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13.良く分からないけれど、宣戦布告らしいですよ!!
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私は、屋敷の2階奥の部屋に誘われる。
「こちらが、エリス様のお部屋になります」
モイラが示した1つの扉、隣接する部屋の扉との距離を考えればかなり広い。
可愛い部屋だといいなぁ。
ぁ、後、礼儀作法の本とか、あったら欲しいな。
なんて考えていると扉が開かれた。
どこまでも白かった。
視界の先の全てが白かった。
ちょっと想像していた部屋とは違っていた。
もっと、こうカワイイ部屋だと思っていたのに……。
よくよく見れば、豪華な制服に身を包んだ侍女達が忙しそうに動き回り、部屋の中に白い布を引き詰めていた。 いや、天井、壁、床、家具全てを白い布で覆うのは、どうなのでしょう?
私はモイラに視線を向ける。
コレは何?
だけど、モイラは眉間を寄せ、この布に対して明らかに不快感を示していて、彼女の指示ではない事が分かった。
疑問を言葉にしないのは、人の感性を否定するということは勇気が必要だから。 もし自分が一生懸命に歓迎しようとしてやったのに、ナニコレ?とか言われたらショックだし?
逆に皇都ではこれが当たり前で、ナニコレ?って、聞いたら、うわぁ~田舎者だぁ~とか言われるのも嫌だから。 だから声も出さずに様子を伺う事にした。 少しだけ落ち込みながら。
カワイイお部屋……。
「陛下の大切なお客様が到着しました。 暖かい湯を準備し、長旅の疲れを癒して差し上げてください」
モイラが告げる。
フワリとした白い布が、床の上で柔らかに波打ち、足をのせていいのかと躊躇ってしまう。
「どうぞ」
モイラが入るように言う。 だけど、数日にわたる旅を終えてきたばかりの私は、アチコチ汚れていて白い部屋に入るのが躊躇われた。 足を踏み出せない私にナルサスが手を差し出すから、不安を伝えたくてジッと見た。
「抱っこする?」
「しなくていい!!」
幼い子供を扱おうとするナルサスにぷりぷりすれば、周囲から小馬鹿にするような笑い声。
「彼女は陛下にとって大切な方。 控えなさい」
諫めるモイラ。
この部屋にいる使用人の雰囲気だけは、なんか嫌い。
それに、真っ白の部屋が落ち着かない。
白い布は幾重にも重ねられていく。
重ねた布地は、家具の扉も塞いでいた。
「疲れたでしょう。 座っていいのよ」
ナルサスは完全に侍女達の存在は無視、いないような扱いをしている。 なら、私もそれに習おうと、私は白い布のかけられたソファに腰を下ろした。
一面に覆われた白い布。
普通に考えるなら、汚い田舎者だと、無暗に触るなと言う嫌がらせと考えるだろう。 でも、そんな事をしたらナルサスは注意するだろう。 それに、幾重にも重なる布地の一部にはドレスのようにレースが重ねられ、刺繍が施されている。 白地に白のレース、白の刺繍、意味をなさない豪華がそこにあった。
謎だ。
作業をしている侍女達は冷ややかな様子で作業をしていた。 白い布地を敷き詰める奇妙な作業。 彼女達は、身体を背けたままにチラチラと視線だけをこちらに向け敵意を向ける視線があった。
背後を守るように立つナルサスを見れば、シーって言いながらウィンクしてくる。
視線の動き、奇妙な敵意を持つ人がいて、落ち着かない。
「気持ち悪い」
「野蛮な大地の民を受け入れるなんて……」
「陛下も酔狂です事」
侍女達が小声で呟いた。
ヘイシオとモイラだが、侍女達に冷ややかな視線を向けていて、ナルサスはやれやれって感じ。
ぁ、な~んだ。 知ろうと思えばすぐにわかった。
ヘイシオとモイラは、皇帝陛下直属の屋敷付きの使用人で、今部屋を白く彩っているのは皇妃様直属の使用人、それは彼女達がつけている紋章でわかった。 コレは馬車の中で色々並んだ事の1つ。
この明らかな敵意が皇妃様からの贈り物らしい。
例え、どんなに美しい刺繍とレースに彩られていても。
敵意の主張なのだ。
侍女達が薄ら笑いをする。
クスクスクスクス。
そんな不愉快? 不可解な中で、ノックが響く。
「モイラ様、ヘイシオ様、陛下がお目覚めになられました」
陛下はここにいるの?
離宮に?
ぇ? え? えぇ?? 普通はお城にいるものじゃないの?
そんな疑問は、場の流れに流されていく。
「申し訳ありません。 席を外させていただきます。 アナタはエリス様に付き添いなさい」
2人を迎えに来た侍女が、命じられた言葉に戸惑っていた。
「ぇ? ぁ、その」
「あら、大丈夫よ。 私がついているから」
「では、よろしくおねがいします」
モイラは皇妃様の侍女達を無視し、ナルサスに淹れかけの茶を渡して私に茶を入れるようにと告げたが、流石にお風呂はナルサスに任せられないと、皇妃の侍女達に
「湯が沸けたらエリス様に疲れを癒していただくお手伝いをしてください」
「我々には我々のやり方があります。 命令を受けるわけにはいきません」
モイラは大きな溜息をつき、私へと視線を向けた。
私はナルサスへと視線を向けた。
「大丈夫よ。 私に任せて、ここで、侍女ごときと問答していても埒が無いでしょう?」
皇妃様の侍女達が、一斉にナルサスを睨みつける。
プライドが高いくせに集団でいることに安堵する者は、大地の民にもいたなぁ……。 そういう人って自分で余り何かを決められないのよね。 だから、ささやかな嫌がらせはしても、大きな嫌がらせは出来ない。
あれ? でも中庸の民でもそうなのかな?
良く分からないから、今は無視が正しいだろう。
「お茶をどうぞ、小鳥ちゃん」
「獣臭いガキに良い茶葉なんてもったいない……」
小さな呟きは鼻で笑いながら。
否定しようもない……。 18歳だけど、外見は子供でしかないのだから……これでも、性別が分かる程度には胸に膨らみも出てきたのだけど……まぁ、遠慮がちで、照れ屋だから、大きめの服を着ると隠れてしまいますけど。
ソレはともかく。
お茶を飲みながら、私はストレートに白い布の意味をたずねた。 この人達には嫌われても大丈夫って思えたから。
「これ、何か意味があるんですか?」
「お可愛らしいでしょう? 皇妃様のお気遣いですわ」
小ばかにした表情と笑い……。
白い布が張り終えた部屋に、侍女達が豪華な白ユリを無数に飾り始めた。 部屋はむせるほどの香りに包まれ、私は無意識に眉間を寄せる。
後で、ナルサスが説明してくれた。
全部白で覆うアレは葬式の様式なのだと……。
「こちらが、エリス様のお部屋になります」
モイラが示した1つの扉、隣接する部屋の扉との距離を考えればかなり広い。
可愛い部屋だといいなぁ。
ぁ、後、礼儀作法の本とか、あったら欲しいな。
なんて考えていると扉が開かれた。
どこまでも白かった。
視界の先の全てが白かった。
ちょっと想像していた部屋とは違っていた。
もっと、こうカワイイ部屋だと思っていたのに……。
よくよく見れば、豪華な制服に身を包んだ侍女達が忙しそうに動き回り、部屋の中に白い布を引き詰めていた。 いや、天井、壁、床、家具全てを白い布で覆うのは、どうなのでしょう?
私はモイラに視線を向ける。
コレは何?
だけど、モイラは眉間を寄せ、この布に対して明らかに不快感を示していて、彼女の指示ではない事が分かった。
疑問を言葉にしないのは、人の感性を否定するということは勇気が必要だから。 もし自分が一生懸命に歓迎しようとしてやったのに、ナニコレ?とか言われたらショックだし?
逆に皇都ではこれが当たり前で、ナニコレ?って、聞いたら、うわぁ~田舎者だぁ~とか言われるのも嫌だから。 だから声も出さずに様子を伺う事にした。 少しだけ落ち込みながら。
カワイイお部屋……。
「陛下の大切なお客様が到着しました。 暖かい湯を準備し、長旅の疲れを癒して差し上げてください」
モイラが告げる。
フワリとした白い布が、床の上で柔らかに波打ち、足をのせていいのかと躊躇ってしまう。
「どうぞ」
モイラが入るように言う。 だけど、数日にわたる旅を終えてきたばかりの私は、アチコチ汚れていて白い部屋に入るのが躊躇われた。 足を踏み出せない私にナルサスが手を差し出すから、不安を伝えたくてジッと見た。
「抱っこする?」
「しなくていい!!」
幼い子供を扱おうとするナルサスにぷりぷりすれば、周囲から小馬鹿にするような笑い声。
「彼女は陛下にとって大切な方。 控えなさい」
諫めるモイラ。
この部屋にいる使用人の雰囲気だけは、なんか嫌い。
それに、真っ白の部屋が落ち着かない。
白い布は幾重にも重ねられていく。
重ねた布地は、家具の扉も塞いでいた。
「疲れたでしょう。 座っていいのよ」
ナルサスは完全に侍女達の存在は無視、いないような扱いをしている。 なら、私もそれに習おうと、私は白い布のかけられたソファに腰を下ろした。
一面に覆われた白い布。
普通に考えるなら、汚い田舎者だと、無暗に触るなと言う嫌がらせと考えるだろう。 でも、そんな事をしたらナルサスは注意するだろう。 それに、幾重にも重なる布地の一部にはドレスのようにレースが重ねられ、刺繍が施されている。 白地に白のレース、白の刺繍、意味をなさない豪華がそこにあった。
謎だ。
作業をしている侍女達は冷ややかな様子で作業をしていた。 白い布地を敷き詰める奇妙な作業。 彼女達は、身体を背けたままにチラチラと視線だけをこちらに向け敵意を向ける視線があった。
背後を守るように立つナルサスを見れば、シーって言いながらウィンクしてくる。
視線の動き、奇妙な敵意を持つ人がいて、落ち着かない。
「気持ち悪い」
「野蛮な大地の民を受け入れるなんて……」
「陛下も酔狂です事」
侍女達が小声で呟いた。
ヘイシオとモイラだが、侍女達に冷ややかな視線を向けていて、ナルサスはやれやれって感じ。
ぁ、な~んだ。 知ろうと思えばすぐにわかった。
ヘイシオとモイラは、皇帝陛下直属の屋敷付きの使用人で、今部屋を白く彩っているのは皇妃様直属の使用人、それは彼女達がつけている紋章でわかった。 コレは馬車の中で色々並んだ事の1つ。
この明らかな敵意が皇妃様からの贈り物らしい。
例え、どんなに美しい刺繍とレースに彩られていても。
敵意の主張なのだ。
侍女達が薄ら笑いをする。
クスクスクスクス。
そんな不愉快? 不可解な中で、ノックが響く。
「モイラ様、ヘイシオ様、陛下がお目覚めになられました」
陛下はここにいるの?
離宮に?
ぇ? え? えぇ?? 普通はお城にいるものじゃないの?
そんな疑問は、場の流れに流されていく。
「申し訳ありません。 席を外させていただきます。 アナタはエリス様に付き添いなさい」
2人を迎えに来た侍女が、命じられた言葉に戸惑っていた。
「ぇ? ぁ、その」
「あら、大丈夫よ。 私がついているから」
「では、よろしくおねがいします」
モイラは皇妃様の侍女達を無視し、ナルサスに淹れかけの茶を渡して私に茶を入れるようにと告げたが、流石にお風呂はナルサスに任せられないと、皇妃の侍女達に
「湯が沸けたらエリス様に疲れを癒していただくお手伝いをしてください」
「我々には我々のやり方があります。 命令を受けるわけにはいきません」
モイラは大きな溜息をつき、私へと視線を向けた。
私はナルサスへと視線を向けた。
「大丈夫よ。 私に任せて、ここで、侍女ごときと問答していても埒が無いでしょう?」
皇妃様の侍女達が、一斉にナルサスを睨みつける。
プライドが高いくせに集団でいることに安堵する者は、大地の民にもいたなぁ……。 そういう人って自分で余り何かを決められないのよね。 だから、ささやかな嫌がらせはしても、大きな嫌がらせは出来ない。
あれ? でも中庸の民でもそうなのかな?
良く分からないから、今は無視が正しいだろう。
「お茶をどうぞ、小鳥ちゃん」
「獣臭いガキに良い茶葉なんてもったいない……」
小さな呟きは鼻で笑いながら。
否定しようもない……。 18歳だけど、外見は子供でしかないのだから……これでも、性別が分かる程度には胸に膨らみも出てきたのだけど……まぁ、遠慮がちで、照れ屋だから、大きめの服を着ると隠れてしまいますけど。
ソレはともかく。
お茶を飲みながら、私はストレートに白い布の意味をたずねた。 この人達には嫌われても大丈夫って思えたから。
「これ、何か意味があるんですか?」
「お可愛らしいでしょう? 皇妃様のお気遣いですわ」
小ばかにした表情と笑い……。
白い布が張り終えた部屋に、侍女達が豪華な白ユリを無数に飾り始めた。 部屋はむせるほどの香りに包まれ、私は無意識に眉間を寄せる。
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