隠し、そしてサニヤを戦いから遠ざける事にしたのだ。
サニヤは戦いに恐怖を抱いて、前線に出られなかった時期なのでちょうど良いと思っていたのであるが、ここに至って、サニヤは恐怖を克服したいから前線に出たいと言い出したのである。
まったくルーガは困り、ひとまずサニヤを後方支援の指揮にあてて戦いに出られないようにしたのだ。
ルーガは即断即決の人物とよく思われるのであるが、実は違う。
彼は意外と優柔不断で、思い悩む人なのだ。
だから、怒りを噴出させて、自分で踏ん切りをつけねば決断出来ぬ。
しかし、今回のように誰へとも怒る事が出来ないと、どうしても問題を先送りにする事しか出来無いのである。
ルーガは自分が小心者だと思う。
小心者だからこそ、怒りっぽいのだと思っていた。
ルーガは内心、なぜ兄上達が争わねばならぬのだと思う。
兄同士の争いで無ければ、どれだけ楽な事か。
反乱に荷担するかどうかですらも、ずっと悩み続けていたのに、事ここに居たって兄同士の争いになるだなんて、正直逃げ出したかった。
それに、キュレイン達が民間人を連れて逃亡しているのも嫌だった。
さすがに無抵抗な民を惨殺するような真似はしたくないのだ。
だが、戦争の最中に、敵軍に居る民間人は殺すなと言ったところで、どうやって敵か民間人かを見極めろと言うのか。
だから、キュレインと戦いたく無いのである
しかし、どんなにそのようにしたいと思った所でこの場から逃げ出す訳にも行くまい。
カイエンと戦わねばならないし、敵は倒さねばならない。
なので、ルーガは兵達へ、逃げるキュレインへ攻撃するように命令を出した。
二股の陣を形成する鶴翼陣を構えると、その二股の先をガラナイとシバルト率いる騎馬部隊に任せた。
逃げるキュレイン達を左右から挟み込み、殲滅する作戦だ。
キュレイン達は迎撃できる兵達は少ないし、逃げ切るには足が多すぎる。
もはや詰んでいた。
ルーガ軍が完全にキュレイン達を捕捉すると、キュレイン達は兵を民間人の後方に集結させる。
まさに無駄の抵抗だろう。
ルーガ軍は一息に呑み込もうと進軍速度を上げた。
その時である。
最初「それ」に気付いたのはシバルトだ。
あの美しい金髪の貴公子然とした男は右翼前方を走りながら、このような残務処理で功を得られるなんて楽な仕事だと思っていた。
そんな彼の視界の端に何かが見え、ふと右を見てみる。
そこには、丘の上から降りてくる一騎の兵が居た。
なんであんな所に兵が居るのだろう。
敵の兵か?
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