ちっちゃな王妃様に最も愛されている男

くる ひなた

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第二話

可愛い王妃様の可愛いネコちゃんと鬼畜

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 緑豊かな常春の国ヴィンセント。
 中央に位置する王都の高台には、築千年を超える立派な城が立っている。
 軍の施設や寄宿舎、大聖堂や修道院、使用人の居住区、石造の古い塔を含め、城壁内には様々な建物が立っているが、一際大きく立派なのが歴代の国王が住まい政治を行う王宮である。
 うららかな午後の昼下がり。
 その三階に位置する国王執務室では、記念すべき百代目のヴィンセント国王となって一年が経つ黒髪の青年ウルが、難しい顔をして一枚の書類を睨んでいた。
 と、その時である。

「――ウルッ! たいへん……たいへんじゃっ!!」

 突然バーンと扉が開き、転がるように国王執務室に駆け込んできてそう叫んだのは、小さな小さな女の子だった。
 艶やかなブロンドの髪と、菫色の瞳をした、それはそれは愛くるしい幼子である。
 レースとフリルがふんだんにあしらわれたワンピースは淡い珊瑚色。
 その姿を認めたウルは、書類を裏返してため息をついた。

「お行儀が悪いぞ、マイリ。ノックくらいしろ」

 ただいま四歳と四ヶ月になる幼女マイリは、名門フェルデン公爵家の孫娘で、ウルの幼馴染ロッツの長女である。
 そして、第百代ヴィンセント国王妃――つまり、ウルの妻だった。
 ちなみに、このちっちゃな王妃に代わってやたらと大きくて重い国王執務室の扉を開いたのは、それを守っていた屈強な守衛だ。
 ウルはその守衛を灰色の瞳でじろりと睨んだ。

「ケット、お前は何のために扉の前に立っているんだ。仕事中に子供を中に入れるな」
「恐れながら、陛下。せっかく訪ねていらした妃殿下を追い返すだなんて……そんな鬼畜のごとき所業、私にはできかねます」
「よく言う。鬼畜も逃げ出すような面構えをしておきながら」
「おや、陛下はご存知ないのですか? 妃殿下は、この面を〝かわゆい〟と言ってくださるのですよ」

 代々ヴィンセント王家に仕える軍人一家出身のケットだが、幼い王妃にすっかり絆されて、いまやその下僕のようだ。
 そんなケットとウルが軽口を叩き合っている隙に、マイリはストラップ付きの灰色のパンプスをパタパタ鳴らして奥に置かれた執務机まで駆けてくる。
 そうして、椅子に腰掛けたウルの膝によじ登ると、その上に仁王立ちした。
 ちっちゃなふくふくの両手が彼の顔を挟み込み、むぎゅっと鼻頭同士がくっつく。

「あのな! あのな、ウル! たい、へん、なん、じゃっ!!」
「そうだな、大変だな。主に俺の膝の上が。とりあえず、お靴を脱ぎなさい。話はそれからだ」
「そんな悠長なことやっていられるか! わらわは……わらわは、すごいことにきづいてしまったんじゃぞ!?」
「奇遇だな、俺も気づいたぞ。この時間は確か礼儀作法の授業が入っていたはずだが……さてはお前、さぼったな?」

 生まれてまだ四年と四ヶ月のマイリだが、それはあくまで器の話。
 母や乳母は、一国の王妃にふさわしい淑女に育て上げんと使命感に燃えているが、そんなことも彼女には関係ない。
 その実体は、千年を超える王城よりもまだ古くから存在する、この土地の主であるという。
 昔々も大昔。ヴィンセント王家の始祖がこれと契約を交わし、ここに国を置くことを許された。
 それからというもの、代々のヴィンセント国王は賃料として自らの血を差し出しつつ、契約を更新し続けてきたのである。
 定期的に賃料を請求する家主は、これまでは国王の側にいても怪しまれないよう、猫や犬などの愛玩動物を器としてきた。
 しかし、今代は退っ引きならない事情により、死産となるはずだったフェルデン公爵家の孫娘の身体が選ばれたのだが……


「人間の器を得た今なら――わらわ、ネコちゃんを飼えるのではないか?」


 マイリは菫色の瞳をキラキラと輝かせて言う。
 それを至近距離で見せつけられたウルは、は? と間抜けな声を上げた。
 すると、マイリはなおもぐぐぐっと鼻を押し付けて畳みかける。

「なあ、ウル! わらわ、ネコちゃんを飼ってもよいか!?」
「猫?」
「城の裏門のたもとで、木箱に入ってミーミーと鳴いておったんじゃ! あれ、ひろってきてもよいか!?」
「待て、待て待て。ひとまず、鼻を押し付けるのはやめろ。鼻の骨は脆いんだぞ」

 ウルはやれやれとため息を吐きつつ、マイリの両脇の下に手を入れて顔から引き剥がす。
 そうして、彼女を床の上に立たせると、ブロンドの髪を手櫛で整えてやりながら続けた。

「簡単に飼うなんて言うがな。お前、猫の面倒なんて見れるのか?」
「できるにきまっとろうが。わらわをだれだと思っておる」
「中身はともかく、四歳児なんて赤ん坊みたいなもん――っ、いて! おいこら! 向こう脛を蹴るんじゃない!」
「若造が、わらわになめたような口をきくからじゃ。四歳児の本気をみせてやる」

 隣国に留学すること六年。その後四年間諸外国を旅してすっかり逞しい青年となったウルだが、この小さな王妃にかかれば形無しである。
 守衛のケットが生暖かい目で見ているのに気づいた彼は、わざとらしく咳払いをしてから保護者ぶって言った。

「ちゃんと自分で面倒を見るならば、猫でも何でも飼ったらいい」
「まかせておけ! ちゃんと面倒をみる! ウルにもたまにならば、なでさせてやらんこともない!」
「別に俺は撫でさせてもらわなくともいいんだが……裏門に捨てられているんだったか? ケット、一緒に拾いに行ってやってくれ」
「御意」

 かくして、でっかい守衛を従えたちっちゃな王妃は、足取りも軽く国王執務室から飛び出していく。
 それをやれやれと肩を竦めて見送ったウルだったが、ふと片手を顎に当て呟いた。

「それにしても、マイリのあの年寄りくさい喋り方……なぜ誰も疑問に思わないんだ?」

 ただし、これは愚問であった。
 可愛い四歳児は、喋り方が年寄りくさかろうが可愛いので、瑣末なことなのである。

 閑話休題。

 静かになった国王執務室で、ウルはさっき睨んでいた書類を再び手に取った。
 国王の仕事というのは、思った以上に地味で単調なものだ。
 身分を隠して諸外国を渡り歩いていた頃の、あの刺激的な日々を、恋しく感じてしまうことも少なくない。
 とはいえ、国王が退屈していられるのは、国内が平和だからこそ。
 ウルが今手に取っている書類は、そんなうららかな日常の中に小さな波紋を落とすような内容だった。

 ヴィンセント王国や隣のヒンメル王国をはじめ、この大陸に古くから存在する国々は、自然信仰から発展した多神教を信仰している。
 各地に土着の神がおり、互いに寛容であるため、宗教を理由に争いが起こることは少なかった。
 ヴィンセント王国で最も崇められているのは、樹齢三千年を超えると推定されるスギの木だ。
 その理由は、昔々も大昔、このスギに天から一柱の神が降り立ったとされているから。
 もしやその天から降り立った一柱の神というのは、今まさにマイリを器としているヴィンセント王国の家主のことではなかろうか。
 そんなウルの疑問は、知らん、という当のマイリのそっけない一言によって宙に浮いたままの状態にある。
 ともあれ、そんな御神木たるスギの木を囲うようにして、ヴィンセント城の敷地内に立っているのが大聖堂だ。
 これを仕切るのは大司教――代々それを輩出してきたウォーレー家。
 マイリの生家であるフェルデン公爵家とは、犬猿の仲として有名である。
 そしてウルが今手にしている書類は、大聖堂から――いや、現大司教コリン・ウォーレーからの陳情書だった。

「木の股にできたコブから悪魔が生まれた、だと? そのコブができ始めたのがちょうど王妃を迎えた一年前……なるほど、悪魔が発生した原因はマイリだと言いたいのか。随分とこじつけてくるな」

 もちろん、ウルはこの陳情書をまともに取り合うつもりはない。
 フェンデル公爵家から王妃が輩出されたことが気に入らない大司教が、あれやこれやといちゃもんをつけて、マイリを排斥しようとするのは今に始まったことではないからだ。
 しかし、おおよそ聖職者らしからぬ姑息な真似をする大司教だが、実は誰よりも敬虔な人物でもある。
 マイリの中身が、おそらくは彼が真摯に崇める神そのものであると知ったならば、いったいどんな反応をするのだろうか。
 ウルは見てみたい気もした。

「とにかく、この陳情書はさっさと処分するに限るな。うっかりロッツの目にでも入れば、血を見ることになりそうだ」

 ウルはそう独り言をこぼしつつ、陳情書をぐしゃぐしゃに丸めてしまう。
 溺愛する一人娘を悪魔憑き呼ばわりされて、あのロッツが黙っていられるはずもないからだ。
 ヴィンセント王国の平和のため、ひいては自身の精神的安定のため。
 ウルが、丸めて固めた陳情書を屑籠に放り投げようとした――その時だった。


「ウルー! ネコちゃんじゃあ! なでてもよいぞー!!」


 再びバーンと扉が開き、転がるように国王執務室に駆け込んできたのは、満面の笑みを浮かべたマイリ。
 それに不覚にも驚いてしまって手元が狂ったウルは、丸めた陳情書が屑籠から外れたことに、ちっと舌打ちをする。
 もちろん、この時扉を開け放ったのも、マイリではなくその下僕のような鬼畜面のケットだった。

 ところで、である。

 マイリが原因だという大司教の主張を取り合うつもりはないが、御神木から悪魔が生まれたという話をウルは否定しない。
 というのも、この世界の裏側には魔界なるものが存在していて、なんらかの理由によって地界に悪魔が迷い込んでくることも時々あったからだ。
 もちろん、その逆も然りである。
 大司教の陳情書には、御神木にできたコブから生まれたという悪魔の風体も書かれていた。
 なんでも、それは真っ黒い毛並みの猫の姿をしているという。
 四肢の先が靴下を履いたように白くて、胸にはまるでドクロみたいな模様持ち――そう、ちょうどマイリが連れてきたもののように。

「思っていたのと違うんだがっ!?」

 木箱に入ってミーミー鳴いていたという話から、ウルは目も開いていない子猫の姿を想像していたが――実際にマイリが拾ってきたのは、それとはあまりにもかけ離れたものだった。
 その面構え、ふてぶてしいにもほどがある。
 でっぷりとした身体をし、驚くほど可愛い要素が皆無な存在であった。
 体長なんて四歳児と変わらないほどで、マイリ自身は抱っこをしているつもりのようだが、傍目には取っ組み合いをしているようにしか見えない。
 そして、猫と決定的に違うのは、しっぽが根本から二股に分かれ、背中にコウモリみたいな小さな羽があること――

「っていうか、どう見ても悪魔だろうが! おい、それは大聖堂に返してこいっ!!」
「いやじゃ! ちゃんと面倒をみるなら飼ってもいいと言ったではないかっ!!」
「それは普通の猫の場合だ! そいつはそもそも猫では……」
「いやじゃいやじゃっ! うちの子にすると決めたんじゃああ!!」

 駄々を捏ねるマイリに、ウルは頭を抱える。
 こうなっては、彼女は決して譲らないと、この一年の付き合いで思い知っていたからだ。

「ケット! お前、なぜ止めなかった! これのどこが猫だ!!」
「恐れながら、陛下。妃殿下が猫と申されたなら、これはもう猫なのでございます」
「判断基準ガバガバかよ! とにかく、マイリはそいつから離れろ!」
「いやじゃあ!!」

 地界に迷い込んだ悪魔を野放しにするわけにはいかないので、祓うにしろ魔界に送還するにしろ、大聖堂の管理下に置かれることになっている。
 件の猫型悪魔が、どういった経緯で城の裏門の袂で木箱に入ってミーミー鳴いていたのかは知らないが、その扱いは大聖堂に丸投げするのが一番手っ取り早い。
 しかし、ウルに猫もどきを奪われると思ったらしいマイリは、渡すまいとそれを力一杯抱きしめた。

「飼ってもいいと言ったのに……面倒をみるならいいと言ったのに……ウルのうそつきっ!!」

 力加減など知らない幼子の無遠慮な抱擁に、猫型悪魔が、うにゃっと呻く。
 そうして、マイリの腕から逃れようとがむしゃらに暴れ始めた。
 その拍子に飛び出した爪が、幼子の柔肌をガリッと引っ掻いてしまう。

「ぎゃっ!?」
「おいっ!!」

 ウルは慌てて猫型悪魔の首根っこを掴むと、ケットに向かって放り投げる。
 そうして、呆然として固まっているマイリの前に膝を付くと、その腕を取った。
 幼子の白い肌に二本ばかり平行な線が引かれ、薄らと血が滲んでいる様は痛々しい。

「あーあ……大丈夫か? 痛かったなぁ」
「……いたい? これが、いたい……」

 ウルは懐からハンカチを取り出すと、出来立てほやほやの引っ掻き傷をそっと押さえた。
 当のマイリはというと、くりくりの両目をまんまるにして、傷の手当てをするウルを見つめながら、これが、いたい……と繰り返している。
 というのも、マイリもといヴィンセント王国の家主は、〝痛い〟という感覚に縁が薄かった。
 これまで代々の国王の愛玩動物を器としていたため、国王自身はもちろんその家来達にもそれはそれは大事にされ、痛い思いをするようなことは皆無だったのだ。

「いたい……」

 やがて、菫色の瞳からぽろぽろと涙が溢れだす。
 今代の器は脆く、涙腺もひどく脆い。

「ひぐ……妃殿下、おいたわしい……」
「おい、ケット。なぜお前まで泣く」

 ついにはケットまでしくしくと泣き始め、ウルはぎょっとする。
 マイリを傷つけた猫型悪魔もわざとではなかったらしく、ケットの逞しい腕の中で申し訳なさそうな顔をして項垂れていた。
 彼らを眺めてため息を吐いたウルは、目の前の幼子に視線を戻して眉尻を下げる。
 わずか四歳の幼子が、泣き声も立てずにひたすらぽろぽろ涙をこぼす姿は、どうにも痛ましく思えてならなかった。

「マイリ、痛かったな」

 ウルは殊更優しい声でそう言うと、マイリを抱き上げる。
 たちまちぎゅっとしがみついてきた小さな存在を、彼はこの時、確かに愛おしいと思った。
 彼女のブロンドの髪はまだか細くて、触れれば頭蓋骨の形までありありと手のひらに伝わってくる。
 その小ささに庇護欲を掻き立てられたウルは、武骨な手でできる限り優しくマイリの頭を撫でてやった。
 すると、何故だかマイリの方も、ウルの黒髪をよしよしと撫で始める。
 そうして、彼女はすんすんと鼻をすすりながら、濡れた声で言った。

「ウル、かわいそうになぁ」
「……ん? 俺?」
「おぬし、わらわにかじられる度にいたいいたいと言っとったが……こんな思いをしておったんじゃな……」
「お、おう……」

 ヴィンセント王国の家主であるマイリは、その賃料として定期的にウルに血を要求する。
 もっぱら首筋の太い血管から直接吸われるのだが、幼子の器では勝手が違うらしく、必要以上に齧られて血塗れになることもしょっちゅう。
 傷はすぐに塞がるのだが、痛いものは痛いので、ウルは毎回文句を言っていた。
 痛みを知らなかったマイリはそれを鼻で笑って、我慢しろと一蹴していたが……

「ウルがいたいのは、かわいそうじゃ……」

 痛みを知った彼女は、ぽろぽろと涙をこぼしながら、ふくふくのちっちゃな手でウルの頭を撫でる。
 とたん、ウルはまるで親の愛情に包まれた時のような、くすぐったいような照れ臭いような、何ともそわそわとした心地になった。
 彼はわざとらしく咳払いをしてそれを誤魔化すと、茶化すみたいに口を開く。

「そうだな。痛いと俺が可哀想だから、今後は首を齧るのはやめにし……」
「それとこれとは別じゃ」

 ぴしゃり、と四歳児に一蹴され、若き国王はスンとした。


 猫型悪魔は、結局マイリに飼われることになった。
 マイリが譲らなかったし、猫型悪魔の方もたいそう彼女に懐いたからだ。
 ウルが折れたことに大喜びしたマイリが、彼の頬にちゅーっと熱烈なキスをするのを、守衛のケットが相変わらず生暖かい目で見守っていた。
 すっかり涙も乾いたマイリが、うきうきしながら猫型悪魔を呼ぶ。

「ステキな首輪を用意して、ツメも切ってやらねば。なあ、ドンロ?」
「――待て。今、そいつをなんと呼んだ?」

 ウルはぎょっとした。
 ドンロとは、亡き先代のヴィンセント国王、つまりウルの父親の名だ。


「おいで、ドンロ。わらわのかわいいネコちゃん」


 マイリに猫撫で声でそう呼ばれた猫型悪魔は、亡き父にそっくりの灰色の瞳でウルを一瞥してから、なー、とダミ声で鳴いた。





 ところで、である。


 ウルが屑籠に投げ入れ損ねた件の陳情書だが――


 お約束のごとく、最悪の人物によって拾われることになる。


「あーもう、陛下ー。ゴミはちゃんとゴミ箱に捨ててくださいね。僕の可愛いマイリちゃんがつまずいて怪我でもしたら、ぶっ殺しますよ?」
「あっ……おい、ロッツ……」
「んー、なになにー? 陳情書……大聖堂から……へえ……」
「まさしく、鬼畜のごとき形相……」


 その日、何者かによって大聖堂の一角――大司教の執務室が爆破されたが、司教の一人が召喚し損ねた悪魔の仕業ということで片付けられた。


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