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04.裏切者たちの叫び
39.告白 01
寄り添うラシェルが毛並みを撫でる指先に、ユーグは激しく動揺していた。
な、何? 食って良しって事?
いや、でも……。 ケヴィンとの失恋を癒すために利用されるのは、少しヤダ……。 俺に抱かれながら他の男を思うってのは想像するとかなりきつい……。
狭量だろうか?
とは言え、俺を俺だと知りながら抱き着いて、甘えてくるって……。
チラリと見上げるが、見える位置は胸元だけ。 呼吸に合わせて上下する柔らかなふくらみに鼓動が早くなる。 優しく柔らかく撫でる手つきが、緩やかな愛撫を思わせて、身体も心も擽ったい。
人の気も知らず……。
もう、襲ってもいいよな? だって、向こうから誘ってきたんだし?? と、言い訳をしたところ、抱き着いてきていたラシェルの身体がズルリと滑り落ち、慌てて支えるために人型に戻った。
「ぇ? ぁ……寝てる?」
「慣れない日々に疲れたのでしょう。 馬車に連れて行って差し上げて下さい。 私共はそれぞれ片付けを終えてから参りますので」
「えっと……、寝床はどう割り当てるんだ?」
「カリナが来たので、カリナとメイリーは向こうで、私と主とラシェルは今まで通りで」
「お世話と護衛のために私を呼び寄せたのではないのですか?」
「女性同士でなけいと不都合なところはお願いしますが、万全な状態でお守りしたいですし……。 まぁ、精神的にもろいところがあるので、動物は良い癒しになりますから」
「誰が動物だ」
「しばらくは、そうやって寄り添っているのがよろしいのではございませんか?」
等と言われれば、まぁ……いっかぁと思ってしまう訳だが……。
しないって、しないって言ったけど、結構きつかった……。
そして、翌日から私達は5人でバルゲリー公爵領を目指す事となる。
「繍呪布が贅沢に使えるとは言っても、ラシェル様は贅沢です!! これは隠密の旅ですよ?! 分かっているんですか?!」
そう怒るのは、身の回りの世話係として合流したメイリー。
「ぇ? でも、馬車での移動中は暇ですし?」
繍呪布を使う事で馬車内でも熱が使えるのだから、煮炊きには困らない。 鍋自体を宙に少し浮かせてしまえば馬車の振動で揺れる事は無い。 当然、包丁を使う私も少し浮いているだけで危険を回避できる。
「新鮮な食材を分けていただいたから……」
頂いたと言う言い方をしても代金は支払っている。 今日は途中の村で仕入れたキノコを使い炊き込みご飯と汁物を作っていた。 因みに求められたのは傷薬と、武器。 武器はないので主に薬を提供。
二十数名の村にいる男達の大半が傷を負っており事情を聞けば、今年の獣たちは気が荒いらしく、山に入るのも危険で冬用の薪の支度がなかなか進まないのだそうだ。 治癒は身分がばれると禁じられているし、一時的に直してもまたケガをすれば意味が無いからと、獣除けのお守りを簡易的に作って渡したお礼を色々と貰ったのだ。
ちなみに、そこらへんに落ちている石に魔力を込めただけ。 強い者がいると分かれば獣も寄ってこないからね。
そんな訳で、食材が沢山あるから料理に励んでいたのである。
「そもそも未来の公爵夫人が料理をなさるとは!!」
「公爵夫人?」
私は首を傾げながら、馬車から里芋と干し肉ときのこの入った汁物をメイリーに渡せば、後ろからそわそわした様子でキノコと雉肉の入った鍋を持ち落ち着かないカリナを先に馬車から降ろした。
「私、将来は料理人になろうかなと最近考えているんです」
「ラシェル様のご飯は、美味しいですからね!!」
絶賛するカリナが、メイリーに睨まれる。
「まぁまぁ、こう旅をしていると、地域ごとに色んな食材と巡り合えるでしょう? あぁカリナ、ヨダレおとしたら食事抜きよ」
色気より食い気ならしいカリナは、今となってはユーグやサージュ以上に私に懐いていると言って良いだろう。
休憩のために焚火の準備をしているサージュが、声を控えつつも怒気を混ぜて訴えてくる。
「料理は、趣味に収めておいてくださいませ。 と言うか、頻繁に旅に出られるなんて考えないで下さい!! 貴方の立場は、主以上に微妙なんですから!!」
私の背後にいたユーグは私を軽々と抱えあげ荷台部分から降りるから、私はその首元に腕を回し頬に頬を摺り寄せ耳元で囁く。
「愛しているって言って」
にっこり笑って言えば、憮然としながらもボソリとユーグは言う。
「愛してるよ」
チュッと私は頬に口づけるが、ユーグは納得いかないと言うか憮然とした表情だった。
愛ってなんだろう?
やっぱり良く分からないけれど、私は彼を大切に思っているし、彼のために怒る事もできる。 触れ合う肌は心地よいし……ユーグと分かってからは、してないけれど……。
「ユーグ」
「なんだ?」
「次に神殿を見かけたら、結婚しようか?」
「はぁあああああ?!」
な、何? 食って良しって事?
いや、でも……。 ケヴィンとの失恋を癒すために利用されるのは、少しヤダ……。 俺に抱かれながら他の男を思うってのは想像するとかなりきつい……。
狭量だろうか?
とは言え、俺を俺だと知りながら抱き着いて、甘えてくるって……。
チラリと見上げるが、見える位置は胸元だけ。 呼吸に合わせて上下する柔らかなふくらみに鼓動が早くなる。 優しく柔らかく撫でる手つきが、緩やかな愛撫を思わせて、身体も心も擽ったい。
人の気も知らず……。
もう、襲ってもいいよな? だって、向こうから誘ってきたんだし?? と、言い訳をしたところ、抱き着いてきていたラシェルの身体がズルリと滑り落ち、慌てて支えるために人型に戻った。
「ぇ? ぁ……寝てる?」
「慣れない日々に疲れたのでしょう。 馬車に連れて行って差し上げて下さい。 私共はそれぞれ片付けを終えてから参りますので」
「えっと……、寝床はどう割り当てるんだ?」
「カリナが来たので、カリナとメイリーは向こうで、私と主とラシェルは今まで通りで」
「お世話と護衛のために私を呼び寄せたのではないのですか?」
「女性同士でなけいと不都合なところはお願いしますが、万全な状態でお守りしたいですし……。 まぁ、精神的にもろいところがあるので、動物は良い癒しになりますから」
「誰が動物だ」
「しばらくは、そうやって寄り添っているのがよろしいのではございませんか?」
等と言われれば、まぁ……いっかぁと思ってしまう訳だが……。
しないって、しないって言ったけど、結構きつかった……。
そして、翌日から私達は5人でバルゲリー公爵領を目指す事となる。
「繍呪布が贅沢に使えるとは言っても、ラシェル様は贅沢です!! これは隠密の旅ですよ?! 分かっているんですか?!」
そう怒るのは、身の回りの世話係として合流したメイリー。
「ぇ? でも、馬車での移動中は暇ですし?」
繍呪布を使う事で馬車内でも熱が使えるのだから、煮炊きには困らない。 鍋自体を宙に少し浮かせてしまえば馬車の振動で揺れる事は無い。 当然、包丁を使う私も少し浮いているだけで危険を回避できる。
「新鮮な食材を分けていただいたから……」
頂いたと言う言い方をしても代金は支払っている。 今日は途中の村で仕入れたキノコを使い炊き込みご飯と汁物を作っていた。 因みに求められたのは傷薬と、武器。 武器はないので主に薬を提供。
二十数名の村にいる男達の大半が傷を負っており事情を聞けば、今年の獣たちは気が荒いらしく、山に入るのも危険で冬用の薪の支度がなかなか進まないのだそうだ。 治癒は身分がばれると禁じられているし、一時的に直してもまたケガをすれば意味が無いからと、獣除けのお守りを簡易的に作って渡したお礼を色々と貰ったのだ。
ちなみに、そこらへんに落ちている石に魔力を込めただけ。 強い者がいると分かれば獣も寄ってこないからね。
そんな訳で、食材が沢山あるから料理に励んでいたのである。
「そもそも未来の公爵夫人が料理をなさるとは!!」
「公爵夫人?」
私は首を傾げながら、馬車から里芋と干し肉ときのこの入った汁物をメイリーに渡せば、後ろからそわそわした様子でキノコと雉肉の入った鍋を持ち落ち着かないカリナを先に馬車から降ろした。
「私、将来は料理人になろうかなと最近考えているんです」
「ラシェル様のご飯は、美味しいですからね!!」
絶賛するカリナが、メイリーに睨まれる。
「まぁまぁ、こう旅をしていると、地域ごとに色んな食材と巡り合えるでしょう? あぁカリナ、ヨダレおとしたら食事抜きよ」
色気より食い気ならしいカリナは、今となってはユーグやサージュ以上に私に懐いていると言って良いだろう。
休憩のために焚火の準備をしているサージュが、声を控えつつも怒気を混ぜて訴えてくる。
「料理は、趣味に収めておいてくださいませ。 と言うか、頻繁に旅に出られるなんて考えないで下さい!! 貴方の立場は、主以上に微妙なんですから!!」
私の背後にいたユーグは私を軽々と抱えあげ荷台部分から降りるから、私はその首元に腕を回し頬に頬を摺り寄せ耳元で囁く。
「愛しているって言って」
にっこり笑って言えば、憮然としながらもボソリとユーグは言う。
「愛してるよ」
チュッと私は頬に口づけるが、ユーグは納得いかないと言うか憮然とした表情だった。
愛ってなんだろう?
やっぱり良く分からないけれど、私は彼を大切に思っているし、彼のために怒る事もできる。 触れ合う肌は心地よいし……ユーグと分かってからは、してないけれど……。
「ユーグ」
「なんだ?」
「次に神殿を見かけたら、結婚しようか?」
「はぁあああああ?!」
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