【R18】婚約者がとんでもない女を運命のツガイだといいました。 そして私は運命に出会う。【完結】

迷い人

文字の大きさ
53 / 59
04

53.それも一つの確認

しおりを挟む
 荒れた呼吸。
 なのに、エリスの心は何処までも穏やかに水面に佇むよう。

「んっ……」

 甘い声を上げるのは、心地よく優しい快楽をカイルがエリスの身体に与え続けているから。 エリスの身体に触れるカイルの手が、エリスの頬を撫で、胸を撫で、腹を撫で、脇を撫で、腰、背、尻、足、あらゆる場所が優しく撫で、口づけが落とされ、舌が這い、ギリギリの欲望が滑らかな肌に牙を食い込ませることを耐えていた。

「ぁっ……んっ」

 チュッと穏やかな口づけがエリスに落とされ、抱きしめられ、そして……撫でられる。

「カ、イル」

「そのまま、お眠り」

 耳元に囁かれる声は何処までも優しいのに、切なく苦しそうだった。

 だけれど、カイルの抑えきれなかった欲望に、与え続けられた快楽は、エリスを快楽から解放する事は無く、甘く甘く欲望を、快楽を積み重ねていた。

「ダメ、無理、お願い……お腹が熱いの。 ちょうだい……。 知っているのよ? 知っているの……」

 そっと指先が伸ばされる先にあるのは、固く反り立ったイチモツ。 指先でなぞるように撫で、そっと包み込むように指が触れる。

「え、リス?」

 驚いたような瞳が、面白くて……エリスは余裕のない中でぎこちなく笑う。

「中が、熱いの……収まらない……だから……」

 カイルの手が、両足の間へと伸ばされ、指が沈められた。 グズグズと濡れ溶ける熱が、指に絡みつく。

「ぁっ……」

「あぁ、本当ですね。 中が、とても熱い……」

 カイルは、エリスの奥に深く収めた指をくちゅくちゅと音を鳴らしながら、蜜に指を濡らし中をかき回す。

「ダメっ……」

「ダメ?」

「恥ずかしい……」

「散々、誘っておいてですか?」

 いやらしい水音が部屋の中に響いていた。

「ぁっ……」

 固く膨張したカイルの欲望に触れる手が、ゆるりと離された。 指先が先端を撫で触れれば、ピクッと反応する。

「いけない子だ」

 抱き締められ、甘く耳元に囁かれれば、腹の奥が疼き、甘い熱が溢れてくる。 身体の熱に反する穏やかな心地良さ、その幸福に泣きたくなってくる。

 くちゅりと中が引っかかれ、抉られ、かき混ぜられる。

「違う……それじゃないの……」

「えぇ、分かって、いますよ」

 頬に口づけ、柔らかな胸に手を触れ、わずかな力で撫でて、先端を優しく引っかき、そして濡れた指を引き抜き、代わりに固く膨張したイチモツを押し当てた。

「んっ……ふっく、ぁっあああ」

 恐怖の混ざった快楽、熱く、太く、硬いモノが中を広げ押し入ってくる。 熱を持ち、快楽に疼く粘膜が擦られ押し広げられ、肉と肉が擦れ、混ざり合うような快楽に、もっと、甘く、深くと腰を揺らす。

「ぁ、あああっ、気持ちいい、よぉ……」

「あぁ、カワイイよ……エリス……」

 エリスの細く頼りない腰を引き寄せ、カイルは深く深く中に押し付ける。 エリスは、痛みとも、快楽ともつかぬ圧迫感と、溶けるような熱に呼吸を乱し、喘ぎ声をもらす。 激しく悶え、のけ反り、喘ぐエリスは、それでも、手を伸ばしカイルを求めていた。

 カイルはエリスの手に手を合わせ、指を絡め、そして口づけ、甘く歯を立てながら、ユックリとエリスの中のモノを引き抜き、奥へと押し込め、熱い肉の壁面を幾度となく擦りつける。

 全てをその肉の器に収めようとするカイルは、腰を叩きつけるように奥深くをぐりぐりと押し付け擦りつけてくれば、じわじわと内側から溢れるような刺激は電流が流れるように激しく揺さぶられ震える。

「ぁっ、くっ……ふっ」

 激しい刺激に涙が流れた。 意識の翻弄に、身を任せれば、はしたなく喘ぎを漏らす口元から唾液が零れる。

「エリス、エリス!!」

 名を呼ばれ、繋ぐ手に、絡める指に力をこめられ、穿つ動きが早くなりカイルの声の熱が高まり、電流のように激しく全身を巡る快楽にエリスが恐怖を覚えれば、腰が無意識に逃げていた。

 幾度となく止めるチャンスはあったが、ソレはもうエリスにもたらされる事無く、カイルは激しく抽送を繰り返す。

 カイルは快楽に眉間を寄せ、甘く首筋に噛みついた。

「ひっ、ぁ、ああっ、ああ!!」

 絶頂に絶頂が重なり合うような、強烈な快楽に酔い、身体は弓なりに跳ね身体がヒクヒクと痙攣し、脈打つ熱が固く太い欲望を締め付ければ、二人の快楽は蕩けて弾ける。

「あっ、ああぁっ!! あぁ……ダメ、もう。 いっちゃう」

「何度でもイケばいい」

 繋いだ手を離し、抱きしめ、その身体を撫で触れる。 肌と肌が触れて、撫で、溶け合うような刺激は快楽を混ぜ合う。 エリスは泣きながら恍惚に甘い声を漏らし、狂うように快楽に震える。

「ぁ、あ、カイル、カイル……もっと、お願い、もっと」

「いやらしい子だ。 カワイイ……」

 カラカウようなカイルの声にも、もう余裕はない。

 溢れる蜜が、淫らかに水音を鳴らし、肉と肉を打つ音が部屋に響き渡る。 力が混ざりあわせ2人は余裕なくお互いを快楽に追い詰めていく。

「っ、もっと、もっとだ……」

 カイルは乱暴に穿ち、擦り、叩きつけ、そんな乱暴な動きにさえも、エリスは喜びよがりすすり泣く。

「あぁあああっ、あああ――っ!!」

「くっ、」

 快楽が2人を溶かし、2人は絶頂を迎え、エリスの奥深くで2人を形作るエネルギーが混ざりあい、心地よい深みへと堕ちていった。



 未熟な二人の交わりは、お互いを完璧な存在へと近づけたことを、無意識に実感し二人は抱き合い眠りについた。 どこまでもお互いを必要としながら……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。

りつ
恋愛
~身代わり令嬢は強面辺境伯に溺愛される~ 行方不明になった伯爵家の娘によく似ていると孤児院から引き取られたマリア。孤独を抱えながら必死に伯爵夫妻の望む子どもを演じる。数年後、ようやく伯爵家での暮らしにも慣れてきた矢先、夫妻の本当の娘であるヒルデが見つかる。自分とは違う天真爛漫な性格をしたヒルデはあっという間に伯爵家に馴染み、マリアの婚約者もヒルデに惹かれてしまう……。

公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

誰でもイイけど、お前は無いわw

猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。 同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。 見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、 「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」 と言われてしまう。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...