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03
32.楽園で 02 (注、グロイ表現があります)
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ボンヤリとした意識の底を泳ぐようにただよっていた。
慣れた香り。
幸福の香り。
むせるようなユリの香りは、元美貌の少年少女達の帰るべき場所だった。
「らてぃ、れおん……」
甘い声は、彼等に続き、順に名を呼び続けていく
れおん、れおん、こちらにいらっしゃい。 猫を呼ぶように皇妃様は僕を呼んだ。 甘い声色で呼ばれたのはいつ以来だろうか? 幾度も体を重ねたけれど、それは愛情でもなければ、繁殖行為でもなく、飼い猫が媚びを売り、飼い主が愛らしいペットの媚びに満足するかのような行為でしかなかった。
ゆっくりと正気を取り戻せば、床の上に転がっていた。
「ラティ、レオン……」
皇妃ミラは、もう1度名を呼び連ねた
恐れるように視線を上げれば、皇妃ミラよりも彼女が座っている椅子に意識が奪われた。 数人の美しい少年が彫刻されている椅子。 息を飲み叫びそうになるのを堪えた。 泣いているような、叫んでいるような、奇妙にリアルな少年の1人に見覚えがあったから。
「良い椅子でしょう?」
クスクスと可憐に笑いながら皇妃ミラが笑えば、何故か無条件に感じた僕の幸福感の全てが夢だったのだと、腹の底が冷えるような気がした。
喉が渇く。
「美しい皇妃様に似合いの美しくも可憐な椅子でございます」
皇妃ミラの侍女ラティの口から、自然と言葉が口を継いで出た。 考える必要もないほどに繰り返された賛美の日々の賜物と言えるだろう。 レオンの方は、ラティとは違い震え怯えていた。 レオンの目にはラティが美しいと言った椅子が、人間を、友人を固めたようにしか見えず、自分に助けを求めているように見えたから。
「レオンは、どう思います?」
「とても素晴らしいご趣味だと思います」
意思に反して、言葉が継いで出た。
「ふぅ~ん。 まぁ、いいわ……。 で、陛下の餌に呼び寄せられた可哀そうな少女はどうなったのかしら?」
怯えながらレオンが答える。
「最初の時から接触は叶いません」
「そ、それでも!! もう少し、もう少し時間があれば、信頼を獲得することが出来るはずなんです!!」
ラティが言えば、他の侍女達も口々に声にした。
「彼女は陛下と接触しています。 そして……血を流していました。 ほら、コチラの布に痕跡がございます!!」
差し出された布を手にした皇妃は、布地についた血に舌を這わせた。
おぉぉぉおおおおおおおお!
歓喜に震え上げる雄たけびは、本人の意識するところにないのだろう。 だが、彼女を慕う、慕っていた侍女、騎士達には、それは獣の咆哮に思えた。
「そう……。 そうなのね。 だけれど、コレでは、このような物を相手では、化け物と呼ばれる事に心傷つきながらも、大金と共に放逐する陛下とて、簡単に手放すとは思えないわ……」
ギリギリと歯をかみしめれば、偽陛下は囁くように告げる。
「美しいもの、幸福なもの、華やかなもの、アナタはそんな世界に生きるべき存在です」
「そう、そうよね……」
皇妃様は深呼吸を繰り返す。 繰り返す理由は、今ミラの気持ちは、幸福ではなかったから、
「それで、貴方達は、少女の安否を確認しましたの? 優しい言葉に甘い菓子、沢山の美しい花々、その子のためのドレスや靴を持ち、救いの手を差し伸べましたの?」
「いえ……屋敷の使用人が何処までも邪魔をしたせいで……」
「だから放置したと? あぁ、なんて可哀そうな……。 その子は陛下を思い出しては嘆き、逃げ出せぬ森に恐怖している事でしょう。 貴方達はそんな哀れな子を顧みる事もできませんの? なんて、なんて酷い……」
「あぁ、皇妃、そなたは本当に優しい……。 そして誰よりも美しい。 その少女を連れてこれぬと言うことは、其方たちの皇妃への忠誠心が足りぬと言う事だ」
「も、申し訳ありません!!」
「すぐに探しに戻ります!!」
「そう……もう一度だけチャンスを上げるわ……しっかりと務めなさい」
天井につるされていた肉の塊、バラバラにされた肉の塊は、何人分の人間だったかもわからない。
「おやぁ、折角準備をしたと言うのに」
ぴちゃんぴちゃんと血が落ちる。
「良い具合に血が抜けもうす」
「固まらずぽつぽつ落ちまする」
「とても良くできてもうす」
「早く命の抜けカス片づけまする」
「浴槽の中の肉は綺麗に回収しもうす」
ダラダラと小さな人がヨダレを垂らす。 抜けカスと言っているが実際には、ぶつ切りにされている肉の塊には精神がとどまり、夢を見続け、生命エネルギーを漂わせている。
浴槽に満たされた赤い液体に、細かな目をした網を突っ込みまわし、肉を回収する。
「あぁ、美味しそうでございまする」
「つまみ食いは怒られもうす」
「陛下を怒らせるのは危険でまする」
「怖い怖いフルフル心ゆれもうす」
小さき人は、浴槽の縁に並べられた首をうっとり眺める。
「残念でなりませぬ」
「とてもとても残念でする」
「アレはとても美しかったでする」
「アレのために刃物を研ぎすましたでする」
「残念」
小さき人は、残念残念と鳴き、踊り、並ぶ首に口づける。
「しっししし、美味しいですぞ」
「いやらしいことですぞ」
「キスをするなんて破廉恥でもうす」
「アナタ達もすればいいですぞ」
「いいねいいね。 柔らかな肉に顔を埋めもうす」
「柔らかな肉に欲望をつき付けまする」
「あとよ、あと、皇妃様のために美しく」
老人とも赤ん坊ともわからぬ皺だらけの顔をした、豊かな髪の小さな人は、彼等の基準で片づけを進めた。
黒い陶器で作られたタイルの上に、血がぴちゃりピチャリと落ちる。
「いい香り、大好きなユリの香りと似ているわ。 どうかしら?」
年若くも見え、老齢したようにも見える不思議な少年が問われれば、恍惚とした様子で答えた。
「凄くいい。 これほど素敵な食事をこの世界で準備できる者は、皇妃様以外には存在しないでしょうね。 世俗に属されず、ただ美しく養殖された人間。 仄かな隠し味の感情も悪くはない」
赤い赤い液体が満ちた大きな浴槽。
その縁には首が飾られていた。
少年の声はミラが陛下と呼ぶ存在。 美しい皇妃ミラを抱きしめた少年は、ミラの女性らしくも柔らかい体にまとわりつく赤い液体を舐めとっていた。
「とても美味しいよ」
「あぁ、アナタに喜んでもらって嬉しいわ。 私、ただの人間だけど、血を浴びると私も活性化する気がするのよね」
「それは、あるんじゃないかな? 人の血肉には、生体エネルギーに魔力エネルギーが宿る。 何も分からず死んだ君の信者は、死んだ後も君を愛して愛してその心をエネルギーに変えて君を満たす。 君は珍しくも人間のまま、生者のまま、特別な存在となっているんだよ」
少年は甘く甘く囁き、皇妃ミラの身体を隅々まで舌を這わせる。
秘密は甘美に味付ける。
その頃のエリスと言えば、小鳥のままケーキを食い荒らしていた。
慣れた香り。
幸福の香り。
むせるようなユリの香りは、元美貌の少年少女達の帰るべき場所だった。
「らてぃ、れおん……」
甘い声は、彼等に続き、順に名を呼び続けていく
れおん、れおん、こちらにいらっしゃい。 猫を呼ぶように皇妃様は僕を呼んだ。 甘い声色で呼ばれたのはいつ以来だろうか? 幾度も体を重ねたけれど、それは愛情でもなければ、繁殖行為でもなく、飼い猫が媚びを売り、飼い主が愛らしいペットの媚びに満足するかのような行為でしかなかった。
ゆっくりと正気を取り戻せば、床の上に転がっていた。
「ラティ、レオン……」
皇妃ミラは、もう1度名を呼び連ねた
恐れるように視線を上げれば、皇妃ミラよりも彼女が座っている椅子に意識が奪われた。 数人の美しい少年が彫刻されている椅子。 息を飲み叫びそうになるのを堪えた。 泣いているような、叫んでいるような、奇妙にリアルな少年の1人に見覚えがあったから。
「良い椅子でしょう?」
クスクスと可憐に笑いながら皇妃ミラが笑えば、何故か無条件に感じた僕の幸福感の全てが夢だったのだと、腹の底が冷えるような気がした。
喉が渇く。
「美しい皇妃様に似合いの美しくも可憐な椅子でございます」
皇妃ミラの侍女ラティの口から、自然と言葉が口を継いで出た。 考える必要もないほどに繰り返された賛美の日々の賜物と言えるだろう。 レオンの方は、ラティとは違い震え怯えていた。 レオンの目にはラティが美しいと言った椅子が、人間を、友人を固めたようにしか見えず、自分に助けを求めているように見えたから。
「レオンは、どう思います?」
「とても素晴らしいご趣味だと思います」
意思に反して、言葉が継いで出た。
「ふぅ~ん。 まぁ、いいわ……。 で、陛下の餌に呼び寄せられた可哀そうな少女はどうなったのかしら?」
怯えながらレオンが答える。
「最初の時から接触は叶いません」
「そ、それでも!! もう少し、もう少し時間があれば、信頼を獲得することが出来るはずなんです!!」
ラティが言えば、他の侍女達も口々に声にした。
「彼女は陛下と接触しています。 そして……血を流していました。 ほら、コチラの布に痕跡がございます!!」
差し出された布を手にした皇妃は、布地についた血に舌を這わせた。
おぉぉぉおおおおおおおお!
歓喜に震え上げる雄たけびは、本人の意識するところにないのだろう。 だが、彼女を慕う、慕っていた侍女、騎士達には、それは獣の咆哮に思えた。
「そう……。 そうなのね。 だけれど、コレでは、このような物を相手では、化け物と呼ばれる事に心傷つきながらも、大金と共に放逐する陛下とて、簡単に手放すとは思えないわ……」
ギリギリと歯をかみしめれば、偽陛下は囁くように告げる。
「美しいもの、幸福なもの、華やかなもの、アナタはそんな世界に生きるべき存在です」
「そう、そうよね……」
皇妃様は深呼吸を繰り返す。 繰り返す理由は、今ミラの気持ちは、幸福ではなかったから、
「それで、貴方達は、少女の安否を確認しましたの? 優しい言葉に甘い菓子、沢山の美しい花々、その子のためのドレスや靴を持ち、救いの手を差し伸べましたの?」
「いえ……屋敷の使用人が何処までも邪魔をしたせいで……」
「だから放置したと? あぁ、なんて可哀そうな……。 その子は陛下を思い出しては嘆き、逃げ出せぬ森に恐怖している事でしょう。 貴方達はそんな哀れな子を顧みる事もできませんの? なんて、なんて酷い……」
「あぁ、皇妃、そなたは本当に優しい……。 そして誰よりも美しい。 その少女を連れてこれぬと言うことは、其方たちの皇妃への忠誠心が足りぬと言う事だ」
「も、申し訳ありません!!」
「すぐに探しに戻ります!!」
「そう……もう一度だけチャンスを上げるわ……しっかりと務めなさい」
天井につるされていた肉の塊、バラバラにされた肉の塊は、何人分の人間だったかもわからない。
「おやぁ、折角準備をしたと言うのに」
ぴちゃんぴちゃんと血が落ちる。
「良い具合に血が抜けもうす」
「固まらずぽつぽつ落ちまする」
「とても良くできてもうす」
「早く命の抜けカス片づけまする」
「浴槽の中の肉は綺麗に回収しもうす」
ダラダラと小さな人がヨダレを垂らす。 抜けカスと言っているが実際には、ぶつ切りにされている肉の塊には精神がとどまり、夢を見続け、生命エネルギーを漂わせている。
浴槽に満たされた赤い液体に、細かな目をした網を突っ込みまわし、肉を回収する。
「あぁ、美味しそうでございまする」
「つまみ食いは怒られもうす」
「陛下を怒らせるのは危険でまする」
「怖い怖いフルフル心ゆれもうす」
小さき人は、浴槽の縁に並べられた首をうっとり眺める。
「残念でなりませぬ」
「とてもとても残念でする」
「アレはとても美しかったでする」
「アレのために刃物を研ぎすましたでする」
「残念」
小さき人は、残念残念と鳴き、踊り、並ぶ首に口づける。
「しっししし、美味しいですぞ」
「いやらしいことですぞ」
「キスをするなんて破廉恥でもうす」
「アナタ達もすればいいですぞ」
「いいねいいね。 柔らかな肉に顔を埋めもうす」
「柔らかな肉に欲望をつき付けまする」
「あとよ、あと、皇妃様のために美しく」
老人とも赤ん坊ともわからぬ皺だらけの顔をした、豊かな髪の小さな人は、彼等の基準で片づけを進めた。
黒い陶器で作られたタイルの上に、血がぴちゃりピチャリと落ちる。
「いい香り、大好きなユリの香りと似ているわ。 どうかしら?」
年若くも見え、老齢したようにも見える不思議な少年が問われれば、恍惚とした様子で答えた。
「凄くいい。 これほど素敵な食事をこの世界で準備できる者は、皇妃様以外には存在しないでしょうね。 世俗に属されず、ただ美しく養殖された人間。 仄かな隠し味の感情も悪くはない」
赤い赤い液体が満ちた大きな浴槽。
その縁には首が飾られていた。
少年の声はミラが陛下と呼ぶ存在。 美しい皇妃ミラを抱きしめた少年は、ミラの女性らしくも柔らかい体にまとわりつく赤い液体を舐めとっていた。
「とても美味しいよ」
「あぁ、アナタに喜んでもらって嬉しいわ。 私、ただの人間だけど、血を浴びると私も活性化する気がするのよね」
「それは、あるんじゃないかな? 人の血肉には、生体エネルギーに魔力エネルギーが宿る。 何も分からず死んだ君の信者は、死んだ後も君を愛して愛してその心をエネルギーに変えて君を満たす。 君は珍しくも人間のまま、生者のまま、特別な存在となっているんだよ」
少年は甘く甘く囁き、皇妃ミラの身体を隅々まで舌を這わせる。
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