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9章・それぞれの戦い。皆の戦い。
髀肉
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危急存亡の秋。
オルブテナの大規模侵攻とあれば、全力で対処するべき時だ。
王都で直ちにハーズルージュへの援軍が組まれる。
総指揮には当初、カイエンが名乗り出たものの、体調が優れない彼が兵を率いることあたわず。
国王ルカオットが出る事となった。
「オルブテナは不倶戴天の仇敵(きゅうてき)。余、自らが兵を率いよう」
だから、安心しろ。
鎧を着たルカオットは、王城の廊下でカイエンにそう言った。
国王が前線に出て士気を鼓舞する。
それが必要な相手であるし、それをすればきっと負けない。
「陛下が率いるならば安心です」
「うむ。宰相は王都を頼む」
リーリルに支えられているカイエンに背を向けて、ルカオットは出陣へ向かった。
その頃、街を覆う城門の前では、兵達が集まって出陣に備えている。
その中にはザインの姿もあった。
甲冑や兜、剣や槍などを何度も何度も点検し、よし、よし、と確認していた。
「そんなに緊張するなよ」
トンとザインの背を、ラジートが叩く。
今回、国王ルカオットが直々に出陣するという事で、一部の国王直轄騎士団も出陣することとなったのだ。
そして、カイエンの便宜があり、ラジートの部隊も、その出陣する一部であった。
「初陣なんだ。出来るだけ俺がサポートする」
少し笑って言うもので、ザインは、なんでラジートは笑っていられるのであろうかと疑問に思う。
「ラジートは怖くないのか? 僕は死ぬほど怖いんだけど……」
「俺だって怖いさ。だけど、負ける方がもっと怖い」
戦いに敗れて死ぬだけならまだマシだ。
しかし、自分たちが負けると、国民の命や、財産が奪われる。
女子供は敵に好きなようにされ、最後はどこかに売り払われるのだ。
それは考えるだけで恐ろしい。
もしかしたら、戦って死ねる方がよっぽどマシなのかも知れない。
そう思えばこそ、戦わねばならない。
戦わねば、守れない。
ラジートの話を聞いたザインは自然と拳に力を込めた。
そんなザインを見た後、ラジートはニヤリと笑い、良い例があったと言う。
「ほら、お前のお姫様だ」
ラジートが指さすその先には、サニヤとリシーが居た。
護衛のあの老メイドも居る。
サニヤが二人を見つけるより早く、リシーがザインと目が合って走り出した。
リシーの手をサニヤはしっかり握っていたので、サニヤはそのままリシーに引っ張られるようにやって来る。
「ザイン!」
あの本来ならば元気一杯のリシーにしては珍しく、随分と心配げな顔だ。
「戦争に行っちゃうの!? 駄目だよ! ザイン、死んじゃうよ!」
声に出すと、どんどんザインが居なくなると言う意識が強くなってくるようで、話しながら声は震えてきて、眉は八の字に、眼に涙が溜まってくる。
終いには「いやだぁぁぁ……!」と泣き出してしまった。
そんなリシーをサニヤがあやすより早く、ザインがポンと頭に手を置く。
そして、屈んで彼女の眼を真っ直ぐ見ると、心配要らないよと言った。
「僕は必ず帰ってくる」
「嫌だぁ! 行かなくても良いじゃん! 皆で一緒に居ようよぉ! リシーの事嫌いなの!?」
「嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃないなら一緒に居ようよぉ! なんで行っちゃうんだよぉ……!」
「リシーの事が大好きだからだよ」
ザインは言う。
この国が好きなんだ。と。
父が好きで、母が好きで、メイドの皆も、近所の人達や買い物で顔を合わせる人達でさえも。
皆皆、好きだ。
リシーは特に愛してる。
「ここで僕が行かないと皆が不幸になってしまう。リシーもきっと大変な事になっちゃうんだ。
だから、そうならないように僕は行ってくるよ」
ザインがそう言っても、リシーは「嫌だぁ!」と納得出来なかった。
「だってザインが死んじゃう方が、リシーは悲しいもん! ザインが居なくなる方が嫌だもん!」
リシーにとって、ザインの居ない日常なんて考えられない。
自分がどんな眼に遭おうが、ザインが居ない方が耐えられなかった。
「じゃあ、リシーを悲しませない為に、僕は必ず戻ってくる」
「……本当ぉ?」
「ああ、約束するよ。代わりにリシーは祈っててくれ。僕や、皆が生きて帰ってこれるようにね」
リシーは両目の涙をごしごしと手の甲で拭い、ただ頭をコクンと頷かせた。
ようやく落ち着いたリシーを、サニヤが抱き上げる。
すると、リシーはギュッとサニヤの服を掴んで胸に顔をうずめてしまったのだ。
リシーが一番安心できるのはザインの膝の上で、次に安心できるのは母の胸の中。
リシーはザインが居なくなる不安を和らげるため、母サニヤに力強く抱き付いたのである。
「ごめん、出陣前に騒がせちゃって」
サニヤの謝罪に二人とも、気にしなくて大丈夫と言う。
「ま、私だって不安なんだけどね。私も従軍出来たら良かったんだけど……」
今回サニヤは出陣しない。
国王ルカオットが出陣するに当たって、王城の宰相派が勝手な反乱をしないようにする為と、国王派がカイエンに危害を加えないように見張る為だ。
実は、王城限定で言えばサニヤは一大戦力を保有していた。
彼女の手勢は一般兵やメイド、浮浪者や日雇い労働者に紛れて城から街のあらゆる所に居たし、城のとある秘密部屋には魔物達も待機している。
反乱や暗殺などを企てようものなら、出鼻を挫くついでに首根っこをへし折れる程の存在がサニヤだった。
ゆえに、異常事態が起こった時のために城から離れる訳にいかなかったのである。
「いえ、姉上にはリシーを見ていて貰わないといけないから」
ザインが言うと、サニヤは苦々しい顔をして「どうかな。私、仕事ばっかりだから」と言った。
サニヤはサニヤなりに、リシーを放って仕事ばっかりな自分を気にしていたのだ。
ザインが出陣して離れてしまえば、いよいよリシーを見るのはメイドしか居ない。
リシーには寂しい思いをさせてしまう。
サニヤは、リシーの反抗的態度が寂しさから来るものだと知っていた。
構って欲しいから、やりたくない、したくないと逃げ回るのだ。
だから、リシーは、彼女がどんなに反抗的態度をとってもニコニコして優しいザインが好きなのだろう。
とはいえ、リシーの悪い所全部はサニヤの責任である。
だから、サニヤは心の中で罪悪感を抱えていた。
自分が幼い頃に感じた疎外感をリシーにも与えているのだと、自責の念に囚われていたのだ。
すっかり落ち込んで暗い顔のサニヤ。
しかし、その自責の念を口には出さない。
それをリシーの前で口に出しては、暗に「あなたのせいでおかあさんは苦しんでいる」と責めてしまう事になるからだ。
それだけはしたくない。
サニヤは自縄自縛に陥った幼少期を過ごしたのに、それをリシーにもさせたくなかった。
この子にだけは楽しくて明るい子供時代を過ごして欲しい。と思うのだ。
そんな暗い顔をするサニヤの背を、ラジートがバシンと力強く叩いた。
これにサニヤはムカッとした顔を見せると「そっちの方が姉上らしい顔だ」とラジートは笑うのである。
ザインが頷いて「暗い顔は姉上に似合わないよ」と言った。
「そうさ、姉上はいつも不敵な笑みを浮かべている方が姉上らしい」
二人の弟に言われ、サニヤは苦笑する。
まったく、人が落ち込んでいる時になんて励まし方をするのだろう。
しかし、サニヤの気はだいぶ気楽になった。
「あんたら、死なないでよ」
笑いながら言えば、ザインとラジートも「当たり前だろ」と笑顔で返す。
「ところで、ラキーニがどこに居るか分かる?」
軍師であるラキーニも当然、この戦いに参加する。
サニヤの目当ては弟達よりむしろ夫の方だ。
「本隊の方だから城門に近い部隊の所に居ると思うよ」
「そうか。行き過ぎちゃったのか」
王都の前にあるこの平原地帯には、大量の兵達でごった返していた。
サニヤがザインとラジートを見つけたのでさえ奇跡だったのだから、ラキーニを見つけられなくても仕方あるまい。
「それじゃ、頑張って生きてきなさいよ」
サニヤは踵を返して二人と別れていった。
全軍が出陣となったのはそれからしばらく後、ルカオットがやって来てからである。
ラジートはルカオットを中心とした本隊の前方に位置し、ザインはラジートからさらに前方の中衛に位置していた。
斥候隊がまず前進し始め、その後、突撃隊が前進。
攻撃の主力となる前線部隊が進み始め、その後になってようやくザイン達中衛の部隊が進み始めた。
ゆっくりと歩き出す歩兵達の中で、騎士のザインは馬を歩かせる。
遅い進軍だ。
ハーズルージュに到着するのは何ヶ月後になるだろう。
そして、帰ってこれるのは何年後になるだろう。
ザインは振り返り、王都を見る。
大きな城門。
その城門の上に、誰かが手を振っていた。
目を凝らすと……母の腕に抱かれて居る少女。
リシーである。
ザインに手を振っているのだ。
もちろん、軍隊の中に居るザインを見つけては居ないだろう。
それでも、ザインが居ると思しき方へ手を振っていた。
リシーが必死に必死に、大きく手を振る姿を見ると、ザインは何だか大きな勇気を貰う。
きっと、必ず生きて帰るよ。
心にそう誓った。
やる気に満ちたザインを連れて、行軍は二カ月かかる。
途中の集落で少しずつ食糧などを補給して進む。
夜間は草原や平地に天幕を建てて眠った。
二カ月も歩く。
これが結構苦痛なものだ。
まずやることが無い。
ただ歩くだけでは楽しい事なんて何も無いのだ。
食べ物も酷い。
時には満足な補給が出来ず、一日をパン半斤で凌いだ事もある。
そればかりか、基本的に日持ちする塩辛い食べ物ばかりで、味にも飽きて来ると食べるのも嫌になる。
「ちくしょう! 逃げやがった!」
こんな始末なので、朝に隊兵の数を数えた騎士は、配下が逃げ出したと怒鳴る事も多かった。
だいぶ士気が落ちている。
ザインはまだ馬に乗っているからマシとは言え、長い行軍で鞍と腿(もも)が擦れ、腿の皮がベロンと剥がれていた。
なので、ズボンの下では太腿に包帯が巻かれていた程である。
馬に乗っている騎士がこれ程なのだから、徒歩の兵士は苦痛も甚だしかろう。
とはいえ、脱走兵の殆どが傭兵だ。
そして、今回の行軍は殆どがマルダークの正規兵だったので、脱走をした兵の数か戦力に大きく影響を与えるものではなかった。
こうして、何とかハーズルージュへと到着する事となる。
収穫の時期にはまだ早い時節で、緑の稻の畑にはしばしば金色へ変わっているものもあり、その緑と金が織り成す畑を抜けるとハーズルージュだ。
ハーズルージュの周囲を囲う広大なその稲畑を見れば、この町がどれだけ裕福な町か分かる。
かつて、カイエンが荒れ果てたこの町の再建に苦心したことを、ザインとラジートは知る由も無く畑を歩いて、ハーズルージュへ到着した。
ハーズルージュでは、予め近傍の都市や村々から食糧を集めていたので、ようやくザイン達の口へ塩辛くないまともな食事が入る事となった。
大量の兵は陣地をハーズルージュの城壁の前に構築し、そこへ建てた天幕で寝食したので、そういう面では行軍時とあまり変わらない。
しかし、歩き続ける必要は無く、空いた時間にハーズルージュで遊べた為、士気はグングン上がっていった。
ザインは同い年くらいの騎士達から、ハーズルージュの可愛い子をナンパしようなんて言われたが、彼は女遊びをしなかったので断る。
代わりに、雑貨屋を巡って本の一つでも無いか探していた。
「いつ出陣になるか分からないから、ここでしか買えないものが欲しいなぁ」
到着してもすぐに戦いとはならない。
今、ルカオットとラキーニ、それから各将軍達がハーズルージュの領主から戦況を聞いている。
ザインが聞いた話では、ハーズルージュは近傍の都市から援軍を送って貰い、ハーズルージュとオルブテナ王国の間にある森で拮抗状態を維持しているらしい。
元々、マルダーク王国はかつてのカイエンの活躍により、森の向こう側にある都市や集落も支配していた。
しかし、此度のオルブテナ王国の攻撃で、マルダーク軍はこの黒い森にまで再び押し込まれているのだ。
森には魔物が居るので、必然的に三つ巴の戦いとなって泥沼化している。
どうやって黒い森における膠着を打開するか?
そのための軍議が行われていた。
ザインはその軍議が終わる前に本を買いたかった。
しかし、どうにもこの町には本が売っていない。
「王都から来る行商人から買うしか無いよ」
雑貨屋の主人に聞いてみたら、そのように言われてしまい、ザインは残念な気持ちで陣地へ戻ろうかとした。
その時、キョロキョロと歩いているラジートを見かける。
こんな所で何を探しているのだろう?
ザインが駈け寄って何をしているのか尋ねた。
ラジートは、ザインと行軍中は会えなかった為、自身の片割れと久しぶりに出会えて嬉しそうにする。
「この辺の肉屋を見てきて欲しいと言われたんだ」
「誰に?」
「姉上に」
かつて、サニヤを誘拐した肉屋。
その後和解した肉屋の娘とサニヤは友達だった。
もう十数年も前の事であるが、サニヤにとって忘れられない相手である。
近況の一つくらい聞きたい所であろうが……その住所に肉屋は無かった。
間違えたかと思ったので近くの店に聞いてみた所、肉屋があったのは間違いないと言う。
しかし、肉屋の主人は病に伏せって死んでしまったから、肉屋を畳んだのだという話であった。
ほんの二、三年前の話である。
ザインとラジートはそれを不憫に思ったが、「ま、早死にっちゃあ早死にだけどいい歳だったしな。娘さんも良い相手を見つけてたし」、なんて店の人は言う。
娘は行商に来ていた男に惚れ込んで結婚、家を出た。
仲が悪かった訳では無く、肉屋の主人は自警団のトップ的立ち位置だったから、この町で骨を埋めたかったのだ。
しかし娘の結婚相手の男、なんとザルツバインという都市の豪商の次男で、すぐに実家からのれん分けとして、店の一部を継いだのだ。
娘は安泰だと、良い相手を見つけた娘は男を見る眼があると主人は自慢していたという。
そして、彼が病に伏せった時には、娘夫婦と孫達が駆けつけて幸せそうに亡くなったと言った。
そう言う事ならば仕方ないので、二人は帰る事とする。
しかし、そうか、肉屋と娘は離れ離れなのに幸せだったのだろう。
愛に距離は無く、離れていても想いは変わるまい。
「何だか。あれだねラジート。人には人の暮らしがあって、人には人の幸せがあるのだね」
「そうさ。世界は俺達だけで創られているものではないんだ。この世界には沢山の人が居て、それぞれの幸せを求めて、愛し合い、時には憎しみあっているんだ」
「それぞれの幸せ……か。
離れ離れはとても苦しい事だと思っていた。現にラジートと離れて、僕は寂しかったし、今は父上や母上、それにリシーと離れてとても悲しい。でも、離れ離れでも家族の幸せを感じられる人は居るんだね」
ザインは色々と思うところがあった。
人の幸せは人それぞれ。
当然の事の筈なのに、これを実感する機会というものはなかなかないもので。
あるいは、世間の述べる幸せこそが自分の幸せだと思い込んでしまう事もある。
――人は皆、不自由だ。でも、不自由な中で自分なりの幸せを見つける。僕の幸せは……――
ザインは考え込んだ。
父の跡を継ぐことが使命だと思っていた。
しかし、それは使命であり、自分の幸せでは無い。
ザインが望む本当の幸せ……。
彼が考え込んでいると、ラジートが肩をポンと叩いて、大通りを指さす。
そこには、ルカオット国王やラキーニ達が陣地へ向かっていた。
「軍議が終わったんだ。いよいよ出陣だぞ!」
ラジートの言葉にザインは頷き、陣地へ戻りに駆け出した。
オルブテナの大規模侵攻とあれば、全力で対処するべき時だ。
王都で直ちにハーズルージュへの援軍が組まれる。
総指揮には当初、カイエンが名乗り出たものの、体調が優れない彼が兵を率いることあたわず。
国王ルカオットが出る事となった。
「オルブテナは不倶戴天の仇敵(きゅうてき)。余、自らが兵を率いよう」
だから、安心しろ。
鎧を着たルカオットは、王城の廊下でカイエンにそう言った。
国王が前線に出て士気を鼓舞する。
それが必要な相手であるし、それをすればきっと負けない。
「陛下が率いるならば安心です」
「うむ。宰相は王都を頼む」
リーリルに支えられているカイエンに背を向けて、ルカオットは出陣へ向かった。
その頃、街を覆う城門の前では、兵達が集まって出陣に備えている。
その中にはザインの姿もあった。
甲冑や兜、剣や槍などを何度も何度も点検し、よし、よし、と確認していた。
「そんなに緊張するなよ」
トンとザインの背を、ラジートが叩く。
今回、国王ルカオットが直々に出陣するという事で、一部の国王直轄騎士団も出陣することとなったのだ。
そして、カイエンの便宜があり、ラジートの部隊も、その出陣する一部であった。
「初陣なんだ。出来るだけ俺がサポートする」
少し笑って言うもので、ザインは、なんでラジートは笑っていられるのであろうかと疑問に思う。
「ラジートは怖くないのか? 僕は死ぬほど怖いんだけど……」
「俺だって怖いさ。だけど、負ける方がもっと怖い」
戦いに敗れて死ぬだけならまだマシだ。
しかし、自分たちが負けると、国民の命や、財産が奪われる。
女子供は敵に好きなようにされ、最後はどこかに売り払われるのだ。
それは考えるだけで恐ろしい。
もしかしたら、戦って死ねる方がよっぽどマシなのかも知れない。
そう思えばこそ、戦わねばならない。
戦わねば、守れない。
ラジートの話を聞いたザインは自然と拳に力を込めた。
そんなザインを見た後、ラジートはニヤリと笑い、良い例があったと言う。
「ほら、お前のお姫様だ」
ラジートが指さすその先には、サニヤとリシーが居た。
護衛のあの老メイドも居る。
サニヤが二人を見つけるより早く、リシーがザインと目が合って走り出した。
リシーの手をサニヤはしっかり握っていたので、サニヤはそのままリシーに引っ張られるようにやって来る。
「ザイン!」
あの本来ならば元気一杯のリシーにしては珍しく、随分と心配げな顔だ。
「戦争に行っちゃうの!? 駄目だよ! ザイン、死んじゃうよ!」
声に出すと、どんどんザインが居なくなると言う意識が強くなってくるようで、話しながら声は震えてきて、眉は八の字に、眼に涙が溜まってくる。
終いには「いやだぁぁぁ……!」と泣き出してしまった。
そんなリシーをサニヤがあやすより早く、ザインがポンと頭に手を置く。
そして、屈んで彼女の眼を真っ直ぐ見ると、心配要らないよと言った。
「僕は必ず帰ってくる」
「嫌だぁ! 行かなくても良いじゃん! 皆で一緒に居ようよぉ! リシーの事嫌いなの!?」
「嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃないなら一緒に居ようよぉ! なんで行っちゃうんだよぉ……!」
「リシーの事が大好きだからだよ」
ザインは言う。
この国が好きなんだ。と。
父が好きで、母が好きで、メイドの皆も、近所の人達や買い物で顔を合わせる人達でさえも。
皆皆、好きだ。
リシーは特に愛してる。
「ここで僕が行かないと皆が不幸になってしまう。リシーもきっと大変な事になっちゃうんだ。
だから、そうならないように僕は行ってくるよ」
ザインがそう言っても、リシーは「嫌だぁ!」と納得出来なかった。
「だってザインが死んじゃう方が、リシーは悲しいもん! ザインが居なくなる方が嫌だもん!」
リシーにとって、ザインの居ない日常なんて考えられない。
自分がどんな眼に遭おうが、ザインが居ない方が耐えられなかった。
「じゃあ、リシーを悲しませない為に、僕は必ず戻ってくる」
「……本当ぉ?」
「ああ、約束するよ。代わりにリシーは祈っててくれ。僕や、皆が生きて帰ってこれるようにね」
リシーは両目の涙をごしごしと手の甲で拭い、ただ頭をコクンと頷かせた。
ようやく落ち着いたリシーを、サニヤが抱き上げる。
すると、リシーはギュッとサニヤの服を掴んで胸に顔をうずめてしまったのだ。
リシーが一番安心できるのはザインの膝の上で、次に安心できるのは母の胸の中。
リシーはザインが居なくなる不安を和らげるため、母サニヤに力強く抱き付いたのである。
「ごめん、出陣前に騒がせちゃって」
サニヤの謝罪に二人とも、気にしなくて大丈夫と言う。
「ま、私だって不安なんだけどね。私も従軍出来たら良かったんだけど……」
今回サニヤは出陣しない。
国王ルカオットが出陣するに当たって、王城の宰相派が勝手な反乱をしないようにする為と、国王派がカイエンに危害を加えないように見張る為だ。
実は、王城限定で言えばサニヤは一大戦力を保有していた。
彼女の手勢は一般兵やメイド、浮浪者や日雇い労働者に紛れて城から街のあらゆる所に居たし、城のとある秘密部屋には魔物達も待機している。
反乱や暗殺などを企てようものなら、出鼻を挫くついでに首根っこをへし折れる程の存在がサニヤだった。
ゆえに、異常事態が起こった時のために城から離れる訳にいかなかったのである。
「いえ、姉上にはリシーを見ていて貰わないといけないから」
ザインが言うと、サニヤは苦々しい顔をして「どうかな。私、仕事ばっかりだから」と言った。
サニヤはサニヤなりに、リシーを放って仕事ばっかりな自分を気にしていたのだ。
ザインが出陣して離れてしまえば、いよいよリシーを見るのはメイドしか居ない。
リシーには寂しい思いをさせてしまう。
サニヤは、リシーの反抗的態度が寂しさから来るものだと知っていた。
構って欲しいから、やりたくない、したくないと逃げ回るのだ。
だから、リシーは、彼女がどんなに反抗的態度をとってもニコニコして優しいザインが好きなのだろう。
とはいえ、リシーの悪い所全部はサニヤの責任である。
だから、サニヤは心の中で罪悪感を抱えていた。
自分が幼い頃に感じた疎外感をリシーにも与えているのだと、自責の念に囚われていたのだ。
すっかり落ち込んで暗い顔のサニヤ。
しかし、その自責の念を口には出さない。
それをリシーの前で口に出しては、暗に「あなたのせいでおかあさんは苦しんでいる」と責めてしまう事になるからだ。
それだけはしたくない。
サニヤは自縄自縛に陥った幼少期を過ごしたのに、それをリシーにもさせたくなかった。
この子にだけは楽しくて明るい子供時代を過ごして欲しい。と思うのだ。
そんな暗い顔をするサニヤの背を、ラジートがバシンと力強く叩いた。
これにサニヤはムカッとした顔を見せると「そっちの方が姉上らしい顔だ」とラジートは笑うのである。
ザインが頷いて「暗い顔は姉上に似合わないよ」と言った。
「そうさ、姉上はいつも不敵な笑みを浮かべている方が姉上らしい」
二人の弟に言われ、サニヤは苦笑する。
まったく、人が落ち込んでいる時になんて励まし方をするのだろう。
しかし、サニヤの気はだいぶ気楽になった。
「あんたら、死なないでよ」
笑いながら言えば、ザインとラジートも「当たり前だろ」と笑顔で返す。
「ところで、ラキーニがどこに居るか分かる?」
軍師であるラキーニも当然、この戦いに参加する。
サニヤの目当ては弟達よりむしろ夫の方だ。
「本隊の方だから城門に近い部隊の所に居ると思うよ」
「そうか。行き過ぎちゃったのか」
王都の前にあるこの平原地帯には、大量の兵達でごった返していた。
サニヤがザインとラジートを見つけたのでさえ奇跡だったのだから、ラキーニを見つけられなくても仕方あるまい。
「それじゃ、頑張って生きてきなさいよ」
サニヤは踵を返して二人と別れていった。
全軍が出陣となったのはそれからしばらく後、ルカオットがやって来てからである。
ラジートはルカオットを中心とした本隊の前方に位置し、ザインはラジートからさらに前方の中衛に位置していた。
斥候隊がまず前進し始め、その後、突撃隊が前進。
攻撃の主力となる前線部隊が進み始め、その後になってようやくザイン達中衛の部隊が進み始めた。
ゆっくりと歩き出す歩兵達の中で、騎士のザインは馬を歩かせる。
遅い進軍だ。
ハーズルージュに到着するのは何ヶ月後になるだろう。
そして、帰ってこれるのは何年後になるだろう。
ザインは振り返り、王都を見る。
大きな城門。
その城門の上に、誰かが手を振っていた。
目を凝らすと……母の腕に抱かれて居る少女。
リシーである。
ザインに手を振っているのだ。
もちろん、軍隊の中に居るザインを見つけては居ないだろう。
それでも、ザインが居ると思しき方へ手を振っていた。
リシーが必死に必死に、大きく手を振る姿を見ると、ザインは何だか大きな勇気を貰う。
きっと、必ず生きて帰るよ。
心にそう誓った。
やる気に満ちたザインを連れて、行軍は二カ月かかる。
途中の集落で少しずつ食糧などを補給して進む。
夜間は草原や平地に天幕を建てて眠った。
二カ月も歩く。
これが結構苦痛なものだ。
まずやることが無い。
ただ歩くだけでは楽しい事なんて何も無いのだ。
食べ物も酷い。
時には満足な補給が出来ず、一日をパン半斤で凌いだ事もある。
そればかりか、基本的に日持ちする塩辛い食べ物ばかりで、味にも飽きて来ると食べるのも嫌になる。
「ちくしょう! 逃げやがった!」
こんな始末なので、朝に隊兵の数を数えた騎士は、配下が逃げ出したと怒鳴る事も多かった。
だいぶ士気が落ちている。
ザインはまだ馬に乗っているからマシとは言え、長い行軍で鞍と腿(もも)が擦れ、腿の皮がベロンと剥がれていた。
なので、ズボンの下では太腿に包帯が巻かれていた程である。
馬に乗っている騎士がこれ程なのだから、徒歩の兵士は苦痛も甚だしかろう。
とはいえ、脱走兵の殆どが傭兵だ。
そして、今回の行軍は殆どがマルダークの正規兵だったので、脱走をした兵の数か戦力に大きく影響を与えるものではなかった。
こうして、何とかハーズルージュへと到着する事となる。
収穫の時期にはまだ早い時節で、緑の稻の畑にはしばしば金色へ変わっているものもあり、その緑と金が織り成す畑を抜けるとハーズルージュだ。
ハーズルージュの周囲を囲う広大なその稲畑を見れば、この町がどれだけ裕福な町か分かる。
かつて、カイエンが荒れ果てたこの町の再建に苦心したことを、ザインとラジートは知る由も無く畑を歩いて、ハーズルージュへ到着した。
ハーズルージュでは、予め近傍の都市や村々から食糧を集めていたので、ようやくザイン達の口へ塩辛くないまともな食事が入る事となった。
大量の兵は陣地をハーズルージュの城壁の前に構築し、そこへ建てた天幕で寝食したので、そういう面では行軍時とあまり変わらない。
しかし、歩き続ける必要は無く、空いた時間にハーズルージュで遊べた為、士気はグングン上がっていった。
ザインは同い年くらいの騎士達から、ハーズルージュの可愛い子をナンパしようなんて言われたが、彼は女遊びをしなかったので断る。
代わりに、雑貨屋を巡って本の一つでも無いか探していた。
「いつ出陣になるか分からないから、ここでしか買えないものが欲しいなぁ」
到着してもすぐに戦いとはならない。
今、ルカオットとラキーニ、それから各将軍達がハーズルージュの領主から戦況を聞いている。
ザインが聞いた話では、ハーズルージュは近傍の都市から援軍を送って貰い、ハーズルージュとオルブテナ王国の間にある森で拮抗状態を維持しているらしい。
元々、マルダーク王国はかつてのカイエンの活躍により、森の向こう側にある都市や集落も支配していた。
しかし、此度のオルブテナ王国の攻撃で、マルダーク軍はこの黒い森にまで再び押し込まれているのだ。
森には魔物が居るので、必然的に三つ巴の戦いとなって泥沼化している。
どうやって黒い森における膠着を打開するか?
そのための軍議が行われていた。
ザインはその軍議が終わる前に本を買いたかった。
しかし、どうにもこの町には本が売っていない。
「王都から来る行商人から買うしか無いよ」
雑貨屋の主人に聞いてみたら、そのように言われてしまい、ザインは残念な気持ちで陣地へ戻ろうかとした。
その時、キョロキョロと歩いているラジートを見かける。
こんな所で何を探しているのだろう?
ザインが駈け寄って何をしているのか尋ねた。
ラジートは、ザインと行軍中は会えなかった為、自身の片割れと久しぶりに出会えて嬉しそうにする。
「この辺の肉屋を見てきて欲しいと言われたんだ」
「誰に?」
「姉上に」
かつて、サニヤを誘拐した肉屋。
その後和解した肉屋の娘とサニヤは友達だった。
もう十数年も前の事であるが、サニヤにとって忘れられない相手である。
近況の一つくらい聞きたい所であろうが……その住所に肉屋は無かった。
間違えたかと思ったので近くの店に聞いてみた所、肉屋があったのは間違いないと言う。
しかし、肉屋の主人は病に伏せって死んでしまったから、肉屋を畳んだのだという話であった。
ほんの二、三年前の話である。
ザインとラジートはそれを不憫に思ったが、「ま、早死にっちゃあ早死にだけどいい歳だったしな。娘さんも良い相手を見つけてたし」、なんて店の人は言う。
娘は行商に来ていた男に惚れ込んで結婚、家を出た。
仲が悪かった訳では無く、肉屋の主人は自警団のトップ的立ち位置だったから、この町で骨を埋めたかったのだ。
しかし娘の結婚相手の男、なんとザルツバインという都市の豪商の次男で、すぐに実家からのれん分けとして、店の一部を継いだのだ。
娘は安泰だと、良い相手を見つけた娘は男を見る眼があると主人は自慢していたという。
そして、彼が病に伏せった時には、娘夫婦と孫達が駆けつけて幸せそうに亡くなったと言った。
そう言う事ならば仕方ないので、二人は帰る事とする。
しかし、そうか、肉屋と娘は離れ離れなのに幸せだったのだろう。
愛に距離は無く、離れていても想いは変わるまい。
「何だか。あれだねラジート。人には人の暮らしがあって、人には人の幸せがあるのだね」
「そうさ。世界は俺達だけで創られているものではないんだ。この世界には沢山の人が居て、それぞれの幸せを求めて、愛し合い、時には憎しみあっているんだ」
「それぞれの幸せ……か。
離れ離れはとても苦しい事だと思っていた。現にラジートと離れて、僕は寂しかったし、今は父上や母上、それにリシーと離れてとても悲しい。でも、離れ離れでも家族の幸せを感じられる人は居るんだね」
ザインは色々と思うところがあった。
人の幸せは人それぞれ。
当然の事の筈なのに、これを実感する機会というものはなかなかないもので。
あるいは、世間の述べる幸せこそが自分の幸せだと思い込んでしまう事もある。
――人は皆、不自由だ。でも、不自由な中で自分なりの幸せを見つける。僕の幸せは……――
ザインは考え込んだ。
父の跡を継ぐことが使命だと思っていた。
しかし、それは使命であり、自分の幸せでは無い。
ザインが望む本当の幸せ……。
彼が考え込んでいると、ラジートが肩をポンと叩いて、大通りを指さす。
そこには、ルカオット国王やラキーニ達が陣地へ向かっていた。
「軍議が終わったんだ。いよいよ出陣だぞ!」
ラジートの言葉にザインは頷き、陣地へ戻りに駆け出した。
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