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第10話

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「新人は?」



「初参加のかたは、過去最高です。たしかマーヘン様をお入れして百三人でございます」



「ひゃっ、百三人!?」



ギルバートの話を聞いてあたしは不覚にも、素っ頓狂な声を出してしまった。



「驚かれるのも無理はありません、いつもはだいたい多くて五十人くらいですから。かくいう私も飛び上がってしまいました」



前を見据えながらギルバートがよく通る声を発する。飛びあがったって・・・まあ、他人がどうリアクションしようが、かまわないけど・・・。変なやつ・・・。



「情報を教えてくれてありがとう、ギルバート。家までずっと歩き詰めだったから疲れたわ。少し休んでいいかしら?」



「はい。もちろんです、マーヘン様。到着したらお起こしさせてもらいます」



「そっ。じゃあよろしくね」



ギルバートに起こしてくれるように頼んだあたしはゆっくりと目を閉じた。思ったよりも疲れていたらしく、すぐにあたしを心地よい眠りに誘ってくれた。



「マーヘン様、到着しました」



「ふぁーあ、もうついたの?」



あたしはギルバートの声に眠気を堪えて目を開けた。



「どのくらい寝てた?」



「しっかりとはかっていたわけではありませんが六時間ほどかと」



「そう、ずいぶん早くついたみたいね」



「はい、一度も休まずに・・・といっても二度ほど馬をかえましたが、走り詰めでした」



事もなげにいってくる。



「そんなによく体力がつづくわね。大丈夫なの?」



「はい!私が今回マーヘン様をお送りするのに抜擢された理由はまさにこのことでしたから」



ギルバートによると彼は王都のなかでも随一の馬使いらしい。



「随分と早くついたわねー」



あたしが感心の声をあげるとギルバートは照れたように笑って、



「半日のところを4時間短縮できました」
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