18 / 59
02
18.皇帝陛下 01
しおりを挟む
「これはぁ~、なんとも、酷い状態ねぇ~」
いつの間にか戻って来ていた、ナルサスとモイラが、扉の方からこっちを見ていた。 何時から聞いていたのか分からないが、ご立腹なのが良く分かる。
「貴方達、今日は帰りなさい。 夜が深まるわ」
ナルサスが珍しく厳しい声で言えば、モイラがコチラへどうぞと部屋の外に出るようにと皇妃様付き侍女達に告げた。
「お待ちください!!」
声を上げたのは、皇妃様付き侍女。 厳しい視線をナルサスへと向けた。
「何よ……。 私、貴方達と違って忙しいのよ?」
「本当に、このような小さくか弱そうな方を、陛下の愛妾として迎えられるつもりですか。 そのような事、皇妃様がお許しになるとは思えません」
「お許しになるならないなんて関係ないのよ。 あっちはあっちで、男を連れ込みよろしくやっている訳じゃない? それに妻としての務めを1度たりと果たしたこともない癖に、なぁに、嫉妬? 嫉妬なの? オカシイじゃない。 なら、アンタが来なさいよ。 そう伝えておいて」
皇妃様に凄いなと、呆れるやら感心するやらだ。 そして、なんだかとんでもない事を聞かされた気がする。 私は、ここから出る事が出来るのだろうか?
冷や汗がたらたらと流れた……気分になった。
「ナルサス様!! いかにナルサス様でも、皇妃様相手にあんまりです!! あのような化け物……美しい皇妃様に触れるなんて、考えるだけでもオゾマシイ」
「あら、私も同意見よ。 皇妃として勤めを果たすつもりがないなら、干渉しないでって伝えなさい!! 貴方達、マジ、鬱陶しいから」
「ナルサス様!!」
「お優しい皇妃様が、このようなあどけない子供が犠牲になるなど、御許しになるわけありません!! 自分達がどれほど酷い事をしようとしているのか、もう一度考えて下さいませ」
「では、また……出直してまいります」
そんな事を言って、皇妃様付き侍女達は帰って行った。
その日の夜。 私は今まで食べた事のない食事を食べた。
美味しかった……けど、疲れていたのかな……とても眠くて眠くて……、もっと食べたいのに眠ってしまった。
「明かりを消し、香を」
落ち着いたモイラの声が聞こえた気がしたが、私は起きるのがとても面倒で、気づかないふりをしてそのままベッドに沈む。
闇がざわざわと揺らめく……そんな気配に目を覚まし。 目を覚ましたのだけど、恐怖で汗が溢れ出てきて、起きる事ができなかった。
気温が急激に下がりだし、甘い香りに混ざって不可思議な匂いがした。 私は、その匂いを知っている……。
「うぅぐぅ」
吐きそうになるのを、必死に堪えた。
腐敗の匂い。
死の匂い。
どんな獣もこの気配に逃げ出すだろう。
キャノはココに来る前に逃げたと言ったけれど、きっと、この匂いをかげば恐怖に叫び声をあげ、逃げ出しただろう……。 いえ、その前に皇妃様に色々忠告を受け、逃げ出し、サラリと人に押し付けたのだから……とんでもない人だと、恨み言を抱く。
扉の開く音がした。
ユックリと歩いてくる足音は3つ。
「小鳥ちゃん、香の匂いを肺いっぱいに吸いなさい」
幼子を甘やかすような、そんな優しい声だった。
汗に濡れた髪が指先に寄せられ、私は視線だけをモイラとナルサスへと向けた。 その背後にも誰かいるのに……見えない。 私は言われた通り必死で息を吸い込んだ。
身体が状態異常を起こしていると私に訴えてくる。 嗅覚が麻痺したようだ。
コフコフと咳き込みながら、私はモイラを見て冷ややかに挑発的な視線を向ければ、モイラは声を潜め懇願を含んだ声で言う。
「逃げても責められることはありません。 無理を承知でお願いします。 耐えて下さい」
「危険は?」
「絶対に、ありません」
なら、私は好奇心を優先できる。
母様の子だもの。
ナルサスの手をかり私はベッドの上で上体を起こし、その縁に腰掛けた。
闇の中に、薄暗い闇が蠢いたように見えた。
もともと暗い印象の森の中であるにもかかわらず、よりいっそう闇が深まったような気がする。 風が木々の間を流れれば、おぉぉぉ~と獣が鳴いているかのような音を立てていた。
「陛下、エリス様でござます」
ナルサスが珍しく普通に話していた。 闇の塊は人型をしており、背が高く肩幅のある男性を想像する。 私の瞳はわずかな闇の濃淡だけを捉えるしかできないが、男性の身体が歪な形をしているような気がした。
「慣れぬ人間には、暗闇はつらいだろう。 明かりを」
「陛下」
「かまわん」
「はい」
明かり一つでずいぶんと大仰なと思うよりも、男性の陛下の声が気になった。
小さな子が初めて作った不格好な笛のような、怪物が呻くような風の音のような、肉に不格好な反射で発せられる音、それが男の声。 フワリとした柔らかなオイルランタンの明かりがともされる。
私は皇帝陛下と思われる男をマジマジと見た。
それはもう不躾に、無遠慮に。
陛下は背が高く、不格好な体つきをしていた。 例えるならばゴツゴツとした瘤を持つ蛙のように、洋服に覆われた身体が歪な形を作り上げ動きにくそうに皇帝陛下はヘイシオに手を取られて歩く。
男の着ている服は、その形こそ使用人のような簡単なデザイン。 お尻を隠すほどの長い黒いシャツ。 その下のインナーとして使われている首元まで隠す黒シャツはランタンの光をテラテラと反射する変わった素材で作られていた。 黒い手袋も同じように光る素材。
そしてズボンは、貴族が好むピッチリとしたものではなく、庭師のような緩いズボン。 緩いはずなのにズボンは足の形を歪に露わにしていた。
体型の歪さが際立ち過ぎて、私が知っている陛下の情報と違う等と言う当たり前のことを思い出しすらしなかった。 目の前の存在が陛下なのか? そんなことよりも、コレは人なのか? と言う疑問が私の脳裏をよぎった。
翼ある者の好奇心が恐怖を跳ね除ける。
改めて視線を上げた。
顔を見ようと思ったのだ。
顔は隣を歩くヘイシオの3倍はありそうだった。 その頭部、顔面はスッポリかぶるマスクで覆われていた。 人としておかしいのは、目、鼻、口の穴すらあいてないのだ。
正直反応に困った。
ジッと私を見つめる『死』としか言いようのない男は、身体がゆらゆらと揺れるたびに、闇を死を思わせる気配が空間を揺らしていた。
これは怖いものだ。
そう認識しているのに、不思議にも懐かしさを私は感じていた。
いつの間にか戻って来ていた、ナルサスとモイラが、扉の方からこっちを見ていた。 何時から聞いていたのか分からないが、ご立腹なのが良く分かる。
「貴方達、今日は帰りなさい。 夜が深まるわ」
ナルサスが珍しく厳しい声で言えば、モイラがコチラへどうぞと部屋の外に出るようにと皇妃様付き侍女達に告げた。
「お待ちください!!」
声を上げたのは、皇妃様付き侍女。 厳しい視線をナルサスへと向けた。
「何よ……。 私、貴方達と違って忙しいのよ?」
「本当に、このような小さくか弱そうな方を、陛下の愛妾として迎えられるつもりですか。 そのような事、皇妃様がお許しになるとは思えません」
「お許しになるならないなんて関係ないのよ。 あっちはあっちで、男を連れ込みよろしくやっている訳じゃない? それに妻としての務めを1度たりと果たしたこともない癖に、なぁに、嫉妬? 嫉妬なの? オカシイじゃない。 なら、アンタが来なさいよ。 そう伝えておいて」
皇妃様に凄いなと、呆れるやら感心するやらだ。 そして、なんだかとんでもない事を聞かされた気がする。 私は、ここから出る事が出来るのだろうか?
冷や汗がたらたらと流れた……気分になった。
「ナルサス様!! いかにナルサス様でも、皇妃様相手にあんまりです!! あのような化け物……美しい皇妃様に触れるなんて、考えるだけでもオゾマシイ」
「あら、私も同意見よ。 皇妃として勤めを果たすつもりがないなら、干渉しないでって伝えなさい!! 貴方達、マジ、鬱陶しいから」
「ナルサス様!!」
「お優しい皇妃様が、このようなあどけない子供が犠牲になるなど、御許しになるわけありません!! 自分達がどれほど酷い事をしようとしているのか、もう一度考えて下さいませ」
「では、また……出直してまいります」
そんな事を言って、皇妃様付き侍女達は帰って行った。
その日の夜。 私は今まで食べた事のない食事を食べた。
美味しかった……けど、疲れていたのかな……とても眠くて眠くて……、もっと食べたいのに眠ってしまった。
「明かりを消し、香を」
落ち着いたモイラの声が聞こえた気がしたが、私は起きるのがとても面倒で、気づかないふりをしてそのままベッドに沈む。
闇がざわざわと揺らめく……そんな気配に目を覚まし。 目を覚ましたのだけど、恐怖で汗が溢れ出てきて、起きる事ができなかった。
気温が急激に下がりだし、甘い香りに混ざって不可思議な匂いがした。 私は、その匂いを知っている……。
「うぅぐぅ」
吐きそうになるのを、必死に堪えた。
腐敗の匂い。
死の匂い。
どんな獣もこの気配に逃げ出すだろう。
キャノはココに来る前に逃げたと言ったけれど、きっと、この匂いをかげば恐怖に叫び声をあげ、逃げ出しただろう……。 いえ、その前に皇妃様に色々忠告を受け、逃げ出し、サラリと人に押し付けたのだから……とんでもない人だと、恨み言を抱く。
扉の開く音がした。
ユックリと歩いてくる足音は3つ。
「小鳥ちゃん、香の匂いを肺いっぱいに吸いなさい」
幼子を甘やかすような、そんな優しい声だった。
汗に濡れた髪が指先に寄せられ、私は視線だけをモイラとナルサスへと向けた。 その背後にも誰かいるのに……見えない。 私は言われた通り必死で息を吸い込んだ。
身体が状態異常を起こしていると私に訴えてくる。 嗅覚が麻痺したようだ。
コフコフと咳き込みながら、私はモイラを見て冷ややかに挑発的な視線を向ければ、モイラは声を潜め懇願を含んだ声で言う。
「逃げても責められることはありません。 無理を承知でお願いします。 耐えて下さい」
「危険は?」
「絶対に、ありません」
なら、私は好奇心を優先できる。
母様の子だもの。
ナルサスの手をかり私はベッドの上で上体を起こし、その縁に腰掛けた。
闇の中に、薄暗い闇が蠢いたように見えた。
もともと暗い印象の森の中であるにもかかわらず、よりいっそう闇が深まったような気がする。 風が木々の間を流れれば、おぉぉぉ~と獣が鳴いているかのような音を立てていた。
「陛下、エリス様でござます」
ナルサスが珍しく普通に話していた。 闇の塊は人型をしており、背が高く肩幅のある男性を想像する。 私の瞳はわずかな闇の濃淡だけを捉えるしかできないが、男性の身体が歪な形をしているような気がした。
「慣れぬ人間には、暗闇はつらいだろう。 明かりを」
「陛下」
「かまわん」
「はい」
明かり一つでずいぶんと大仰なと思うよりも、男性の陛下の声が気になった。
小さな子が初めて作った不格好な笛のような、怪物が呻くような風の音のような、肉に不格好な反射で発せられる音、それが男の声。 フワリとした柔らかなオイルランタンの明かりがともされる。
私は皇帝陛下と思われる男をマジマジと見た。
それはもう不躾に、無遠慮に。
陛下は背が高く、不格好な体つきをしていた。 例えるならばゴツゴツとした瘤を持つ蛙のように、洋服に覆われた身体が歪な形を作り上げ動きにくそうに皇帝陛下はヘイシオに手を取られて歩く。
男の着ている服は、その形こそ使用人のような簡単なデザイン。 お尻を隠すほどの長い黒いシャツ。 その下のインナーとして使われている首元まで隠す黒シャツはランタンの光をテラテラと反射する変わった素材で作られていた。 黒い手袋も同じように光る素材。
そしてズボンは、貴族が好むピッチリとしたものではなく、庭師のような緩いズボン。 緩いはずなのにズボンは足の形を歪に露わにしていた。
体型の歪さが際立ち過ぎて、私が知っている陛下の情報と違う等と言う当たり前のことを思い出しすらしなかった。 目の前の存在が陛下なのか? そんなことよりも、コレは人なのか? と言う疑問が私の脳裏をよぎった。
翼ある者の好奇心が恐怖を跳ね除ける。
改めて視線を上げた。
顔を見ようと思ったのだ。
顔は隣を歩くヘイシオの3倍はありそうだった。 その頭部、顔面はスッポリかぶるマスクで覆われていた。 人としておかしいのは、目、鼻、口の穴すらあいてないのだ。
正直反応に困った。
ジッと私を見つめる『死』としか言いようのない男は、身体がゆらゆらと揺れるたびに、闇を死を思わせる気配が空間を揺らしていた。
これは怖いものだ。
そう認識しているのに、不思議にも懐かしさを私は感じていた。
1
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。
りつ
恋愛
~身代わり令嬢は強面辺境伯に溺愛される~
行方不明になった伯爵家の娘によく似ていると孤児院から引き取られたマリア。孤独を抱えながら必死に伯爵夫妻の望む子どもを演じる。数年後、ようやく伯爵家での暮らしにも慣れてきた矢先、夫妻の本当の娘であるヒルデが見つかる。自分とは違う天真爛漫な性格をしたヒルデはあっという間に伯爵家に馴染み、マリアの婚約者もヒルデに惹かれてしまう……。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる