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26.ロイド視点
セシリア思い詰めた表情をしていた。
「母さんも死んで、わたしは価値は無くなりました。これ以上、陛下にご迷惑をかけるわけにはいきません」
「セシリア。なにか思い違いしてない?」
「えっ?」
彼女の目が丸くなる。
僕が君を追い出したりするものか。
「確かに僕は身分を隠していた。でもそれは、本当の僕を見て欲しかったからだよ。
あの日、僕は君に会えた。悲しそうな君に笑ってもらいたかった。僕が皇帝になったのは君のためなんだ。君を解放してあげたくて」
僕には兄が二人いた。
父が死に兄たちの後ろ盾に皇妃派と側妃派がそれぞれについた。
二つの勢力が争いまだ幼い僕を引き入れようとしていた時、叔父上がさらうようにして逃がしてくれた。
まだ、事の重大性がわからなかったが、大人の顔が醜く見え怖かったのを覚えている。
小さな僕の前に目と口を半月にして笑っている顔はまるで心のない道化師のように見えた。
大人は汚い、そう思った。
信じられるのは叔父上だけ。叔父上だけいればいい。
そんな時に出会ったのが、セシリアだった。
彼女もまた、大人の身勝手さに振り回された被害者だった。
そして彼女は自分が生まれたことを懺悔した。
どうしてだ。
なぜ、自分を責めるんだ。
大人が悪いのにー。
身勝手に子供をもののように扱っているだけなのにー。
でも、セシリアの自分を責める言葉を聞いていると一身に母親を愛しているのがわかった。
愛されたい。愛したい。愛を知りたい。
身体中で叫んでいるようだった。
それが愛おしく思った。
自分が受け身であることに罪悪感を感じた。
慰める言葉がすぐには出てこなかった。
「辛かったね。今まで頑張ったんだね」
出てきたのはそれだけだった。
セシリアは顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。
抱きしめた僕の胸元を濡らした。
君の笑う顔が見てみたい。
どうすればいいか・・・。
「君は一人じゃない。だから、一人で全てを抱え込まなくていいよ」
僕は君のために何ができるのか・・・。
僕ができることは・・・、一つだけ。
君の自由に生きられる世の中にすればいいのだ。
幼い僕にはそれしか思い浮かばなかった。
僕は君にペンダントをあげた。
母上から頂いた王家の宝物。少しでも力になればいいと思って。
今になればあの男に見つからなくてよかったとは思うが、あの時はそれが最善だと思った。
僕はあの後、叔父上の力を借りて兄上たち、いやあの五月蝿い権力に群がる害虫たちを駆除することにした。
叔父上も思うところがあったからこそ、僕に協力してくれた。
兄たちを蹴落とした。
害虫たちを一掃した。
非道になれる自分を知った。
でも後悔はない。
セシリアの為なら僕はどんな人間にでもなれる。
君を笑顔にする為なら、火の焼かれようが水責めにされようが、かまわない。
君が笑っていられるならどんな世の中でも作る。
君の笑顔が見たいからー。
「母さんも死んで、わたしは価値は無くなりました。これ以上、陛下にご迷惑をかけるわけにはいきません」
「セシリア。なにか思い違いしてない?」
「えっ?」
彼女の目が丸くなる。
僕が君を追い出したりするものか。
「確かに僕は身分を隠していた。でもそれは、本当の僕を見て欲しかったからだよ。
あの日、僕は君に会えた。悲しそうな君に笑ってもらいたかった。僕が皇帝になったのは君のためなんだ。君を解放してあげたくて」
僕には兄が二人いた。
父が死に兄たちの後ろ盾に皇妃派と側妃派がそれぞれについた。
二つの勢力が争いまだ幼い僕を引き入れようとしていた時、叔父上がさらうようにして逃がしてくれた。
まだ、事の重大性がわからなかったが、大人の顔が醜く見え怖かったのを覚えている。
小さな僕の前に目と口を半月にして笑っている顔はまるで心のない道化師のように見えた。
大人は汚い、そう思った。
信じられるのは叔父上だけ。叔父上だけいればいい。
そんな時に出会ったのが、セシリアだった。
彼女もまた、大人の身勝手さに振り回された被害者だった。
そして彼女は自分が生まれたことを懺悔した。
どうしてだ。
なぜ、自分を責めるんだ。
大人が悪いのにー。
身勝手に子供をもののように扱っているだけなのにー。
でも、セシリアの自分を責める言葉を聞いていると一身に母親を愛しているのがわかった。
愛されたい。愛したい。愛を知りたい。
身体中で叫んでいるようだった。
それが愛おしく思った。
自分が受け身であることに罪悪感を感じた。
慰める言葉がすぐには出てこなかった。
「辛かったね。今まで頑張ったんだね」
出てきたのはそれだけだった。
セシリアは顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。
抱きしめた僕の胸元を濡らした。
君の笑う顔が見てみたい。
どうすればいいか・・・。
「君は一人じゃない。だから、一人で全てを抱え込まなくていいよ」
僕は君のために何ができるのか・・・。
僕ができることは・・・、一つだけ。
君の自由に生きられる世の中にすればいいのだ。
幼い僕にはそれしか思い浮かばなかった。
僕は君にペンダントをあげた。
母上から頂いた王家の宝物。少しでも力になればいいと思って。
今になればあの男に見つからなくてよかったとは思うが、あの時はそれが最善だと思った。
僕はあの後、叔父上の力を借りて兄上たち、いやあの五月蝿い権力に群がる害虫たちを駆除することにした。
叔父上も思うところがあったからこそ、僕に協力してくれた。
兄たちを蹴落とした。
害虫たちを一掃した。
非道になれる自分を知った。
でも後悔はない。
セシリアの為なら僕はどんな人間にでもなれる。
君を笑顔にする為なら、火の焼かれようが水責めにされようが、かまわない。
君が笑っていられるならどんな世の中でも作る。
君の笑顔が見たいからー。
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