【R18】双子の妹を愛するナルシストな婚約者は、大切な妹の代わりに婚約者である私を悪魔公の元に嫁入りさせる

迷い人

文字の大きさ
14 / 42

14.幸福の在り方(★)

しおりを挟む
 男はとがった爪の先を使い、ノエルの白い肌に模様を刻んでいく。

 両胸の間、みぞおちとヘソの間、ヘソの下の三か所。

 最初に爪をたてられた時の痛みや恐怖は、快楽に溶かされたかのように今は存在しておらず、肌に美しい模様が刻まれる痛みは、熱となり身体を疼かせた。 身に覚えのない快楽と言う感覚にさらされ追い込まれ求めだせば、殺されなければ、どうにでもなると言う割り切りにまで至ってしまう。

 全裸で拘束され、痛みすら欲情として感じる倒錯的な快楽によって、ノエルの性感が開発されていくのだった。



 身体に模様が刻まれるたびに、音の伴わない喘ぎが絞り出される。 音の出ない喉が流動し、そして吐息が漏れる。

 身体に熱をもつほどに、快楽に表情が歪めば、潤んだ視線は本人の意思とは関係なく、男を求めるかのように甘く蕩けていた。

「この淫売が」

 今のノエルには男の放った言葉を理解するほどには正気ではなく、ただ男の顔が自分に欲情を感じていると言うことだけがノエルにとっての事実。

 はぁ、はぁ、あ、ぁぁ、

 荒い呼吸音と、衣擦れの音だけが響いていた。

 やがて、刻むべき模様は刻まれ終える。

 男は、ずっとお預けを食らっていた獣のように、ノエルの白い胸に食らいつき貪ってきた。 恐怖はない、むしろ男が欲情を自分に向けていることが嬉しくすら感じた。 柔らかくも張りのある肉を、男は口内にくわえこみ甘く歯をあて、胸の形を変えるほどに唾液交じりの舌先でねぶってくれば、ノエルは拘束されているにも関わらず、その快楽を余すとこなく受け入れようと、不自由に身じろぐ。

 ちゅっと男は乳首を吸いながら、丁寧に描いた模様へと魔力をそそぎ入れてきた。 それは模様の端々へと安定すれば体内の奥深くへと沈みこみ、心臓、すい臓、卵巣へと刻まれていく。 本来であれば強烈な痛みを伴う行為であるが、今のノエルにとっては快楽でしかない。

 身体が世界に溶けだすような快楽。
 次の瞬間には、男が激しく乳首を吸いあげ、その刺激で溶けた形が元るかのようにノエルと言う存在を取り戻す。 繰り返されるその感覚は、激しい快楽ではあるものの、未だ絶頂の迎え方を知らぬノエルは徐々に苦痛に感じ始めていた。

 辛い、助けて。

 自分の求める助けがどのようなものか理解もせずに、潤んだ瞳が男にそう伝えていた。 

 どうすれば終わる?
 どうなれば終わる?

 この先、自分がどのように堕ちていくのかと、本人も気づかぬ意識の奥底で期待に震えていた。

「辛そうだな」

 男の声もどこか上擦り、息も荒くなっていた。 肌を彩るような黒曜石の鱗は魔力を蓄え発して輝き、広がってさえいるように見える。

 ゾクリとした。

 悪魔公と呼ばれる男には様々な噂がある。 だが、今はそれ以上に快楽を放置される方が辛いと快楽に張り詰めた身体が出せぬ声で訴える。

 もっと、もっと、気持ちよくして。

「そうやって、男を誘い込んできたのか!!」

 何故か男は怒っていた。

 だけど、痛みは与えないと言われた通り、痛みはない。 殺すつもりもないと言っていたような……いえ、このまま死ぬのもきっと幸福だろう。



 そう思えば、ノエルは男へただ微笑んで見せた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?

みおな
ファンタジー
 私の妹は、聖女と呼ばれている。  妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。  聖女は一世代にひとりしか現れない。  だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。 「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」  あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら? それに妹フロラリアはシスコンですわよ?  この国、滅びないとよろしいわね?  

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

【本編完結・番外編追記】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。

As-me.com
恋愛
ある日、偶然に「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言する婚約者を見つけてしまいました。 例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃりますが……そんな婚約者様はとんでもない問題児でした。 愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。 ねぇ、婚約者様。私は他の女性を愛するあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄します! あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。 番外編追記しました。 スピンオフ作品「幼なじみの年下王太子は取り扱い注意!」は、番外編のその後の話です。大人になったルゥナの話です。こちらもよろしくお願いします! ※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』のリメイク版です。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定などを書き直してあります。 *元作品は都合により削除致しました。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

処理中です...