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02.歪み狂う三角の二辺
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私が生活しているのは、古いレンガ造りの屋敷。
先代当主が存命の間住まいしていた小ぶりな建物。
亡き先代当主は、たった1人辺境の地を守りワイバーンとすら戦ったと語り継がれる武勇に優れた方。 妻であった辺境伯夫人を心から愛しており、何よりも2人の時間を大切にされていたと言う。 そのため、使用人がいなくとも快適な生活が出来るような設備が整えられているのが、私にとって幸いだった……。
広いソファは身を寄せ合うのには丁度良く。
同じ顔をした2人が身体を重ねあうように座っている。
「お茶の準備ができました」
顔だけを見れば、性別の差など障害とならないほどに似ている双子は、身体を寄せ合い、頬をすり合わせ、お互いの瞳を見つめあい、ウットリしながら瞳に、鼻に、唇に、耳に、自らを賛美するような吐息をつき、啄むように口づける。
チラリと、深紅のドレスに身を包んだフレイが私に怒りにも似た視線を向け、それでも優美に口元を微笑ませ、こう告げる。
「無粋な女」
「申し訳ございません」
フランが壊れ物を触れるように妹フレイの頬に触れ、目元に口づける。
「美しい瞳を、そのように燃やすものではないよ。 ノエルは僕たちの邪魔にならない程度に弁えた女なんだから、ね?」
2人の行為も会話も無視し、私は紅茶を淹れる。
フランにはブラックペッパーを加え後味にピリッとした辛味を持たせたミルクティ。 フレイには砂糖多めにシナモンを加えた紅茶を出す。
「フレイも好きだろ、ノエルの淹れる紅茶は」
「えぇ、好きよ。 アナタの次ぐらいには」
「恐縮です」
会話はどこまでも穏やかに続く。
他人の視線が無い時。
フランは、自分と双子の悲劇を強調する必要もないと、下手くそな癇癪持ちの演技はせず、激情は控え穏やかな態度をしめす。
フレイの方は、元来の感情的でワガママ、そして激情に任せ炎の性質と力を表に表してしまう。 ソレを抑えるように外では、病弱で可哀そうな子を装っている。
フランの命令で……言葉を控えさせられている。
「今日は、街で大人しく待つことが出来て偉かったね。 ご褒美だよ」
そう言って、少し前に購入したばかりの鮮やかな黄金に深紅のルビーを彩った髪飾りをつける。 フランは満足そうにホォと陶酔した吐息をつき、フレイは勝ち誇った視線を私に向ける。
そして、私は部屋を退出するために扉に手をかけていた。
「僕は、退出を許していないよ。 そこに座っているんだ」
そして、私は溜息を飲み込みソファに座る。
双子は、お互いの顔に触れあい、髪にふれ、軽い口づけをする。 私は……冷ややかと言う感情を出す事すら惜しみ無表情で見続けた。
「フレイ、黄金の髪が木漏れ日に光って美しいよ」
「フランの赤い瞳が夕暮れ時のように美しいわ」
お互いを褒め合いながら、柔らかく、優しく触れあう。
「ノエル、混ざりたいなら懇願するといい」
見下すように尊大な態度を向けるフラン。
「自分の立場をわきまえたアナタなら、フランに抱かれる事を許してあげてもよくてよ」
同じ顔が私に向けられる。 だけど、その表情は違う、フランは尊大さを甘く柔らかな表情で彩る。 フレイは熱く情熱的に、煽情的な姿を見せつけ私を挑発する。
私は魂の抜けた人形のように、目元と口元を微笑ませた。
「お二人のお美しい姿を見ているだけで満足でございます」
同じ顔をしている2人は、自分を愛するように相手を愛し、相手を愛するように自分を愛する。 とはいえ、一線は保たれている。
いえ、違いますね……。
過去、2人は体の関係まで至ろうとしたと言う。
本宅での出来事であるため伝聞でしかなく、その伝聞も当主は私に届かぬように必死に隠そうとした。 それでも噂は漏れるものだ。
2人は、自分の顔についている自分と違う身体に違和感を覚えて混乱し、罵倒し、激昂の炎に2人身を任せ、寝室を焼いた事があるのだ。
その事件があってから、2人の両親は安堵していた。
『一線を守ってくれるのは、せめてもの救いだ』
だけど……、
私にすれば最悪。
2人の世界で完結してくれれば良いのに……。
2人の子が欲しいと、私を誘ってくる。
「「愛しているよ、僕達の次に」」
なぜ、私から生まれてくる子が、2人の子なのか? 尋ねる事すらオゾマシイ。
先代当主が存命の間住まいしていた小ぶりな建物。
亡き先代当主は、たった1人辺境の地を守りワイバーンとすら戦ったと語り継がれる武勇に優れた方。 妻であった辺境伯夫人を心から愛しており、何よりも2人の時間を大切にされていたと言う。 そのため、使用人がいなくとも快適な生活が出来るような設備が整えられているのが、私にとって幸いだった……。
広いソファは身を寄せ合うのには丁度良く。
同じ顔をした2人が身体を重ねあうように座っている。
「お茶の準備ができました」
顔だけを見れば、性別の差など障害とならないほどに似ている双子は、身体を寄せ合い、頬をすり合わせ、お互いの瞳を見つめあい、ウットリしながら瞳に、鼻に、唇に、耳に、自らを賛美するような吐息をつき、啄むように口づける。
チラリと、深紅のドレスに身を包んだフレイが私に怒りにも似た視線を向け、それでも優美に口元を微笑ませ、こう告げる。
「無粋な女」
「申し訳ございません」
フランが壊れ物を触れるように妹フレイの頬に触れ、目元に口づける。
「美しい瞳を、そのように燃やすものではないよ。 ノエルは僕たちの邪魔にならない程度に弁えた女なんだから、ね?」
2人の行為も会話も無視し、私は紅茶を淹れる。
フランにはブラックペッパーを加え後味にピリッとした辛味を持たせたミルクティ。 フレイには砂糖多めにシナモンを加えた紅茶を出す。
「フレイも好きだろ、ノエルの淹れる紅茶は」
「えぇ、好きよ。 アナタの次ぐらいには」
「恐縮です」
会話はどこまでも穏やかに続く。
他人の視線が無い時。
フランは、自分と双子の悲劇を強調する必要もないと、下手くそな癇癪持ちの演技はせず、激情は控え穏やかな態度をしめす。
フレイの方は、元来の感情的でワガママ、そして激情に任せ炎の性質と力を表に表してしまう。 ソレを抑えるように外では、病弱で可哀そうな子を装っている。
フランの命令で……言葉を控えさせられている。
「今日は、街で大人しく待つことが出来て偉かったね。 ご褒美だよ」
そう言って、少し前に購入したばかりの鮮やかな黄金に深紅のルビーを彩った髪飾りをつける。 フランは満足そうにホォと陶酔した吐息をつき、フレイは勝ち誇った視線を私に向ける。
そして、私は部屋を退出するために扉に手をかけていた。
「僕は、退出を許していないよ。 そこに座っているんだ」
そして、私は溜息を飲み込みソファに座る。
双子は、お互いの顔に触れあい、髪にふれ、軽い口づけをする。 私は……冷ややかと言う感情を出す事すら惜しみ無表情で見続けた。
「フレイ、黄金の髪が木漏れ日に光って美しいよ」
「フランの赤い瞳が夕暮れ時のように美しいわ」
お互いを褒め合いながら、柔らかく、優しく触れあう。
「ノエル、混ざりたいなら懇願するといい」
見下すように尊大な態度を向けるフラン。
「自分の立場をわきまえたアナタなら、フランに抱かれる事を許してあげてもよくてよ」
同じ顔が私に向けられる。 だけど、その表情は違う、フランは尊大さを甘く柔らかな表情で彩る。 フレイは熱く情熱的に、煽情的な姿を見せつけ私を挑発する。
私は魂の抜けた人形のように、目元と口元を微笑ませた。
「お二人のお美しい姿を見ているだけで満足でございます」
同じ顔をしている2人は、自分を愛するように相手を愛し、相手を愛するように自分を愛する。 とはいえ、一線は保たれている。
いえ、違いますね……。
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2人は、自分の顔についている自分と違う身体に違和感を覚えて混乱し、罵倒し、激昂の炎に2人身を任せ、寝室を焼いた事があるのだ。
その事件があってから、2人の両親は安堵していた。
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だけど……、
私にすれば最悪。
2人の世界で完結してくれれば良いのに……。
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