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第二章 【アレクシス編】
朝の会話
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アレクと話していたら、いつの間にか僕は寝てしまっていた。
翌朝になって目を開けたら、目の前にアレクが寝てたことに一瞬驚いたけど、昨日のことを思い出して顔から火が出そうになった。
羞恥心で悶えながらアレクの寝顔を見る。整った顔がすぐ目の前にあり、規則正しい寝息が聞こえる。
本当に従兄弟じゃなかったら即狙ってたと思うほどカッコいい。ちょっと強引なところもあるけど、それ以外はいつも優しいし、一緒に訓練してる王宮騎士の人たちにも慕われてて、一見完璧な超人に見えるけど、実際はちょっと幼さも残ってるんだよね。
その一面を知ってるのが僕だけなのが、なんか嬉しい。
きっとこの寝顔も、僕しか知らないんだろうなぁ。
僕は試しに囁くような声でアレクを呼んだ。
「アレク、起きてる?」
返事はない。
ただ寝息が聞こえるだけ。
「フフッ、本当に子供みたいな寝顔だなぁ。いつもしかめっ面なのに」
「悪かったな。しかめっ面で」
「っ!? お、起きてたの?」
しかめっ面と言った瞬間、アレクの両目が開き僕をまっすぐに見つめた。
「だいたいお前が私にしつこくつきまとわなければしかめっ面にはならなかっただろう」
「……すみません」
ぐうの音も出ない……。
実際、僕が付きまとい始めた頃から眉のシワが濃くなったと思う。僕に初めてあったあの時はもっと柔らかな表情をしてたけど今は頑固そう。
……申し訳なさすぎるよ。
「まあそれはいい。私もお前を強引に犯したわけだからな。本来なら私の方が重罪だ」
「僕はもう気にしてないよ。今までたくさん迷惑かけたんだから、仕返しが来たって思えばいいんだよ」
そういうと、盛大にため息を吐かれ「全くお前は……」と言われてしまった。
僕、そんなにおかしなこと言ったかな?
「お前は人に迷惑をかけたら犯されてもいいというのか? だからお前は非処女だったのか?」
「別に犯されてもいいってわけじゃないよ! 今回はアレクだったから良かっただけで、赤の他人にヤられるなんて絶対にやだ!!」
「だがすでに処女を奪われてただろ。あらかた、お前を恨んだ奴に強姦でもされたんだろ?」
「違うよ! たしかに無理やりだったけど、兄さんたちは僕を恨んだりなんて__」
「やはりお前の兄たちにヤられたんだな?」
「っ!?」
そう言われた途端とっさに両手で口を覆う。
しかしもう遅い。
鋭く冷たい眼差しは、じっと僕のことを見つめていた。
翌朝になって目を開けたら、目の前にアレクが寝てたことに一瞬驚いたけど、昨日のことを思い出して顔から火が出そうになった。
羞恥心で悶えながらアレクの寝顔を見る。整った顔がすぐ目の前にあり、規則正しい寝息が聞こえる。
本当に従兄弟じゃなかったら即狙ってたと思うほどカッコいい。ちょっと強引なところもあるけど、それ以外はいつも優しいし、一緒に訓練してる王宮騎士の人たちにも慕われてて、一見完璧な超人に見えるけど、実際はちょっと幼さも残ってるんだよね。
その一面を知ってるのが僕だけなのが、なんか嬉しい。
きっとこの寝顔も、僕しか知らないんだろうなぁ。
僕は試しに囁くような声でアレクを呼んだ。
「アレク、起きてる?」
返事はない。
ただ寝息が聞こえるだけ。
「フフッ、本当に子供みたいな寝顔だなぁ。いつもしかめっ面なのに」
「悪かったな。しかめっ面で」
「っ!? お、起きてたの?」
しかめっ面と言った瞬間、アレクの両目が開き僕をまっすぐに見つめた。
「だいたいお前が私にしつこくつきまとわなければしかめっ面にはならなかっただろう」
「……すみません」
ぐうの音も出ない……。
実際、僕が付きまとい始めた頃から眉のシワが濃くなったと思う。僕に初めてあったあの時はもっと柔らかな表情をしてたけど今は頑固そう。
……申し訳なさすぎるよ。
「まあそれはいい。私もお前を強引に犯したわけだからな。本来なら私の方が重罪だ」
「僕はもう気にしてないよ。今までたくさん迷惑かけたんだから、仕返しが来たって思えばいいんだよ」
そういうと、盛大にため息を吐かれ「全くお前は……」と言われてしまった。
僕、そんなにおかしなこと言ったかな?
「お前は人に迷惑をかけたら犯されてもいいというのか? だからお前は非処女だったのか?」
「別に犯されてもいいってわけじゃないよ! 今回はアレクだったから良かっただけで、赤の他人にヤられるなんて絶対にやだ!!」
「だがすでに処女を奪われてただろ。あらかた、お前を恨んだ奴に強姦でもされたんだろ?」
「違うよ! たしかに無理やりだったけど、兄さんたちは僕を恨んだりなんて__」
「やはりお前の兄たちにヤられたんだな?」
「っ!?」
そう言われた途端とっさに両手で口を覆う。
しかしもう遅い。
鋭く冷たい眼差しは、じっと僕のことを見つめていた。
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