戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第168話 剣術大会⑮

「さぁ、入ってくれ」

メリッサに案内されたのは、長机一つに椅子が左右に5脚ずつ合計10脚設置してあるだけの殺風景な会議室であった。

「なかなか実用的だな。壁が厚い」

軍の会議室を思い出しながらルークが呟く。

見た目は殺風景だが、壁が厚く防音性が高いということに気づいていた。

「そうでしょう。中身は殺風景ですが、大事な話をするには持ってこいの場所です」

メリッサがルークの呟きに相槌を打つ。

ミリーナとヒルダは何も言わずに入ってきていた。

「どうぞ、お掛けになってください」

メリッサが椅子に座るようにすすめる。

「失礼する」

「失礼します」

「失礼するのじゃ」

とそれぞれが椅子に座る。

それを確認してからメリッサが3人と向かい合うように座った。

席の配置は、ルークが一番奥、ミリーナが真ん中、ヒルダが一番手前でそれぞれの椅子が一つずつ間ができている。

そしてメリッサはミリーナの真向かい・・・5脚の椅子の内の真ん中に座った。

「さて、ミリーナ君の報告の前に君には先に礼を言っておく。ゼーラの街でのことだがミリーナ君の手紙のお陰で状況把握がスムーズだったからな。ありがとう」

メリッサがミリーナを見て礼を言う。

「いえいえとんでもないです。報告するのは当然のことですから」

「そうか。これからも頼む。それにルーク殿、あなたのお陰でゼーラの街の領主様が無事でした。あの方が居なくなっていたら大変処ではなくなっておりました。本当にありがとうございます」

メリッサがルークの方に向かって頭を下げた。

「成り行きだ。気にしなくていい」

「ふふ。あなたはいつも成り行きといってさも当然のように色々成し遂げられますね」

メリッサがルークのいつもの態度に笑みを浮かべる。

「・・・偶然だよ」

期待されても困るのでそうとだけ言っておく。

ふとルークがヒルダを見ると話題についていけないながらも興味津々そうな様子であった。

ルークは無事にこの局面を逃れられたら後で話してやろうと心に決める。

「左様ですか。ではそういうことにしておきましょう。ところでミリーナ君、今君がここにいるということは私からの手紙を受け取ってはいないということで良いか?」

メリッサがルークの言葉に同意した後、ミリーナに問いかける。

「はい。おっしゃる通りです。ご返信頂いていたのですね。受け取れず申し訳ございません」

「気にしなくて良い。ちょうどいいから簡単に内容を話そう」

メリッサがそう言って、内容を話し出した。

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