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15.味方はどっち?
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長い旅の中、ナルサスとの信頼関係は結べて来た気がしたのだけど……。
皇妃様付き侍女達の意地悪なのに意地悪しきれない対応とか、今も普通にキャノが訪れると思っている事とか、彼女達の戸惑いが半端ない事とか、何か隠し事をされているような気がして落ち着かない。
喉の奥に小骨が引っかかるような?
モヤッとする。
とは言え、なんか本人達の前で色々聞く事は出来ないし……。
そうこうしているうちに、ナルサスが陛下から呼び出しを受けた。
「落ち着くまで側にいてあげたかったんだけど、ごめんなさいねぇ~。 知らない人ばかりだと怖いでしょう? ヒューゴでもココに飾っておきましょうか?」
扉の横に、ヒューゴサイズを両手で形作って見せるナルサス。
「大丈夫ですから」
苦笑交じりに言う。
余りの甘やかし? と言うか……警戒? そんなのをされると余計に心配になるって言うか、これからどうするんだろう? どうなるんだろう? そんな気にすらなってくると言うものだ。
「そう? なら、何かあったら侍女に頼みなさい」
そう言って、手で示すのは屋敷付きの侍女達で、えぇえええええって感じの反応をしていた。 ソレを見て見ぬふりをしながら、ナルサスは行った。
皇妃様付き侍女がすすすっと近寄ってきたかと思えば、きらきらした色んな色をした果物の砂糖漬けをだしてきた。
「な、何? 急に普通の物を出すだなんて」
「私達だって、貴方への嫌がらせを好きでしていた訳じゃないの。 でもね、あぁ、コレはダメだと思ったのよ。 まずは信頼関係を築かないとって。 仲良くしましょう」
屋敷付き侍女達が変な表情になっているが、その意味を読むほどの関係性はなく、私は自分の判断で会話を続けることにした。
「でも、愛妾を招くってなれば、皇妃様が不満に思うのは仕方がないと思うの……」
不安そうに言えば、すっごい馬鹿にした感じで笑われた。
「皇妃様は、そんな心の狭い方ではないわ」
「えぇ、むしろ、大地の民である貴方にですら、同情されているのよ」
「皇妃様は、とてもお優しい方なの」
ナルサスも陛下はお優しいと言っていたなぁ……と、思い出す。
「そうね……、私達が知っていた子と違う子が来たってことは、あの子には私達の善意が通じたと考えるべきなのかもしれませんわね」
「えぇ、そうよ。 そうに違いありませんわ」
なんて、きゃっきゃし始める皇妃様付き侍女と、視線をそらし悪い顔色をより悪くする屋敷付きの侍女。
「さぁ、何からお話しましょうか?」
屋敷付き侍女と違い、皇妃様付き侍女は妙に気安い……大地の民だと下に見ているせいか? それとも皇妃様付きの自分達が上だと認識しているのか……。
まだまだ観察が必要そうだ。
「お茶を入れましょう」
「さぁ、お菓子もどうぞ」
「ちょっと、止めなさいよ!!」
「あらあら、何も知らなそうな、こんな子供を騙すなんて……酷い人達ね。 心が痛まないの?」
ニヤリと意地の悪そうな笑みを浮かべる皇妃様付き侍女、そして顔を背けるが部屋を出る事が出来ない屋敷付き侍女。
私は……よく分からないから、その様子を監察し続け、結論を保留にしながら、こっそり魔法で毒チェックなどをする。
菓子にもお茶にも毒はない。
私は、お茶を一口飲み、菓子を一つ口にする。
「美味しいね」
にっこりと幼く見えるように笑って見せれば、ニコニコと皇妃様付き侍女も愛想良く笑う。 そして彼女達は話し出す。
皇帝陛下に纏わる黒い噂を。
皇妃様付き侍女達の意地悪なのに意地悪しきれない対応とか、今も普通にキャノが訪れると思っている事とか、彼女達の戸惑いが半端ない事とか、何か隠し事をされているような気がして落ち着かない。
喉の奥に小骨が引っかかるような?
モヤッとする。
とは言え、なんか本人達の前で色々聞く事は出来ないし……。
そうこうしているうちに、ナルサスが陛下から呼び出しを受けた。
「落ち着くまで側にいてあげたかったんだけど、ごめんなさいねぇ~。 知らない人ばかりだと怖いでしょう? ヒューゴでもココに飾っておきましょうか?」
扉の横に、ヒューゴサイズを両手で形作って見せるナルサス。
「大丈夫ですから」
苦笑交じりに言う。
余りの甘やかし? と言うか……警戒? そんなのをされると余計に心配になるって言うか、これからどうするんだろう? どうなるんだろう? そんな気にすらなってくると言うものだ。
「そう? なら、何かあったら侍女に頼みなさい」
そう言って、手で示すのは屋敷付きの侍女達で、えぇえええええって感じの反応をしていた。 ソレを見て見ぬふりをしながら、ナルサスは行った。
皇妃様付き侍女がすすすっと近寄ってきたかと思えば、きらきらした色んな色をした果物の砂糖漬けをだしてきた。
「な、何? 急に普通の物を出すだなんて」
「私達だって、貴方への嫌がらせを好きでしていた訳じゃないの。 でもね、あぁ、コレはダメだと思ったのよ。 まずは信頼関係を築かないとって。 仲良くしましょう」
屋敷付き侍女達が変な表情になっているが、その意味を読むほどの関係性はなく、私は自分の判断で会話を続けることにした。
「でも、愛妾を招くってなれば、皇妃様が不満に思うのは仕方がないと思うの……」
不安そうに言えば、すっごい馬鹿にした感じで笑われた。
「皇妃様は、そんな心の狭い方ではないわ」
「えぇ、むしろ、大地の民である貴方にですら、同情されているのよ」
「皇妃様は、とてもお優しい方なの」
ナルサスも陛下はお優しいと言っていたなぁ……と、思い出す。
「そうね……、私達が知っていた子と違う子が来たってことは、あの子には私達の善意が通じたと考えるべきなのかもしれませんわね」
「えぇ、そうよ。 そうに違いありませんわ」
なんて、きゃっきゃし始める皇妃様付き侍女と、視線をそらし悪い顔色をより悪くする屋敷付きの侍女。
「さぁ、何からお話しましょうか?」
屋敷付き侍女と違い、皇妃様付き侍女は妙に気安い……大地の民だと下に見ているせいか? それとも皇妃様付きの自分達が上だと認識しているのか……。
まだまだ観察が必要そうだ。
「お茶を入れましょう」
「さぁ、お菓子もどうぞ」
「ちょっと、止めなさいよ!!」
「あらあら、何も知らなそうな、こんな子供を騙すなんて……酷い人達ね。 心が痛まないの?」
ニヤリと意地の悪そうな笑みを浮かべる皇妃様付き侍女、そして顔を背けるが部屋を出る事が出来ない屋敷付き侍女。
私は……よく分からないから、その様子を監察し続け、結論を保留にしながら、こっそり魔法で毒チェックなどをする。
菓子にもお茶にも毒はない。
私は、お茶を一口飲み、菓子を一つ口にする。
「美味しいね」
にっこりと幼く見えるように笑って見せれば、ニコニコと皇妃様付き侍女も愛想良く笑う。 そして彼女達は話し出す。
皇帝陛下に纏わる黒い噂を。
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