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第163話 剣術大会⑩
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「どうした?」
「じ、じつはのぉ・・・その・・・」
ルークの問いかけに珍しく言い淀むヒルダ。
「遠慮なんてしなくていいぞ」
言いづらいことを言おうとしているヒルダに助け船を出すルーク。
「・・・お、お金を貸してほしいのじゃ」
ヒルダが小声になりながら言う。
「良いぞ」
ルークが間髪入れずに了承する。
「そ、そうじゃよな!流石に厄介になっている身で虫が良すぎるよな。すまぬ!今のは忘れて・・・って、え?今何と言った??」
ルークの言葉を理解する前に否定されたと思い喋り出すヒルダ。
言い終える頃にルークが否定していないということに漸く気づく。
「良いぞと言ったのだが?」
「よ、良いのか?」
ヒルダが驚きながら確認する。
「ああ。実はヒルダがミリーナの方じゃなくこちらに付いてきた時点で薄々気づいていた。『剣術大会』で稼いで費用の足しにしたいんだろう?」
「!?・・・お主は頭も切れるのじゃの。そうじゃ、お主の言う通りじゃ」
ルークの言葉にヒルダが驚きながら肯定する。
「怒らぬのか?」
「ん?何故だ??」
「だってそうじゃろう。我のような厄介事の塊のような子どもを連れて歩いているのでさえ重荷なのに。金まで貸せと言っておるのじゃから」
ヒルダが俯きながら答えると、ルークは椅子から立ち、ヒルダの目の前にしゃがみ込む。
そして俯いたヒルダの視線に入るようにしてからこう言った。
「これだけは覚えておいてくれ。俺も、そしてミリーナもヒルダのことを重荷になどと思ってなどいないことを。こう言うとヒルダこそ怒るかもしれないがヒルダはまだまだ子どもなんだ。だから好きなだけわがままを言って良い。悪いことをしたら怒るだろうが、ヒルダの願いは俺たちのプラスになるように思ってのことだろう?なら怒るわけない」
「ルーク・・・ありがとうなのじゃ」
ヒルダがルークの言葉に肩を震わせて礼を言う。
ルークは続けて、
「せっかくだから言っておく。これから先ヒルダは自身の生い立ちのせいで辛いことに遭遇することきっとあるだろう。たが、一人で抱え込むなよ。俺たちは仲間なんだ。それだけは約束してくれ」
「・・・ああ、わかったのじゃ。ほんと、お人好しじゃぁ」
今度こそヒルダは涙を流しながら、ルークと約束をした。
どこの世界につい最近まで長い間戦争をしていた宿敵の王女を迎え入れる仲間がいるのだろうか。
しかも、その内の一人は最も深く関わってきた男なのだ。
ヒルダは自国でさえ疎んじられ始末されかけたと言うのに。
(本当に、ルークやミリーナには感謝しかない)
ヒルダは初めて受ける優しさに心が満たされるのを感じたのだった。
「じ、じつはのぉ・・・その・・・」
ルークの問いかけに珍しく言い淀むヒルダ。
「遠慮なんてしなくていいぞ」
言いづらいことを言おうとしているヒルダに助け船を出すルーク。
「・・・お、お金を貸してほしいのじゃ」
ヒルダが小声になりながら言う。
「良いぞ」
ルークが間髪入れずに了承する。
「そ、そうじゃよな!流石に厄介になっている身で虫が良すぎるよな。すまぬ!今のは忘れて・・・って、え?今何と言った??」
ルークの言葉を理解する前に否定されたと思い喋り出すヒルダ。
言い終える頃にルークが否定していないということに漸く気づく。
「良いぞと言ったのだが?」
「よ、良いのか?」
ヒルダが驚きながら確認する。
「ああ。実はヒルダがミリーナの方じゃなくこちらに付いてきた時点で薄々気づいていた。『剣術大会』で稼いで費用の足しにしたいんだろう?」
「!?・・・お主は頭も切れるのじゃの。そうじゃ、お主の言う通りじゃ」
ルークの言葉にヒルダが驚きながら肯定する。
「怒らぬのか?」
「ん?何故だ??」
「だってそうじゃろう。我のような厄介事の塊のような子どもを連れて歩いているのでさえ重荷なのに。金まで貸せと言っておるのじゃから」
ヒルダが俯きながら答えると、ルークは椅子から立ち、ヒルダの目の前にしゃがみ込む。
そして俯いたヒルダの視線に入るようにしてからこう言った。
「これだけは覚えておいてくれ。俺も、そしてミリーナもヒルダのことを重荷になどと思ってなどいないことを。こう言うとヒルダこそ怒るかもしれないがヒルダはまだまだ子どもなんだ。だから好きなだけわがままを言って良い。悪いことをしたら怒るだろうが、ヒルダの願いは俺たちのプラスになるように思ってのことだろう?なら怒るわけない」
「ルーク・・・ありがとうなのじゃ」
ヒルダがルークの言葉に肩を震わせて礼を言う。
ルークは続けて、
「せっかくだから言っておく。これから先ヒルダは自身の生い立ちのせいで辛いことに遭遇することきっとあるだろう。たが、一人で抱え込むなよ。俺たちは仲間なんだ。それだけは約束してくれ」
「・・・ああ、わかったのじゃ。ほんと、お人好しじゃぁ」
今度こそヒルダは涙を流しながら、ルークと約束をした。
どこの世界につい最近まで長い間戦争をしていた宿敵の王女を迎え入れる仲間がいるのだろうか。
しかも、その内の一人は最も深く関わってきた男なのだ。
ヒルダは自国でさえ疎んじられ始末されかけたと言うのに。
(本当に、ルークやミリーナには感謝しかない)
ヒルダは初めて受ける優しさに心が満たされるのを感じたのだった。
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