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7章・子の成長
移行
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王城で、サーニアと隠密部隊新設の件を、カイエン、ロイバック、ラキーニ、そしてルカオットが話し合っていた。
隠密部隊の総指揮官はロイバック。
そして、部隊の隊長はサーニア。
このサーニアはカイエンの娘サニヤであることを知っているのはこの四人だけに留める。
ルカオットは「まさか私の知らない所で、かような事態になっているとは」と深く息を吐いて、椅子にもたれた。
ルカオットが知らないのも無理からぬ。
誰も彼もが、良かれと思って、個々で勝手に動き回っていたのだから。
ゆえに、カイエンとロイバックは「勝手な真似をしてすいませんでした」と謝った。
「いや、よい。これもそなたらの忠誠。悪くは思わないさ」
王らしい態度が板についてきたルカオット。
しかし、王としてはまだまだ甘い。
カイエンやロイバックが好き勝手に行動したのに、毅然として態度を取れないのは、やはり王としては良くないだろう。
だが、ルカオットはカイエンやロイバックを信頼していたので、多少甘かろうがこれで良いと思う。
さて、その様子を見ていたラキーニ。
彼は殆ど喋る事なく、この会議の様子を見ていたのであるが、ついに口を開いた。
そして、サーニアが暗黒の民に襲われた事を伝える。
彼女が隠密部隊として動くときの、大きな足枷となるだろう。
まさに獅子身中の虫だ。
ルカオットが憤慨し、「カイエンの娘さんと、我が国の兵を傷つけるなんて」と言った。
しかし、カイエンとロイバックは渋い顔である。
まず、サーニアは今、カイエンの娘サニヤでは無い。
あくまでも雇われ傭兵サーニアであるし、その存在も秘匿である。
サーニアを襲った事を理由に処罰しようにも、ではそもそもサーニアとは何者なのかを公表せねばならぬ。
そのような事はできない。
と、なれば、暗黒の民を処罰するなら、兵を傷付けてしまった事だろう。
しかし、暗黒の民があくまでも兵を傷つけないようにしていた事を現場の兵達も知っている。
あるいはその指を切断してしまった暗黒の民一人を処断する事は容易い事だ。
で、あるが、それでは禍根を残すだけである。
サニヤの件を何とかするなら暗黒の民全体を何とかせねば意味が無い。
「兵を傷つけた事をキツく言っておく事しか出来ないな」
カイエンは残念そうに言った。
なまじっか暗黒の民は武功を上げているので、迂闊な処罰も中々出来ない。
どこの馬の骨とも知れないサーニアと、暗黒の民では、暗黒の民の方に分が上がってしまうのが実情なのであった。
誰も彼もが、どうしようもない問題に黙りこくってしまう。
静寂。
天井のシャンデリアに乗せられたロウソクが静かに揺れていた。
ふと、ロイバックが「話は変わりますが」と静寂を破る。
彼は言う。
せっかく隠密部隊を新設するなら、ローリエット騎士団の再設も行わないかと。
――ローリエット騎士団。
ローリエットとは、マルダーク王国建国の歳に活躍した、最も若く、最も勇敢な騎士である。
彼の名を冠したこの騎士団は、貴族の次男や三男を集めた見習い騎士団だ。
かつて、カイエンも所属していたし、ルーガも所属していた。
ロイバックはロイマン家の長男だったので、騎士団に所属していなかったが。
長男は親を師匠として見習い騎士となるためだ。
しかし、長男に掛かりきりとなる親の代わりに、次男達を鍛えられるローリエット騎士団は大事である。
特に、反乱であたら若くて有能な人材が居なくなったのであるから、後進の育成のためにローリエット騎士団の再設は急務だと言った。
その提案に誰も異論など無く。
むしろ、もっと早く話し合うべき議題であったと思う。
「ローリエット騎士団再設の折には、宰相様の息子殿を入団してはどうでしょう? 来年に十歳でしたし、ちょうどお二人居りますのですから、片や宰相様が指導して、片やローリエット騎士団へ入れるのはいかがでしょう?」
ロイバックが言うので、カイエンも「そうだな。それが良い」と言う。
しかし、二人とも心優しいので、ローリエット騎士団の『しごき』に耐えられるかどうか。
いや、貴族とは民衆を守るために先んじて戦う存在。
カイエンの子として生まれた以上、戦いとは避けて通れぬ運命であるからして、彼らを鍛える必要があった。
その頃、当のそのザインとラジートはというと、いつも通りリーリルと一緒にリビングのソファーに座って本を……読んでいるのはザインしか居ない。
ラジートはどこであろうか。
耳を澄ませば、裏庭からバシ、バシっと音が聞こえる。
「もっと腰を入れて下さい!」
キネットの怒鳴り声。
相手はラジートである。
ラジートは訓練用の木剣を手に持ち、キネットと戦っていた。
ラジートがキネットへ、戦いの稽古を付けて欲しいと言ったのだ。
戦いが嫌いだったラジートにしては珍しい。
ラジートは以前、ガゼンを刺し殺した。
その時、とても恐ろしく、とても誤った事をしたのだと実感した。
そんな時、カイエンから言われた『よくリーリルを守った。偉いぞ』という言葉がラジートの救いとなったのだ。
そして、その直後、自分達へ襲い掛かってきたリミエネットをカイエンが投げ、その腕をへし折った時、ラジートは一つの真実を理解する。
強くなければ誰も守れない。
だから、強くなろうとキネットに稽古をお願いしたのである。
「姿勢が崩れています! 剣の保持!」
キネットの攻撃を受ける度、少年のラジートは体勢を崩して、二、三歩と後退する。
「下がってはいけません。前へ!」
そんな事を言われても、攻撃を受けたら下がってしまうのだから仕方ない。
しばらくラジートが攻撃をしのいでいると、キネットは攻撃を中断して「手合わせはこのくらいに」と言う。
そして、そのまますぐに素振りをするように言うのだ。
ラジートは汗まみれでへとへとの体を鞭打ち、姿勢をとる。
「剣先が下がっています。相手を想像して、喉元にむけなさい。
足の開き。開きすぎです。
それから顎、苦しいからと顎を上げてはいけません」
キネットは何かと姿勢にこだわる。
戦いの姿勢こそ勝ちへ繋がる全てだと信じているのだ。
だが、ラジートは、姉サニヤの自由奔放な戦い方を見ていたので、どうにも納得できない。
そもそも、まだ少年のラジートと大人のキネットでは体格もリーチも違うのだから、サニヤのように跳ねたり伏せたりして戦いたく思う。
正直、姉サニヤの戦い方の方が『格好いい』のだ。
それでもラジートは嫌な顔をすること無く、キネットの指導に従う。
強くならなければ何も守れない。
ラジートの頭に一つの思いが浮かんでいたのである。
僕が……いや、オレが皆を守るんだ。
父と姉がなぜ家に居ないのかラジートは考えていた。
それは戦っているからだ。
何と戦っているかは分からない。
しかし、その戦いとは家族を守る為の戦いに違いない。
ならば、父カイエンと姉サニヤが外で戦っている今、双子の兄弟ザイン、愛する母親リーリルの居る家を誰が守るんだ?
オレが守るんだ。
メイドも居るけど、本当はオレが皆を守らなくちゃあいけない。
だって、オレは男の子なのだから!
ラジート九歳。
幼少期から少年期への移行。
そこには確かに男の姿があった。
隠密部隊の総指揮官はロイバック。
そして、部隊の隊長はサーニア。
このサーニアはカイエンの娘サニヤであることを知っているのはこの四人だけに留める。
ルカオットは「まさか私の知らない所で、かような事態になっているとは」と深く息を吐いて、椅子にもたれた。
ルカオットが知らないのも無理からぬ。
誰も彼もが、良かれと思って、個々で勝手に動き回っていたのだから。
ゆえに、カイエンとロイバックは「勝手な真似をしてすいませんでした」と謝った。
「いや、よい。これもそなたらの忠誠。悪くは思わないさ」
王らしい態度が板についてきたルカオット。
しかし、王としてはまだまだ甘い。
カイエンやロイバックが好き勝手に行動したのに、毅然として態度を取れないのは、やはり王としては良くないだろう。
だが、ルカオットはカイエンやロイバックを信頼していたので、多少甘かろうがこれで良いと思う。
さて、その様子を見ていたラキーニ。
彼は殆ど喋る事なく、この会議の様子を見ていたのであるが、ついに口を開いた。
そして、サーニアが暗黒の民に襲われた事を伝える。
彼女が隠密部隊として動くときの、大きな足枷となるだろう。
まさに獅子身中の虫だ。
ルカオットが憤慨し、「カイエンの娘さんと、我が国の兵を傷つけるなんて」と言った。
しかし、カイエンとロイバックは渋い顔である。
まず、サーニアは今、カイエンの娘サニヤでは無い。
あくまでも雇われ傭兵サーニアであるし、その存在も秘匿である。
サーニアを襲った事を理由に処罰しようにも、ではそもそもサーニアとは何者なのかを公表せねばならぬ。
そのような事はできない。
と、なれば、暗黒の民を処罰するなら、兵を傷付けてしまった事だろう。
しかし、暗黒の民があくまでも兵を傷つけないようにしていた事を現場の兵達も知っている。
あるいはその指を切断してしまった暗黒の民一人を処断する事は容易い事だ。
で、あるが、それでは禍根を残すだけである。
サニヤの件を何とかするなら暗黒の民全体を何とかせねば意味が無い。
「兵を傷つけた事をキツく言っておく事しか出来ないな」
カイエンは残念そうに言った。
なまじっか暗黒の民は武功を上げているので、迂闊な処罰も中々出来ない。
どこの馬の骨とも知れないサーニアと、暗黒の民では、暗黒の民の方に分が上がってしまうのが実情なのであった。
誰も彼もが、どうしようもない問題に黙りこくってしまう。
静寂。
天井のシャンデリアに乗せられたロウソクが静かに揺れていた。
ふと、ロイバックが「話は変わりますが」と静寂を破る。
彼は言う。
せっかく隠密部隊を新設するなら、ローリエット騎士団の再設も行わないかと。
――ローリエット騎士団。
ローリエットとは、マルダーク王国建国の歳に活躍した、最も若く、最も勇敢な騎士である。
彼の名を冠したこの騎士団は、貴族の次男や三男を集めた見習い騎士団だ。
かつて、カイエンも所属していたし、ルーガも所属していた。
ロイバックはロイマン家の長男だったので、騎士団に所属していなかったが。
長男は親を師匠として見習い騎士となるためだ。
しかし、長男に掛かりきりとなる親の代わりに、次男達を鍛えられるローリエット騎士団は大事である。
特に、反乱であたら若くて有能な人材が居なくなったのであるから、後進の育成のためにローリエット騎士団の再設は急務だと言った。
その提案に誰も異論など無く。
むしろ、もっと早く話し合うべき議題であったと思う。
「ローリエット騎士団再設の折には、宰相様の息子殿を入団してはどうでしょう? 来年に十歳でしたし、ちょうどお二人居りますのですから、片や宰相様が指導して、片やローリエット騎士団へ入れるのはいかがでしょう?」
ロイバックが言うので、カイエンも「そうだな。それが良い」と言う。
しかし、二人とも心優しいので、ローリエット騎士団の『しごき』に耐えられるかどうか。
いや、貴族とは民衆を守るために先んじて戦う存在。
カイエンの子として生まれた以上、戦いとは避けて通れぬ運命であるからして、彼らを鍛える必要があった。
その頃、当のそのザインとラジートはというと、いつも通りリーリルと一緒にリビングのソファーに座って本を……読んでいるのはザインしか居ない。
ラジートはどこであろうか。
耳を澄ませば、裏庭からバシ、バシっと音が聞こえる。
「もっと腰を入れて下さい!」
キネットの怒鳴り声。
相手はラジートである。
ラジートは訓練用の木剣を手に持ち、キネットと戦っていた。
ラジートがキネットへ、戦いの稽古を付けて欲しいと言ったのだ。
戦いが嫌いだったラジートにしては珍しい。
ラジートは以前、ガゼンを刺し殺した。
その時、とても恐ろしく、とても誤った事をしたのだと実感した。
そんな時、カイエンから言われた『よくリーリルを守った。偉いぞ』という言葉がラジートの救いとなったのだ。
そして、その直後、自分達へ襲い掛かってきたリミエネットをカイエンが投げ、その腕をへし折った時、ラジートは一つの真実を理解する。
強くなければ誰も守れない。
だから、強くなろうとキネットに稽古をお願いしたのである。
「姿勢が崩れています! 剣の保持!」
キネットの攻撃を受ける度、少年のラジートは体勢を崩して、二、三歩と後退する。
「下がってはいけません。前へ!」
そんな事を言われても、攻撃を受けたら下がってしまうのだから仕方ない。
しばらくラジートが攻撃をしのいでいると、キネットは攻撃を中断して「手合わせはこのくらいに」と言う。
そして、そのまますぐに素振りをするように言うのだ。
ラジートは汗まみれでへとへとの体を鞭打ち、姿勢をとる。
「剣先が下がっています。相手を想像して、喉元にむけなさい。
足の開き。開きすぎです。
それから顎、苦しいからと顎を上げてはいけません」
キネットは何かと姿勢にこだわる。
戦いの姿勢こそ勝ちへ繋がる全てだと信じているのだ。
だが、ラジートは、姉サニヤの自由奔放な戦い方を見ていたので、どうにも納得できない。
そもそも、まだ少年のラジートと大人のキネットでは体格もリーチも違うのだから、サニヤのように跳ねたり伏せたりして戦いたく思う。
正直、姉サニヤの戦い方の方が『格好いい』のだ。
それでもラジートは嫌な顔をすること無く、キネットの指導に従う。
強くならなければ何も守れない。
ラジートの頭に一つの思いが浮かんでいたのである。
僕が……いや、オレが皆を守るんだ。
父と姉がなぜ家に居ないのかラジートは考えていた。
それは戦っているからだ。
何と戦っているかは分からない。
しかし、その戦いとは家族を守る為の戦いに違いない。
ならば、父カイエンと姉サニヤが外で戦っている今、双子の兄弟ザイン、愛する母親リーリルの居る家を誰が守るんだ?
オレが守るんだ。
メイドも居るけど、本当はオレが皆を守らなくちゃあいけない。
だって、オレは男の子なのだから!
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