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第167話 剣術大会⑭

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騎士詰所に入ると騎士達が皆して慌ただしくしていた。

「ここも凄いのじゃ」

ヒルダが驚いて呟く。

「ほんとね。さて、どこに行けば良いのかしら」

ミリーナは騎士詰所の中を見渡すが広すぎるのと皆が慌ただしく動きすぎていてどこに行けば分からない。

ミリーナが騎士詰所の入口で右往左往してから少しの後、ルークが徐ろに呟く。

「・・・まさかこの街で再会するなんてな」

「えっ?ルーク、どういうこと?」

ミリーナが振り返るがルークは、答えずヒルダを伴い庇うように後ろにやる。

ヒルダもわけが分からなかったが黙っていることにしたようだ。

しばらくした後、騎士詰所の入口が何者かの手で開けられる。

現れたのは赤い髪をショートカットにした美人であった。

その後ろには長い黒髪の男が付き従っている。

「おや、知った気配だと思ったらやはりあなた達でしたか。ルーク殿、そしてミリーナ君」

「え、メリッサ様?どうしてここに??」

現れた一人は近衛騎士所属第二部隊隊長メリッサ・カイザスであった。

「毎年『剣術大会』の主賓に招かねたのだよ。例年だと国王様とレギアス様がいらっしゃるのだがあの事件でまだ落ち着いて無くてな代わりに私一人で来たというわけだ」

「そうだったのですね」

「ルーク殿お変わりが無いようで何よりです」

メリッサが一瞬ヒルダを見てから言う。

「メリッサもな」

ルークは、その視線に気づいてはいるが何も言わずに言葉を返す。

「メリッサ様」

会話に入るタイミングを待っていたのだろう。

メリッサの後ろに控える男がメリッサに声を掛ける。

「そうだったな。こちらはボルンの街の騎士団団長マロウ・ハザ一級騎士だ」

「ご紹介に預かりましたマロウです。以後お見知りおきを。ルーク殿、ミリーナ特別班班長のお噂はよく聞いております」

長い黒髪の男・・・マロウが頭を下げた。

ルークとミリーナも頭を下げ、挨拶をする。

「あの、メリッサ様」

「ん、どうしたミリーナ君」

「この後お時間御座いますか?実は、メリッサ様に報告しようと思ってこちらに来たのです」

「今日やることは終えているので問題ない。マロウ、会議室は借りれるか?」

メリッサがミリーナのお願いに返事をし、マロウに尋ねる。

「はい。大丈夫です。今の時間なら第2会議室が空いております。ご案内しましょうか?」

「いや、場所は分かっているから問題ない。では、ルーク殿、ミリーナ君、そしてそちらのお嬢さん。付いてきてください」

そう言って先を歩き出したメリッサに三人が着いていった。
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