スキルマスター

とわ

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第一章 ムーン・ブル編

第56話 伝説が始まる

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「お求めは、以上で宜しいでしょうか?」

「とりあえずはこれでいいと思うが、他に何かあるか?」

「いえ。冒険の初心者様でしたら十分で御座いますよ」

「そっか」

 穏やかな様子の男性は、商人モードに変化して手もみして話した。やや不安な俺は、身なりを確認したあとに疑問に尋ねた。首を左右に小さく振る男性は、後押しするような仕草見せて返事を戻した。安心な俺は、笑顔で話した。顔を自分の荷物の剣や盾や着替え等に向ける。

(この荷物…、どうしよう…)

 優柔不断な俺は、思わず自分の沢山の荷物を眺めて目移りするかのように思考していた。

「着替えた服は、こちらの袋をご利用ください。剣と盾は、せっかくなので装備いたしましょう。私も手伝います」

「ありがとう。助かる」

 優秀な様子の男性は、大きな布袋を俺に差し出して正解へと導くかのように話した。安堵な俺は、再び笑顔で話した。荷物を整理し終える。

「本当に色々ありがとう」

「気になさらないでください。世界は持ちつ持たれつなのです」

「その言葉、俺も好きだよ」

 感謝な俺は、心からの礼を述べた。満足な様子の男性は、笑顔を見せて話した。同意な俺も、笑顔を見せて話した。大満足な俺は、出入り口の赤い扉に向かう。同様な様子の男性は、あとに続く。

「それじゃあ、また来るよ」

「あなた様の幸運をお祈りしております。是非、またのお越しを心よりお待ち申し上げております」

「ありがとう。あなたにも幸運を」

 感慨な俺は、再会を約束すると話した。紳士な様子の男性は、爽やかな笑顔を浮かべたあとに一礼して話した。前向きな俺も、爽やかな笑顔を浮かべあとにお裾分けと話した。体を出入り口の赤い扉に向けようとする。視界に先程のマネキンのような物に展示されているレザーアーマーがきらりと光沢を見せる。

(やっぱりレザーアーマーは、色を変えたらザクができないか? あの丸みのある肩なんて理想的だし。頭には指揮官用の角を付けて色を緑に変えて……。いや待てよ。赤の方がいいか? いや違う、初期のシャーザクはピンクだ。ピンクの方がいいか? あっ、盾もいるな。右肩にくの字の盾を付けて、左肩にトゲトゲを追加して…。そう言えばあの盾、この世界では盾扱いになるのか? ファンタジーゲームであの盾を見たことはないが。とあるゲームだと、盾扱いにすらされてなかったからな…。あれは絶対おかしいよな。この世界では大丈夫たと信じたいが、どうなんだろう?)

 直感な俺は、あれこれ右脳を働かせたあとに疑問に思考した。返事はない。残念な俺は、体をレザーアーマーに向けて腕組する。

(俺のレザーアーマーも、ザクっぽくしてみるか? 緑なら何かとカモフラージュにもなるし。ああ、それなら赤の方がいいか。夜は危ないし、赤は暗がりで黒っぽく見えて都合がいい。そうなるとピンクはダメだな。ピンクは、身に付けてるとテンションが穏やかになって力も弱くなるとか誰かが言ってたからな。戦闘中にそうなるのは困る)

 真剣な俺は、右手を顎に当てて色は難解と思考した。腕組し直す。

(う~~~ん。まあ、今は金が欲しいからなあ。それならここはひとつ、黄色にしてみるか? なんならいっその事、百式みたいな金色を目指すか! 金運も上がるって言うしな! よし! それでいこう!)

 超真剣な俺は、悩み抜いた末にコーディネートの方向性は決定したと強く思考した。

「ふっ」

 超満足な俺は、口元を不敵に緩めて鼻を鳴らした。体を出入り口の赤い扉へと向けながら混乱な様子の男性に右手を軽く上げて一時の別れを告げる。赤い扉を外側に開いて防具屋を出発する。店外にて燦燦と輝く夕日を全身に浴びる。胸元にあるエアサングラスを左手で掴み、そのまま掛ける。夕日を見つめる。

「時が見える」

 感動な俺は、多種多様な仲間達と賑やかで愉快に過ごす風景が見えたと呟いた。エアサングラスを胸元に戻す。次の用事のために森の宿へと向かう。

『ヒュルーン』

「行けー!」

 背中を後押しする風の音や、それに紛れての皆の声援の声が微かに届いた。

(モモちゃんとノンちゃんと皆も応援してくれてる! 早く皆に会いたいな!)

 楽観な俺は、思わず笑みを浮かべて出会いが問題を解決して皆に必ず会えると強く思考した。風に後押しされながら大地を力強く踏みしめて歩き始める。そして、

 伝説が始まる。

 陽気な俺は、心の中にお気に入りのオープニング曲を高らかに響かせながら日常生活を再開した。


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