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戻って来たペンダント
しおりを挟む私の手元になかったのは1日と少しですがようやくペンダントが戻ってきましたね。
「ミーシャ。あれに本来ならどうなるか見せて上げなよ」
ああ、どうやら王子は義妹が持っていたペンダントが私の物であることを知っていたようです。
「わかりました。では」
そう言って私はペンダントに魔力を流し込みました。
するとペンダントは薄く光始め、徐々に光を強く発するようになりました。
「この光がペンダントの持ち主の証明だ。ペンダントを持っているだけでは証明にはならないというのはこれがあるからだ。そもそもペンダント自体は似たようなものを作る事は出来るし、お前のように盗むような者もいる」
「っ!」
ペンダントが自分の物ではない上盗んだものであることが証明されてしまったからか、先ほどの態度とは裏腹に義妹は畏縮してしまっているようで、王子の鋭い眼光に怯み小さく悲鳴を上げます。
「聖女は国にとっても教会にとっても神聖な者だ。それを偽ることは重罪である」
ペンダントを盗むのも複製するのも犯罪ですからね。この2人にはさらに罪が重なっている状態です。先ほどの王子に対する態度から、周囲からの評価も最低になっているでしょうし、このまま罪人として連れて行かれた場合、生きて牢屋から出られるかどうかわかりません。
「しかし、やはりミーシャの灯す光は綺麗なものだな。他の聖女のペンダントから漏れる光はそう思わないのだが、どうしてこうも違うのだろうか」
現在教会に所属している聖女は私を含めて数人いますが、その聖女の魔力の室によって光り方はまちまちです。
王子が綺麗だ、というのはおそらく私の魔力と王子の魔力の波長がよく合っているからでしょうね。そのため落ち目の伯爵家出身の私が王子と婚約出来たのですから。
「さて、これでこのペンダントがお前の物ではなく、ミーシャの物であることが証明できたわけだが、どうしてお前がミーシャの物を持っていたのか聞きたいところだな」
私が王子とやり取りをしている間に、義妹の母である第2夫人も兵士によって逃げられないように拘束されていました。
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