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第21話
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「本当ですね、あの門兵達とは顔見知りで、普段は会釈するだけで通してくれたのですけど・・・」
「へー。・・・でも律儀に答えてたわね、ギル」
あたしの何気ない問いに、ギルバートはなぜか顔を赤くして、
「あっ、いえ、その・・・」
もじもじとする。ありゃりゃ、少しは度胸がついたと思ったけど・・・まだまだね・・・この調子じゃあ・・・。
「ねえギル?」
「は・・・はい!」
あたしの呼び掛けに今だもじもじしていたギルバートが今度ははっきりと返事する。
「あたしの思い過しならいいのだけど・・・過ぎてない?・・・目的地・・・」
「へっ・・・?」
あたしの言ったことが理解できなかったのかギルバートが間の抜けた声を上げる。ギルバートは急ぎ、まわりを見渡し、
「あっ!?申し訳ありません、マーヘン様の言う通りです。」
やっぱり・・・あれが目的地だったようね・・・世界大会場『W・O・P』・・・その名の通り世界一を決める場で今から何千年も昔からあるとされる。
何千年もたっているにもかかわらず、建物にはそれを感じさせる要素は見当たらない。
そういえば、昔お爺ちゃんに聞いたことが会ったっけ、
「あれには魂がこめられている、だから何年何千年たとうが変わらぬままなのだ」
とあの時はあたしもまだまだひよっこで・・・いまでもひよっこかもしれないけど、そのために今回挑戦するんだし、それはおいといて・・・実物をみたこともなかったから、お爺ちゃんの言ったことは全然わからなかった。
でも、今なら何となくわかる気がする。この建物に込められた『意志』のようなものが・・・。
「ところで、あたしはこれからどうするればいいの?ギル」
感傷に浸っている余裕はない、あたしにはやることが待っているのだ。自分の力を試すことが・・・。
「はい、では、しばらくの間こちらでお待ちいただけますか?私は馬車を預けてきますので」
馬車の入り口を開けてギルバートが言ってきた。あたしは、馬車から降りギルバートの言葉に従う。
「ただ眺めているだけでいいものね、ここは」
あたしが一人ごちたのはギルバートと別れてから少したってのことだった。
ギルバートの話では、馬車を預けるのに半刻ほどかかるとのことであった。
あたしはこれ幸いと、その辺をぶらぶらと見て回ることにしたのだが・・・如何せん、普段見慣れぬ活気に目を奪われていた。
世界大会が近いためか、道行く人は咲き乱れ、思い思いにそこかしここに出店された露店に集まる人であふれていた、はじめてみた活気に新鮮さを感じ、あたしはただぶらぶらと歩きながら眺めている。
そんなとき、
「おらおらーてめぇらどきやがれ」
ガラガラの濁声が響きわたる。何よ一体?人がいい気分にひたっているのに・・・。
あたしは一言文句をいってやろうと、声のしたほうにむかって歩いていく。
「どけっつってんだろ!」
「きゃあ・・・」
あたしが着いたときには、先程の声の主、なるほどこういうやつの声なのねとだれもが納得するようなごつい男にか弱い女の人が突き飛ばされたみたいだ。
こういう輩はのちの世のためにヤキ入れとかなきゃね。
「へー。・・・でも律儀に答えてたわね、ギル」
あたしの何気ない問いに、ギルバートはなぜか顔を赤くして、
「あっ、いえ、その・・・」
もじもじとする。ありゃりゃ、少しは度胸がついたと思ったけど・・・まだまだね・・・この調子じゃあ・・・。
「ねえギル?」
「は・・・はい!」
あたしの呼び掛けに今だもじもじしていたギルバートが今度ははっきりと返事する。
「あたしの思い過しならいいのだけど・・・過ぎてない?・・・目的地・・・」
「へっ・・・?」
あたしの言ったことが理解できなかったのかギルバートが間の抜けた声を上げる。ギルバートは急ぎ、まわりを見渡し、
「あっ!?申し訳ありません、マーヘン様の言う通りです。」
やっぱり・・・あれが目的地だったようね・・・世界大会場『W・O・P』・・・その名の通り世界一を決める場で今から何千年も昔からあるとされる。
何千年もたっているにもかかわらず、建物にはそれを感じさせる要素は見当たらない。
そういえば、昔お爺ちゃんに聞いたことが会ったっけ、
「あれには魂がこめられている、だから何年何千年たとうが変わらぬままなのだ」
とあの時はあたしもまだまだひよっこで・・・いまでもひよっこかもしれないけど、そのために今回挑戦するんだし、それはおいといて・・・実物をみたこともなかったから、お爺ちゃんの言ったことは全然わからなかった。
でも、今なら何となくわかる気がする。この建物に込められた『意志』のようなものが・・・。
「ところで、あたしはこれからどうするればいいの?ギル」
感傷に浸っている余裕はない、あたしにはやることが待っているのだ。自分の力を試すことが・・・。
「はい、では、しばらくの間こちらでお待ちいただけますか?私は馬車を預けてきますので」
馬車の入り口を開けてギルバートが言ってきた。あたしは、馬車から降りギルバートの言葉に従う。
「ただ眺めているだけでいいものね、ここは」
あたしが一人ごちたのはギルバートと別れてから少したってのことだった。
ギルバートの話では、馬車を預けるのに半刻ほどかかるとのことであった。
あたしはこれ幸いと、その辺をぶらぶらと見て回ることにしたのだが・・・如何せん、普段見慣れぬ活気に目を奪われていた。
世界大会が近いためか、道行く人は咲き乱れ、思い思いにそこかしここに出店された露店に集まる人であふれていた、はじめてみた活気に新鮮さを感じ、あたしはただぶらぶらと歩きながら眺めている。
そんなとき、
「おらおらーてめぇらどきやがれ」
ガラガラの濁声が響きわたる。何よ一体?人がいい気分にひたっているのに・・・。
あたしは一言文句をいってやろうと、声のしたほうにむかって歩いていく。
「どけっつってんだろ!」
「きゃあ・・・」
あたしが着いたときには、先程の声の主、なるほどこういうやつの声なのねとだれもが納得するようなごつい男にか弱い女の人が突き飛ばされたみたいだ。
こういう輩はのちの世のためにヤキ入れとかなきゃね。
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