ちっちゃな王妃様に最も愛されている男

くる ひなた

文字の大きさ
40 / 43
第十話

王妃様が案内するヴィンセント城ダンジョン6

しおりを挟む


「──ようこそ、いらっしゃいました。お待ちしておりましたよ」

 勇者一行を笑顔で迎え入れたのは、菫色の瞳をした黒髪の紳士だった。


 昼食を挟んで仕切り直しとなったヴィンセント城ダンジョン攻略だが、佳境に入っていた。
 マチアスは今度こそ、国王執務室があるフロアへと足を踏み出す。
 ところが、マイリのちっちゃな手に引っ張られていったのは、国王執務室ではなく、それに負けじと重厚な扉の前。
 その部屋の主と、マチアスは面識があった。

「フェルデン公爵閣下……その節は、大変お世話になりました」
「いえいえ。ご赦免お喜び申し上げます、殿下」

 級友ロッツの父であり、ヴィンセント王国の宰相を務めるスコット・フェルデン公爵だ。
 内乱罪で極刑に処される危機にあったマチアスを救おうと尽力した功労者の一人でもある。
 勇者一行がたどり着いたのは、その仕事部屋──宰相執務室だった。
 マチアスにソファを勧めたフェルデン公爵は、ローテーブルを挟んだ向かいにマイリと並んで腰を下ろす。
 ドンロものそのそとソファに上ってきて、マチアスの膝にのしっと顎を置いた。
 エリックは勝手知ったる様子でお茶の用意を始め、入室を許された名もなき護衛騎士と犬は扉の脇に控える。
 そんな一同を見回してから、マチアスはおずおずと口を開いた。

「あの、マイリ様? さっき、やっつけるとおっしゃっていたのって……」
「じーじのことではないぞ。じーじは確かにヴィンセントで最も胡散臭い人間じゃが、ウルにとっての悪者ではないからのう」
「ははは、マイリにはかないませんなあ」

 フェルデン公爵はさも愉快そうに笑うが、孫娘から散々な言われようだ。
 しかしながら、マイリはきっぱりと、こうも言った。

「じーじはウルの味方じゃぞ。たとえ、何があろうともな」
「はあ……」

 マチアスはというと、生返事をしつつ首を捻る。
 フェルデン公爵は、勇者一行の倒すべき悪者役ではないらしい。
 それではなぜ、マチアスはわざわざこうして彼のもとに連れてこられたのだろう。
 彼はけして、ちっちゃなヴィンセント王妃の相手をするのが嫌なわけではない。
 しかし、ヴォルフ帝国特使としての本来の役目を、もうそろそろ果たさせてもらうべきではなかろうか。
 意を決したマチアスが、そう訴えようとした時だった。

「マチアスよ──おぬし、ウルが好きか?」
「えっ!? あっ、はい……好き、ですけど……」

 ふいに、脈絡もない質問を投げかけられて面食らう。
 戸惑いつつも律儀に答えるマチアスに、マイリは畳み掛けた。

「おぬしにとって、ウルはいかなる存在じゃ?」
「ウルは……彼は私にとって、かけがえのない人、です」

 この世には、光をまとって生まれる人間と、そうでない人間がいる、とマチアスは思う。
 向かいのソファに座るマイリやフェルデン公爵、三男坊でありながら公爵家の当主となったエリック少年は、明らかに前者だろう。
 ヴォルフ帝国においては、姉レベッカは前者で──マチアス自身は、後者だった。

「姉を敬愛する心に嘘偽りはございません。姉が、私を深く愛してくださっていることも重々承知しております。ですが……光り輝く彼女の陰で、私はずっと燻んだ存在でした」

 それは、ヒンメル王立学校に入学したことで顕著になる。
 当時、王のように君臨していたレベッカの弟が入学すると聞いて、在校生も教師も勝手に期待を抱いていた。だから、平々凡々としたマチアスが現れたとたん、落胆を露にしたのである。
 冷ややかな周囲の視線に居た堪れなくて、マチアスはすぐさま祖国に逃げ帰りたくなったが……

「でも、踏みとどまることができました。ウルが、友達になってくれたから……」

 ウルもまた光をまとって生まれたような人間だったが、彼はマチアスをレベッカと比べることはなかった。
 いや、似ていないと言ったことはある。
 ただ、それがどうした、とも言ってくれた。

「姉の光は頭上から降り注ぐばかりで、私はただただ眩しくて、顔を上げることができませんでした。でも、ウルは違う。彼の光は隣に寄り添い、私の覚束ない足下を──私の人生を、明るく照らしてくれたんです」

 ウルのおかげで、ヒンメル王立学校で過ごした六年間、ずっと前を向いて歩くことができたのだ。
 マチアスは、感慨無量といった顔をして繰り返す。

「ウルは、私にとってかけがえのない存在なんです」

 そうか、とマイリが頷いた。
 この時、思い出の中に意識を飛ばしていた男は気づけなかった。
 ヴィンセント王妃の愛らしい顔から、すっかり笑みが消えていることに。
 マチアスは、なおもウルと過ごした日々を思い浮かべて頬を緩める。十年近く経った今でも、思い出は少しも色褪せることはなかった。
 ところがマイリは、そんな相手にちっちゃなふくふくの指をびしりと突きつけ、冷や水を浴びせるがごとく言った。


「じゃがな、マチアス。そのかけがえのない存在を害する悪者は──おぬしの中におる」
「え……」

 
 マチアスの笑みが凍りつく。
 何を言われたのか理解できない様子の彼に、マイリは淡々と続けた。

「マチアスよ、答えろ。クーデターをしくじらせた後、おぬしはなぜヴィンセントにきた?」
「そ、それは、その……ウルならば、きっと私情に流されず、正しい処断を下してくれると信じていたからで……」
「そう、レベッカも申しておったな。しかし、おぬしがヴィンセントを──ウルを選んだ一番の理由は、それではないはずだ」
「……え?」

 さっきまで無邪気にマチアスと手を繋いでいた五歳児が、恐ろしく大人びた表情をしている。
 その隣にいるフェルデン公爵なんてただ穏やかな微笑みを浮かべているのに、マチアスは自分の身体が小刻みに震えるのを止められなかった。
 口の中がカラカラに渇いていく。
 まるでそれを見越したみたいに、目の前のテーブルに紅茶のカップが置かれた。
 マイリとフェルデン公爵の前にも同じものを置いたエリックが、無言のまま彼らが座るソファの後ろに控える。
 王立学校を卒業して間もない少年の、理知的で潔癖そうな眼差しにじっと見つめられたマチアスは、ひどく責められているような心地になった。
 慌てて視線を落とせば、今度はカップの中の茜色に映り込んだ自身と対峙することになる。
 ぐっと押し黙った彼の前で、最もいとけない声が核心を突いた。


「おぬしは、厳罰を覚悟していたのではない。むしろ、処刑されることを望んでいた──そうであろ?」


 ひゅっ、とマチアスが息を呑む。
 とっさに顔を上げた彼は、自身を見据える二対の菫色の瞳に気づいて背筋を凍り付かせた。
 ついさっき食堂で対峙した級友のそれと、同じ色、同じ温度の瞳だ。

 ──反逆者ごっこは、楽しかった?

 あの時の冷ややかなロッツの声が脳裏に蘇ってきて、背筋を冷たい汗が伝い落ちる。
 はく、と喘ぐように下手くそな呼吸をする相手に、マイリはなおも手を緩めなかった。

「レベッカをわずらわせる叔父を確実に排除するため、逃げのびた先で囚われて本国に戻されねばならんかったというのはわかる。じゃがそれは、ヴィンセントが選ばれる理由にはならん」

 大陸の最北に位置するヴォルフ帝国と、南端にあるヴィンセント王国の間には、エレメンス王国とデルトア王国という二つの国が挟まっている。
 国王の交代劇により混乱している前者はともかくとして、マチアス達が後者で亡命を求めようともヴィンセント王国と結果は同じになっただろう。
 もっと言えば、ヴォルフ帝国には西にも東にも隣接する国があり、どちらもかの国と友好関係にあるため、反逆者は即刻捕縛されて本国に送り返されたはずだ。
 それ以外にも、ヴィンセント王国よりもヴォルフ帝国に近く、マチアスの望む結果をもたらしてくれるであろう国は、他にもたくさんあった。
 それを踏まえて、マイリは再び問う。
 
「どうしてわざわざ、一際遠く離れたヴィンセントを選んだ?」
「そ、それは……だって、ウルに……」
「ウルに会いたかったからか? しかし、おぬしはウルが会わぬこともわかっておったであろう? だとしたら、道理が通らぬな?」
「わ、私は……私は……」

 五歳児相手にしどろもどろになる自分を、マチアスは心底情けなく思う。
 情けないついでにこの場から逃げ出したくなったが、膝に乗った真っ黒い塊がそれを許さない。
 じっと見上げてくるドンロの瞳は、やはりウルのそれとそっくりで、マチアスはカチカチと歯を鳴らした。
 そんな彼に、マイリは容赦なくとどめを刺す。


「正直に申せばよかろう。ウルの人生に、友を見捨てて死なせたという傷を──己の存在を、永遠に刻みつけるためだった、とな」


 ぶわわっと、マチアスの毛穴という毛穴から汗が吹き出した。
 こめかみから滴ったものが、顎まで伝い落ちる。
 は、は、と意図せず息は荒くなった。
 ドクドクと激しく心臓が脈打ち、身体はもう誤魔化しようもないほどに震えている。
 マイリの言葉を、幼子の戯言と笑い飛ばすのは不可能だった。
 彼女の隣に陣取るフェルデン公爵が口を挟まないということは、すなわち彼も同じ考えである証拠だろう。
 もはや言い逃れも叶わない。
 そう悟ったマチアスは、歪んだ表情を隠すみたいに前髪をくしゃりと掴むと、息も絶え絶え、喘ぐように言った。

「……あなたは、いいですよね。ウルの妻になって、一生を添い遂げることを約束されたんです。だったら、少しくらい、いいじゃないですか。彼の心に、私の居場所をくださっても」
「ならぬ」

 ぴしゃりと叩きつけられた拒絶に、マチアスの目に憎悪が浮かんだ。
 それに気づいてエリックは眉根を寄せたが、当のマイリや、その祖父であるフェルデン公爵はぴくりとも表情を変えない。
 まるで、お前など取るに足りないと言われているようだった。
 ドンロが乗っているせいで膝は温かいというのに、心はどんどんと凍えていく。
 きつく唇を噛み締めれば、口の中に血の味が広がった。
 それを冷ややかに見据えて、マイリが続ける。 

「笑って語れるような思い出としてならば、おぬしに居場所を与えるのもやぶさかではない。じゃが、ウルを悲しませ苦しませようとするヤツに情けをかけてやる義理があるものか」
「そ、それは……」
「ウルをかけがえのないものだと言いながら、おのれの死によってその人生に呪いをかけようとは、おぬしの想いはひとりよがりよのぅ。全力でおことわりじゃ」
「ううっ……」

 痛いところを突かれて、マチアスには返す言葉もない。五歳児に論破されてしまうなんて、情けないにもほどがあった。
 するとここで、フェルデン公爵が初めて口を挟んだ。
 殿下、と優しい声で諭すように、マチアスに語りかける。

「マイリはこの通り、まだ五歳の愛らしい幼子ではございますが、我がヴィンセント王国の歴とした王妃であり──なにより、陛下をとても愛しておられます」
「わ、私だって! 私だって、ウルのことをあ──」
「殿下のそれは、あいにく自己愛でございましょう。履き違いなされませぬよう、ご忠告申し上げます」
「うぐっ……」

 マチアスは、ここでようやく気がついた。
 ロッツはきっと、マチアスの本心を知っていたのだろう。だから、怒っていたのだ。
 彼だけではない。
 マイリも、そして今まさに目の前でにこにこしているフェルデン公爵だって、自分に対してひどく憤っていた。
 なぜ、などというのは愚問だろう。
 彼らは、ウルを愛しているのだ。
 愛するものを傷つけられそうになったから、その犯人たるマチアスに憤っている。
 彼らの怒りは、至極道理が通ったものであった。

「最初から……私をウルと会わせる気など、なかったのですね……」

 ウルを愛する者達にとって、マチアスはもはや害悪以外のなにものでもない。
 それを自覚しながらも、この期に及んで恨みがましげに言う彼に、しかしマイリは心外そうな顔をして首を横に振った。

「ウルに会えるかいなかは、おぬし次第。申したであろう? ウルに会いたければこのヴィンセント城ダンジョンを攻略せよ、と。そして、わらわはこのダンジョンの案内役。おぬしをウルのもとに導く者じゃ」

 ちっちゃなふくふくの指先が、再びマチアスに突きつけられる。
 しかし、今度は彼を断罪するためではなかった。

「おぬしの敵は、わらわでも、じーじでも、父でもない。おのれ自身──その心にひそむ弱さじゃ」
「私自身の、弱さ……」

 おずおずと顔を上げたマチアスを、マイリは真っ直ぐに見つめて告げた。


「戦え、勇者よ。おのれに打ち勝ち、胸を張って姫に会いにゆけ」


 その時である。
 大きな音を立てて、ノックもないまま宰相執務室の扉が開いた。

しおりを挟む
感想 62

あなたにおすすめの小説

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

エメラインの結婚紋

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜

侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」  十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。  弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。  お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。  七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!  以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。  その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。  一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。

婚約破棄されたスナギツネ令嬢、実は呪いで醜くなっていただけでした

宮之みやこ
恋愛
細すぎる一重の目に、小さすぎる瞳の三百眼。あまりの目つきの悪さに、リュシエルが婚約者のハージェス王子に付けられたあだ名は『スナギツネ令嬢』だった。 「一族は皆美形なのにどうして私だけ?」 辛く思いながらも自分にできる努力をしようと頑張る中、ある日ついに公の場で婚約解消を言い渡されてしまう。どうやら、ハージェス王子は弟のクロード王子の婚約者であるモルガナ侯爵令嬢と「真実の愛」とやらに目覚めてしまったらしい。 (この人たち、本当に頭がおかしいんじゃないのかしら!?)

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

処理中です...